2017年フローラS レース回顧

JUST競馬予想ブログ

フローラS -回顧-

読了までの目安時間:約 4分

 

京都のマイル戦に続き、こちら東京もベテラン騎手の腕比べとなった。
一連の牝馬重賞はハイレベルとされてきたが、フラワーCがファンディーナ以外は目標がまだずっと先にありそうな面々で、即クラシックへと向かえるようなレベルではなかったのと同じように、派手なレースぶりを買われたホウオウパヒュームが人気を裏切り、距離がどうかと思われたフローレスマジックも、卒なく走ってきた割に、前も捉えきれず最後も刺され…、と少し味気ないレース内容に終始してしまった。

9Rの石和特別(芝1800M)でも、馬群をうまく縫って上がってきた和田竜二騎手だが、最内枠からスムーズな立ち回りで、ゴール前に外に出しただけで、ロスの多いとされる2000Mを完璧に回ってきた技量は、テイエムオペラオーを有馬記念馬にした冷静さに匹敵する、最高レベルのものであった。
スロー見え見えで、自分でレースを作ることへの自信を自らのプライドとしているような騎乗が近年目立つ横山典弘騎手も、タガノアスワドの行き脚を全て計算するような追い回しで、終始レースの主導権を握った。
共に、長距離重賞に実績のある名手ではあるが、どう乗っても限界のありそうな予感のあったフローレスマジックよりは、この距離、この枠、この展開…。
思われているよりずっと、人気馬には死角を多かったというのを理解しているような、実に痛快な技ありの騎乗だった。

勝ったモズカッチャンとよく粘ったヤマカツグレースは、血統馬をあまり多くは扱っていないものの、重賞路線に役者を数々送り込んできた関西の渋めの厩舎の所属馬である点と、最近少しだけ日本の競馬に馴染んできたところのあるハービンジャーの産駒というところが同じだった。
これまで4戦、様々な競馬場を走らせておきながら、殊距離に関しては1800Mに一貫した使われ方をされ【2011】という戦績だったモズカッチャンは、必ずしも高速馬場ではない春の東京開幕週では昔からよく来る「ツボの小さい」キレない牝馬で、サンデーサイレンスも入っていないような馬だから、恐らくは、外枠では用なしだったはず。

ただ、これで良馬場3戦3勝の3連勝だから、何となく、同厩舎のスピード馬・ソルヴェイグのように、底知れぬ能力が下の条件では今一つ発揮されなかったけれども、上のクラスに入ると突然、今まで見せていたモズカッチャンの場合で言うと勝負強さが、見事に引き出されたような競馬であったように思う。
この手の馬は、格上相手ということも時に芝・ダートの垣根すら関係ないことがある。
歴代の優勝馬であるニシノハナグルマやヤマトマリオンなどは、その後にダートで思わぬ快走を見せたことがあった。
芝向きの配合でも、違うものが求められるケースがまま見られるのは、この時期の牝馬には苦しい競馬を強いられる条件も、一つの要因になっているのだろう。
何となく、1年後は交流競走を走っていそうな予感がする。
和田騎手もダートは得意だったりするし…。

ホウオウパヒュームは、筆者推奨のビルズトレジャーに終始ふたをされる中団のポジションからの追走で、伸び伸び走らせてあげられなかったのも敗因なのだが、上がりの脚も特別抜けていたわけでもなく、見た目にも数字の面でも平凡な結果に終わった。
ハーツクライがそういう結果をもたらした要因のようで、実際は、母がキングマンボ×エルプラドであるから、まだまだ大きなところを目指すには早かったのだろう。
デビュー以来、初めて馬体重は減らなかったが、持ち時計の更新が前走からできていなかった点でも、注目されすぎの嫌いもある。
似た配合のマジックタイムが本格化したのは、ここで人気を裏切ってから実に1年半後の東京マイルであった。

 

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フローラS -予想-

読了までの目安時間:約 4分

 

何だか嫌になるようなGⅠの結果が続いていたから、ある意味で、この中休みは有効活用しておかないといけない。
今度は4週続けてではない。6週もあるのだから。

やや無理筋で、血統からして春の重賞路線が合いそうなメジロドーベルの孫娘・ビルズトレジャーから入ろうと考える。
同じく90年代に活躍した名牝・ニシノフラワーの孫<ニシノアモーレ>もそうなのだが、暮れの段階で超ハイレベルの牝馬路線が形成されつつあった状況で、年末から牡馬混合重賞に挑戦し、ビルズトレジャーは健闘したとはいえないが、
ホープフルS⑦ レイデオロから0.6秒差
共同通信杯⑦ スワーヴリチャードから0.7秒差
と、ダービーの有力候補が力を示した舞台で、それなりに頑張ったように思う。

