2017年菊花賞 レース展望

JUST競馬予想ブログ

菊花賞 -予想-

読了までの目安時間:約 5分

 

全兄は先週接戦をモノにして、静かに復活の狼煙を上げ始めたマウントロブソン。
どう考えても決め手が魅力のタイプではなく、長距離戦に自信を持っているはずの和田騎手には、気性面でやや癖の強いものを持っているベストアプローチで岩田騎手の継続騎乗が決まったことは、実についているとも言える。
前走は、最近地味に菊花賞に繋がる新潟2200Mの1000万条件を、正攻法の抜け出しで快勝しているポポカテペトルでも、ここはチャンス十分だろう。

実は、ベストアプローチとポポカテペトル、一応登録するも除外となったダノンディスタンスらには、ちょっとした因縁がある。
年末のグランプリデーの裏の阪神2000M戦は、サトノダイヤモンドが改めて素晴らしい才能があると示した舞台として知られるが、昨年そこで勝ったのが、除外のダノンディスタンス。鞍上は機転を利かせて逃げた和田騎手だった。
当時まだ評価は平凡だったポポカテペトルは、スローペースにはまって差し損ねての5着。
人気に推されたのが、京都2歳S3着の実績のあったベストアプローチ。
ここで2着してからというもの、勝利とは縁遠く、トライアルでやけにいい走りをする面を見せている。

時間が経過し、それぞれに特性というものが見えてきた中で、一番実績を上げた人気のベストアプローチは、あの時勝負強さを見せられなかったことで、ずっと差して見せ場を作るまでの競馬が続いている。
シュウジが根性を見せた週の阪神だったから、良回復とはいえ、時計平凡のスローペースらしい結果で、あまりみんな冴えないのでは思っていると、このポポカテペトルが3勝している以外にも、何だかんだでほぼ全ての馬が2勝しているのである。

やや低調な路線の傾向とすれば、本来の出世レースとしての、少し前までのホープフルSくらいのレース格は確実に保っているように感じる。
その中でここに出てきた2頭は、レイデオロにもアドミラブルにも完敗だが、青葉賞でそれぞれ掲示板に入った馬。
このレースが世代のトップクラスの高水準とされる展開だったから、ダービーとは直結するけれども、ダービー馬が勝つのは当たり前のところのある神戸新聞杯組は、秋になっても変化しない流れの中に置かれるので、いい経験を積むことはできても、勝ち運を引き当てることに、ベストアプローチ自身はここでも失敗したままでの参戦となってしまった。

一方、どこが成長曲線の頂点になるのか判然としない傾向を兄が示しているポポカテペトルの方は、新潟で時計の出始めた頃とはいえ、2:11.7の走破時計、当然の平均より遅い流れからの後半4F11秒台のみという中身の濃いレースで、古馬を完封しているのは、和田騎手の現状の立ち位置から、強気に出る以外の手が考えられない。

あまり安定感のないタイプながら、道悪の菊花賞になった時は、決まって時計のある馬か人気の中心の馬の競馬になる点でも、1000万で接戦を勝ち上がったくらいでは容易に対応できない傾向も含め、ちゃんと信用できる上がり馬は、あとは+32kgで3勝目を挙げた青葉賞7着のトリコロールブルーくらいからと感じる。
皐月賞もダービーも特殊なレースで、皐月賞1、3着馬は出てきたが、2着馬は富士Sに参戦。
ダービーはレースの質そのものは軽かったが、2、3着馬は間に合わなかったか、競走能力を失う故障に見舞われてしまった。

どの道、GⅠで消耗してしまっては、ここで出番はない。
混戦ながら、使えるカードが少ない中で、タフな3000M戦に耐えきれそうな馬は、彼らに絞られると考える。

◎ポポカテペトル
○ベストアプローチ
▲ダンビュライト
注サトノクロニクル
△トリコロールブルー、マイネルヴンシュ、ミッキースワロー、アルアイン

人気馬は絡んでくるだろうが、3枠に並んだステイゴールド以外、あまり勝ち運に恵まれなかった組に出番がある舞台のように思う。
セントライト記念組は、今年に関しては、神戸新聞杯と互角だろうから、キレなかった順に押さえておくのが、パンパン馬場は有り得ない菊の正しい狙い目だろう。

 

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富士S -予想-

読了までの目安時間:約 3分

 

