競馬予想会社の社員になるまで(25)

社長の馬券を買いに行かされる(後楽園編1)

■後楽園ウインズに戦場を移す

ある時期から、社長の馬券は自分がすすんで買いに行くようになりました。他の社員があまり行きたがらなかったこともありましたが、自分なりに「いろいろな意味で」ギャンブルを楽しんでいたのです。

またこのころすでに出目研究と出目による馬券勝負を休止し、時計や相手関係(着差)で次回の狙い馬を見つけ出し、リストアップするようになりました。その狙い馬が裏開催や夏の北海道(平場)に出走してくることがあったので、裏開催の馬券が買えない渋谷ウインズから後楽園ウインズに戦場を移しました。

社長は本命党なので、その馬券はほとんど3ケタ配当〜1000円台が中心。しかし前回書いたように掛け金が大きいため、的中した馬券の払戻金が100万円を超えることもたびたび。払戻し機の限度額を超えているので有人の払戻し窓口に行きます。

■大口の払戻しで…

「読み取りできませんでしたか?」

大口払い戻しの際、窓口で私は何度かこのように聞かれました。若くていかにも月給の安そうなサラリーマン風の男(実際にそうだった)が、何も言わずに差し出したのだから当然かもしれません。このような場合、1人では対応しないことになっていたようで、複数の係員で対応してくれます。機械でお札を数えるだけでなく人の手でも数えるのです。

身分証明とか領収のサインなど特別な手続きは一切ありません。札束の数が少ないとそのまま渡される場合もありますが、頼めばJRAのマークが入った専用の袋に入れてくれます。自分の体験した範囲内で言えば、袋は500万以内用と1000万まで入るタイプの2種類ありました。

■誰にも見られないように

ある日、社長が前週の日曜に競馬場で的中させた最終レースの馬券を持たされたことがあり、3枚の馬券で合計1000万を超える払戻しを経験したことがあります。100万が10束まとめられた、いわゆるレンガというやつ。やはりなんの特別な手続きもなしに渡されました。私はいつもより慎重に周りを見渡しながら、風のようにその場から離れました。

しかし、こんな感じでいつものように大口の払戻しを受けている私の姿を、遠くから見ていたヤツがいたのです。

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