加えて、他の牡馬連中に伍して、勝ち馬の末脚にみんな劣った競馬で上がりの脚がそれぞれ2、3位と、一定以上の結果を残した。
これは陣営の判断というよりは、将来性を考慮した田中勝春騎手の選択が引き出した決め手のように思う。
共に、勝負をしていくような競馬をせず、末をとりあえず活かす形を、父ダノンシャンティに前述の祖母や従兄弟の関係にある青葉賞馬・ショウナンラグーンがそうであったように、この条件ではこうすべきだろうと素直に感じて、取り入れたのだろう。

しかし今回は、まだ2勝目も上げていないわけで、多少ははっきりとした勝負手に出る可能性がある。
ホープフルSに挑むまでは、東京の1400Mで新馬戦から①-②という結果であったから、気性を考えての策は致し方ない。
が、負けた相手のせいで妙に人気になりそうな馬や、好調のハーツクライ産駒の無敗馬がいて、その他諸々のグループにも、それなりに色気を持った組がいるから、これまでやってきた積極的な挑戦の恩恵を受けられるチャンスとも言える。

メジロドーベルの一族は、「超名牝」であったが故に生じる活力の使い減りによる影響が、血統の印象以上に色濃く現れ、体質面に弱点を抱える蓋然性の高さは、まだ日本で一流馬が多く出ていない良血のラインよりも遥かに高確率になりやすいにもかかわらず、デビュー時から4戦で-2、±0、±0、±0というビルズトレジャーの秘める底力は、思われているより相当なレベルの可能性がある。

◎ビルズトレジャー
○ホウオウパヒューム
▲フローレスマジック
これらは、距離とか競馬場ということを除いて、大きな舞台に出てきてもらいたいという気持ちにさせられる何かを持っている馬だ。
底力の配合のマチカネタマカズラから生まれた大物候補・ホウオウパヒュームには、父の勢いだけではなく、今なら大物獲りも可能な対抗馬としての参戦が可能な状況で、ハーツクライが武器とした鋭さがより増してきた走りの内容に、ここでも期待を集めるはず。
ただ、体の減らないビルズトレジャーに対し、間隔を開けて丁寧に使われながら、微減ながら減り続けているから、大幅増で迫力満点のパドック気配なら、次も期待できるが、それを求めるべきは秋以降のような気もしないではない。
昨年のビッシュがまさにそうだった。

注アドマイヤローザ
△キャナルストリート、ディーパワンサ、ニシノアモーレ、ヤマカツグレース
らが、一応の相手。
一度は強い馬、牡馬相手に力を見せつけられた彼女たちは、2000Mで一変の可能性を秘めている。
アドマイヤローザも1600より2000が合いそうな配合だ。

 

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マイラーズC -予想-

読了までの目安時間:約 3分

 

恐ろしく、逃げそうな馬が見つからない、いやな予感がしないでもない好カードは、イスラボニータが行けばそれなりの流れになっても、ブラックスピネルの再びの逃げとなって、それを追いかける馬がいるとは思えない。
ただ、同じ流れになったとしても、東京よりも京都の方がトータルの時計は速くなる。
ある意味、伏兵の押し切りというのは、京都の方が望み薄である。

実は一番速い可能性のあるプロディガルサンは、金鯱賞の内容がなかなか評価しづらい、流れに対するアプローチは合っていながら、それに応えられなかったという面で、案外距離の壁が兄よりはっきりしている可能性も露見したように思う。
距離短縮、川田騎手のオーソドックスな好位差し狙いでも、前走のような見どころのない直線にはならないだろう。
これが軸ということで、その相手はどうすべきかと頭を巡らせてみたのだが…。

腐っても鯛ではないが、ダノンシャークや今回も登場するフィエロなど、京都外回りのスピード戦を得意とする馬は、かつての中山記念のように何度でも来る。
エアスピネルはその筆頭であり、正しくリピーターに合致する実績の持つ主なのだが、それと同じくらい、競馬の上手なイスラボニータにも適性を感じる。
セントライト記念を勝ってからというもの、距離云々ではなく、持てるポテンシャルの出し惜しみの繰り返しではあるが、最近また、関西圏の主要マイル路線で復活しそうな気配を見せている。