言いたいことが沢山ある馬ばかりが集い、楽しい一面がある一方で、本当に本番でも狙えるのか疑問という馬の争いとなってしまった印象も拭えない。

軽い馬場での争いは考えにくいから、実績上位の馬には有利かもしれない。
GⅠ馬は2頭いるが、2、3歳限定の東京戦での勝ち星があるのみで、絶対的な信頼とまではいかない部分はある。
あとは、古馬重賞の勝ち馬であるエアスピネル、ガリバルディ、グランシルク、ロードクエストなどが、興味のそそられる存在になってくる。
問題は順位付け。

常道でいけば、総合力勝負に向くエアスピネルやイスラボニータがマイラーズCという、GⅠとの関連性において位置づけが似たところでの実績が今年のレースにあるから、それが中心でよさそうだ。
そこにグランシルクがどう絡んでくるか。

強気にはなれないが、落ち着くところに落ち着く格好で武豊騎手に手が戻ってきたエアスピネルが本命。
見方が分かれるのは、似たり寄ったりの菊花賞にも言えることだが、詰まる所、今はこの中で一番強そうなのは、彼か一つ年上で前走で開眼したように見えるグランシルクのどちらかである。
それらが力を出し切れれば、きっと、本番でも面白い存在になり得る。

エアスピネルの強みは、極めて安定した戦績となるわけだが、同時に、詰めの甘さをマイルでカバーできないことは判然としつつも、今2000Mでこのメンバーでやったら、間違いなく勝利に最も近い位置にいると考えられなくもない。
逆説的に言って、距離延長でのアドヴァンテージは、GⅠ前哨戦の価値と同等と考えると、それはGⅠの格との関連性に直結する話だから、毎日王冠組よりも、かなりタイトな関門になるわけだ。

マイルで強いということを示せるかどうか。
それができそうなのは…。

◎エアスピネル
○グランシルク
▲イスラボニータ
注ペルシアンナイト
△ガリバルディ、サトノアレス、レッドアンシェル

天候微妙な土曜は、詰め甘の馬には合う馬場のような気がする。

 

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マイルCS展望

読了までの目安時間:約 3分

 

まさかとは思うが、ソウルスターリングが毎日王冠で不発だったから、こちらに回ってきても…、と思っていたが、サトノアラジンに先着を許しているから、それもないか。
そこでグレーターロンドンが2着にも入れなかったことは痛すぎた。
初めてとなる間隔を詰めての参戦になっていた可能性もあったが、秋の大舞台への挑戦はもうあり得ない。

少しは男らしくなったサトノアラジンが、どういう雰囲気を醸し出して、今年も恐らく1番人気で出てくるだろう京都の大舞台でパドックに顔を出すのかが問題なのだ。
好時計の安田記念ほど、秋のこちらには全くリンクしないという傾向が出ている。
おまけに接戦。
スプリンターズSでそこの3着馬だったレッドファルクスが連覇を達成したことは、先着している組は喜ばしいことのようで、上がり目となると、その他の組に求めたくなるのは間違いない。

府中牝馬Sに登場したアドマイヤリードは、渋馬場に関係なく、単なる仕掛け遅れで3着。
東京よりイン突きは決まるから、ブルーメンブラットの様に立ち回れれば、結構面白い。
ただ、キレる馬は時計が速くなると出番がなくなる。
デュランダルやカンパニーが強かったときは、決まって時計は平凡。
ダイワメジャーやダノンシャークが元気だったころは、ほぼ全てが厳しい消耗戦だった。

さすがに直前ではないと先行しそうな馬を選定することは難しい。
秋華賞組のアエロリットがその筆頭で、あとラビットラン辺りでも今の路線の混沌具合であればチャンスありでも、結果は思わしくなかった。
ならば、桜花賞馬の方も思ったが、まずは勝ちたいだろう。

直前になっても迷うことが多いマイルGⅠ。
富士Sのメンバーが豪華で、完全にスワンSを凌駕しそうな雰囲気だから、登録しているグランシルク、エアスピネルに加えて、昨年の好走馬イスラボニータとそこで1番人気だったロードクエストの動きを再確認したい。
3歳馬には、ここまでの結果に信頼できない点も多く、勝ち切ってからの上昇力が勝ち負けの焦点になりそうだ。

 

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菊花賞的穴馬の傾向

読了までの目安時間:約 3分

 

10 ⑦-①(ローズキングダム)-<⑬76.0倍 ビートブラック>
・ダービー馬回避
・スローの前残り
・ビートブラック:前走阪神2400(稍)1000万①/ダートデビュー

