血統予想・コラム

JUST競馬予想ブログ

人気と実力の狭間で

読了までの目安時間:約 3分

 


GⅠ

芝の1番人気馬が、

高松宮記念 ⑧レッドファルクス 2.3倍

大阪杯 ①スワーヴリチャード 3.5倍

桜花賞 ②ラッキーライラック 1.8倍

皐月賞 ⑦ワグネリアン 3.5倍

という結果は、何とも悩ましい面がある。

大阪杯は2年連続で1番人気馬が勝利するも、GⅠ好走歴のある単勝15倍以上の馬が相手に絡んでくるから、これも案外厄介。

納得できるような時計の勝負にならないと、人気馬が走る保証はないようだ。

天皇賞が荒れそうで荒れなかったのも、逆の意味で捉えることもできるし…。

GⅡ

スプリングSの週から、青葉賞に至るまで合計8レース行われ、

1番人気【2141】<日経賞 ⑨キセキ>

2、3番人気【1106】 <NZT ①カツジ>/【2105】<①レインボーライン、ガンコ>

穴馬券が多量に出現したわけではない。

阪神牝馬S ①ミスパンテール<4人/8.4倍>

マイラーズC ①サングレーザー<4人/6.8倍>

青葉賞 ①ゴーフォザサミット<6人/14.6倍>

騎手も実績も、非上位人気馬が見劣っていたわけではないから、荒れるならヒモということだったようだ。

その他前開催でのオープン戦における主な波乱のレースは、

ダービー卿 ヒーズインラブ④-キャンベルジュニア⑥

忘れな草 オールフォーラブ①-リュヌドール⑩-ゴージャスランチ⑦

京葉S ダノングッド⑨-ベストマッチョ①

福島民報杯 マイネルサージュ⑤-マイスタイル①-ストーンウェア⑩

などで、基本的にハイペースからの差し脚勝負での波乱。普通といえば、そういうことになる。

敢えて、ここではアンタレスSに触れておきたい。

①グレイトパール①

②ミツバ③

③クインズサターン⑤

休み明けのグレイトパールが、じんわりと仕掛けていって、力勝負でミツバ以下を封じたレース。

不良馬場ながら前半も60秒そこそこで流れ、37秒台前半の脚を上位勢がみんな使う厳しい展開。

つまり、実力通りの決着であり、実績の足らなかったクインズサターンも、ハマった印象の3着ではなかった。

時計勝負不適のナムラアラシが8着だった以外はほぼ力通り。翌週レコード決着となったGⅡ2戦並みに注目の一戦となった。

 

コラム

日本勢完敗<香港GⅠ結果>

読了までの目安時間:約 2分

 


今年も恒例の春の総決算的GⅠ、香港・沙田競馬場で行われたクイーンエリザベス2世Cとチェアマンズスプリントプライズは、日本馬計3頭を含む、香港勢中心のメンバー構成となり、地元勢が圧倒する結果に終わった。

2000Mのクイーンエリザベス2世Cは、直前のビュイック乗り替わりもありながら、好位につけてインからアッという間に抜け出した昨年の2着馬・パキスタンスターが圧勝。

勝ち馬が強すぎたとはいえ、日本勢の皐月賞馬であるアルアインは5着、いつもの形に持ち込めなかったとはいえ、人気の中心になったタイムワープが殿負けで、その前で入線したのが7着のダンビュライトという結果だったから、春の天皇賞とは大分違って、難しい組み合わせの馬券が発生することになった。

また、1200M戦のチェアマンズスプリントプライズも、好位から抜け出したパートン騎手のアイヴィクトリーが押し切り勝ちし、少し窮屈なところから伸びてきたファインニードルは、少し話された4着に終わっている。

パートン騎手は、直前のチャンピオンズマイルもビューティジェネレーションで逃げ切り勝ちを収めており、トップジョッキーが大一番を盛り上げた。

実は、これら香港の強豪のうち、近年、国際GⅠであることがすっかり忘れられてしまった宝塚記念に、香港では珍しい中長距離王者であるワーザーが参戦予定との情報もあり、朝鮮半島情勢以外でも、極東アジアの趨勢から、目が離せない状況となってきた。

やや線が細いところもある日本の挑戦者では、確かな武器がないと、海外戦では厳しい戦いを強いられることが、今回も露呈した点を皆で享受することが大切に思う。

 

