2015天皇賞(秋)予想

JUST競馬予想ブログ

天皇賞(秋)-予想-

読了までの目安時間:約 5分

 

今の時代、速い馬を作ろうとは思っても、バリバリのステイヤーを作れるような素材はないから、ある意味、無理やり距離をこなさせようと準備したところで、先週のような、まあ落としどころとすればこんなところか、などと思える結果はそう毎年出るわけではない。

実力があればこそ…。

ダービーのレベルが高い年は、必ず秋の時点から古馬のタイトル争いで互角以上の競馬をできることは立証されている。

加えて、秋の天皇賞というのは、菊花賞という少しとっつきにくいけど同期同士で戦える利点を活かせる競馬とはまるで別の性質を持つレースだから、元気が良くて、世代を代表するレベルの能力があれば、古馬相手ではまだ足らないだろうと思われても、昨年はそういう評価ではなかったけど、イスラボニータが3着している。

フェノーメノやダンスインザムードも、ジェニュインもそう、古くはオグリキャップだって2着だった。

また、フェノーメノ、イスラボニータらの1番人気に関しては、バブルガムフェローやシンボリクリスエスの鮮烈な勝利シーンを皆が意識しているからこその支持だと推察される。

そこに、ダービー馬のディープスカイも入ってくる。

斤量2kg差は、凱旋門賞でのアドヴァンテージほどではないにせよ、3歳馬にかなりの利点を与える好走要因になっていることは間違いないだろう。

ただ…。

実力だけなら、すでに古馬を上回っているかもしれないサトノクラウンは、丸々5か月の休養明け。

秋のGⅠは、時に休み明けの馬が激走して歴史的シーンを競馬史に紡いできたのも厳然たる事実だとはいえ、実力馬も休み明けならともかく…、であるから推しづらい。

それとスケール感では気持ち劣るかもしれないが、すでに古馬との対戦を済ませているアンビシャスが、幸運にも中2週でこちらに回ってこれた上に、2番枠を引いた強運もあるから、奇しくもすぐ外に入ったサトノクラウンとの初対戦は、かなり有利に戦えるのでは考え、逃げ馬の作れるペースに限界があることも含め、古馬一蹴を期待する。

その逃げる目されるエイシンヒカリだが、今回は結果的には、昨年のアイルランドTくらいの逃げになるかもしれない。

スピード馬が増え、シルポートの特異なハイラップは置いておくにしても、近10年で逃げ粘って好走したのは、レコード決着時のダイワスカーレットただ1頭。

逃げ馬のスピードを最大限活かすには、単に引き付けるだけではなく、自分のペースに巻き込ませることも重要だということ。

賞金面もあってか、この後のレースとは存在価値がどうなのかと思われるような年もあれば、今年のようにここが目標の一つである馬が多い年もある。

逃げるのは間違いないのだから、遅い先行策は自滅の第一歩。

それをできるかが問題なのだが、気難しさがある割には、意外と早くイーブンペースに持ち込まないといけない性質があるから、周りはそれを放っておかないような気がする。

ある程度までは粘れると思うが、500kgの馬の割に、豪快さに欠ける部分はある。3番手まで。

出るか出ないか。

いや、それはデムーロもそうだからな。

大問題はあっても、時として鮮やかすぎる手綱捌きをみせる可能性も同時にある。

エイシンフラッシュの時も、イン強襲は完璧であったが、翌年のJCは抑え込めずの下手な逃げに出て、レースを壊してしまった。

よし、今回は勝って壊してもらおうじゃないか。

ディープにエルコン、母母父レインボウクエストの代表産駒はサクラローレル。

無骨さをここまでは見せてこなかったアンビシャスは、実はGⅠを使われることで才能が開花するタイプだと思う。

だから、M.デムーロは適役なのだ。

相手には、パワー勝負に持ち込みたいイスラボニータ。今回は、問答無用でエイシンヒカリを競り落としに行くはずだ。

 

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クラシック路線総括 -牡馬編-

読了までの目安時間:約 3分

 

二冠馬ドゥラメンテのいると、そのレースが多少なりとも壊れる。
また、彼に先着した馬、接近した馬は、決まって勝ち味に遅いタイプだった。
そして、2度の接近に成功したリアルスティールは骨を折り、それを免れたちょっと遅い先行馬のキタサンブラックは、乱ペースに惑わされることなく菊花賞を勝った。

