2016年【天皇賞・秋】モーリスが5度目のGI制覇

JUST競馬予想ブログ – 血統予想・コラム

戸川牧場の真実

読了までの目安時間:約 2分

 

メジロ牧場で大切に育てられた血といえば、メジロマックイーン・デュレン兄弟を出したアサマユリの系統と、このモーリスとメジロドーベルを出したメジロボサツのラインが、主だったファミリーとして、現在も競馬の根底を支える働きをしている。

モーリスを送り出したのは戸川牧場。
GⅠ馬だけでなく、プロ野球選手を送り込んだ稀有な生産者である。
代表者戸川洋二氏の長男・大輔さんは、埼玉西武ライオンズに所属する外野手だ。

その昔は、テスコボーイの血を利して、日高の馬が本州産の馬などをねじ伏せるように制するのが基本だった。
時は流れ、世界の良血馬がわんさか日本競馬の中に取り込まれ、勝ち組負け組に分かれたが、サンデーの血も大きく拡散した。
それを母父に持つスクリーンヒーローの産駒がモーリス。
この純国産馬は、メジロの重厚な血を受けて、鈍重な未勝利馬が出てきても何ら不思議はない配合であった。

しかし、マイラーとして大成したモーリスは、天皇賞の2000Mでは距離不安さえ囁かれていたほど。
巡り巡って、社台の良血馬の方が適性はあるという評価に引っ張られ、4倍前後を行き来したオッズは、レース当日、3倍台後半で落ち着き、1番人気に応える結果となった。

戸川外野手は、まだ1軍レベルの選手ではない。
ほぼ最低年俸である500万円を得て、未来の飛躍へ、今泥にまみれて、白球を追う日々を過ごしている。
1着賞金1億超の天皇賞を、2分かそこら走っただけで勝利したモーリスは、それと同じ額を牧場に仕送りしたのだ。
ミラクルアゲイン。ライオンズファンに愛される選手が生まれた時こそ、本当の奇跡が起きる。

 

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新馬回顧<10/29・30>

読了までの目安時間:約 3分

 

曇天の土曜日は定番。3場で9鞍も同じ。
京都の新馬2戦は、共に人気馬同士のマッチレース。
が、勝った馬は強いという印象だった。

ダ1200は、ヒップホップスワンが差し返す格好でムーア騎手鞍上のスーパーモリオンの追撃をいなした。名馬ティズナウの孫にあたり、牝馬で大きすぎないのもいい。
マイル戦の方は、ムーアの逆襲。頼りないアルアインに気合いを注入し、完成期の自分の姿を自身に確認させるようにして、新馬を勝ってしまった。
ディープ×アメリカン。姉はエクリプス賞受賞の名馬だが、その道を辿るのはまだ早い。

東京は両方とも稍重馬場。キレイに差しが決まった。
京都と同じような湿り方のダ1400では、アンライバルド産駒のサンマルライバルがゴール前抜け出した。
芝の1600も、マンハッタン牝駒らしい末脚で、人気のニシノスマッシュをパルティトゥーラが捉えきった。
こちらはクラフティワイフ系なので、息の長い活躍が期待される。

京都は晴れて、他場も馬場は良化した日曜日。
東西の芝1800戦は、見どころはあったが、意外な展開に。
京都で大外一気を決めたアンセムは、エリザベス女王杯3着のピクシープリンセスの全弟。
血統からして器用さに欠くのだろうが、他が案外の小物だった可能性あり。
東京のバルデスは、ディアデラノビアの仔で父ハービンジャーだからスローは合っていたが、小柄なマンハッタン牡馬にかなり追い詰められた。
ランクは違うけれど、強い相手と戦ってどこまで上り詰められるかは、まだ疑問が残る。キレ馬ではないだろう。

東芝1400は良血牝馬のスリリングな攻防で盛り上がった。
逃げたダークプリンセスはミトラの全妹で、勝負は決したかのように見えたところ、メジロドーベルの孫・ビルズトレジャーが矢のように伸びてきて、クビ差捉えた。
血のなせる業だろう。