ニュース

天皇賞(春)-回顧-

読了までの目安時間:約 5分

 


序盤がめちゃめちゃなハイペースではなかったこと、みんながそれでいい位置につけられたこと、有力馬が強引に仕掛けなかったこと、何より、序盤からシュヴァルグランとボウマン騎手が素晴らしいポジションをとれたことで、簡単に伏兵が残れるような展開にならず、それも本命馬の出来は絶好調でもなく、また、負け癖がついている馬だっただけに…。

久々に岩田のイン突き、強襲である。

いいものを見た。

しかし、ゴール直後のあのシーンは、実に痛々しい。

何度も見たことのある故障の最悪のパターンではあるが、GⅠで1位入線後にこう言うシーンは珍しい。

レインボーラインよ、よくやった。

それだけしか、今は声をかけてやれない。

淀みない流れで、しかし、一定の溜めはあったとはいえ、トータルの時計が3:16.2。

レインボーラインのレベルは、菊花賞でもあの驚愕の馬場で行われた秋の天皇賞の時でも示した好走の内容で、全てが証明されている。

その上位メンバーをまとめて負かしたことがあるのが、本命の競馬に徹したシュヴァルグラン。

菊花賞で粘った時は厳しすぎる不良の状態だったクリンチャーも、今年になってパンとしたことで、ここでも好勝負。

チェスナットコートが内枠で人気になって、うまく外に出しやすくなりすぎたことで届かずの5着に終わったのもそう。

4歳馬には簡単には乗り越えられない58の壁がある。

よく頑張ったが、上位2頭は厳しい競馬、それもGⅠにおいてその斤量での好走実績があった。

ミッキーロケットが内スルスル。彼だけが、得をしたレースとなった。

みんなが力を出し切れる展開であり、そういう決着タイムだったのだろう。

それでも、勝者はウイナーズサークルに歩を進めることはできなかった。

昨年よりは…、の評価がオッズの割れ方にも見られたように、今年のこのメンバーは、自分で勝ちに出ることができても、基準が上がりすぎた昨年の競馬を比較材料にすると、かなり見劣ってしまう。

同時に、近10年で見ても、道悪の年の次に遅いタイム。

高速型でも対応できるようになった春の天皇賞は、昨年のレースを経て、元通りのスタミナ比べになったとすれば聞こえはいいが、ここ数年の繰り合わせではスタンダードである「ステイゴールド-ハーツクライ-その他」という組み合わせだったから、あのレインボーラインが示した身体の異変に象徴されるように、この舞台が最後の砦となったメンバーによる一戦だったことは、戦前、戦後でも印象の変化はなかった。

ところで、結果は結果として、今年は大変に順当な結末に終わったのだが、その要因は何だったのかと、時計や実績の面以外に、何かあるかと思って考えてみたのだが、毎回来る血統が分かっていて、ある種の順位付けがはっきりしていることと、最終的にGⅠ実績は馬鹿にできないということが判然とした状況で、

「うまく乗ろうし過ぎない騎手」

というファクターが重要な気がした。

岩田騎手は今回もインからの抜け出しを、希望には入れつつ、恐らくは勝負が決まる内回りとの合流点で決断したのだろう。

器用に乗れる騎手のようで、正攻法が身上、マーク対象がはっきりしている時以外は、極端な策は講じない騎手だ。

だから、あれだけ勝てたのだ。

それはボウマン騎手も同じ。卒なく乗ったJCが彼の本質で、有馬は枠でやや気持ちが萎えた感じ、今回は位置を取れたから、味が出た。

三浦騎手はまだこれからの中堅だが、天才型というイメージはなくなりつつある。

時に武豊、横山典弘ら、日本競馬史における傑出した実力者の出番は回ってくるのは、レースの特性上、それは当然。

ただ、変に癖をつけなかったり、勝負の常道を進む騎手には、実は乗りやすい競馬なのかもしれない。

中距離戦ではほぼ無敵状態のクリストフ、ミルコらは、今年も出番なし。

動かしてはいけない場面でも、テクニックでフォローするタイプには、特に外国人騎手でも向かないタイプは多い。

デットーリよりムーア向き、というべきか。

武、横山らは日本の騎手で、ルールがローカルのもので通用するから、意外な動きを見せたりするが、縛りの多い欧州出身者に、日本は自由に乗れるから…、のイメージが、ここでは通用しないことが理解できた気がする。

