ダートと長距離の血
中央のダートGⅠを両方勝った馬は5頭。双方で連対したことのある馬は、これに3頭加わり計8頭いる。
うち、シーキングザダイヤ以外の7頭の共通項として、父か母父が芝の2400M以上のGⅠを自身若しくは産駒が勝っている。例外はどこにいってもGⅠを勝てなかった馬。
旧JCダート時代の勝ち馬は、クロフネ・カネヒキリ以外皆このステイヤーの血が入っている。
例外の2頭は、前者が砂不敗で後者が3着を外したのがドバイWCと2年半ぶりの実戦で前が詰まって何もできなかった武蔵野Sだけという最強クラスの馬。
フェブラリーSは、馬場改修を挟んで微妙に変化した。
03年中山1800戦を勝ったゴールドアリュール以降の勝者は、前記のカネヒキリや昨年覇者コパノリッキーなど例外は多いが、以前6年で3頭から以後11年間で7頭が該当に増加。
同じ競馬場の安田記念が、改修後の共通する期間で同一の傾向を示している点からも、単なるスピード型では太刀打ちできなくなった。
ただ、逆に菊花賞の傾向も変化をしている。
セイウンスカイが98年に革命的なレコード更新を達成以降、レースレコードが発生するたび、
06年ソングオブウインド・父エルコンドルパサー<主な産駒・ヴァーミリアン>
14年トーホウジャッカル・父スペシャルウィーク<帝王賞馬・ゴルトブリッツ>
という、ダート向きの傾向も示す種牡馬の産駒が勝っているのだ。
事の真相は、芝中距離の充実とその枠から漏れた種牡馬の再就職場所を端的に示した結果だということ。
悲しくもあり、生存競争の在るべき姿でもある。