◎プロディガルサン
○イスラボニータ
▲フィエロ
注エアスピネル
△ヤングマンパワー、サンライズメジャー、ダッシングブレイズ、ブラックスピネル

まあ、寄る年波には敵わないという結果に、本質的な勝負弱さが重なるといったところか。
誰がどうということではなく、勝ちに行きたくないという気持ちを捨てないと、結局、いつもの通りの結果しか出ないように思う。
フィエロだけは、いつものローテではないから、意外な勝ち星を得られる可能性があるが、中京の結果は案外平凡だった。

 

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ヴィクトリアマイル展望

読了までの目安時間:約 3分

 

今年もミッキークイーンが阪神牝馬Sをステップに、順調な仕上げでヴィクトリアマイルに向かう。
オークス馬だし、他と比べても走る気が萎えるようなことはないはずだが、3月頃の山場を通り過ぎているので、この点も心配ない。

問題はむしろ、他の有力馬の動向である。
4歳のGⅠ馬はことごとく引退に追い込まれ、現在ひとり横綱状態のヴィブロスも、春期営業は既に終了。
強い4歳は短距離型ではそれなりに駒は揃っているが、早々東京マイルにツボのあるストレイトガールタイプは居ないものだ。
細かいところまで見ていないし、また出走馬が確定しているわけでもないから何とも言えないが、5歳以上の馬を軸に選んでいくのが、この東京マイルのGⅠでは一般的でもあるし、その線で攻めていくとする。

ルージュバックの弱みは、もう確定的にインからは伸びてこられないところにある。
きさらぎ賞の結果から、何でもできそうに思われていたのだが、揉まれ弱さは現役オープン馬の中でもトップであろう。
前に行くか、馬群から抜け出してくるかしか、このレースを勝つ方法はない。
有馬記念で好位抜け出し抜け出しを敢行し、人気に応える競馬をしていた4歳のブエナビスタだけは差し切りだが、基本的な勝ちパターンに背くように走った人気馬は、大体消えている。

だから、ミッキークイーン軸でも対抗株探しは念入りにしたい。
となると、脚質で死角の多いアドマイヤリードより、いくらかは競馬に自在性のあるジューヌポレールが4歳の注目馬で、ミッキーのライバルはやはりクイーンズリングとなるわけだ。

特に、道悪が血統や実績の印象より合わない可能性のあったクイーンズリングは、落鉄の不利も重なり、前走は見るも無残な内容に終始していたが、昨年の走破タイムが1:32.5なので、良ならミッキーとまたいい勝負になるはずだ。

レッツゴードンキは脚質転換がどう出るかわからないし、本来はもう少し前で競馬できるはずのトーセンビクトリー辺りが、穴の軸では面白いか。
中距離型が多い場合、ブランボヌールのようなスプリンターは侮れない。
今の東京は、必ずしも短縮組有利の傾向ではない。4歳はこのタイプが狙い。

 

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福島牝馬Sの逃げ馬

読了までの目安時間:約 3分

 

ヴィクトリアマイルの優先出走権を得られたところで、福島牝馬S好走馬が勝負になることは稀である。
ただし、ローカル仕込みの大胆な先行策は、大舞台での武器になる。
あのあわやのシーンは、ごくごく自然な理由があってのこと。
何も突然の出来事ではない。

今年はウオッカで堅いだろうと思われた09年には、福島牝馬S優勝のブラボーデイジーが2着に入るという、今までにないケースに出くわして、皆びっくりしたことがあった。
ドタドタ馬場を味方につけて、重賞実績では遥かに格上を相手に先行押し切り。
その福島での厳しい経験は、強敵にひるむことなく戦える精神力を与えた。

GⅠ馬の復活勝利やレース史上初の連覇達成馬が誕生した後は、今度は本番での主役級の馬を2頭送り込むことに成功した。
15年ヴィクトリアマイルの影の功労者たる2着ケイアイエレガントはその前年の福島牝馬S優勝馬、3着ミナレットはその年の5着馬である。

前年に器用な立ち回りができる強みを活かして、春の牝馬重賞で連続好走していたケイアイエレガントは、福島で逃げ切り勝ちした後、本番では6着。
以後、順調に使えなかったことは、大型馬ながら気のいいタイプであったから、休養十分の1年後の激走の伏線となった。
ミナレットは騎手によって策が変わる馬で、明らかに短距離型。
オープン勝ちの時が、中山のミドルで他コースでは結構いい流れでの逃げ切り。
その時と似た展開で、今度は前に2頭置く位置から粘り込んで、適性外の条件で5着。
人気ガタ落ちで、江田照男乗り替わりであれば…。