 

レース回顧

青葉賞 -回顧-

読了までの目安時間:約 3分

 


前走の内容から、爆裂の逃げ切りの上、相手も抑えていきたいタイプばかりで、人気面からも楽に行けそうなディープインラヴが、気持ちも乗ってきた岩田騎手が今回も騎乗し、前半はいいペースで運べたのだが、そこは久々にフルゲートの青葉賞になった、2着までを競う厳しいトライアル競走。

伏兵も絡んでいった中盤以降、未勝利クラスのキャリアしかない馬には、かなり過酷な直線になってしまった。

直線入り口では横一線。

東京のこのパターンの展開、芝・ダート、距離の短中長問わず、まず先行馬は残らない。

ある意味、末脚勝負はこの馬の形だ、と福永騎手が信じて乗ったようなところのあるスーパーフェザーの差し込みは、直線半ばでは覚悟していたが、筆者垂涎の本命馬・ゴーフォザサミットが、妙に冴えわたるとは失礼だが、近年最高クラスのアシストで中団インの好ポジションを序盤から奪い取った蛯名騎手のパーフェクトすぎるお膳立てのおかげもあって、最後はハーツクライ産駒らしい距離適性を感じさせるもうひと伸びで、後続の追撃を最後はまた突き放す完勝で、ダービーへと向かう結果となった。

汗だくのインタビューは、ディープが人気で、2着もやや相手狂いの結果だったから、その場がややざわついていたとはいえ、あの表情。

ダービーにこれで参加できるんで…。その重い言葉に、おやじたちは皆が肯首し、胸を熱くするのであった。

もしかしたらの時の保険を…。

こちらも勝ちたかったがどうにも前に届きそうになかったスーパーフェザーの福永騎手は、2着王・エタリオウとの叩き合いに最後は敗れ、権利獲りはならず。

相手はステイゴールド産駒。

2分24秒の戦いを経て、ディープの刺客が現れないことが確定的になった、今年のダービー獲り物語である。

執念が勝るか、軽やかな走りが他を制圧するのか。はたまた…。

 

レース回顧

天皇賞(春)-予想-

読了までの目安時間:約 5分

 


週中の大雨はほぼ関係しないような、素晴らしい馬場状態の中での天皇賞が、今年も行われるはずだ。

昨年は好メンバーで、ヤマカツライデンの猛烈な先行策が、レースの質をより上げた。

マークする対象は今年も変わらないが、それを潰しに行ったり、動ける場所から動こうとしたところで、長距離実績も本質面での適性に関しても、疑うべき要素ばかりだから、確かに買えるという保証まではない。

どうしようか考えたのだが…。

近年、勝てないまでも確実に好走馬を送り込んできたハーツクライ産駒が、現在、4年連続で2着馬となっている。

複数馬券に絡んだ馬がここ2年の好走馬なのだが、その2頭、カレンミロティック、シュヴァルグランがいる上に、さすがに厳しいとは思うが8歳のピンポンだとか、こちらは若すぎる気もしないではないチェスナットコートがいて、実績と勢いではシュヴァルグランにもここなら引けと取らないサトノクロニクルら4歳勢も登場する。

普通はサトノクロニクルだろう。

阪神大賞典は好時計決着の2着。過酷な菊花賞は10着ながら、古馬初対戦のチャンレンジCで重賞初勝利を挙げている。

ただし、血統構成があのビートブラックと似ているからといって、では、クリンチャーとの実績の差を埋め合わせるだけの魅力があるかと言われれば、それもまた根拠を探すのは難しい。

相手はGⅠ2着馬でGⅡ馬でもある。

どこがハイレベルという感じではなかったが、例年よりは、時計面で阪神大賞典組を拾えるはず。

菊花賞2着馬が1、3着だったというのは、一定程度の評価はできるだろう。

それでも、GⅠを獲れるほどの勢いのようなものは感じられない。

シュヴァルグランが、実績馬ほど2200M以下の好走歴が重要となる立場にあるだけに、ここ1年の結果は不満。

思い切って、春の天皇賞3勝の蛯名騎手に運命を託す格好で、58初経験のチェスナットコートから入ろうと考える。

実績不足は言わずもがなで、前述の58云々は、GⅠ好走歴でもない限り、適性でフォローするしかないという格の壁が存在するのも、歴史は証明してきた。

それでも、今年に入ってからは鋭くはなくても、確実に前を捉えていく競馬が続いていて、3走前の京都2200M戦は、直線で窮屈になって苦しいところからでも、当時絶好調の戸崎騎手鞍上とはいえ、進路を見つけてからの伸びは圧巻。