08 ①(オウケンブルースリ)-<⑮37.7倍 フローテーション>-⑨
・ダービー連対馬回避
・猛ペース→超中弛みの変則的な消耗戦
・フローテーション:萩S(稍)①、スプリングS② 京都1戦1勝

06 <⑧44.2倍 ソングオブウインド>-②-③
・①2.0倍 メイショウサムソン<好位抜け出し・4着>
・レコードペースの超ハイレベル決戦
・ソングオブウインド:前走神戸新聞杯③<中京2000>、ラジオNIKKEI賞②(重)/ダートデビュー

05 ①-<⑥50.3倍 アドマイヤジャパン>-③
・ダービー上位組ほぼ安泰
・常識的な長距離戦の流れ
・アドマイヤジャパン:前走神戸新聞杯⑤、京成杯①(不)/キャリア全て芝2000M以上

04 <⑧45.1倍 デルタブルース>-④-⑥
・①2.7倍 ハーツクライ<後方から伸びきれず・7着>
・ダービー勝ち馬以外ほぼ安泰
・常識的な長距離戦の流れ
・デルタブルース:前走中山2500M 1000万①/道悪【1101】(着外は重馬場の京都マイルの新馬戦)

02 <⑩36.6倍 ヒシミラクル>-<⑯91.3倍 ファストタテヤマ>-③
・①2.5倍 ノーリーズン<スタート直後落馬・中止>
・ダービー上位組回避
・猛ペース→中弛みの変則的な消耗戦
・ヒシミラクル:5月初勝利後の2戦目、阪神2200M 500万①は、宝塚記念のタイムを凌ぐ開催ベストタイムでのもの。3勝馬。
・ファストタテヤマ:京都【2001】 全て重賞、着外のシンザン記念の勝ち馬はタニノギムレット。

01 ⑥-<⑪114倍 マイネルデスポット>-③
・①2.3倍 ジャングルポケット<中団から伸び一息・4着>
・ダービー上位組安泰
・2000M通過2分7秒台の超後傾ラップ
・マイネルデスポット:京都【1131】 最低着順4着、初勝利が京都2200M逃げ切り、前走京都2400M 1000万③の走破タイムは2:24.3。

今世紀の穴傾向は単純。
京都、道悪、長距離実績がオッズに反映されていなければ、ドンと買い!である。

 

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牝馬クラシック総括

読了までの目安時間:約 3分

 

雨の日は何かが起こる。
大本命は敗れ、その後はすぐに立ち直る。その繰り返しが、今年の競馬のトレンドになっていた。

レーヌミノルの快走は、直前のフィリーズレビューでの浜中騎手の失態があり、牝馬GⅠ請負人たる池添騎手に変更されたことが大きかった。
速い馬である彼女に、道悪でもハイペースを演出したカワキタエンカの作ったリズムが、ダートでも戦えそうなタフさを秘める血統の力も借りつつ、出し惜しみなしの正攻法の手に勝機を見出した。
結果、ソウルスターリングは伸びきれず、またしてもリスグラシューが追撃してきた。

そのJFコネクションがようやく解けたのが、続くオークスだった。
快速ではないマイル時計連発の本命馬が、ここ最近オークスで不発に終わることはなかったから、それぞれチャンスありの展開は十分に予想されたが、この距離で今度はスローで折り合い、正攻法で戦うとなった時に、ルメール騎手の経験と技量が、他のライバル勢に見劣る可能性は全くなかった。
大方の支持通り、距離が持ちそうなモズカッチャンやアドマイヤミヤビを引き連れ、馬場の真ん中に堂々のウイニングロードを築いたのである。

前2戦と比べて歴史も短ければ、雨が多い季節は過ぎているはずなのに、軽いはずの2週目の京都の馬場が、かなりの水分を含んだ重馬場となってしまったオークス同窓会の秋華賞は、ハービンジャーの間にハーツクライが挟まる、ヨーロピアン・キングジョージ決着。
スペシャルウィークとマキャヴェリアンという日本では重の鬼を生む血統を二つも搭載したディアドラは、ご褒美ついでに、泥だらけのゴール後の姿に符合するような戦績を引っ提げ、3歳牝馬戦線を締めた。

才能に恵まれた馬が多く、堅実派のリスグラシューや裏の牡馬路線から秋華賞登場のファンディーナには出番はなく、真っすぐにキャリアを積み重ね、しかも勝ち運も持っている本格派の血統の馬だけにチャンスがあった。
ラビットランは、1800戦に活路を見出すのがいいように思うが、それは日本には少ない。
この世代の牝馬は、まだまだ仕事場を広げることができる才能に溢れている。