京ダ1800はエルデュクラージュが中団から差し切り、人気に応えた。クロフネでこれができれば、安心して買える。
シンボリクリスエス産駒ながら、新潟ダ1200圧勝のヴィーグリーズは、稍重でアメリカンの断然人気馬を負かして、またびっくり。平坦の芝もOKか。

 

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天皇賞(秋)回顧

読了までの目安時間:約 5分

 

案外の凡戦は、モーリスの独走で締まった。
エイシンヒカリ自身のポテンシャルの問題もあったが、武豊騎手の割に、普通に行こうとしてしまったのは、やはりモーリスがそこにいたから、ムーアがライバルになるから、であろうか。

上がりの勝負というより、自分の流れというのが、前半は普通くらいで、後からドンドン攻められて来ても、並ばれることさえなければ、シャンティイで見せたような強力な先行力を披露するエイシンヒカリ。
しかし、そういう能力では、モーリスも引けを取らない。

日本帰国後2戦には、色々なテーマや足かせがあった。
モーリス自身が走る気を取り戻すのに時間がかかったのと、元より、体質の弱さがある血統的な弱点があって、それこそ修正する猶予期間というのが、去年は、使えるレースの制約が休養明けのレースの連続に繋がって、結果的には充電期間をとれて連勝ができたが、今年は半年でこれが4戦目だったから、1-2-2-1とムラが出た。

ドゥラメンテのことだけに感けていられない堀調教師は、直前に意欲的な追い切りを課し、見ての通りの結果。
自分のやりやすい競馬の流れで、手応えも十分。
大外を振って出るなど、滅多なことではしないムーア騎手だが、この馬に乗る時だけは、特別仕様のノーマルライドに終始する。
勝った時の感触を知るからこそ、敢えて、何もしなかった。

出来がまずまず納得のいくところにまで到達して、工夫の必要がない気楽な立場にあったとはいえ、あくまでも1番人気。
力があるからこそ、リスクを負ってまでの無理やりな戦法は、その支持に相応しいものではない。
昨年のマイルCSを思い起こさせるような、最後はやっぱり力が違うなという感触は、鞍上ならずとも、皆が認識するような直線であった。

マイラーとしては、重厚すぎる血統の割に、ハイペースはあまり好まないモーリスが、2000M戦再挑戦で結果を出したとなると、相手になる組の動きも大きく影響されてしまう。

エイシンヒカリに関しては、確かに、出の甘さは欧州遠征を経ていることもあるから、十分予期できたことであり、そんなことは然したる問題ではなかったはずだ。
むしろ、他の組が引きすぎた嫌いがある。

クラレントに強引な手を求めても、逃げると普通の馬になるロゴタイプもベテランの部類だから、この流れに被害を直接受けたのは、武豊ペースを信じて後方からの末脚比べに挑んだ横山騎手のアンビシャスと、枠が外過ぎて工夫のしようがなかったラブリーデイだった。

しかし、彼らは4番人気以下だったわけで、厳密には居てもいなくてもの立場である。
アドマイヤゼウスが渋とく6着と健闘していたが、マイナス14kg。
ルージュバックは何とか取り繕ってマイナス4kg。

馬格が違うから直接比較しても意味はないが、結果としては、このローテは失敗であったということだろう。
馬体は何とかなりそうなところで止まっていたが、ここ2週関東馬を襲う謎のイレ込みがこの馬にも若干見られた。

中型の牝馬で紅一点。
500kg超の人気馬にも、レース間隔での不安がある中で、フレッシュさをどう活かそうかというローテを組み、結果は明暗分かれてしまったが、それもこれも、クラシック戦線でろくに賞金加算できていなかった馬の辛さだろう。

またしても、内面が伴わない状態で出走することになってしまった。
牡馬がどうこうというのはないけれど、牡馬と連続してオープン戦を使うには、あまりにも線が細かった。
牝馬なので、そうそう長期の現役生活は選択できないが、デビュー時から体が増えないこの手のタイプは、どうしても頭打ちの懸念が付き纏う。

