2017年青葉賞 レース回顧

JUST競馬予想ブログ – 血統予想・コラム

青葉賞 -回顧-

読了までの目安時間:約 3分

 

思われているより、この世代にはスピード勝負向きのタイプが多いのか、皐月賞に続き、この青葉賞もレコード決着となった。

中でも、人気にあっさり応えたアドミラブルは、もはや、デムーロ騎手が相手を見下ろすかのような最後方待機から、ある意味大事に乗って、しかし自分のタイミングで仕掛けて、これまた自己ベストの走りで、勇躍、ダービーの刺客、いや、主役を張るに相応しい迫力のフットワークで、これはドゥラメンテ級なのでは?と見紛うほどの好内容を、初の東京見参ながらファンに見せつけた。

しかし…。
余裕のよっちゃんで青葉賞を楽勝する馬は多いのだけれども、アドミラブルの祖父に当たるシンボリクリスエスやゼンノロブロイが出世したのに、最高の走りで無傷の4連勝を決めたペルーサはダメだったのかというと、ペルーサは2:24.3という本番並みの時計で圧勝してしまったダメージを引きずったまま本番を迎え、歴史的凡戦の異様なペースに呑み込まれ、自分を見失ってしまったからである。

シンボリクリスエスの時は、まだスパイラルカーブのない直線500Mの旧コース。
これはもう参考にならないかもしれないが、この年は2:26.4。
ゼンノロブロイの時も26.3秒である。
これらに続くダービー2着馬のウインバリアシオンが2:28.8で、フェノーメノは2:25.7。
ダービー通用の水準時計があるようで、これと同等の時計の馬はいっぱいいるのだ。

2:23.6は、皐月賞の1:57.8よりも過酷かもしれない。
これまでのレコードホルダーだったハイアーゲームが2:24.1。
歴史的外差し競馬の本番は、この時計を縮めても3着だった。
楽には勝ったものの、関西馬である。
意外と2000M以上では反応のいいことを示したベストアプローチは、トライアル2着の優先出走権保持者。
実は、こちらの方が距離適性では上のような気もする。

 

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天皇賞(春)-予想-

読了までの目安時間:約 5分

 

◎シュヴァルグラン
○サトノダイヤモンド
▲キタサンブラック
☆ディーマジェスティ
注レインボーライン
△シャケトラ、アルバート、ゴールドアクター

両雄並び立たずは、有馬記念以外では常識である。
だから、2強対決の構図であれば、少なくともどちらかは崩れるという展開が予想される。
菊花賞は現に、その既定路線があっさり崩れる結果に終わった。

春の天皇賞は、3強の対決の歴史でもある。
TTGが春、秋の天皇賞で揃い踏みになることはなかったが、アンバーシャダイ、ミナガワマンナ、ホリスキーらが34年前に頂上決戦を行ったのに始まり、勝ち馬だけ書き並べれば、マヤノトップガン、スペシャルウィーク、テイエムオペラオー、マンハッタンカフェ、アドマイヤジュピタなどなど、頻繁に名勝負が繰り返されてきた。
時計も速くなりやすく、また、上位争いが確定的であると、近年の波乱傾向に反発するように、手頃な頭数のガチンコ勝負となるのが主だった傾向。

17頭立てで、実際は有馬記念のリメイクマッチの側面があるから、そこで半分より上位に入った5頭が、今年も一つレースを使われて、ここでも上位人気に推されるだろう。
当然、それらを買わないわけにはいかないから、必然的に上位人気の馬ばかりに印が回ることになる。

問題はここ5、6年で、昨年もそうだったが、二桁人気の馬や100倍前後の絶対来ないだろうと思われた馬が、他のレースに倍する形で上位争いに加わっているという事実だ。
昨年の年度代表馬は、昨年最も厳しい勝ち味をここで味わった。
オーナーの執念は、今季初戦の楽勝に引き継がれたが、果たして、本当にこの距離が合っている馬なのか。

最近は菊花賞で超高速決着が多くみられる。
天皇賞とて、その流れに平均値において、頑なにスタミナ勝負を出走馬に求めている時計が頻発しているわけではなく、時代に逆行した傾向は出ていないから、今年は先行馬も多く、どの道力勝負になる。
長距離戦において、追う者の強みは不変だから、武豊と横山典弘しか近年では逃げ切っていないように、キタサンブラック=逃げ馬の構図に落とし込む予想は、あまり重要ではないだろう。
菊花賞を勝った時は、完全に好位差しであった。

