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春のクラシックと福永祐一を考える<前編>

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今年のダービーは、例年以上に良かったという声が多く聞かれる。

福永祐一が悲願成就となった結果もさることながら、特に展開が面白かったわけでもないのに、極めて高水準のペース判断と騎乗技術でワグネリアンのレースに、半ば強引に持ち込んだ、「大外枠の不利」を全て逆手にとった積極策を皆が高く評価している。

それはライバル陣営、特には、人気のあるなしに関わらず、そこに参戦した敵である同僚騎手がそう思っているのだ。

そういうことが起きるのは、得てして、2パターンある。

ひとつは、海外のトップジョッキーやいっぱい勝てる理由がたくさん詰まっている2000勝騎手の一点のミスもない騎乗が、レースをコントロールしたケース。

キタサンブラックやゴールドシップで散々見せつけられた、騎乗馬に合わせて、同時に相手の良さを奪う騎乗の数々や、欧州型騎手に見られる「内から外へ」の基本を絶対に変えないことで起こるスマートな差し切りのレース。

それを見せつけられると、ライバルは白旗を揚げることしかできない。

ただ、もう一つある。

「皆が密かに期待していた結果」

日本ダービーこと、東京優駿競走というレースは、それが延々と繰り返されて来た。

的場文男騎手がずっと東京ダービーを勝てないことが、佐々木竹見氏の騎乗数や勝利数をどちらも上回っていく原動力になったように、福永騎手にだって、意地があるのだ。

そういうことは、得てして、欲しいタイトルがまず最初のチャンスで奪えなかったことも影響したりする。

皐月賞は今年も勝てなかった。

岡部騎手のように、欲しいものを全て一気に…、とはなかなかいかないものだ。

川田、内田、安藤ら、剛腕系の騎手にそれは見られたが、今年は全く違う。

スマートな騎乗が身上の戸崎騎手が皐月賞を制し、ダービーは福永騎手だったのだ。

何か理由がある気がする。

「本当に欲しがっているものが何かが見える戦い」

ヒントは常に、逆というのが勝負の本筋ような気がした。


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