今の時代、ドゥラメンテほどの馬が三冠を目指していたかは、自身の故障により、もう誰も考えられなくなってしまった。
ヴィクトワールピサは、3歳秋遠征を経験し、JC3着後に3連勝して、世界の名馬へ昇華した。

歴代2位の皐月賞と、父のダービーレコードを更新したサラブレッドに最高の価値を付け加える要素というのは、簡単には見つけられない。
血統も申し分ないの馬の未来は、死の性質によって、潰えたり、夢を繋げられたりと様々展望できる。
競走馬としての死が、生命体の死と直結するのが常の世界にあって、膝の剥離骨折という軽微な故障は、未来の大活躍を予期させるのに十分な休養期間を作った、神からの贈り物のように思う。

彼が元気だったとしても出てきたかどうかは分からなかった菊花賞は、結果として皐月賞2、3着馬が入れ替わって、神戸新聞杯楽勝の上がり馬がその次に入る平穏な決着に終わった。

春二冠でまともに競馬できなかったスピリッツミノルが、最後の最後で逃げ馬らしい形を作ったことで、全体の時計も平凡に。
向こう流しで何頭かが、彼の作る逃げのリズムを破壊しようとしたが、結果だけ見れば、スピリッツミノルペースは異質な存在のレースにおいては、正しい流れであったことを示している。
しかし、それがために、距離不安の馬ばかりの競馬が荒れず、綺麗に大団円の結末を迎えてしまったとも言える。

リアルスティールは、距離、自在性、気性の主要素において、どれ一つとも突きつけたものがなかったのが虚しい結果に終わった理由だろう。
彼の大切な何か壊したのは、共同通信杯で出会ったあいつなのか。今にして、ふとそう思った。

 

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遅いディープという矜持

読了までの目安時間:約 3分

 

ジェンティルドンナという馬は、ドナウブルーを姉に持ちながら、何故か2400Mで強かったのだが、基本距離のマイル戦での最高時計1:34.3<シンザン記念優勝時>からも分かるように、速い馬ではなかった。
オークスでは2:23.6という大記録を出しながら、JC初勝利時の2:23.1で自己記録更新後、秋の天皇賞で1:58.2という今では大したことのない走破記録以外、はっきりと遅い時計でしか走れていない。

クラシック時点のライバル・ヴィルシーナが、マイルで1分32秒台を3度も記録しているのとでは、明らかに一線を画す適性の差。
その癖、昨年の宝塚記念は時計平凡にも拘らず、生涯初の先着を許すのであった。

配合こそ違えど、キズナも似たようなところがあって、両者とも日本よりは時計を要する洋芝の大きなレースで、タフな競馬を制している共通点もある。
距離をこなせるから、遅くなる。

対照的に、父のディープインパクトは速かったが、速いから長距離GⅠを勝てたわけではない。
レース展開によって5秒は時計が変わってしまう3000M以上の競馬で、それぞれ違った形で快勝できたのは、ゆっくり仕掛けるのに適した馬体と飛ぶように走れる特殊な脚の関節を持っていたから。
オプション一つで努力可能な領域を拡大できる。これが才能の差なのだ。

産駒は総じて、出来がいいから距離をこなせるとは限らないが、遅くなる要素を母系の血から求めることで、この産駒はいかようにも変身する。

キズナと母父は共通のリアルスティール。
歴代2位の時計で決まった皐月賞は2着、ダービーレコードの2400戦は4着。
時計が遅くなった神戸新聞杯で2着。菊も中身は大差なく2着止まり。

牡馬クラシックは、速さが優先されにくい舞台設定であるから、タイトル一つだけの場合は、余程のことがない限り古馬チャンピオンにはなれない。
総合力というファクターは曖昧でも、速さで勝負は決まるから、その度合いでいえば、リアルスティールのバランスが少々お上品すぎたのかもしれない。

 

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空手形にする男

読了までの目安時間:約 2分

 

曰く、

「うっせー!って恫喝したのかもしれないし。本当のところはわからないけど」(横山典弘)

その通りであろう。

菊花賞の直前、天皇賞に出るわけでもないゴールドシップの大切な調教審査が行われたのは、週末の出走馬が決定する先週木曜日だった。

「気ぃ遣ってな」(須貝尚介)