道悪の消耗戦とはいえ、直線だけで追い込み勢も置き去りにして、2馬身半差をつける好内容で制した。

東京でもスローの上がり勝負で接戦を制し、やや勝負所で置かれた面もあった日経賞も、最後は前を捉えて、同じく好調のガンコにしっかりと迫っていった。

確実に速くなるとは言えないが、今年も昨年同様、松山騎手が騎乗するヤマカツライデンらが作り出す流れは、それなりのペースとなるはずだ。

時計勝負になっても、自分で時計を作れそうなタフネスはいないだろう。

血統構成が違うとはいえ、叔父にダッシャーゴーゴーがいるという感じは一切受けないチェスナットコートが、強かに運ぶことが可能となる1枠の白帽を、蛯名騎手が最大限活用する騎乗をしそうなことは、フェノーメノを思い出さなくても想像可能。

あの日の窮屈な競馬の経験が、大一番で活きると思われる。

◎チェスナットコート

○レインボーライン

▲シュヴァルグラン

注ガンコ

△スマートレイアー、ソールインパクト、アルバート、トーセンバジル

ある意味、切り始めるとキリはないメンバーなので、人気必至の4歳はあまり興味をそそられない。

違う武器で戦えそうな紅一点・スマートレイアーなど、特殊なタイプを押さえつつ、余裕に応じて、その他京都実績のある組を拾っていきたい。

 

レース予想

青葉賞 -予想-

読了までの目安時間:約 3分

 


オブセッション、サトノソルタス、ダノンマジェスティ。

ディープインパクトの仔は他にもいて、フルゲートの3分の1以上を占めているから、それらを無視することはできない。

それまでの2戦の内容比べ、我慢強く、馬込みを自らこじ開けるようにして2勝目を挙げたダノンマジェスティを、その中で最上位とする一方、キレないディープの方がいい…、という青葉賞の傾向の裏を突く格好で、他の種牡馬の産駒でも対抗可能とみて、若干の遠回りとなったが、東京の長めの距離で、ハーツクライ産駒のゴーフォザサミットをここでは再評価したい。

田辺騎手の決め打ちにも似た追い込み作戦が失敗したというか、本来あるべき自分の型を見つける途中で、やや厳しいスローのうち残りの競馬での差し損ねというここ2戦は、母がストームキャット×アレッジドという取っ付きにくい配合である点も加味すると、結果が残せないことを、直ちにスケール感不足とする断じるには早計に思える。

現に、見せ場なくルーカスに完敗した新馬戦の後、先週のフローラSでまずまず健闘したアイスフィヨルドを2馬身半差つけて差し切った後、返す刀で秋の名物・百日草特別も制している。

一息入れて、すぐに変化するとも限らない代わりに、必ずしも直線勝負に拘っている印象は受けない2戦目までのパートナー・蛯名騎手が重要戦で再騎乗というのは、かなり惹かれる要素。

軽い馬ではないから、上がりの決め手で勝負するタイプのように見える戦績に囚われることなく、勝ちに出る策を選んでくるはずだ。

かつて、藤沢和雄厩舎のダービーへ向けた黄金ローテとして活用したこの舞台。

チューニングを整えた勝負手と考える。

◎ゴーフォザサミット

○ダノンマジェスティ

▲サトノソルタス

注エタリオウ

△オブセッション、カフジバンガード、ノストラダムス

敢えて、スーパーフェザーはダービーで狙いたい陣営なので切り。若駒Sの内容が悪く、瞬発力も少し不満。

勝たれたところで、ダービーで買えるような器に思えないのだが、果たして。

 

レース予想

春天転換期

読了までの目安時間:約 3分

 