 

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3歳春重賞が変わる<2018年度変更要点>

読了までの目安時間:約 2分

 

今年同様、11月の最初の開催週はJBC競走とのコラボレーションが図られ、来年は京都での3競走実施が既定路線であることは周知の通りだったが、それ以外にもマイナーチェンジ等の変更事項が、この度、JRAから発表された。

まず、JBCを中央競馬で行う関係で、同週開催されるべきみやこSが1年お休みという緊急措置をとる格好となり、スプリント、レディスクラシックは1200、1800と通常の距離で行われるが、クラシックの基本距離である2000がとれないことで、こちらは1900Mで施行されることが決まった。

興味深いのは春の3歳重賞の変更点。
チューリップ賞が牡馬路線の弥生賞のように、GⅡへ格上げされることになった。
細かいところでは、桜花賞と皐月賞が、優駿牝馬・東京優駿のトライアル的機能の面で、4着までの優先出走権が掲示板の上位5頭全てに拡大され、フローラSが上位2頭、スイートピーSは勝ち馬にのみオークス出走権が与えられる。

更に、短距離路線は大枠を変えず、移動と格上げでバージョンアップが図られた。
・アーリントンC<1阪1→2阪7>来年は4月14日(土)
→これにより、NHKマイルCのトライアル競走となり、上位3着馬に優先出走権が与えられる。
・葵S<GⅢ格の新設重賞として格上げ>(3京11・ダービー前日)

古馬重賞の開催日と重なる部分をどう微修正しているかまでは、まだ判然としない部分もあるが、これにより、裏路線組の苦労が少々和らぐ可能性があり、選択肢が増えるメリットが顕在化するはずである。

 

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新馬回顧<10/14・15>

読了までの目安時間:約 3分

 

各場降り方が違ったので、馬場状態もまちまちの土曜競馬。
ダートの馬場差は大きく、東京は不良、京都は普通の良馬場だった。
そのダート戦は、京都1800のライジングドラゴンも東京1400のダークリパルサーも正攻法の抜け出しで快勝だったから、あまり馬場状態は勝ち負けには関係なかった印象。
東京は馬場が速すぎて伏兵は用なしだったが、その分、上位勢の評価は高くなる。

京都は芝が短距離戦。
ゴーンウエスト直仔・イルーシヴクオリティ産駒のロンロネオが、直線の反応は他とは全く違い、楽々の抜け出し。
ミスプロの3×4で同系配合。こちらもダートで勝負したいタイプに育つかもしれない。
東京の芝のマイル戦では、アユサンの全妹・マウレアが上手な競馬で勝ち上がった。
異系色が強い母系だけに、本来は完成まで時間を要するタイプ。春以降に期待したい血統馬だ。

日曜はまず東京が道悪競馬。
重の芝で2鞍行われた。
マイルの牝馬戦の方では、ディープ×ハウオリのオハナが、外から豪快に伸びて快勝。
1800も3代母がヒシアマゾンという良血のギャンブラーが人気に応え、石橋脩騎手が連勝。
泥臭さ漂うGⅠデーの裏開催で、好漢の手綱捌きが冴えわたった。共に底力型。
ちなみに、新潟ダ1200デビューウインのドゥリアリティも3代母は共通のヒシアマゾン。
パワー勝負に真っ向から挑むのが合う。

刻一刻と天候が悪化した昼休み前後の京都の2戦は、ダ1200は武豊騎手のクレヴァーパッチが5馬身差圧勝、芝1800戦も人気になっていたディープ×クロウキャニオンのフォックスクリークが快勝。
こちらは川田騎手が流れと馬場を考え、正攻法の策で3番人気のドラセナを受ける競馬をしたのが幸いした。2番人気は後方で脚をとられていた。
フォックスクリークの兄・クリアザトラックもデムーロ騎手で京都内回りの1600を番手抜け出し勝っているが、重賞では結果が出ていないから、本当は下げて勝負した方はいいのかもしれない。
しかし、それでGⅠを勝てるとも思えないところが、何とも歯痒い。

 

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秋華賞 -回顧-

読了までの目安時間:約 5分

 

動くタイミングが絶妙だったのは、本当はモズカッチャンだったはず。
前にアエロリット、ファンディーナを置く競馬は理想で、トータルの時計が速くならないことが読めるような厳しい馬場状態で、それを潰してしまえばという考えは、前回うまくいかなかった分を取り返したかったデムーロ騎手としても、彼女の持ち味を出し切るには十分の好条件であった。

