間違いのない走破時計についての考え方 U

競走馬の能力を計るための最も基本的で重要なファクターである走破時計の比較が正確にできるか否かで、馬券収支は大きく変わります。そのためには馬場差というものをしっかり把握する必要があります。

念のため申し上げますが、馬場差とは、―― 同じ距離でもコースの形状・起伏、芝や砂の質がそれぞれ違うので、別の競馬場のものと比較するのは論外である。また、同じ日の同じコースでも途中から雨が降ってくれば、同じ良馬場でも比較の対象にならない。―― というような事です。

馬場差について [ 芝 ]

芝については、馬場状態が良という前提に立って話を進めます。レースを行うごとに傷み、時計のかかる馬場になります。ですから同じ週に行われた同距離のレースとの比較が最も正確な判断となります。

例えばAという馬が芝1200Mを1分9秒6で500万条件を勝ち上がったとします。そして翌日1000万条件の芝1200M戦の勝ち時計が1分9秒7であったとすれば、Aは昇級しても勝てるだけの時計は持っているということができます。

馬場は使われるごとに時計がかかるようになりますが、コースの内側から傷んできますので、次第に公正なレースに支障をきたすようになります。そこで主催者は内側に仮柵をつけて、馬場の傷んでない外側を使うような処置がとられます。

そうなるとその週からは逆に時計が速くなります。この仮柵の処置については競馬番組表に明記されていますので、必ず確認しましょう。

馬場差について [ ダート ]

ダートについては、競馬場ごとに砂厚がほぼ一定にたもたれています。ちなみに現在開幕中の4回東京は砂厚7cm、2回中京は7.5cmです。しかし開催替わりに砂厚を変更するようなことが過去にはありましたので、一応チェックしたほうがいいでしょう。

砂厚が同じでも、開催替わりなどに砂を大量に入れ替えたりする場合があります。砂が新しいと前の開催に比べ時計はかかるようになりますが、使われるごとに少しずつ速くなります。また、同じ週の同じ良馬場でも水分の含有量で時計は変わってくることがあります。

例えば、午前中やや重で午後から良に回復したような場合、他の日の良馬場よりはかなり速くなってしまいますので、比較の対象とはなりません。 雨が降らなくても、湿度による影響で時計は変わります。同じ砂厚で同じ良馬場発表でも、特に12月から2月にかけての乾燥する時期は、時計が掛かります。

例えば、秋の東京ダート1600mを1分39秒0で走ったCと、冬の同コースを1分40秒0で走ったDが同じに未勝利戦に出走したと仮定します。あなたはどちらの馬を選びますか? たぶん多くの競馬ファンがCと答えるでしょう。

しかし、仮に古馬500クラスの勝ち時計を分析して、秋開催の平均が1分38秒0、冬開催が平均1分39秒5だったとすると、馬場差は1秒5ということになります。そして、Cは500万で勝った馬と1秒差、Dは500万で勝った馬と0秒5差の時計で走っていることが解ります。もう答えは言うまでもありませんね。

レース検討の際、比べる馬の近走が、すべて同じレースまたは同じ週に行われたレースに出走していたのであれば、比較は簡単です。しかし、そうでない以上、このように馬場差といものを常に意識して検討しなければならないのです。

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