鞍上も周りにいる他厩舎のスタッフに無言の圧力をかける。

いや、彼がそこにいるからなのか、近づくなオーラを極限までに張り詰めることで、本来、レースへ挑む環境とはまるで異なる静謐な空間を作り出し、2度のゲート発走をあっさりと無難にこなすのであった。

曰く、

「しょーもない茶番やったな」

わかる人には聞こえる、馬にはわかるその声を、馬を育てているわけではない競馬関係者に理解できるかは、それぞれの感性によりけりだろう。

それしかやることがない。

きっと、JRAの発走委員にしても、さすがにプロだからわかっているだろうけど、この茶番を一つの制裁策として実行することで、もうあとは調教師さんよろしくという、丸投げ状態であることは察しがつく。

「俺はスタートはうまいんだ」

お世辞にもうまいとは言えないが、自身へのその過大評価を鵜呑みするほど馬鹿じゃない人間が、しかし、下手だと思って接するのとそうでないのとでは、馬に与える心的影響が大きく変わってきてしまう。

人間なのである、彼は。人に育てられたから、人になったのだ。

そんなこともわからない奴らに…。

空手形の乱発は、人心に悪影響を与えるのみだ。

 

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ジャパンカップ展望

読了までの目安時間:約 3分

 

仏・香港・米でGⅠ3勝。それよりはいつも強い馬の2着というイメージのフリントシャーの参戦は、大変意義のあるものになりそうだ。本当に来るかは、正直不確定の部分はあるけれども。

血統面では、ノーザンダンサー系がふんだんに入った近親交配を施されているうえに、効果不明のイルドブルボンの4×4もついている。
ただそれは、父ダンシリが共通のハービンジャーとよく似た特性だから、不安な面ばかりではない。凱旋門賞のように極端な3歳優先主義的斤量設定とはならない日本のGⅠは好条件の選択肢の一つであろう。
本命にはしづらいが、人気になるだろうから意識は必要だ。
まあ、日本で能力立証済みのキングマンボ産駒であるアルカセットがレコード勝ちする図が、後から考えれば当たり前であったこととは少し差を感じなくもない。
1年遅かったか。

一方、その他外国勢よりは、血統水準が一見まともに映る日本総大将の選出は、難航を極める。

あのへそ曲がりの帝王が有馬記念のステップにここを使うとのことだが、前走とのレース間隔が2か月半以上開いた休み明けのレースで、京都大賞典しか不発に終わっていないことは、最低限考慮はすべきだろう。
春の天皇賞を勝って、秋はじっくり有馬記念に照準を合わせて調整される馬のこと。
昔気質のレース選択は、案外侮れない。休み明けの馬は消しの定説は、こういうタイプに打破されるものだ。

3歳では、菊花賞負け、回避組の好走率が高い。
が、菊組はデルタブルース以外は、ドリームパスポートはディープの凱旋レース、ローズキングダムは1位入線馬の斜行を味方につけて2位からの繰り上げ1着と、特殊すぎる競馬で参考にはならない。
ジャングルポケットの時もテイエムオペラオーラストイヤーだったし、ザッツザプレンティは重馬場。ジェンティルは女に弱い三冠馬が相手だった。

3歳では、サトノクラウンが現状の有力候補。
ショウナンパンドラは面白いけど、オールカマーが余計だったような…。

 

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新馬回顧<10/24・25>

読了までの目安時間:約 3分

 

マイル戦が東西で行われた土曜日は、ともに何とも言えない決着に。
ファイアクリスタルの勝った東京の牝馬戦は、そもそも混戦ムードだったので7番人気快勝も不思議ではなかったが、京都内回りの方は、ブルーメンブラットの仔・クラシックリディアが勝ったのに、しょぼんとしてしまうような結果に。
断然人気に推されていたヴィブロスは、番手から抜け出しにかかったのだが、伸びきれず。ハービンジャーブームに押された格好で、己の勝負弱さを露呈する形に終わった。

東の2000Mも断然人気馬はだらしない2着だったが、スロー逃げ切りのリスペクトアースは、マンハッタン×ストリートクライの大型馬で先行粘りこみでの強さを示した印象。力通りだと思う。
京都ダ1400は、Dメジャーの騸馬・クリスタルタイソンが牝馬を大勢引き連れて快勝。確かに、半数以上は女の子だったが…。