しかし、買いたい馬がいないのではなく、それが多すぎるためにオッズが割れたようなところのある今年の秋華賞は、それらが主役にならなくても、まだまだ役者がいた。
それぞれが、いい馬にいい騎手という組み合わせだったのだ。

前回はやや強引ながら、この後の多頭数の競馬を力でねじ伏せる形を早めに体得させるようにして、伏兵の内残りを封じ込めた紫苑Sの内容を高く評価されていたディアドラは、最後ガス欠の2頭に続く3番手評価。
ここでテン乗りでいい馬を駆ることになった失意のルメール騎手を、評価が分かれるところになった連続のプラス12kgで、人によってはムチムチすぎるグラマラス女子高生と見て、直前買い派のファンがやや手控えた中での人気落ちの側面もあったが…。

現に、例年の似たようなハイレベルの展開で時計勝負になれば、全然勝負にならないような後方待機、いや、うまく回ってこられたけれども、キビキビ動いて行けるようなタイプではないことで、ギリギリ届くかどうかの馬群の後ろ目のところから、最後は怒涛の追い込みで抜け出したのだから、完全に道悪の馬場を味方につけられたことは間違いない。

軽い馬場に対応できるような馬ではなかったのだろうが、誰よりも一生懸命に走って、同時に勝ちに飢える最も切ない敗戦を重ねてきたディアドラだからこそ、このタフなレースを勝ち切れたのだろう。
オーソドックスに中団から差すことを選択したリスグラシューも、相手がスピード優先で、自分も途中で脚を使わされたことでハナ差交わされることとなったモズカッチャンより強かに立ち回ったことで、いつもと大差はないが、一番この馬場に適性を感じさせる内容で2着を確保。

名手たちがそれぞれ選択した戦法は、結果、この着順となった出たわけだが、それは上位人気2頭の横山、岩田騎手とて、決して責められるものではない。
ミルコがいい仕掛けで仕事をしたが、良馬場ではないから、最後はリズムが狂ったというだけのこと。
ミルコが勝ちに出た恩恵はルメール、武らが受け、あとの15組は勝負のチャンスを奪われたというのが真実だろう。

アエロリットは道悪が苦手だったとしても、外からのプレッシャーを恐れずに、自分から先行する意思を示せば、ある程度の死角はカバーできたはずだ。
ただ、馬場と差し馬の力関係を考え、まずは先行馬を自ら潰すのがファンディーナとためだという岩田騎手の思いが見える積極策もあり、横山騎手の「行く手もあったが、壁を作れるなら、それがベスト」という本質面での課題をクリアするには、危うい気性を抑え込むにはリスクを負ってでも、快調に飛ばすカワキタエンカを途中から潰しにかかる、本来の彼女の競馬に徹するしか、もう選択肢はなかったのだ。

こうなってしまうと、スピードで強引に押し切ることも、同時に後続を翻弄することもできない。
本当は良馬場で…、という願いも叶わず、調子が良すぎて行く気満々の状態は、昨年の関東馬壊滅の秋の京都と同じような展開になってしまった。
クリアできる大きすぎない壁であったはずが、史上初の本格的な重馬場の秋華賞により、最も負けているディアドラに凱歌があるなど、何とも皮肉なものだ。
挑戦する意思は正しかったが、1番人気で【0200】、2番人気で【3000】というこれまでの結果に、距離不安もプラスされたことで、何だか一番割を食ってしまったことが、面白いレースの中で唯一、とても残念であった。
初の非1番人気だったファンディーナ共々、梅雨時にも似たこの雨を、誰よりも恨めしく思った陣営の気持ちは、きっと筆者と同じものであったはずだ。

 

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府中牝馬S -回顧-

読了までの目安時間:約 3分

 

遅すぎる逃げは合わないと思ったが、調子がいいということに加え、秋雨によって絶妙に濡れた馬場が味方したのか、やや華奢な印象の小柄な同期2頭を抑え込み、4歳世代第3の女としてクロコスミアが逃げ切った。

思ったより他の馬が行こうとしないことを利用して、いとも簡単に先行馬有利の流れを…、とならないのが、先週も感じた東京1800Mのトリック。
末が活かせる展開ということはなくても、瞬発力は即ち底力ともリンクするのがこのコースの重賞だ。
スローに落としては、簡単には押し切れない。

ただ…。
直線のGⅠ馬の反応は素晴らしく、それぞれがスローの瞬発力勝負にアピールポイントを持っているのが共通していたが、残念ながら、ここは始動戦であっても、勝負レースではないということで、位置を取っていこうという意思は、3騎手からは感じられなかった。
形作りさえできればいい…。

