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福島牝馬Sの逃げ馬

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ヴィクトリアマイルの優先出走権を得られたところで、福島牝馬S好走馬が勝負になることは稀である。
ただし、ローカル仕込みの大胆な先行策は、大舞台での武器になる。
あのあわやのシーンは、ごくごく自然な理由があってのこと。
何も突然の出来事ではない。

今年はウオッカで堅いだろうと思われた09年には、福島牝馬S優勝のブラボーデイジーが2着に入るという、今までにないケースに出くわして、皆びっくりしたことがあった。
ドタドタ馬場を味方につけて、重賞実績では遥かに格上を相手に先行押し切り。
その福島での厳しい経験は、強敵にひるむことなく戦える精神力を与えた。

GⅠ馬の復活勝利やレース史上初の連覇達成馬が誕生した後は、今度は本番での主役級の馬を2頭送り込むことに成功した。
15年ヴィクトリアマイルの影の功労者たる2着ケイアイエレガントはその前年の福島牝馬S優勝馬、3着ミナレットはその年の5着馬である。

前年に器用な立ち回りができる強みを活かして、春の牝馬重賞で連続好走していたケイアイエレガントは、福島で逃げ切り勝ちした後、本番では6着。
以後、順調に使えなかったことは、大型馬ながら気のいいタイプであったから、休養十分の1年後の激走の伏線となった。
ミナレットは騎手によって策が変わる馬で、明らかに短距離型。
オープン勝ちの時が、中山のミドルで他コースでは結構いい流れでの逃げ切り。
その時と似た展開で、今度は前に2頭置く位置から粘り込んで、適性外の条件で5着。
人気ガタ落ちで、江田照男乗り替わりであれば…。

己の限界に挑むような11秒台前半のラップを5度も叩き出す猛ペースを作ったミナレットは、直線でも見せ場たっぷり。
しかし、離れた2番手からフレッシュなグラマラスボディで早めの仕掛けで捉えたケイアイエレガントは、直線の後半はずっと主役だった。
ところが…。
ストレイトガールの決め手は想像以上であった。

歴史的名牝の末脚をアシストしてしまった彼女たちは、GⅠには欠かせない意義ある脇役である。
同時に一歩間違えればの結果でもあるから、今後もチャンスはいくらでも訪れるはずだ。

 

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