日曜日も秋晴れ。
東京の2戦はともに楽勝の結果。
ダ1600で4馬身差逃げ切りのストロングバローズは、大型のマインシャフト産駒。芝1400で坂上から抜きぬけたロジータの孫メイプルキングは450kgの中型馬。
人気も体型もまるで違うが、恐らく、本質的な適性に大差はないように思う。成長してくれると嬉しいが。

京都は芝が2戦。
ルミナスハーバーの牝駒がゴール前ぐいぐい伸びた1400戦は、混戦ムードを1強のレースに変える強さが目立った。
ユーイチの牝馬。アットザシーサイドの名は覚えておきたい。
2000Mの方は、皆の想定よりは前に行き、4角から仕掛けて押し切ったハービンジャー×ディアデラノビアという良血のドレッドノータスが一枚上という競馬で快勝。
ただ、ユカタ騎手の本音は、マイルならもっと楽なのに…、という感じだろう。

新潟ではマイル戦が行われ、誰もまっすぐ走れない直線の攻防を尻目に、ワンスインナムーン悠々逃げ切った。アドマイヤムーンの小柄な牝馬だが、タフな馬場が合いそう。

 

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菊花賞 -回顧-

読了までの目安時間:約 5分

 

人気馬がだいたい力を出し切ったように映ったのだが、きっとこれは波乱である。

血統の持つ可能性の拡大解釈をしたところで、母父サクラバクシンオーが距離延長にプラスになるわけはないし、ブランディスという障害の名馬が配合次第ではなんとでもなるという証明をしたのとは対照的に、キタサンブラックという馬は、京都の直線平坦に向く適性しか見出せない配合であることは間違いないだろう。
ジャッジアンジエルーチ、リファールといった単調にもズブくもなるローカル向きのような血統が入り込んでいるのに、何故菊花賞を勝ってしまったのか。

これも後藤騎手の遺産であろう。
新馬戦は東京の1800M。差し切り勝ちだった。
2戦目からこの日までほとんどのレースで手綱を握る北村騎手は、上がりの速さでは勝負できないけれど、どこかでそういう普通の差す競馬をできる機会を伺えるだけの信頼を陣営から得ていた。
ほとんどお任せ状態だったのだろう。

もう一つ。
ドゥラメンテにけちょんけちょんにやられていた馬が、ゴールシーンでは首の上げ下げの争いをしていた。
レースの中身は、春のスプリングSと似たようなものだったか。
そして、皐月賞でほとんどパフォーマンスを落とさずに好走した2頭が、ダービーで見せ場を作れず、秋にまた走った。

縁の積み重ねによって、北村&キタサンブラックの黄金タッグが熟成され、菊花賞戴冠へと繋がったのは言うまでもない。
しかし、やはり波乱である。
差して勝負できなかった馬が、急に差してきてGⅠを制したのである。

豊かなスピードが持ち味になるのは、得てして、気性面で危ないところを見せることの多いブラックタイドの産駒の特徴でもある。
抑えて、内で脚を溜めて…、がハマるなんて滅多にないこと。
勝因を縁に求めることはできても、自身にその可能性を求めたならば、それは勝ったときは決まって時計が平凡な点。

スプリングSが1分49秒台で、セントライト記念は2分13秒台。
その時計をほとんど自分で形成した時にのみ走った、となれば、他の馬の距離不安は、思われているよりずっと深刻だったということになる。

本来は、このレースのメンバーのレベルなら、格で負けるようなことのないリアルスティールが、三冠の中では一番惜しかったにかかわらず、何とか差を詰めて届かずの内容に終始していた点からも、他の17頭は、本質的な適性を成長途上が原因となって出し切れなかっただろう下級条件組を除けば、距離不適だったのは間違いない。
逃げられなかったことは敗因の一つだろうリアファルにしても、今の京都で3分4秒を切れないのでは、正直一介の上がり馬に過ぎないというより他ない。

クラシック競走というのは、古馬のタイトル戦よりは、専門性よりもより高いレベルの順応性を要求する競馬になりやすい。
皐月賞が順当に決まり、ダービーでちょい荒れで、メンバー手薄の菊花賞となれば、必然的に上がり馬にもチャンスが出てくる。
その結果が、半年後の春の天皇賞でレベルの部分で反映されることが増えたのは、菊花賞というレースが、その特殊な距離のせいで、スピード比べをできなくなるからである。