渋とさでブラックが有利なのと同じように、渋いなりに鈍くでも末脚を伸ばすのがダイヤモンドの武器も互角であると、秋の時点で証明されている。
しかし、決め手が強烈ではないから、じりじりとした厳しい叩き合いに持ち込まれてしまうケースも、昨秋は何度もあった。
だから、この2頭は絶対ではない。

昨年は位置取りを言い訳にしていた<敢えて、そう言わせてもらう>福永騎手は、その後、押したり引いたり色々試している。
目標ははっきりしているシュヴァルグランは、秋には目標はない。
ジャパンCを狙っていたようなローテのようで、明らかに本命は天皇賞での逆転劇を想定している使い方である。

引いてもいいけれども、58での勝利記録で箔の付いたこの挑戦者は、今回は、無難に立ち回っても普通に勝負になるという手応えを持っているはずだ。
秋からずっとこの馬に課してきたのは、直線の決め手であり、時計の更新だった。
アルゼンチン共和国杯で上がり33.7秒。
阪神大賞典を3:02.8で走破。

もちろん、決め手が自慢の直線勝負型ではないから、レインボーラインのような決め打ちはできないが、マヤノトップガンのような直線一気もできる展開になるだろうし、普通に乗って、絶対に敵わないという舞台設定ではないだろう。
競り合いに強い印象はないが、キタサンブラックやゴールドシップを苦しめたハーツクライ産駒は、熟成度合いが結果に反映する母父トニービンの良さを体現する馬ほど出世するので、勝機濃厚とみる。
人気はそれなりに集めるだろうが、今の福永騎手には、自在に競馬をしやすい有力馬という認識だろう。
ヴィブロスの秋華賞の時のように、最高の仕事をしてもらいたい。
3強の構図に持ち込みたい。

このレース、昔から2000M重賞とのコネクションが強い。
菊花賞でダメだったといえ、今のディーマジェスティには、長い距離でじっくり仕掛けられる競馬は合う可能性がある。

 

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青葉賞 -予想-

読了までの目安時間:約 3分

 

タガノアシュラは平均ペース型の中距離血統の先行馬。
これが行ったとして、未勝利戦好時計勝ちから稍重の2400M戦快勝と、今年は信頼感がブレないデムーロ騎手のアドミラブルの万能性や、血統からして、タガノアシュラ同様にこの辺りの距離から本領発揮と行きたい重厚な血統の2勝馬や弥生賞4着のベストアプローチらが、直線でスケール感を示せるかどうかが、レース展望の軸になる。

人気になりそうだが、アドミラブルのスケール感は抜けているような気がする。
4月重賞は、飛ぶはずのない馬まで飛ぶという不穏な結果がずっと続いてきて、先週も実際そうなったが、今回は12頭立て。
穴を狙うにも、ダービーを狙ってというより、目先の賞金を獲得しようという雰囲気もあるメンバー構成で、血統の期待感以上のハイレベルな決着を期待するのは、少し高望みが過ぎる気もする。

父も母父もすでにこのレースの勝ち馬を2頭出しており、フサイチコンコルドの一族ということもあり、距離延長で更に凄みを増した前走のパワフルな末脚は、若き日にこのレースを楽勝したシンボリクリスエスの姿を見た気がする。
前走はそれほどに、本物の雰囲気を醸し出していた。
突き放された2着アドマイヤロブソンも、先週は好時計で2勝目を挙げた。
例年2勝馬の争いになるレースなので、これくらいの実績があれば、今年は鉄板だろう。

◎アドミラブル
○トリコロールブルー
▲ベストアプローチ
注ダノンキングダム
△アドマイヤウイナー、イブキ、タガノアシュラ、マイネルスフェーン

相手はほとんどダート1800のオープン特別のような力関係だから、絞りようがないというのが本音。
ワールドインパクトよりは骨がありそうな東京勝ちもあるトリコロールブルーと、どこに適性があるのかよくわからないままここまで来た1勝以下では最も適性を感じさせるベストアプローチらが、当面の相手だが、雨が降っても不思議ないとの予報通り、2400では怪しいメンバーが大半で、これは難しい。

 

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優駿牝馬展望

読了までの目安時間:約 3分

 