そういえば、日曜日の4Rを勝ったのは、モーリスと同族のメジロドーベルの孫・ビルズトレジャーだった。
なかなか届きそうもないところから、前が止まったわけでもないのに、まさかの差し切り勝ち。

クラシックホースが頭打ちになっている中、在来牝系の持つ、底知れぬ破壊力を体現するモーリスには、中長距離に向く重厚な種牡馬が多数配合されている。
エンジン空ぶかしで3歳時は未勝利に終わったが、関東にホームを移してからは【8200】である。

転厩で変わったという向きが市井の人々の見解ならば、敢えて、少し斜に構えた見立てがあってもいいだろう。
「自分で強くならなければ、何も変えられない」
名伯楽との出会いは、モーリスの内面を変えた部分はあるだろうが、自分自身が走り方を知ったからこそ、名手もそれを支えてくれるのである。

今回敗れた人気馬はそこができておらず、大きな欠点であると彼は身をもって体現してくれた。
あまりにも格の差は大きかったように感じる。

 

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スワンS 回顧

読了までの目安時間:約 3分

 

フィエロと仲良く、なかなかの出負けでアウトと思ったが、春の経験が騎手にもあったから、終始落ち着いた騎乗で、川田騎手の思惑通りに、サトノアラジンが直線で素晴らしい決め手を発揮した。

重賞を勝っている勝っていないの差もあるだろうが、安田記念の乗り方がまずかったわけでもないのに、フィエロにあっさり先着されていたのとは対照的に、ダンスディレクターやサトノルパンなどのキレ者も、先行して連覇を狙ったアルビアーノらも相手にせず、あっさりのごぼう抜きで重賞2勝目を上げた。
期待したエイシンブルズアイも、鞍上に下げた方がいいというイメージが強すぎたのか、ペースはまずまずではあったが、器用に立ち回るのが苦手なので、4角でも前が開かなかったから、もうアウト。

スムーズにというわけではないが、すんなりと余計なことを考えずに外から差すことを狙ったサトノアラジンは、みんなが休み明けだとか、案外の今季不発続きの恩恵もあって、自分のやりたいようにできた印象はある。

しかし、距離を短縮して成功したこの馬。
マイルに変わっただけで、動きにしなやかさがなくなってしまう。
残念ながら、同日東京のメインで走った妹のフローレスマジックも、武豊騎手の仕掛けのタイミングが絶妙だったとはいえ、ハーツクライ産駒のリスグラシューに力及ばずの2着だった。
こういう血筋は、嫌なところが伝播するというか、似ているところがキャラクターとして定着してしまって、面白みが消して妙味ありの方でしか期待できない馬になってしまう、残念なところがある。

マイルの2勝は共に、新馬、1600万と下級条件のものであり、重賞での2戦とテイエムタイホーに敗れた準オープンのレースは、着順の割には完敗だった。
5歳秋。同期のGⅠ馬が引き際の美学を通そうと、今季限りの引退を決めたが、この勝利を機に、強い馬に生まれ変われるだろうか。

 

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天皇賞(秋)予想

読了までの目安時間:約 6分

 

先週のミツバを逃がしてしまう横山典弘という騎手は、一体何を狙ったのかとずっと考えていた。

ミツバには、本格化する前に乗ったことがある。
3歳夏で昇級初戦の1000万条件だったとはいえ、その前の2戦でルメール騎手がうまいこと乗って2-1着だった。
敢えて、その前の、今もやっている前半はゆっくり乗って、後半スパートの形でこの時は3着だった。

かつて、アンビシャスの音無厩舎の馬で、カンパニーという難儀なステークスウイナーがいた。
競馬が下手というより、ずっと乗っていた福永騎手が、体つきと決め手を考慮して、末脚勝負に徹していた印象がある。

