2018年東京新聞杯

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東京新聞杯(2018)検証

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渋残りながら、完全な外差しにはならないのは、中央場所だからということもあるが、この時期だから、一度湿ってしまうと簡単には乾かないという特殊な事情もあったから、妙なところ、それこそロスなく3分どころを回ってきたリスグラシューが通ったヴィクトリーロードが、どうにも味方につけられたかどうかの勝負だったように見える。

レースを見返してみたら、その後ろからあの道悪のヴィクトリアマイルで激走したデンコウアンジュが追いかけてきていた。

そのまた内からは、ようやく自分らしさを取り戻しつつあるサトノアレスの姿も見られ、人気の外枠2頭は、ほとんど不発という結果。

ダイワキャグニーは変な癖が出てきてしまったのか、前々走まで見られた巧みなレース運びが影を潜め、何とか横山騎手と立て直しを図りながらの外々追走で、ゴール前上位への台頭という形作りに止まった。

グレーターロンドンなど、ほぼ完璧な好位付けで、川田騎手とすると、どういう言い訳が彼を傷つけない表現になるか、頭を悩ませるほどの情けないレース内容。

本格派と期待された2頭は、今はもう万能性を示さないといけない立場であり、その他大勢より、このコースへの適性は遥かに上位だった。

今ここで馬場を言い訳にしているようでは…。

厳しいマイル戦の戦い方、厳密には、こういう軽いレースの質のタフなコンデションでの一戦への適応力で、55という4歳牝馬には全く歓迎ではない斤量も全く苦にしなかったリスグラシューの経験値に裏打ちされた、確かな実績というものが、難しいレースの勝負を決した要素になったのかもしれない。

中団でスローながら、ギリギリのラインで折り合いをつけながら、外に出しては損という展開も加味して、前が開いてからスパートする、いかにも武豊騎手らしい憎らしいほどの好アシストに、耐えることの意味を知った少女が大人になるために必要な決定力を、この日はついに、アルテミスS以来となる素晴らしい末脚で示した。

古馬重賞は2戦目でも、エリザベス女王杯でレースになっていたかといわれると、それはどうかという程度の平凡な走りだったから、休み明けの不利も考えると、もうここでは真の敵が自分自身への自信だけという状況だったことを証明するような、圧倒的な競馬であった。

下げた方が結果的に、どういう展開にも対応できる安定感に繋がるとは思いつつ、いつも何かにやられてしまう切なさは、負け続けた馬にしか、その陣営にしかわからない屈辱の連続となっていった。

別に、2000M級ではなくても、この後には1800の重賞もあるし、阪神牝馬Sも今はマイル戦である。

しかし、賞金加算は大して必要はない立場ながら、いつまでも善戦ガールのレッテル張られてしまうのは、さすがに気持ちに張りが出ない。

早いうちに何とか。

一発回答で示した彼女の魅力は、筆者の中にどこかあった1800での決め手比べといった、どこかトライアルホース的な才能というよりは、本番のパワー勝負で、どこまでライバルを追い詰められるかという一本気な性質のように感じた。

ベーリングとミルリーフの血がそれぞれ母方に配され、活躍したアイリッシュダンスの祖父に当たるリファールが、彼女の母母母父と共通することで生じるクロスにより、クラシック級の底力と粘り強い決め手をアシストすることになった、恐らくは、ディープがやや苦手にする条件での2000M以下の争いに適した差し馬の、理想的な血統構成である可能性は、もうこの結果で認めるべきだろう。

リスグラシューはようやく、女王を目指すに相応しいタフさを身に着けた。

同期牝馬だけではなく、牡馬相手にこの内容。実に頼もしい牝馬の登場だ。



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