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ほとんど前残り 大阪杯(G1)回顧

読了までの目安時間:約 5分

 

キセキが捲って積極的に出なかったことと、妙味に先週の高松宮記念のような内残りの馬場状態もあったからか、ほとんど前残りの結果。

外に出せる展開になれば、ワグネリアンももう少しキレが出せたはずだが、内がパカっと空いてしまったから、オートマチックにそこをつくしかなかった。

ある意味、出負けで位置取り争いに加わることの出来なかったブラストワンピースのような位置の方が、もしかしたら、成長を一端を明確に示せた可能性はある。

上位争いとした組で一番ズブいのが、この馬だ。

 

しかし、内がよかったという競馬。

ダービー馬3頭のすぐ外に入ったアルアインには、何とも嬉しい、楽々追走の好位抜け出しで、4歳のチャンピオン級が不発に終わりそうな展開。

勝つ時というのは、大体すべてのことがうまくいくもの。

思えば、キセキ以外のGⅠ勝利の瞬間は、そのほとんどが勝負運に恵まれたという印象のレース。

 

アルアインはファンディーナがいた皐月賞を、厳しい叩き合いの中、得意のスピード勝負でペルシアンナイトとの同門対決を制した。

あの時より、一時は楽勝かと思わせたマイルCSの直線よりも、この日はずっと楽な抜け出し。

 

得意のスピード勝負には今回はならなかったが、追いかけてくるのが先行型に完全転向のキセキだった。

前に行くときは誰より速く仕掛ける馬になった彼に、外から追い上げられたのなら、あの皐月賞の経験値がある。

 

その皐月賞は、松山弘平という素晴らしい才能を持った騎手にとっての晴れ舞台になった。

あの時と似たような評価だったアルアインは、今度こその北村友一騎手をGⅠジョッキーへと導いた。

今や、即戦力の騎手を買うという形が厩舎サイドというか大馬主の意向になりがちな、21世紀版の舶来至上主義はびこる中央競馬において、池江調教師のあずかり知らぬところでサイドストーリーを生むこの馬に、どんな感慨の抱くのだろうか。

 

全くもって、名伯楽の批判などではない。

オルフェーヴルを自身が育て、ステイゴールド、ディープインパクトは父である泰郎師が一流馬に作り上げたのだ。

馬に学ぶ世界である以上、かつてのJCにオルフェーヴルを送り込み、ディープの仔であるジェンティルドンナを明らかに邪魔しながら、その前の体当たりに不満を漏らした時の自分ではないことを、今この瞬間にでも再確認もらいたい。

自分が育てた馬の仔が競馬の流れを作り、ディープの血を持つ馬が上位に食い込んだのが、今年の大阪杯である。

 

とっくの昔に大人になっているオルフェ主戦の池添騎手は、キセキもそうであったように、慎重な仕上げに止めた陣営の判断に従う形で、無理な捲りは敢行しなかったものの、あの日の菊花賞のような外膨れを、勝ち馬の陣営の有力だった方のペルシアンナイトに食らったことが、直接的な掲示板外敗退の原因となったものの、あの時の感じと同じだったとすれば、気にするほどの結果ではないだろう。

有馬は全てがうまく行ったが、それは毎度続かない。

キセキのように、惜敗を重ねる方がよっぽど切ない。

後は、予想の時に触れた早熟の危険性の象徴的一戦としない巻き返しが、陣営の賢明な選択によって生まれることを望むまでだ。

 

マカヒキの迫力ある追い込みは、距離適性もあるが、札幌記念の時のように、また京都記念の時の馬場状態の時に好走しているから、血統のイメージ通りのタフなコンディション向きのアルアインと似たタイプになった来たことが、あらためて証明された格好だ。

今後の展望を尋ねられても、きっと陣営は困るだろうが、国内の適鞍は少ない。

 

京都マイルのタイトル争いに加わった馬が大敗し、エポカドーロは菊花賞のような展開でまた不発。

5着エアウィンザーも含め、もっと違うところに適鞍のある馬が、結果的には多かったことが、この波乱の最大の要因だったと、今になっては思う。

 

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レース史上最速の1:31.7 ダービー卿チャレンジT回顧

読了までの目安時間:約 2分

 

予想されたくらいの前半の流れでありながら、比較的流れに乗せていったようなグループが粘り込みを図る展開。

時計もレース史上最速の1:31.7だった。

 

やけに道中から手応えが良かったフィアーノロマーノは、かなり人気を集めた休み明けの関西馬であり、前年は京王杯スプリングCで全く勝負にならなかったくらいで、死角だらけにも思えたが、そこはこれからが出番というオーストラリアンデインヒルのファストネットロックの仔。

香港の一流の短距離馬は、そういうオセアニア血統の騸馬ばかりだから、びっくりするような年齢になってから本格化はすることも、全くもって異常なことではない。

 

思えば、この勝負服で活躍した馬といえば、キンシャサノキセキがいる。

3歳春からGⅠでも好勝負していたが、本格化は同期のクラシックホースが店じまいした後の6歳以降だった。

川田騎手にぴったりのパワー満点の競馬が得意なこの大型馬の未来は明るい。

 

