天皇賞(秋)

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魔物よ

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サイレンススズカ、ルドルフ・テイオー親仔、古くはトウショウボーイとグリーングラスらが、府中の魔物に囚われ、名誉を浴すことなく散った。目標が先にあったせいなのか。
TG対決は、来たるTTG揃い踏みの有馬記念の1か月前。最強の父仔には、JC制覇の大目標があった。

サイレンススズカの場合、あの勢いなら絶対負けるとは思えなかったのだが、行く末の夢想が落とし穴になったのか、脚を壊し、悲しい記憶を刻み、天へ召された。
俺のことを忘れていないか。
魔の2角と呼ばれた外枠不利のコースで、1枠を引きながら完走できなかったスズカの無念は、本当に成仏したのか。
1番人気が飛ぶたび、つい…。

90年代前半、ステイヤーが1番人気になってよく消えていた頃、昔の3200Mだったらなんて思ったり、またエアグルーヴ、ヘヴンリーロマンス、トーセンジョーダンと、札幌記念の勝ち馬がレース間隔への考慮という意味でも、秋3連戦の戦い方が見えてきたと思いきや、そのあとは着順が落ちていくだけと、盾獲りの課題は残り続ける。

ウオッカが変えた、1分58秒の壁・破壊。
それ以降、前レコードホルダーの娘・ブエナビスタが台風通過後の稍重馬場を颯爽に駆け抜けた時以外、見事後戻りすることはなく。
時計一つ変わるだけで世界が近づいた気がしたが、それは早計だった。
シンボリクリスエスが宝塚敗退後、1年越しの府中・天皇賞で連覇達成を果たして、前記のブエナとメイショウサムソンも全く同じ流れで、タマモクロスが遺した王道を進むも、彼もここを勝った後連勝がストップしたように、皆それに続いている。
競馬の進化を、魔物は喜んでいる。

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