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元王者のプライド

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僚馬バクシンテイオーを1馬身追走し、抑えきれない手応えから、手綱を持ったまま力強いフットワークで最後は1馬身半差の先着。
水曜日の午前、美浦・ウッドチップコースを疾駆したのは、あのモーリスである。

GⅠ4連勝後、現在連敗中。
「(先週の状況を見て、)もう一本やっておきたかったので、今週は水曜日に追った」
堀調教師は、ここ数戦の中ではそれなりのレベルにあるという感触を掴んでいるのか、慎重な姿勢は崩さないものの自信を覗かせるコメントを残した。

「逃げてこその馬なので、何とか東京の長い直線を逃げ切ってほしい」(坂口正則調教師)
最終追い切りは、今週も武豊騎手を背に、栗東Cウッドコースでの単走追い。
終いを12.1秒でまとめ、やけに中身が悪く感じた失速の一週前とは大きく一変し、好印象の稽古内容となった。

お互い、王者になるまでは紆余曲折を経て、持ち合わせた資質と弱点が一定のところで均衡のとれた状態になり、名手の騎乗技術にも助けられて、GⅠ馬の仲間入りと相成った。
国内のレースより、最高の状態で挑むことのできた国外での大レースにおける好結果は、そのまま彼らの評価に反映されたわけだが、今年の安田記念の、昨年の天皇賞のそれぞれのレース内容は、正直、物足りなさを感じるものであった。

どれが本物のモーリスでありエイシンヒカリなのか。
ミドルディスタンスにおける世界トップクラスのGⅠ競走・天皇賞(秋)での結果が、彼らの格を確定させる。
少頭数の大一番。
彼らがプライドを取り戻すことこそ、自分たちの引き際に花を添える最高の自己演出となる。果たして。


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