騎手人生

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中堅の奮闘

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騎手というのは、減量が取れた後にどう乗るかを、比較的いい馬が集まる数年の間に、まだまだ頭の上がらない師匠の力や叱咤を受けて、生きる道を講じていかねばならない。

しばらくして、重賞にも何度か乗れるようになって、新人でもベテランでもない時期に差し掛かると、今度は、自身の進退を迫られるシーンに出くわす。
即ち、ある敗戦をきっかけに、という出だし好調騎手などとは違う、突然騎乗馬が少なくなってしまう立場に追いやられるのだ。
昔と違って、落馬して死んでしまうようなことはない。

怪我をして、戻ってきたら。騎乗内容に瑕疵があって、ペナルティーを科された後、戻ってきたら。はたまた、厩舎を離れて、自力で騎乗馬を集めなくてはならなくなってから…。
敵は多いが、結果として、自分の立ち位置が少し変化するだけで、その立場は危うくなる。

前置きは長くなったが、柴田大知、未崎騎手などのように、心揺さぶるようなドラマチックな展開は、まず起こらない世界だ。

4月の重賞を振り返ると、元外国人騎手2人を中心に、あとはベテランが味のある騎乗を見せて、なかなか中堅の出番はなかった。

でも、春の中山開催終盤の土曜日は熱かった。
桜花賞だけ乗れなかったアユサンが、よりによって、短期免許の騎手と共に勝ってしまった、という心が折れそうな経験をしている丸山元気騎手の駆るダンツプリウスが、ニュージーランドTで初重賞制覇を果たしたこと。

翌週、デビューから数年は平地を含め、二桁は何とか勝てていたが、ここ10年、ほとんど障害を主戦場としていたせいもあって、5勝止まりの年が大半だった石神深一騎手が、早くも今季4勝目とした中山グランドJで、前を行くサナシオン、ブライトボーイらをつかず離れずの追走から、最終障害飛越後、ハイお疲れさん、とサナシオンらを置き去りにした、ベストライドを見せてくれたこと。

父が高崎の名手だった丸山騎手。妹弟子として藤田菜七子騎手が入ってきた今年、8年目になった。
石神騎手は、来年でもう35歳。

吉田隼人騎手のように、運命の馬との出会いを自分の好機とし、結果、相方と一喜一憂出来るようになれば、その騎手人生に悔いは残らない。
 
 

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