フローラSを見る前に感じたこと。
それは、桜花賞はタフなレースであり、マイル適性だけではなく、スピードを活かした粘っこさであり、距離を超えた重厚な末脚が、傷のないパーフェクトフィリーの上手さを封じるチャンスが生じた結果だから、見たままを鵜呑みにはできないにせよ、ほぼその結果をベースにオークスを展望すれば、実は事前の大方の予想の通り、そっくりそのまま桜花賞上位組の組み合わせで決着する確率は、例年の傾向くらいの数字になるのではということ。

結局の話、アドマイヤミヤビやカラクレナイが力を出し切れたのかどうか難しいという結果ではあっても、GⅠ上位組がそっくりまた上位独占では、余程の好転でもない限り、それらの立場を揺るがすことはそう容易ではないのだ。

軽い競馬ではなかったから、中5週で、反動の逆算は必要で、連敗のリスグラシューは、3頭の中では一番余裕があって、残るGⅠ馬2頭はトントンの調子か。
そうなると、久々にホームゲームとなるソウルスターリングには、一変で快走のレーヌミノルよりもさすがにアドヴァンテージがあると思われる。
きっと、本当に厳しいのであれば、ソウルスターリングは無理してでも使おうとはしないだろう。
今後の目標は、その他大勢と似たようなところに置くことになったからだ。

だから、結局また例の3頭の可能性はあるのだ。
レベルの高い年ほど、上位は安泰というのが、牝馬路線の鉄則である。
トリッキーだった桜花賞は、時計勝負でトリッキーではなくなった秋華賞と同じようにジレンマを抱えることはなくなったから、健康体で実力も伴っていれば、トライアルは除き、本番での好走は約束されているのである。

時計に及ぼす影響を図るべきフローラSとなったが、スローで末脚不発の有力馬と、内をうまくついた人気薄の台頭…。
何度も見てきた、これでは本番は…、というちょっと寂しい結果なので、競って強いモズカッチャンが乱戦で台頭する以外、桜花賞組しか買えないオークスになるだろう。
ハイペースの桜花賞の後は、よく遅くなるものだが、今年はマイルで基本能力を示した馬が多く、荒れないように思う。

 

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戸崎騎手、シャーガーC出場

読了までの目安時間:約 2分

 

ヨーロッパの秋シーズンが始まろうという頃に、王室開催でも有名なアスコット競馬場で騎乗することの意味。
同時期、今は夏競馬の最終盤に世界騎手戦が行われるが、ある種のステータスでは、シャーガーCの比ではない。

8月12日、イギリス・アスコット競馬場で行われる「ドバイデューティフリー シャーガーカップ」に、世界選抜チームの一員として、実績申し分なしのミスターMVJ・戸崎圭太騎手が選出され、初の参戦が決まった。

世界選抜、欧州選抜、英愛選抜、女性騎手選抜の4チームによる対抗戦。
それぞれキャプテンに選出されたK.マカヴォイ(オーストラリア)、L.デットーリ(イタリア)、J.スペンサー(アイルランド)、E.ウィルソン(カナダ)ら、トップジョッキーに加え、日本でもお馴染みのR.ムーア騎手も加わり、見応えのあるレースが展開されること請け合いである。

これまで数多く参戦し、世界選抜のキャプテンを務めたこともある武豊騎手の健闘はよく伝えられてきたが、いい加減、30代のトップ騎手が日本の代表として国際舞台に挑むことが増えてこないと、今後が心配になる。
意義ある当然の選出であるから、戸崎騎手の今後にとっても、とても重要なのだ。
日本や香港でやるのとは、少々勝手が違う。
大いに刺激されてもらいたいところだ。

思えば、春のGⅠで1番人気になって、それに応えられなかったのは、例の外国出身騎手や皐月賞得意の地方出身騎手など。
生え抜きによる大逆襲も、結構な刺激だろうが、大いに頑張ってきてもらいたい。

 

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春天の壁

読了までの目安時間:約 3分

 

ナリタトップロード
00年はテイエムオペラオーがどこにでもいたから、阪神大賞典も本番も3着。
01年は前哨戦圧勝の反動で、またしても、テイエムオペラオーの3着。
02年はダービー馬を阪神で完封したが、本番では見事にマークされ、後輩菊花賞馬にも競り落とされた。
どこまで行っても切ない男・ナリタトップロードは、しかし、京都競馬場では【4351】と見事な成績を残している。
が、相手が強すぎたり、自分があまり競馬が器用ではないせいで、ここでしか走れなかったという方が真実だったのだろう。