春天はスピード能力も水準以上のものが求められるが、菊にそれが必要とされるとは限らない。
今年の菊花賞で感じたのは、確かに使うことに意味のあるレースだというのは間違いないのだろうけど、あまりにもスピード化の進みすぎた今のサラブレッドの能力では、違いを見出すファクターが、時に、遅く走る能力の方を重視する展開へと繋がる可能性を示しているように思う。

他の馬とキタサンブラックの違いとは、鋭さを求められない場面での無類の強さだろう。
ダービーはレコード決着。ただでさえ消耗するその舞台で、まったく輝くことのなかった彼が、秋の淀で祭りの熱唱をファンとともに聞き入れることになったのは、その負け方に納得できるものがあったからである。
ただそれは、菊花賞の凋落の第一章となる可能性を暗示している。

 

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菊花賞 -予想-

読了までの目安時間:約 5分

 

マッサビエルに期待する。

前走の内容は、あまりにも悲惨で見せ場全くなしの13着。

今回だって14番枠だから、やれることが限られるのは間違いない。

そうなると、3歳春の時点で東京の2400Mで古馬を打ち破った実績や父のハービンジャーや母父サンデーサイレンスというよりは、そのもう一代向こうに光り輝くように鎮座するGⅠ5勝の女王・メジロドーベルの京都に対する適性など、夏になるまでは金看板として使えていたバックボーンに由来する確かな根拠を引き合いに出しておけば、菊花賞という3歳限定戦の中ではまだ持ち堪えることができる程度の推し材料にはなるだろう。

しかしだ。

先週も去年のデジャブの秋華賞だった。高速決着になることは容易に想像がつく。

芦ノ湖特別とコンマ1走破時計を更新しながら、一方は楽勝で、もう一方は多重苦があったとは言うものの惨敗だったのである。

これは、どうしてもネックになる。

でも、筆者はそう思っていないから、本命にしたのだ。

極めて端的に表すならば、ダンチヒ系だということ。

気難しいマイル以下に向きそうな性質といったイメージは、90年代にすでに、その直系の孫にあたるチーフベアハートがアメリカの実績通りくらいにJCで4着していたから、高速化が進んだとはいえ、その仔が春の天皇賞を勝った時点で、もう前時代的な発想となっている。

加えて、ハービンジャーの父ダンシリは凱旋門賞馬・レイルリンクも出しているように、自身のマイル適性も伝えつつ、その母父にあたるカヤージ(中山GJ3連覇のカラジの父)の父系・ニジンスキーのラインが継承する長い距離におけるスピード決着への対応力を体現し、成長力に富んだ、ある意味日本人好みの血脈の後継者で、自身もそのように大成していった。

確かに、東京、京都で極端な速い決着は苦手であろう。

上がりが速すぎるのも当然不得手とする条件だ。

しかし、マッサビエルに感じる可能性は、じっくりと構えつつ、消耗することなく三分三厘から仕掛けていったときに、最後の最後まで絶対に挫かれない勝負根性とそれに伴って引き出される確かな末脚が、かなり大きなところを目指せるだろうものだと思うのだ。

2400Mで2分28秒台でしか走れない馬は、当然のことながら、すぐにダービー、ジャパンカップで即通用するわけがない。

言わずもがな、それが日本調教馬であれば当然そうなる。

でも、昨年のトーホウジャッカルが、もしかしたら神戸新聞杯も勝てたかもしれないという内容でトライアルを乗り切って、本番も不世出の馬のように思わせるほどの時計で駆けてしまう能力が、事前に走りの中で判然としていたかと言われれば、それは嘘になる。

今年は、リアファルがいけばスロー必至、それ以外が行けば先週の再現もある。

皐月賞、ダービーとも逃げが不発だったスピリッツミノルも今回行ききれれば、平均ペースくらいは作れるだろうし、逃げに賭ける時はスローにはしない横山典弘騎手のミュゼエイリアンのハイピッチの逃げも今回はありうる。

距離不安のある人気馬が多く、仕掛けが遅れる場合、それが伸びきれないのはほとんどが、超スローかその真反対の展開かのいずれかだ。

外から差してきたことしかないマッサビエルにも、ロスする不安がある枠の不利と同時に、昨週見たような末脚比べでの力の出し惜しみがない有利さはある。

叩かれて、内面も一変していることを祈る。

相手は先週までの流れが簡単に途切れるとは思えないので、父の代表産駒のもう一頭のベルーフがいいだろう。サッカーボーイの一族には、淀の厳しい競馬が似合う。

ダービーパスの効果を見定める意味で気にしたいブライトエンブレムがその次。

同父の上がり馬スティーグリッツと変なところから煙が立って注目される名手跨るレッドソロモンと同列で、神戸新聞杯好走の2頭を押さえる。

両者とも、京都替わりが特段のプラスとは思わない。

 
参考:2015年最新血統セミナー
 

 