ある日、横山騎手に手綱が渡った。自分で本命にしておいてびっくりしたことを覚えている。
好位抜け出しで、完璧な中山マイスターの競馬をしたのだ。
翌年も勝利し、秋にはGⅠを連勝した。この時は末脚を活かしていた。

今回も、エイシンヒカリというわかりやすい目標がいる。
長距離では滅多なことでは先行策もとらない武豊騎手は、かつて、横山騎手に屈辱的な敗戦を喫した淀の大舞台で、生涯初となる中央競馬のGⅠレースの逃げ切りを決めた。
逃げるのは下手ではないことは、サイレンススズカやスマートファルコンのレース内容を見返すまでもなく、既に証明済み。

しかし、そんな武豊騎手をもってして、アンビシャスの好位付けにはぶったまげたという旨のコメントを、産経大阪杯後に残している。
その時は、キタサンブラックに施した横山流の逃げを踏襲する形を選択し、無理なく先行して2着。
もはや、このレベルの騎手同士の駆け引きになると、どの段階からスタートしたことなのか、判別不能である。

強いて挙げるなら、あの京都宝塚のメジロ決戦で、ライアンが早めスパートでマックイーンを封じた時からだろうか。
互いに一流であることを確認し合ったことで、その後の彼らは、しばしば大舞台におけるファインプレーを連発し、そんなことにはもはや誰も驚かない状況を、結果を積み重ねで作り出すことになった。

お互い、既に鬼籍に入った騎手を父に持つ。
そういえば、両者ともに競馬界に入った時から、全く他とは異なる尊敬の念で見つめる目標となる騎手が同じであった。
秋の天皇賞を短縮後に2度制した岡部元騎手だ。

3200M時代からもちろん乗っていた日本競馬界の伝説の名手ではあるが、この人、1番人気で3度苦杯を舐めている。
シンボリルドルフ、トウカイテイオーとあのバブルカムフェローが4歳時に挑んだ時だ。

因縁根深いもので、岡部騎手が一流になった頃、同期の福永洋一騎手が大事故に見舞われ、通常の生活すら送れない状況に追いやられた。
ご子息にあたる祐一騎手は、武豊全盛期の代名詞でもあるディープの1番人気馬を完膚なきまでに打ち負かし、世界のトップホースへの階段を駆け上がって行った。
横山も乗ったハーツクライの産駒で。

ディープ産駒のエイシンヒカリでGⅠ3勝目を目論む武騎手は、横山騎手が2年前課したGⅠを戦うために必要なスキルの自覚を狙った大逃げをするのだろうか。
岡部ジョッキー絡みでは、バブルに乗れなかった96年秋天は、蛯名騎手の初タイトル奪取の一戦であった。
1番人気は横山のサクラローレル。重賞4連勝ながら、2番人気に甘んじたのがマーベラスサンデー。生涯誰にも手綱を譲らなかった武豊思い出の一頭だ。
3着と4着。

うまく乗れなかったというこの結果は尾を引き、翌春の天皇賞も、バブルを外した順番通りの決着となった。
因縁というのは恐ろしい。
武の馬が断然人気になった春天で、横山はまんまと自在の騎乗で2度も勝っているのだ。
これはごく最近の話。
騎手として、熟しきった時期に戦った記録である。

◎アンビシャス
〇エイシンヒカリ
▲モーリス
☆リアルスティール
注ルージュバック

ムーア、デムーロ、戸崎らは、まだ30代のトップジョッキー。
これまでの壁は、大したものではないだろう。
勝った数というより、こういうレースは負けた数の多さがモノをいうことが多い。

奇しくも来年GⅠになる(産経)大阪杯と似たようなレース展開が、高確率で予想される。
今年も冷やかしでクラレントが行くのか。
田辺騎手はモーリス討ちのロゴタイプに乗る。

