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競馬学<逃げ切り美>

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思い返せば、暴走王・ドゥラメンテ以外の今年のGⅠ馬は、皆主要競走で逃げた事のある馬だった。

ダートや短距離なら当たり前のそれを、京都の長距離戦で大逃げから2度も押し切った横山典弘騎手の手腕は素晴らしい。
セイウンスカイとイングランディーレは、まるで違う手法による逃げ切りで、前振りを利した大勝負の勝者となった。
前者は前回最後バテたようにみせて、前週の逃げ切り未完で失意の1番人気の武豊騎手を嘲笑うかのように、ハイピッチとローダウンのコンビネーションを披露し、レコード勝ち。
後者は、テン乗りを利してただただ一年前の重賞連勝時のいい頃の走りを取り戻すが如く、先週も見たようなただ一騎だけ勝負をする形を作った末に、圧倒的な差をその年の年度代表馬につけた。
でも、彼らは逃げを選択した先行馬だ。

少なくとも、前傾ラップに持ち込むことがGⅠでの勝負のセオリー。
前半が遅いというだけでは、後続の追手から逃れるのは至難の業。大一番で滅多に決まらない追い込みと同じ。
90年代まではオークス、ダービーは逃げ馬にもチャンスありの構図も、ダービーは97年のサニーブライアン、オークスも途中から先手を奪って押し切ったダイワエルシエーロを最後に10年決まっていない。スタミナへの懸念が一因だろう。

逃げの理想形が体現されやすいのが2000M。前での我慢比べがギリギリ利く距離だ。
58.1-59.7<98金鯱賞・サイレンススズカ>
今はこちらの方がそれに相応しいのかもしれない。
58.7-58.5<08天皇賞(秋)・2着ダイワスカーレット>

この二つ、武豊騎手がウイナーであることを忘れてはならない。
体内時計の正確さが歴史的シーンをアシストすることも事実だ。エイシンヒカリにかかる期待も大きい。



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