欧米の活躍馬が多くはない南半球産の馬だけに、血統背景から何かを探ることには限界はあるが、フィアーノロマーノの本物になった証として、キンシャサ同様に、3歳の内に速いタイムで勝ち切っていた上に、完成が近づくにつれて、再成長を持ち時計やレース内容の向上で示し、いずれ来る自分の時代を世に知らしめるような重賞初制覇が、まるでそっくりなところは心強い。

 

血統はまるで違うのに、北米血統がしっかり母系に入っていることで、単調さもあまり気にならない。

気難しい馬も多い豪州産馬にしては、前向きさが出過ぎて自滅する可能性をあまり考えなくていいのも、彼の良さかもしれないが、秘めたる狂気は想像以上のものがあるかもしれない。

そういう馬が勝つ抜くのだとすれば、スピード偏重の南半球産馬の真骨頂となるわけだが、フィアーノロマーノはどうだろうか。

 

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ノーザンダンサー系×キングカメハメハ=ブラストワンピースから 大阪杯予想

読了までの目安時間:約 5分

 

◎ブラストワンピース

○ワグネリアン

▲エポカドーロ

注ステルヴィオ

△エアウィンザー、ステイフーリッシュ

 

年が明けてからも、4歳世代の勢いは止まらない。

先週も完全に有力2頭が力出し切れずの展開だったにもかかわらず、勝ったのは結局4歳馬だった。

康太騎手に急遽手綱を渡すことになったステイフーリッシュとて、思い起こせば、世代最初の中距離GⅠであるホープフルSの3着馬。

皐月賞馬もダービー馬もいるし、残りのキングカメハメハの孫2頭も古馬タイトルをゲットした素晴らしい才能の持ち主。

そういう時こそ、エアウィンザーやサングレーザーにチャンスがあるという見解もあれば、キセキには展開上の優位性を強調する向きも当然ある。

 

しかし、残念ながら、勝ち切る能力というのが5歳以上の世代との差だとすれば、少なからず、根幹距離GⅠにおける最大の死角が古馬陣にはあると見ることができる。

焦点は血統面にもある。

 

先述のキングカメハメハの件には、大阪杯の呪いのようなものがあると言われる。

人気になったラブリーデイや後にグランプリホースになるミッキーロケットが現に負けている。

今年はそれが多い。

4歳馬で入っていないのは、母父フォーティナイナーのエポカドーロだけであり、5歳以上でもキセキ、ダンビュライト、ムイトオブリガードにもしっかり組み込まれている。

ただ、ディープだって勝ち切っているシーンはあまり見られないし、阪神2000らしいパワー勝負への対応力が、いつも要求されると考えた場合、有馬記念の時のような上位独占もまた起きるだろう。

 

ブラストワンピースはその中では異質となる、ノーザンダンサー系×キングカメハメハという配合。

母系は近いところでは、長距離戦で活躍したアルナスラインがいて、血筋の源流に近いところにいるサンソネットが、一つ上の兄にフェアトライアル、その直仔にはテューダーミンストレルという点に止まらず、従姉妹のマムタズビゲムはネアルコとの間に生まれたナスルーラが世界の競馬史に革命を起こすことで、名馬の血統表に必ず登場する名繁殖牝馬になっているという世界的名血の継承者なのだ。

 

キセキもワグネリアンもエアウィンザーにしても、限定的な範囲における繁栄を遂げた牝系であることと比較すれば、ブラストワンピースという名のサラブレッドは、血統書の重みからしてまるで違うということになる。

ただ、問題がないわけではない。

ハービンジャーの産駒はこれまで、平地重賞を20勝、古馬も出走可能のレースも6つ制しているのだが、4歳以上になって勝っている馬は2頭、わずか3勝のみなのだ。

 

うち1頭はディアドラ。

GⅠに関しては、かなり極端にここまでは秋の主要タイトルの4勝にとどまる。

無論、秋が合うということではない。

菊花賞は負けているブラストワンピースが、有馬でこそというのも、小回りを使わずにそれまでキャリアを重ねてきた経緯も踏まえれば、当然的外れ。

ハービンジャー自身と違い、その産駒は概ね、サンデー系よりもずっと早熟なのである。

 

今年の2勝は3歳馬。

ディアドラがどうなるか、アップした時点では何もわからないが、何しろそこにはアーモンドアイに、地元の強豪もいる。

ただ、これも死角ではない。

前身の産経大阪杯と、GⅠ昇格後の2年で、特段の勝ち馬の性質に変化は見られない。

比較的早い段階から結果を残し、その時点での完成度合いで、他のライバルを制するという構図。

 

有力馬ほど休み明けになる構図はずっと変化しないのだから、叩かなくても能力全開のブラストワンピースのこれまでの実績は、とても有利だろう。

加えて、日本で走ったノーザンダンサー系は、ノーザンテーストの産駒を除き、中長距離型ならばオペラハウスの両巨頭であるテイエムオペラオー、メイショウサムソンや、最近はフランケル産駒のソウルスターリングなど、早めに仕上げてしまうと、その後は伸びしろがないという傾向は、力勝負をするタイプの系統だけに、サンデー系以上にはっきり出るのだろう。