横山典弘がそばの枠にいる。
武豊が自分の型を持つ馬に乗った時に、相手の良さを消そうと思えば、キタサンブラックのスタミナに由来する自信が根拠となる、宝塚での淀みない逃げも考えていないわけではないだろうが、昨年行かなかったのは、少なくとも失敗と考えているはずだ。
3週続けての日曜東京メイン勝利の偉業は、6年前の春にやり損ねた過去を持つ横山騎手が、今回アンビシャスに課すミッションは、ルメール騎手が前回確認した充実ぶりを、自分の力で示せ、だろうか。

ミツバの充実には、他が逃げないことを考慮した好位付けから、よもやの大逃げへと繋がったが、宝塚記念で難しいところを示したアンビシャスが、先行抜け出し型ではないことはわかっている。
勝ち時計をターゲットに。
そういう乗り方をできる二人に、理想的な天皇賞の競馬を作ってもらいたい。
その他では、サトノの2頭とラブリーデイか。2000Mがベストだろう。

 

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スワンS -予想-

読了までの目安時間:約 3分

 

今回の有力馬であるサトノアラジンがレコード勝ちした京王杯スプリングCの1番人気は、エイシンでもスパルタンの方だった。

先行して7着。
年跨ぎの3連勝の後、さすがに長期休養明け3戦目のスプリングCで、先行馬ペースながらガス欠。
藤岡調教師は、ビッグアーサーでもそうだったが、無理をしてまで成長力のある馬を大成させようと使い込むことはしない。
だから、半年近く休んで、ここで復帰。
惜しむべきは乗り替わりか。今回、過去1度乗っている岩田騎手が騎乗する。相性の方は…。

春の中山ではうまくハマったこともあって、素晴らしい決め手を発揮したブルズアイは、妙にこだわりのローテを野中調教師が選択したせいで、1400Mは初出走になる。

1800も1回で、その毎日杯は僅差の2着。
ステファノス、アズマシャトルは当時の有力馬であり、それに先着している。
高松宮記念の敗戦で学べば、この馬に1200Mは少し短い。

ゴーンウェストの直系で、下手に距離を延ばして失敗するよりは、単純能力の争いに徹した方が安全なのは間違いないが、1400Mに超スイートスポットがあっても不思議はない。
リボー2本で難儀なのは当然である上に、母父はシカンブル直系のサイフォン。
そもそも曲者になるべくしてなったような配合だ。

昨秋の準オープン勝利から8戦連続で上がり33秒台の脚を使っている。こういう馬は、得てして非根幹距離では人気で飛ぶということが多いが、既にGⅠで見せ場を作っている。
京都の前哨戦で、福永騎手が鞍上。
因縁のレースを勝ちたい。そして、GⅠ再チャレンジだ。

◎エイシンブルズアイ
〇ダンスディレクター
▲サトノアラジン
注ブラビッシモ
△アルビアーノ、エイシンスパルタン、フィエロ、ムーンクレスト

京都で4勝のブルズアイは、重賞勝ち含め5勝のダンスには戦績では敵わないが、ダンスはどこでも差し損ねるのに対し、ブルズアイは京都だと頭までがある。
痛快な勝ち方をする彼のような馬には、実に与しやすい相手関係のように思う。

いいメンバーの割に波乱含みのアルテミスSはヒストリアから。
新馬戦は軽い内容ではなく、坂上の伸びは直線の長いコース向きと思わせるものがあった。

 

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元王者のプライド

読了までの目安時間:約 2分

 

僚馬バクシンテイオーを1馬身追走し、抑えきれない手応えから、手綱を持ったまま力強いフットワークで最後は1馬身半差の先着。
水曜日の午前、美浦・ウッドチップコースを疾駆したのは、あのモーリスである。

GⅠ4連勝後、現在連敗中。
「(先週の状況を見て、)もう一本やっておきたかったので、今週は水曜日に追った」
堀調教師は、ここ数戦の中ではそれなりのレベルにあるという感触を掴んでいるのか、慎重な姿勢は崩さないものの自信を覗かせるコメントを残した。