2017

史上最高の春の天皇賞だと、筆者は断言する。

王者が制し、その後にもGⅠ馬が続いた。これがあったから、負けたけれどもJC制覇に繋げたシュヴァルグランの転機だったという考え方もあっていい。

面白かった。

ヤマカツライデンの果敢な大逃げと、キタサンブラックを知り尽くした武豊騎手の強かにして積極的な勝負への姿勢。

追う側の狙いと伏兵の戦い方など、見るべきものはたくさんあった。

不発の関東馬は残念だったが、地元関西の有能な古馬が実績に見合った走りを見せ、レースを締めた。

ある意味、終始狙い通りのイン溜め→直線鋭伸を目論んだアドマイヤゼウスの伏兵らしい走りも、惜しいというところまでは見せたが、普通に考えて、前年の京都大賞典2着馬。

その前に自分の持ち味を消されるような負け方をしていたから100倍のオッズも、結果だけ見たら、ビートブラックやカレンミロティックを忘れたのか、という話であったように思う。

坂を上っている時から、後ろの動きに左右されず、本来自分がとるべき「直線入り口で内に馬を置かない先頭グループにいる」というスタンスを踏襲した武騎手は、やはり、普通の思考回路ではない。

誰がどう考えても速いわけで、後ろだって追いかけるので精一杯。

勝負の常道ならば、下りは我慢である。

しかし、前がタレることを計算に入れて、それでも、伏兵のイン強襲や追撃者の理想的な追い上げを許さないために、誰でも踏み入れることのできないゾーンに、自ら好敵手を誘ったのである。

この馬なら大丈夫だと思って…。

3:12.5はキタサンブラックのものである。

しかし、その時計で走らせたのは、紛れもなく武豊。

直前の大阪杯がかなりの楽勝で、あまり詰めて使うことはない馬に中3週のローテを課しながら、ハードに攻めた調教は圧巻だった。

そりゃ、宝塚は走らないよ。

鞍上が見ていたのは、シャンティイで走るイメージ図だったのだろうか。

そう考えると、あの仕掛けにも合点がいく。

ここまで明確な「仕掛け」は、自信の表れだったのかもしれない。

鞍上にも意地がある。

この辺りから、武豊は通常運転に回復したように見受けられる。

 

コラム

春天隆盛期は武豊史<90年代~オペラオー連覇>

読了までの目安時間:約 3分

 


菊花賞はレコードタイムの更新が4度あった。

しかし、このレースにおけるそれは、大レコードへの挑戦と同時に、究極体になるために必要な洗礼の意味合いもあった。

物語は前述のパーソロン戦争の前、スーパークリークやイナリワンなどの活躍でもわかるように、武豊の年ごとの成長を見るための図解という側面も孕む。

彼が一流になったから、レースも盛り上がった。先輩も意地を見せた。が、それがなくなったから、06年のディープ・レコード走を境に、勝ち運からも見放されていったのだろう、と、今では思うこともある。

マックイーンの三連覇と武五連覇を封じたのは、究極の敵役を演じ続けた的場均のライスシャワー。

それが途切れることで、岡部、的場、ほぼ同期の横山など、なかなかに勝負強い名手に手こずることになる。

結果的に、勝てそうな馬に乗っていなかったということになるが、それはちょっと前の彼の立ち位置とデジャヴュする。

トップガン×田原の期待に応えない乗り方でレコード勝ちするあのレースは、20代の武、横山を大いに刺激した。

後にダービーでおめでとうございますと声をかけた兄弟子・河内にラストシーズンを意識させる存在となったメジロブライトが制した時は、騎乗さえせず。

ただ、彼に先越す形でダービージョッキーになった武豊は、愛しきパートナー・スペシャルウィークで、正攻法でのブライト斬りを99年に達成する。

これが彼自身、5度目の春の盾奪取。

この頃からだったろうか、一つのゴールから、通過点とされてきたのは。

翌年、再び武を悩ませる絶対安定王者・覚醒版テイエムオペラオーと相対することになる。

ちょうど一年前は、アドマイヤベガでいいとこどりしていたのに、自分が今までそうであったことを逆に痛感させるかのごとき、和田なる当時は若造に好き勝手やられる始末。

その始まりはこの春天。

普通にいい位置につけられ、簡単に勝たれる。

ディープで制するまで、再び雌伏の季節を過ごす中で、年間200勝という金字塔を成し遂げるなど、どんどん成長した武豊は、紆余曲折を経た後、究極の春の天皇賞を体現するに至った。