ゼンノロブロイ
同期のライバルが軒並み10着、13着、16着と大敗する中、上位人気で唯一好走できたのが彼だった。
しかし、04年の主役は、その7馬身前にいた単勝70倍のイングランディーレ。
前哨戦の段階でこの展開を読むことは難しく、前走公営ダートのイングランディーレは、鞍上曰く「鼻歌を歌いながら」の幻惑逃避行で、若き才能の可能性をもぎとったのである。
この何の意味もない2着は、後の刹那的な最強伝説に繋がっていく。
この敗戦こそが、ホーム3連勝の布石となったのであろう。
春天を機に、距離の壁が見えたのと同時に、ライバルはもう敵ではなくなった。

キズナ
最近の春の天皇賞のトレンドは、前走阪神圧勝馬の取捨は慎重に、である。
もちろん、3度阪神大賞典を勝っていたかつての最強馬が、このダービー馬の敗走により息を吹き返したケースもあるのだが…。
スペシャルウィークやディープインパクト、メイショウサムソンが最後にして、例外。
キズナの凡走は、トウカイテイオーやオルフェーヴルがそうであったように、本質面だけではない、妙な順調さとハードルの高さを低く見てしまったがための見せ場なしの展開のそれと同じであった。
クラシック前、皐月賞での厳しい経験が、ダービー優勝の伏線となっていれば、天才でも天才ではなくなる実力馬へと昇華できる。
春天は天才では勝てない。古馬タイトルを無敗で制した馬など、戦前にしかいないのだから。

 

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東京マイルの必殺ナンバー

読了までの目安時間:約 3分

 

NHKマイルCの「5」枠より内
ダービートライアルのNHK杯の歴史を終わらせてでも、外国産馬の目標レースを賄う必要のあった時代に誕生したNHKマイルCも、次の夏のオリンピックイヤーには、創設から四半世紀の歴史を刻むことになる。
97年の1、2番人気の7枠のゾロ目決着以外、実は、5枠から内の10頭が必ず馬券に絡んできている。
確率論では常識だろうし、競馬の理屈にも見合った傾向ではあるが、17頭立てが過去20年で1回のみという多頭数の競馬。
人気馬は最内を嫌い、そこから来る馬はだいたい4番人気以下のダークホースである。
差し馬で人気薄はマークしたい。

ヴィクトリアマイルの「2」回
過去11回で、2年連続で連対した馬は、
ウオッカ
ブエナビスタ
ホエールキャプチャ
ヴィルシーナ
ストレイトガール
いずれも歴代の覇者である。
そして、前走では皆負けていたというのも共通している。
主要な前哨戦はあっても、2連勝でここを制した馬自体、エイジアンウインズのみだから、本命党には辛いレースである。
その上、連対した翌年は前年より評価が上がっていたことはない。
このレースだけは、裏から見た方が得策だ。

安田記念の1番人気は「1」×、「2、3」○
オグリキャップの1:32.4がずっと異質な存在であったのが、03年改修後最初の安田記念で、似た適性を持つ同系馬・アグネスデジタルの1:32.1により、競馬の中身は変質した。
秒単位の2と3の組み合わせに、1も加わったことで、1番人気は混戦と相まって、その信頼度を壊滅的なまでに低下させた。
1番人気馬で1分31秒台で勝った馬は1頭だけであり、それは今や門外漢とされるスプリント王者だったロードカナロアだけである。
10年に一度くらいはこういうタイプが出てくるから、それは度外視すればいいのだが、それ以降また1番人気が強い。
1分31秒台の決着ではないからだ。
馬場の読みとメンバー構成である程度は勝ちタイムは読み解ける。
時計が遅い年ほど、人気馬は強い。レース攻略の肝である。
昨年はペースが遅すぎただけだ。

 

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マイラーズC -回顧-

読了までの目安時間:約 2分

 

ペースは速くはなかったが、マイルCSの時よりずっと消極的な作戦ながら、インを突くことを冷静に選択したルメール騎手がさすがという騎乗を見せた。
イスラボニータにすらキレ負けするエアスピネルというのは…。
今の東京は、持ちうるスピード能力の全てを求められる競馬になりやすいが、京都でスローになっても、先行勢が一定以上のラップを刻まない限りは、中距離ベースの総合力の競馬になりやすい。