各々プラス体重で、恐らく、急に涼しいを通り越して、雨に濡れると風邪を引くこと必至の環境が、概ね好調の馬は馬体増の出走、勝たなければこの先苦労しそうなクインズミラーグロやワンブレスアウェイは10kgを大きく上回る体重に、前者は増減幅の多さを考慮すれば少し足らず、後者は逆に多すぎるということが、やや難しい展開への対応の足かせになったように見える。

プラス8kgの小柄なステイゴールド産駒の方はといえば、2着ヴィブロスが秋華賞比20kg増なのに比べ、こちらは春からコンスタントに使われた中での12kgだから、むしろ、前哨戦としては理想の余裕残し程度の作り。
それに斤量の2kg差がついた。
その他差した組にそのアドヴァンテージは生じなかったが、北海道に帰ったことで自分を取り戻したどころか、大いにパワーアップして中央場所に戻ってこられたクロコスミアに、GⅠ馬にはない上昇力があったということだろう。
課題は引き続き、時計勝負への対応力となる。

 

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秋華賞 -予想-

読了までの目安時間:約 4分

 

クロフネやその父フレンチデピュティ、母父にその系統の血が入ったショウナンパンドラやアパパネといった面々が、この秋華賞で数多く好走、激走をしている。
来る時は決まって高速決着の年。

春の二冠レースよりは、血統の良質さが必ずしも重要ではない以上、クロフネ×ネオユニヴァース、一族の熟成される傾向が3歳秋以降という共通した成功パターンもあり、本命視される一頭であるアエロリットは、ここを通過としてしまう可能性さえ秘めている。
直前まで、あらゆる可能性をマイナス材料から見つけ出そうとした筆者だが、強烈な決め手を持つラビットランや惜敗癖から脱却して勝負強さを見せ始めたディアドラなど、タレントは枚挙に暇がない半面、誰よりも攻撃的な競馬を自ら率先して選んでいける強みは、主戦の鞍上が底力のある馬に課す「自分の力で勝負を決める武器の選択」で、より分かりやすい先行策をすでに見出している状況では、それが最大限に発揮できるのではないのかと、容易に判断できる。

雨がどの程度降って、また当日にどういう馬場の変化が起こるかは読み切れないものの、むしろそういう天候になった方が、数々の大舞台で一般のレース以上に大胆さが際立つ横山流のスペシャルサポートは、勝機を拡大する要素になり得る。
ライバル陣営からすれば、普通の良馬場で戦いたいという気持ちだろうし、アエロリットが唯一桜花賞が道悪という懸念材料がある一方で、勝ち馬はハイペースからの好位抜け出しで、その時だけ競馬にならなかったことを踏まえれば、血統構成からして、道悪歓迎である。

ソウルスターリングの先入観が案外の結末にがっかり感を増幅させたという経験を無視してはいけないけれども、52、+18kgで長短相殺の前走は、いくらスピード能力が違ったとはいえ、まるで相手はおらずという結果だった。
良馬場でハードな好位抜け出しを何度も経験しているアエロリットの死角は、実は道悪でよりマークを掻い潜りやすくなる状況になった方が、より狭まるはずだ。

◎アエロリット
○リスグラシュー
▲ディアドラ
注リカビトス
△カワキタエンカ、ハローユニコーン、ファンディーナ、ラビットラン

相手に関しては、人気があるとかないとかは重要ではない。
レースの主導権はアエロリットが握っていて、桜花賞のようなことがあれば、一気に混沌とする展開になってしまうことが目に見えている。
そうなれば、ファンディーナやカワキタエンカにもチャンスありだろうが、ソウルスターリングとレース巧者ぶりでは双璧の本命馬である。
確実に差して来られるタイプやよくわからない魅力が秘められた上がり馬が流すべき対象だ。

勝ち味に遅いからこそ、本番の底力勝負は歓迎のリスグラシューには、長く横山騎手と切磋琢磨してきた武豊騎手の一発狙いを期待する。
相手が作る流れを理解した時の正確な動き出しとそれを正攻法で受けて立つという勝負の形は、ここ四半世紀の日本競馬を牽引してきた彼らが、何度となく大一番で繰り返してきた「正しいGⅠレースの作り方」と符合する。
中団前目か後方待機のどちらかだろうが、動きやすいのは案外追い込み策だったりするから、強烈に差し込む形を選択するのではないだろうか。

 

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