己の限界に挑むような11秒台前半のラップを5度も叩き出す猛ペースを作ったミナレットは、直線でも見せ場たっぷり。
しかし、離れた2番手からフレッシュなグラマラスボディで早めの仕掛けで捉えたケイアイエレガントは、直線の後半はずっと主役だった。
ところが…。
ストレイトガールの決め手は想像以上であった。

歴史的名牝の末脚をアシストしてしまった彼女たちは、GⅠには欠かせない意義ある脇役である。
同時に一歩間違えればの結果でもあるから、今後もチャンスはいくらでも訪れるはずだ。

 

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マイルに懸ける

読了までの目安時間:約 2分

 

GⅠ昇格元年の大阪杯で、いつも以上に積極的なキタサンマークのポジションから、器用な立ち回りでは初めてに近い形で2着と健闘したステファノスが、次走では戸崎騎手を鞍上に再び迎え、安田記念に参戦すると陣営が発表した。

これまでGⅠで何度も惜しい2着を繰り返してきたのは、良馬場の2000Mだ。
東京のマイルは1、2ハロン分長い距離に向く馬の方が、実は適性があるとされてきたが、唯一の重賞勝ち鞍は東京マイルの富士Sであることからも、藤原調教師としても勝算ありという見立てで、早々参戦決定の運びとなったのだろう。

ミッキーアイルが遺恨くすぶる中で勝ち逃げしてしまった状況は残念だが、同期のステファノスは、世代のトップホースである引退したモーリスや皐月賞馬のイスラボニータと何度も対戦し、現役のイスラボニータには何度も先着している。
桜花賞馬を初年度からガンガン送り出したディープインパクトに、NHKマイルC好時計勝ちのクロフネとダート1400で芝並みの時計で走ったことのあるゴールドティアラの掛け合わせから生まれたココシュニックが母という配合。
本来いるべきステージとも言えなくはない。

問題は、何の影響かやたらと2、3着が多い戦績表からも伺える、無類の善戦マンというキャラクターであろう。
そうなると、いつもの状態に戻った戸崎騎手の存在も必要な気がする。
地方所属の頃は、ダービーにも騎乗したし、フリオーソで何度も中央馬を負かし、安田記念を3歳馬で勝ったこともあった。
卒のない競馬で負けても意味はない。度胸のある魅せる競馬に徹してほしい。

 

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晩成血統に夢を託して

読了までの目安時間:約 3分

 

開催替わりの東京、京都では、GⅠの谷間にGⅡ戦が行われる。
はっきりと黄金ローテが確立されている中で、必ずしもトライアルになっていない部分のあるフローラSと、特段決まった路線があるわけでないにせよ、GⅠ前哨戦として機能しているわけではないマイラーズCは、実に鄙びた中央場所では浮いた存在のレースである。

マイラーズCというレースは、マイルカテゴリーの別路線扱いになるような高速決着が多い影響で、本番で出番のありそうな完成されたマイラーはなかなか勝てない。
カンパニーは7歳の時は勝ったが、GⅠを勝った8歳時はスーパーホーネットにキレ負けだった。
4、5歳時に勝ち切れなかったダノンシャークは、マイラーズCを回避した年に、マイルCSをレコード勝ちしている。

カンパニーには父トニービンのみならず、母がノーザンテースト×クラフティプロスペクターという配合で、早々はへこたれるような配合ではなかった。
ダノンシャークも母母父シャーリーハイツの影響か、オープンに上がって1年以上してからの重賞勝ちから、更にもう一巡り半季節を経てからのタイトル奪取。
A級血統の底辺部に属する彼らは、安田記念の格には適わずとも、マイルCSを勝ち切る経験値を蓄えていったのではないだろうか。

日本の良血馬で母方にネヴァーベンドが入っていると、ほぼ決まって、3歳秋以降でないとGⅠでは通用しないのだが、オークスだけは特別。
直系のミルジョージ産駒であるエイシンサニーやブレイヴェストローマン産駒のマックスビューティが快勝したレースが鮮烈。
直系は少ないが、母父系に持つエリモエクセルやスマイルトゥモローなども劇的な勝ち方をした。
ミルリーフのクロスを持つサンテミリオンは、フローラSレコード勝ちで、オークスもアパパネとの雨中の激闘で同着優勝している。

