2017年エプソムC

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エプソムC(2017)検証

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お前はそこにいたのか。
59秒台の前半の流れから、複雑な位置取りの意図が交錯する中、誰よりもダッシングブレイズの良さを知っている浜中騎手は、ここ数週の好調ぶりそのままに、もっと仮柵は外にあるという3分どころから少し外の、各馬の進路としては最内にあたるコース取りを、道中から終始一貫してできる冴えと技術があったから、何度も失敗していた重賞獲りがついに叶ったのだった。

デビュー前から馬名を巡ってひと騒動あったこのアメリカ産馬は、アメリカで成功したサドラーズウェルズ系として名を残したエルプラドの直仔・キティンズジョイの産駒で、もしかしたらダートでも行けるのではと思われていたが、ついに寄り道することなく、先週のサトノアラジンがそうであったように、ようやくのタイトル奪取に成功した。

めでたいだけでは片づけられない紆余曲折は、一概に浜中騎手の数々のまずい騎乗によるものではないところもある。
ダッシングブレイズ自身、オープン特別はプリンシパルS以外、関西圏のマイル戦ながら2戦2勝だったから、ここまで【0007】、競走中止もあれば、1番人気を3度裏切る失態の数々は、もはや、誰がどうこうという次元ではないレベルの自己選択の低空飛行と、筆者ももう諦めていたところがあったが、執念は人馬とも凄まじいものがあったということになる。

何せ、待てど暮らせど自分のやり方、勝ちパターンが、重賞になるとことごとく通用せず、距離に結果を求めても2年続けて京王杯SCは3着を外してしまったから、今まで唯一適距離内で使われていなかった1800Mに最終回答を求めたら、意外とあっさり力勝負に対応してしまったのは驚き。
単純に嬉しいという感情だけには止まらないものがあるはずの浜中騎手にとっても、吉村調教師にしたって、少なくとも重賞実績で上の4着までの実力馬相手に、今までになく男らしい抜け出し型での勝利であるから、ちょっとびっくりだったろう。

上がり勝負でもなく、トータルの時計も速すぎず、正攻法で戦える流れというのはポイントだった。
近年では珍しくアメリカの芝馬として成功した部類のキティンズジョイの産駒だから、日本の方が遥かにこの路線の層は厚いわけで、ここまでの苦戦はある意味では当然のことだったが、道悪の京都、阪神の外回りで結果を出している馬には、ほどよく底力の求められる今回のような展開がピッタリということだろう。
アメリカ産馬らしからぬ新馬の末脚で、これは瞬発力も素晴らしいと思われていた節は多分にあった馬だが、重賞で上がり1位だったことはこれまで8回全てなかった。
これからもキレる脚を使って勝ち切れる可能性は望み薄だから、これを機に、500kgまで成長した逞しい体をフルに使って、正攻法の形に拘ってもらいたい。

マイネルハニーには、チャレンジCの稍重で59秒を切る流れから粘り込んだ実績があったから、小倉の結果は度外視で、いくらでも台頭の余地はあった。
終始、自分の競馬に徹することができた。
一方、ペース判断はともかく、叩き合いにはあまり向かないアストラエンブレムは、正攻法で逃げ馬を潰すことができる馬ではない割に頑張ったと言えばそうだが、しかし、ダッシングブレイズのような一変を望めるようなガッツは、一族共通で線の細さが弱点という切なさそのままに、賞金加算に大きな意味を持つような結果は出せなかった。

小回りが母やブライトエンブレムのようにこなせるかは何とも言えず、一つ下のシンザン記念4着馬の方は、ミルコの工夫を施したところで、最短距離で最速の脚をうまく使わせる楽な展開という縛りから、まだ解き放たれていないという印象だ。
事前の評価通り、ここではしっかりと勝ち切ってもらわないといけないというのは、まだまだ内面的にタフになり切れない良血馬の負のスパイラルを見たくないファンの期待であり、今回のメンバーでこれは、ちょっと残念である。


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