 

コラム

春天激突史

読了までの目安時間:約 3分

 


激突と言っても、色々ある。古馬最高の栄誉を懸けた争いだけに、臨戦過程にはそれぞれの名馬たちのキャラクターが凝縮されている。

例えば、三冠馬リメイクマッチラウンドⅢとか。
 

'85 優等生対クラッシャー

菊花賞の勝ち方がまるで違うから、断然ルドルフ有利と騒がれていた。

そもそも直接対決で連敗中だったシービー。

捲って出るも…。

最初からいい位置を取れば簡単なのに、と言わんばかりのルドルフの勝ち方が、今度はルドルフ自身のドラマを作っていく。

宝塚回避、秋天での不覚、アメリカ遠征の屈辱…。どんな馬にもドラマがある。本当に強かったルドルフは、あの有馬ではなく、ここまでだったような気もする。

 
世紀の対決 '92

マイバブー系の傑作が2つの才能を生んだ。

シンボリルドルフ直系

メジロアサマ-ティターン-マックイーンと続く、ネアルコの血をできるだけ排除したメジロ血脈。

人気は不敗のルドルフ直仔・トウカイテイオーだったが、実力では一枚も二枚もマックイーン。

何せ、マックは一年間古馬の中で揉まれてきたのだ。

結果もマックイーンが圧勝。ついて来いよと言わんばかりの王者に、見事に付き合わされたテイオーは、骨折明け2戦目の影響もあってか、直線で完全に失速した。

が、マックイーンも以後故障。秋はテイオーが様々違う表情を見せ、ファンを魅了するのであった。

 
世紀の不発 '12

1強評価を受けたオルフェーヴルだが、最近の話、あの阪神大賞典の人馬のリズムを著しく崩した3角逸走は、伝説の中にまだ取り込まれる前の新鮮なストーリーとして、皆が覚えている。

春天の後の宝塚記念が鮮やかすぎたから、このレースでの単なる不発には、意外なほど印象が残っていない。

外を回って、前と離され過ぎて、無駄に大外を走って伸びきれず。

何の意味があったのか。

有馬の快走に繋がったかもしれないが…。

クラシックホースの悲哀は、先輩たちの辿った道でもある。正式に潜伏期に入り、たまにフランスでやる気を見せるも空回り…。

ある意味、もうGⅠ馬・オルフェーヴルは終わっていたのかもしれない。

 

コラム

ユタカ、騎乗停止余波

読了までの目安時間:約 2分

 


問題の事象が発生したのは、日曜京都の芝1200M戦。

8レース、古馬500万下条件でのことであった。

平均よりやや緩めの展開から、最内枠スタートのサイモンゼーレがやや行きたがるところを、スムーズに外に出せればよかったのだが、流れもあって、武豊騎手も前と左方の各馬の動きを見ながら進出しようとする中、アドマイヤジャズとの間に挟まれてしまった鞍上加藤祥太騎手のシアンの進路を塞いでしまい、その際に、かなり加藤騎手が手綱を引いたことにより、直後にいた和田騎手騎乗のプレシャスロードが煽りを受け、結果的に一番大きな不利を受け、レースにならず…、というのが、このレースの概要。

7位入線のサイモンゼーレ号は降着にこそならなかったが、鞍上の判断、御法に関し、アンフェアな騎乗をしたとして、武豊騎手には4月28日からの9日間、中央開催分では実効4日間の騎乗停止処分が下された。

これにより、春の天皇賞で人気になることが予想されたクリンチャー、NHKマイルCで初コンビを組む予定だったケイアイノーテックら、GⅠでの参戦予定だった各馬への騎乗は不可能となり、ケイアイノーテックには藤岡佑介騎手が騎乗することが決まったようだ。

平成初期の4連覇以来の春天3連覇も懸かっていただけに、記録の面でも大変残念な騎乗停止となった。

まだ1kgもらいの加藤騎手とすれば、まさか天下の武豊があんな乗り方をするとは…、というところだろう。

春天の有力馬陣営の差し金では、という意見に乗るつもりはないが、主催者の裁定に関しては、少々厳しすぎる気もしないではない。

 

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