ヌレイエフのきついクロスを掛けられた母を持つデニムアンドルビーもそう。
ブラックホークやキングマンボの母ミエスクなど、ずっと走っているイメージがあるのが、その直仔の特徴であった。
まだ走っているデニムは、フローラS勝ち馬の呪縛から解き放たれる可能性を未だ秘めている。

 

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敵か味方か

読了までの目安時間:約 3分

 

混戦の高松宮記念と人気馬で堅そうだった桜花賞は、結果、似たようなコース形態で馬場もそっくりになったから、少なくとも勝ち馬の道悪適性は大いに引き出されたように思う。
問題は負けた人気馬の方だ。

レッドファルクスの評価は、そもそもまちまちであった。
ビッグアーサーが走れなかった、走らなかったGⅠ2戦で、結果的には連続好走している。
それも共に休み明けでのレース。
崩れていないから評価は大きく変化はしない。
GⅠでこなせる条件も、香港のレースを経験していることで大体見えている。
概ね、時計が両極端な時は末脚が活かせないから、ちょっと物足りない競馬になる。
高松宮記念は香港戦ほどではないにせよ、完敗の3着だった。

では、血統面でいかにもタフそうなところのあったソウルスターリングはどうだろうか。
関東馬の人気馬が飛び続けている桜花賞だけに、わずかながら不安はあったが、大半のファンの期待を大きく裏切ることになった。
関東では関東馬のGⅠウイナーは誕生するけど、関西ではそれがないという一連の流れとは別に、昔から言われていた関東馬不毛地帯たる阪神マイルでの運動会をジャックすることの反動は、新コースになっても相変わらずということなのだろう。

しかし、血統で見れば重馬場はこなせるはずだったし、実績は最上位なのである。
関東馬のひ弱さというのも、初重賞勝ちが両者関西圏だったのだから、筋違い。

雨である。
その影響と、稍重という扱いづらいコンディションが全てだったように思う。
時に、重馬場と同じくらいのタイムになることもあれば、かつての京都桜花賞はレコードが出たりと、その状態は馬場そのものの傷みによって大きく左右される。
阪神は高速馬場で開幕したが、例によって、暖かくなることで生育する芝は雨の力も借りているから、軽い馬場のまま推移することはない。
中京も昨年は異常だっただけで、春の馬場悪化は雨により倍加速する。

急坂コースの広い馬場では、よりタフさが要求される。
そこで淀みない展開になったことは、結果に大きな影響を及ぼしたと思われる。

 

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皐月賞 -回顧-

読了までの目安時間:約 5分

 

昨年の高松宮記念のような馬場状態だった。
前週までは雨に祟られ、かなり内の方が悪くなっていたのに、週中までのレース当日の雨予報が外れたことで、高速決着連発。
結果に及ぼした影響は大きい。

想像以上に速かったアダムバローズは、先週大金星を上げた池添騎手のお手馬。
ここまで逃げを封印してきたトラストらが、ファンディーナの走りやすいリズムを見事に崩し、それらを追いかけたクリンチャーが、己の能力を振り絞って、先行勢で唯一粘り込み、4着だった。

しかし、ディープ産駒が沢山出てくるレースのこと。
途中、賭けのイン追撃を敢行しできることはすべてやった福永騎手のカデナには、少し線の細いところのある馬に辛い展開で、出番を回ってこなかった。
好スタートから早めの位置取りも可能だったスワーヴリチャードも、ハーツクライで器用ではないから、流れを見て、恐らく計画通りの外差しも、キレが足らずに伸びきれず。
双方、内枠は良くないタイプだが、これがダービーだったら結果も違っていたかもしれない組。
また内枠なら、策は変えてくるはずだ。

忘れてはいけない。
このレースは池江厩舎のシンザン記念組の競馬。
水準程度のメンバー集まり、滅多に降らない雨が大量に降った影響で、キョウヘイの一撃をまともに食らったのはペルシアンナイトの方だった。
道悪に苦しみ、最後はインをついたことを後悔するほどの脚の上がり方で、3着だった。
苦しい経験をすれば、それより更に専門家が増え、質のばらつきのあるアーリントンCは、どうってことのないレース。

そのシンザン記念の結果を、最も悲劇的に捉えていたのが、当時2戦2勝でクラシックに向けいい叩き台にしたかったはずのアルアインだった。
重で負かしたはずのキョウヘイに、今度は重で負けたのは、内回りコースとの合流点のちょっと先で進路をカットされ、立て直すので精一杯となったのが最大の理由。
インからまずまずいい手応えで上がっていったが、こういう時に不利を受けたら、もうお手上げである。