マイルでこそ期待という組であったブラックスピネルや出負けから巻き返す時間を作れなかったプロディガルサンは、マイルのチャンピオンを目指すということでは、まだまだ迫力は足らないということだろう。
ベテランのサンライズメジャーや、きっと右回りではそこまで強くないヤングマンパワーのテクニックに翻弄されてしまった。
クラシックを戦い抜いたエアスピネルやイスラボニータはそれに加え、古馬のチャンピオン路線にも挑んだ馬などには、あまり苦労の少ない競馬であったように思う。

しかし由々しきことに、このレースは遥か昔にノースフライトが勝って、続く安田記念を制してからというのも、全く本番に繋がりがない。
阪神で長く行われていたこのレースを、秋にも目標のある京都で施行することは、長いスパンで捉えれば意味はあるのだろうが、結果は伴っていない。

鋭さとか器用さとかではなく、末の持続力の阪神と助走のつけ方の巧みさが求められる京都は、スパイラルカーブ以外の末脚自慢に対するアシストがない東京の競馬とは、本質的な面で求められる能力の質が違うのであろう。
上手さで京都で連続して好走した上位2頭には、底力勝負という重い課題をクリアする目標が、高くそびえることになりそうだ。
昨年のようなスローはまずあり得ないわけだし、プラスアルファまではない。
相手が軽くなる分の浮上はあるだろうが。

 

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フローラS -回顧-

読了までの目安時間:約 4分

 

京都のマイル戦に続き、こちら東京もベテラン騎手の腕比べとなった。
一連の牝馬重賞はハイレベルとされてきたが、フラワーCがファンディーナ以外は目標がまだずっと先にありそうな面々で、即クラシックへと向かえるようなレベルではなかったのと同じように、派手なレースぶりを買われたホウオウパヒュームが人気を裏切り、距離がどうかと思われたフローレスマジックも、卒なく走ってきた割に、前も捉えきれず最後も刺され…、と少し味気ないレース内容に終始してしまった。

9Rの石和特別(芝1800M)でも、馬群をうまく縫って上がってきた和田竜二騎手だが、最内枠からスムーズな立ち回りで、ゴール前に外に出しただけで、ロスの多いとされる2000Mを完璧に回ってきた技量は、テイエムオペラオーを有馬記念馬にした冷静さに匹敵する、最高レベルのものであった。
スロー見え見えで、自分でレースを作ることへの自信を自らのプライドとしているような騎乗が近年目立つ横山典弘騎手も、タガノアスワドの行き脚を全て計算するような追い回しで、終始レースの主導権を握った。
共に、長距離重賞に実績のある名手ではあるが、どう乗っても限界のありそうな予感のあったフローレスマジックよりは、この距離、この枠、この展開…。
思われているよりずっと、人気馬には死角を多かったというのを理解しているような、実に痛快な技ありの騎乗だった。

勝ったモズカッチャンとよく粘ったヤマカツグレースは、血統馬をあまり多くは扱っていないものの、重賞路線に役者を数々送り込んできた関西の渋めの厩舎の所属馬である点と、最近少しだけ日本の競馬に馴染んできたところのあるハービンジャーの産駒というところが同じだった。
これまで4戦、様々な競馬場を走らせておきながら、殊距離に関しては1800Mに一貫した使われ方をされ【2011】という戦績だったモズカッチャンは、必ずしも高速馬場ではない春の東京開幕週では昔からよく来る「ツボの小さい」キレない牝馬で、サンデーサイレンスも入っていないような馬だから、恐らくは、外枠では用なしだったはず。

ただ、これで良馬場3戦3勝の3連勝だから、何となく、同厩舎のスピード馬・ソルヴェイグのように、底知れぬ能力が下の条件では今一つ発揮されなかったけれども、上のクラスに入ると突然、今まで見せていたモズカッチャンの場合で言うと勝負強さが、見事に引き出されたような競馬であったように思う。
この手の馬は、格上相手ということも時に芝・ダートの垣根すら関係ないことがある。
歴代の優勝馬であるニシノハナグルマやヤマトマリオンなどは、その後にダートで思わぬ快走を見せたことがあった。
芝向きの配合でも、違うものが求められるケースがまま見られるのは、この時期の牝馬には苦しい競馬を強いられる条件も、一つの要因になっているのだろう。
何となく、1年後は交流競走を走っていそうな予感がする。
和田騎手もダートは得意だったりするし…。