「逃げてこその馬なので、何とか東京の長い直線を逃げ切ってほしい」(坂口正則調教師)
最終追い切りは、今週も武豊騎手を背に、栗東Cウッドコースでの単走追い。
終いを12.1秒でまとめ、やけに中身が悪く感じた失速の一週前とは大きく一変し、好印象の稽古内容となった。

お互い、王者になるまでは紆余曲折を経て、持ち合わせた資質と弱点が一定のところで均衡のとれた状態になり、名手の騎乗技術にも助けられて、GⅠ馬の仲間入りと相成った。
国内のレースより、最高の状態で挑むことのできた国外での大レースにおける好結果は、そのまま彼らの評価に反映されたわけだが、今年の安田記念の、昨年の天皇賞のそれぞれのレース内容は、正直、物足りなさを感じるものであった。

どれが本物のモーリスでありエイシンヒカリなのか。
ミドルディスタンスにおける世界トップクラスのGⅠ競走・天皇賞(秋)での結果が、彼らの格を確定させる。
少頭数の大一番。
彼らがプライドを取り戻すことこそ、自分たちの引き際に花を添える最高の自己演出となる。果たして。

 

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ジャパンC展望

読了までの目安時間:約 3分

 

何はともあれ、まず気になるのはファウンドの参戦のあるなしだ。
血統構成からして、牝馬じゃなかったから、押しても引いてもてこでも動かないようなこのガリレオ産駒は、アーク史上に残る歴史的レコード樹立で、大舞台での惜敗続きにピリオドを打った。

日本のエースたる二冠馬・ドゥラメンテを欠くホームの陣容は、キタサンブラックはまずまず信用できるものの、ダービー惨敗の馬なので、絶対視はできない。
京都大賞典は余裕のある内容で、きっちり勝ち切って見せたが、一度勝負付けの済んだ連中相手の勝利。

「速さで勝てるのは…」
サトノダイヤモンドやディーマジェスティを推すのが筋かもしれない。
菊花賞の内容は、はっきりと明暗が分かれた。
頭まで期待できるサトノダイヤモンドの力強い走りは、きさらぎ賞の勝ちっぷりに等しい迫力があった。
勝負の待機策で着が精いっぱいだろうディーマジェスティは、もしかすると、マカヒキと同じように春の前くらいまで休養もあり得る。
一応、エアスピネルも首の皮一枚繋がったから、出てきたら押さえるべきだろう。

秋天組でもしかすると、馬券圏内の好走で巻き返しが期待できそうなのが、ラブリーデイだろうか。
舌の根も乾かぬうちに、これは前言撤回を意味する有力馬の列挙となるわけだが、忘れられた秋天馬というのはトーセンジョーダンの例があり、ウオッカ、ブエナビスタ<実質連覇>などは秋天連覇挑戦に失敗後のジャパンCで見事に、忘れ物を取り返したことがあった。

しかし、どれも帯に短し襷に長し。ショウナンパンドラもいない状況ながら、頼れるのはまた牝馬か。まさかのヴィブロス、ジュエラーはあるのか。
秋華賞馬は過去4回馬券になっているが、出走していただけでもいいというパターンもある。
エリザベス女王杯組でも、ミッキークイーンは怖い。こちらに出てこられる状態であれば、女王杯で8分の作りでも、絶対に好勝負なっているはずだ。

牝馬の争いとなりそうな予感はある。
秋天が中距離王決定戦という年は、大概、完全別路線組が上位独占である。

 

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牡馬クラシック総括

読了までの目安時間:約 3分

 

牝馬路線もそうだったのだが、出る杭は打たれる現象の連続であった。
牡馬路線はそれに加えて、信じられるものは決まって、黄金ローテの馬である、という結論のようなものが明示され、極めて安定的な戦いが繰り広げられた。

期待に違わぬ走りで3連勝していたサトノダイヤモンドと劇的2歳王者戴冠を成したリオンディーズが人気になった、第一関門たる皐月賞。

直前に大地震が発生し、5年前のクラシックを思い起こさせる揺らめきの中での争いは、春ではたまにある強風の中の一戦となった。
「速いんじゃないかな」

大外枠から先団とは離れた中団の外目を追走し、直線勝負に賭けた、否、理想的なレース運びとなったディーマジェスティ快勝の流れは、蛯名騎手の体感そのままに、自分の競馬に持ち込める可能性を勝機と即座に捉えた、ベテランの勝負勘も大きかったように感じる。

