アロゲートは5着<BCクラシック>
アメリカ最大の競馬の祭典・ブリーダーズカップの最重要レースとされるクラシックは、日本時間の5日朝にデルマー競馬場で行われ、アロゲートに次ぐ2番人気に推されたガンランナーが、これまでのGⅠ連勝の勢いのまま、ここを圧倒的なスピードで押し切り、最高の栄誉を浴した。
S.アスムッセン厩舎の4歳牡馬。良馬場の勝ちタイムは2:01.29。
ドバイ遠征を経て、一気に馬のスケール感がアップした印象の新王者の登場で、時代はガンランナー独占の流れに進みつつある。
一方、ドバイWCでの衝撃のスタート失敗から、世界中をあっと言わせた豪快な巻き返しで、そのガンランナーや日本馬を完封した人気のアロゲートは、この日も、帰国後から本来の姿を見せられずにいた悪い流れをついに大一番でも断ち切れず、後方から伸びあぐねて11頭立ての5着に敗れた。
すでにこのレースを最後に引退するという情報も出ているが、春までの走りっぷりが今のガンランナーとそっくりなのと比べれば、あまりにも切ない末路となってしまいそうな気配である。
今や高額賞金レースが世界中にはびこる中、2日間開催になってより細分化と同時にステータスがやや形骸化しつつあるこのBC競走は、1着賞金330万ドルのクラシック以上の賞金が出るレースが年明けに内外に行われる影響もあり、統一GⅠ的要素もちょっとずつルーズになりすぎた側面をもつ。
アロゲートはその高額条件レースを全制覇し、今がある。
あのタフさが取り柄のアメリカンダート野郎は、どうなってしまうのか。
王者の凋落に思うことは、国家の在り様とやけにリンクしている気もしないではない。