ホウオウパヒュームは、筆者推奨のビルズトレジャーに終始ふたをされる中団のポジションからの追走で、伸び伸び走らせてあげられなかったのも敗因なのだが、上がりの脚も特別抜けていたわけでもなく、見た目にも数字の面でも平凡な結果に終わった。
ハーツクライがそういう結果をもたらした要因のようで、実際は、母がキングマンボ×エルプラドであるから、まだまだ大きなところを目指すには早かったのだろう。
デビュー以来、初めて馬体重は減らなかったが、持ち時計の更新が前走からできていなかった点でも、注目されすぎの嫌いもある。
似た配合のマジックタイムが本格化したのは、ここで人気を裏切ってから実に1年半後の東京マイルであった。

 

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フローラS -予想-

読了までの目安時間:約 4分

 

何だか嫌になるようなGⅠの結果が続いていたから、ある意味で、この中休みは有効活用しておかないといけない。
今度は4週続けてではない。6週もあるのだから。

やや無理筋で、血統からして春の重賞路線が合いそうなメジロドーベルの孫娘・ビルズトレジャーから入ろうと考える。
同じく90年代に活躍した名牝・ニシノフラワーの孫<ニシノアモーレ>もそうなのだが、暮れの段階で超ハイレベルの牝馬路線が形成されつつあった状況で、年末から牡馬混合重賞に挑戦し、ビルズトレジャーは健闘したとはいえないが、
ホープフルS⑦ レイデオロから0.6秒差
共同通信杯⑦ スワーヴリチャードから0.7秒差
と、ダービーの有力候補が力を示した舞台で、それなりに頑張ったように思う。

加えて、他の牡馬連中に伍して、勝ち馬の末脚にみんな劣った競馬で上がりの脚がそれぞれ2、3位と、一定以上の結果を残した。
これは陣営の判断というよりは、将来性を考慮した田中勝春騎手の選択が引き出した決め手のように思う。
共に、勝負をしていくような競馬をせず、末をとりあえず活かす形を、父ダノンシャンティに前述の祖母や従兄弟の関係にある青葉賞馬・ショウナンラグーンがそうであったように、この条件ではこうすべきだろうと素直に感じて、取り入れたのだろう。

しかし今回は、まだ2勝目も上げていないわけで、多少ははっきりとした勝負手に出る可能性がある。
ホープフルSに挑むまでは、東京の1400Mで新馬戦から①-②という結果であったから、気性を考えての策は致し方ない。
が、負けた相手のせいで妙に人気になりそうな馬や、好調のハーツクライ産駒の無敗馬がいて、その他諸々のグループにも、それなりに色気を持った組がいるから、これまでやってきた積極的な挑戦の恩恵を受けられるチャンスとも言える。

メジロドーベルの一族は、「超名牝」であったが故に生じる活力の使い減りによる影響が、血統の印象以上に色濃く現れ、体質面に弱点を抱える蓋然性の高さは、まだ日本で一流馬が多く出ていない良血のラインよりも遥かに高確率になりやすいにもかかわらず、デビュー時から4戦で-2、±0、±0、±0というビルズトレジャーの秘める底力は、思われているより相当なレベルの可能性がある。

◎ビルズトレジャー
○ホウオウパヒューム
▲フローレスマジック
これらは、距離とか競馬場ということを除いて、大きな舞台に出てきてもらいたいという気持ちにさせられる何かを持っている馬だ。
底力の配合のマチカネタマカズラから生まれた大物候補・ホウオウパヒュームには、父の勢いだけではなく、今なら大物獲りも可能な対抗馬としての参戦が可能な状況で、ハーツクライが武器とした鋭さがより増してきた走りの内容に、ここでも期待を集めるはず。
ただ、体の減らないビルズトレジャーに対し、間隔を開けて丁寧に使われながら、微減ながら減り続けているから、大幅増で迫力満点のパドック気配なら、次も期待できるが、それを求めるべきは秋以降のような気もしないではない。
昨年のビッシュがまさにそうだった。

注アドマイヤローザ
△キャナルストリート、ディーパワンサ、ニシノアモーレ、ヤマカツグレース
らが、一応の相手。
一度は強い馬、牡馬相手に力を見せつけられた彼女たちは、2000Mで一変の可能性を秘めている。
アドマイヤローザも1600より2000が合いそうな配合だ。

 

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