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新冠から再スタート

読了までの目安時間:約 2分

 

昨年の皐月賞で2着した後、年末の有馬記念では低評価を覆して2着に食い込み、今春のオーストラリアでも遠征初戦のGⅠで2着と、次こそはという手応えに徐々に変わってきたトゥザワールド。
が、前走のクイーンエリザベスS大敗後、右前脚に発症した屈腱炎の完治に目途が立たないため、現役からの引退を決定。その旨がオーナーサイドから発表された。

加えて、新冠優駿スタリオンステーションでの繋養も決まり、志半ばながら、超良血馬・トゥザワールドは競走馬生活に別れを告げ、種牡馬の道を歩むこともわかった。

2歳秋のデビューからコンスタントに使われ、12戦4勝という通算成績。
重賞は弥生賞の1勝のみだが、早い時期から時計勝負への強さを披露した内容が、前記のGⅠ好走歴と血統面のアピールポイントと合わせてみたときに、相応の評価を受け、来春の日高では引っ張りだこの人気者になりそうな予感もする。

今や、日高にだってサンデー系種牡馬はいて、超A級ではなくても、馬主孝行の馬を送り出すくらいの力は実証されている。
そんな中、GⅠを勝っていないとはいえ、父キングカメハメハでトゥザヴィクトリーという名の通ったサンデー直仔の名牝を母に持つ馬が、中小の牧場が主体の馬産地で、血の重複に悩まされずに大変重宝されるミスプロ系のトップサイアーとして君臨するシーンは、存外妄想に止まらない可能性がある。

敵に塩を送るだけで済むのか、否か。
失敗したな、と彼の生産者を後悔させるような恩返しに、これからは期待をしたい。

 

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クラシック路線総括 -牝馬編ー

読了までの目安時間:約 3分

 

2歳女王の春全休でどうなることかと思っていたら、ルージュバックが出現して盛り上がり、彼女が活躍したわけじゃないのに、全体的ないい雰囲気は最後まで続いていった。

阪神1600は、スローになる。
また、超のハイペース翌年に超のスローペースになる今の桜花賞というのは、安心して見ていられない穴馬券発生必至の可能性を秘める爆弾レースに戻ってしまったのかもしれない。
JFで人気の一角を成したレッツゴードンキが、安定感の競馬を一新させ、大胆にスローの逃げ。
あれよあれよという間に2着のクルミナルに4馬身の差をつけ、悠々逃げ切ってみせた。

同じマイルでも、東京1600Mで敗れてしまい、その桜花賞も除外されてしまった忘れな草賞優勝馬・ミッキークイーンが、オークスには間に合った。
そうしたら、1ー2ー1の圧倒的好成績。
レッツゴードンキは、オークスで揉まれてリズムを崩し、尻すぼみの戦績を残すに甘んじた。

焦点は、マイル重賞馬・ノットフォーマルの逃げ。
オークスでは、桜花賞で叶わなかった逃げを見せ、平均ペースを演出。
秋華賞では、途中からハナを奪った影響もあってか、外から猛然と上がっていって、中間点で57.4秒という前年以上のハイペースで牽引し、3歳牝馬の底力の限界を引き出した。

然るべきGⅠの展開が、コースに見合った形で繰り広げられた時、ミッキークイーンという才能は、最高のパフォーマンスを示した。
初重賞制覇となったオークスでは人気馬を最後に競り落とし、秋には、自分の型を崩してまでも積極的な競馬に徹して、結果を出した。
歴代の名牝に比肩するタフネスガールの信条は、スタートさえうまくいけば何とかなる。
それを気にする場面でうまく出られる馬が、ゲート難の扱いを受けるのはやはり間違っている。と、思いたいが。

終幕は、納得の力勝負。
ただ、クラシック有力候補の2歳女王が、3歳シーズン未出走というケースは、91年から牝馬限定になった時からは一度もない。
ひとまず、マイル重賞馬には気をつけたい。

 

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