毎日杯で新境地の好位付けから、当面のライバルになるだろうサトノアーサーの賞金加算の邪魔はしないように、しかし、中身も求めた松山弘平騎手は、案外粘っこいアルアインに、思っていた以上の底力を実感していたのだろう。
混戦ながら、前走重賞勝ち馬ながら、全く人気にならなかった。
目標も分かりやすいレース。
内に入ってもがくファンディーナの精神的消耗と比べれば、そこでじっとしていた勝ち馬はシメシメであったはずだ。

最後の叩き合いは、ディープとハービンジャーのキレと、実は底力の差であろう。
血統面でも底力の根拠は、ドイツ由来の名牝系出身のディープの方が一枚上。
昨年も、南米牝系の有力馬を、底力のアイルランド血統を祖母に持つディーマジェスティが圧倒している。
時計が速くなれば、1800をこなせるくらいのスピードがないと苦しい。
1分59秒を切った年の勝ち馬には、決まって1600、1800どちらかで快勝した記録がある。ダイワメジャーは例外だが、その後の戦績は言わずもがなだ。

そういう意味では、ファンディーナの経験値の不足は、この乱戦では残念な結果も致し方なし。
ウオッカが果敢に宝塚記念に挑んだ時は雨のハイペース。
急坂コースで牝馬が過度に人気を集めると、男馬を育ててきた男たちの目の色が変わる。
すんなりの時計勝負ならもっと違った競馬だったろうが、自分でペースを作る経験も少ない。
外に張っては、1000M59秒の展開で残れる可能性はなかった。
自分のペースで59.5秒を作れることを、ここまでのレース過程で見ることができれば、結局、人気の牡馬勢は負けているのだから、皆の夢は叶ったはずだ。

人気馬総崩れの高速決着との年のダービーは、上位争いできなかった組か別流組から。
レイデオロの馬群強襲の5着には期待は持てるし、サトノアレスも上がりはメンバー中唯一の33秒台の脚。
横一線にまた戻った皐月賞後、一気の成長を望めそうなのは、念願のダービー獲りを目論む藤沢軍団かもしれない。
流れが同じでも遅くなっても、東京であればもっと自分らしく走ることができる。

 

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アンタレスS -回顧-

読了までの目安時間:約 3分

 

今週のミルコは、速く出し過ぎて先行して失敗するほど、スタートからやる気満々の騎乗が続いていた。
良馬場とはいえ、週に2度は雨が降るような天候がずっと続いているので、3歳500万の同じ距離で1:51.2という快時計が出るような馬場状態。

先行馬が数多くいる組み合わせでも、結果として1000Mは1分1秒程度の軽いレース展開になって、競馬が上手なモルトベーネを好位のインに誘った時点で、ほぼ勝負あり。
筆者の期待した追い込み連中は、スパートのタイミングを逸して、直線は伸びあぐねた。

ロングスパートの利かないロワジャルダンや57のレースを1度経験した中でのロンドンタウンのスムーズな競馬で、途中まではいいところを見せていたが、ゴール前では1頭だけ伸びていたモルトベーネの末脚が光った。
世代レベルは歴代屈指の4歳は、強い5歳世代と芝もダートも伍して戦っている状況はここも同じ。
当時4歳のアポロケンタッキーが6歳世代の強豪を封じた後は、中央、地方問わずにそのどちらかに凱歌が上がっている。

東海Sで突如としてオープン好走と果たした5歳モルトベーネは、器用な脚を使う競馬に向くのだろうが、道悪に良績が集中しているように、名古屋の良馬場で見せ場なく人気を裏切った前走とは、まるでそのレース内容が違った。
トータルの時計が遅ければ、人気の4歳グレンツェントでも勝負になっただろうが、前述の通り、アウォーディーが良馬場快勝の昨年よりペースは遅かったのに、同じ1:49.9だったので、適性も勝ち馬に味方した。

だからこそ、大井では雨が降って欲しいところ。
パワーアップしたところで、本質までは変わらない。
中央ダートでのコンビで3戦全勝なので、ミルコの気分も雨でしょげてしまわなければ、伏兵の快走もあるだろう。
あとオジュウ&石神コンビ。もうルドルフ&岡部レベルの信頼関係で、怪我しない限りは負けそうもない。

 

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