エアスピネル等、上手に競馬できる面々は、ペース判断を見誤ったデムーロ騎手のリオンディーズの失速→斜行に勝機を奪われ、伸びきれず。
弥生賞快勝のマカヒキが、限りなく勝利に等しい2着への追い込みで、ダービー快走の前座とした。

そのダービー。
見た目には好内容だったが、マカヒキ以外は見せ場を作って、エネルギーが残っていなかったような惜敗であった。

いつもより前で、いつもより強気に、いつも以上に勝負に徹し…。
ダービーらしい、騎手にとって最大目標となる舞台で、最高の結果を残した川田騎手を褒めるしかない。
ルメール、蛯名両騎手には、ちょっと気の毒な直線であった。
坂上での交錯は、サトノの落鉄が原因だったとされる。

無念は勝ち抜けた2頭も同じ。
残党たるギニーホースの誇りにもかけて、菊は負けられぬ戦いに。

しかし、ダービーの不運を天秤にかけたら、無冠馬に肩入れするのが競馬の神様なのだろう。
サトノダイヤモンドもエアスピネルもよく走った。レインボーラインもよく伸びてきたが、前週のビッシュがそうであったように、ディーマジェスティだけが力を出し切れていないような競馬で、苦汁を舐めた。

皐月賞の厳しさは、非連対馬のガッツの源になったのであろう。

 

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新馬回顧<10/22・23>

読了までの目安時間:約 3分

 

曇天の土曜。
今週も芝マイル以上の新馬戦がわんさか組まれた。

東京では芝2戦。
人気馬同士の一騎打ちとなったマイルの牝馬戦は、より高い支持を集めていたディープ産駒のレッドルチアが制した。ハーツクライ一族で、いかにも東京向き。
人気馬がもたついた2000M戦は、それらを嘲笑うかのような終い勝負を、インから抜け出したコマノインパルスが制し、力を示した。リンデンリリー経由のシュリリ系で、父がバゴ。スイートスポットを早く見つけてあげたい。

京都のマイル戦も人気馬より、勝ったパッポーネのレース内容が目を惹いた。
父のハーツクライの母父トニービンらしい、若い頃は小回りをこなせない不器用さが丸出しだったが、エンジンが掛かれば、あとは我が物顔で走れる性質がそのまま現れた新馬戦だった。
ダートの方は、武さんの安全運転で人気のメイショウテムズが初陣を快勝。兄ワイドバッハよりは器用なようだ。

日曜日は東京だけ晴。
注目のレースは、東京ダ1600と京都の2000M戦。
前者は人気順の決着で、またよく走るタピット・ハンセン産駒のブランエクラが、断然人気に応える逃げ切り勝ち。
京2000では、三つ巴という評価を1番人気のトゥザクラウンが見事に裏切る結果で、中波乱に。
3番人気のベストアプローチがそれに代わって、直線で抜け出し、やけに人気のなかったアドマイヤグルーヴの孫ローザが最後突っ込んで2着。
まあ、ニューアプローチにしては動けるじゃないかという程度の評価に止めた方が無難だろう。

京芝1400(牝)は大波乱。人気勢が伸びあぐねる中、メイショウベルボンの大外一気が決まった。
これがディープブリランテ産駒。
新潟のマイル戦も同牝駒・リカビトスが終い32.8秒という決め手を繰り出し、人気に応えた。
東京芝1400も1番人気は同産駒だったが、こちらは2番人気のジョーストリクトリの差し切り勝ち。
名前の通りのジョーカプチーノ産駒で、これはこの距離が合いそうだが、ディープブリランテも似たような性格だったから、産駒に関しては、主戦場はマイル近辺になるのかもしれない。

 

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