本物は4歳になってから強くなるというスタンスを、もしも盲信し続けるのであれば、案外仕上がりまで時間を要するキングカメハメハのような成長曲線を理想とすればよい。

 

しかし、サイクルがより早い欧州のトップホースが、自身がそれを裏切りながらも、産駒は人間の作ったリズムの通りになっているのだとすれば、早デビュー、早期完成のロールモデルを完成させようとしつつある社台グループにとって、これ以上ない成功例となるだろう。

今後は分からないが、今のところはブラストワンピースが一番強いと思われる。

 

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マイルCSゴール前強襲4着のカツジに期待 ダービー卿チャレンジT予想

読了までの目安時間:約 3分

 

前走大捲り不発のカツジに期待する。

57を背負っているが、56のマイルCSは猛然とゴール前強襲の4着。

古馬になってからの57キャリアでは、5歳のダイワキャグニーよりは豊富だし、マイスタイルにも劣らない。

 

問題は昨年のニュージーランドTの再現が、こんな情けない競馬の連続で果たして可能なのかということ。

これ、兄ミッキーグローリーの優等生ぶりからは想像がつかないが、母メリッサに似て、ほぼほぼ前走の結果などまるで無視できるというようなことを、このカツジは延々繰り返しているのだ。

メリッサはグランプリホース・ガーネットの全妹として誕生したサンマリノを4代母持っているからなのか、かなり平坦に偏った適性を持っていた。

 

芝での2勝は傑出したタイムを記録した小倉1200戦でのものだし、その本質を見出したような面も秘めるダートでの4勝という結果も特徴的。

ダート戦はどんどん行ってふるい落としていく手法をとるから、形が崩れると脆いという欠点も出てくる。

母の芝の2勝の前走は、阪神での5着とアイビスサマーダッシュでの1番人気殿負けという結果。

 

カツジもすでに、前走掲示板外からの馬券内好走を3回達成している。

ハマらならない競馬の後にこそ狙いたい男。

ますます、真面目なミッキーグローリーが浮いて見えるというところ。

しかし、NZTは多頭数の3歳GⅠトライアルで、特段速い流れではなかったから、この辺りは先祖返りというか、いい面が戻ってきた面もあるのかもしれない。

今回はエイシンティンクルやマルターズアポジーもいる。

 

追走のことは気にせず、母が得意とした前傾ラップでのごっつぁんですを期待したい。

テレンコの性質は、リファールのクロスの影響あるだろうし、願ってもない展開になる。

近走の走破時計が目立つドーヴァーや昨年優勝のヒーズインラブなど、武器が似ていそうな面々は押さえておきたい。

◎カツジ

○ドーヴァー

▲ヒーズインラブ

注マイスタイル

△ギベオン、ダイアトニック、プリモシーン

 

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最後の勝利の謎<大阪杯に危機>

読了までの目安時間:約 2分

 

昨年大阪杯を制し、早くからそのポテンシャルの高さを評価されてきたスワーヴリチャード。

が、あの秋の天皇賞が印象深いだけではなく、以降全てGⅠだったとはいえ、3戦未連対に終わり、18シーズンは不完全燃焼のまま、その名も忘れ去られようとしている。

 

GⅠ昇格は歓迎すべきだったのだが、その後にタイトルホルダーになった産経大阪杯時代の近年の出世馬は、

17キタサンブラック 以降GⅠ3勝

13オルフェーヴル 有馬記念優勝

11ヒルノダムール 天皇賞(春)優勝

09ドリームジャーニー 春秋グランプリ連覇

08ダイワスカーレット 有馬記念優勝

07メイショウサムソン 春秋天皇賞制覇

と、実力派のステップレースとしての機能しか果たせていない面がある。

 

一方、

スワーヴリチャードを筆頭に、

アンビシャス

ラキシス

キズナ

ショウナンマイティ

テイエムアンコール

と、近年ほど、優勝後に不振を極める馬が増えているのだ。

 

レベルが上がりすぎて…、という評価と同じくらい、そこは前哨戦であり、メンバーの質にばらつきが出やすい面を孕んでいることは、見逃せない傾向と言える。

ちなみに、00年代では、タガノマイバッハと前年二冠馬のネオユニヴァースしかいない。

10年のテイエムを入れても、ここ10年で頻発していることは明白。

 

初の55<牝馬>、重賞馬の57や58以上が良馬場の産経大阪杯勝者だったか、GⅠを勝って最初の古馬重賞制覇であると、その反動は大きいのだろう。

阪神の2000Mはとりわけタフなわけではないが、春先だから、軽い馬場にはならない。

その後の適性なども影響するし、グランプリレースに繋がる側面が、事の真相を暗示している。

 

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平成の出世レース<春天ダブル展望>

読了までの目安時間:約 3分

 

☆日経賞

春天優勝馬

17④レインボーライン

13①14⑤フェノーメノ

09②マイネルキッツ

93、95、02年優勝馬は、全て菊花賞馬。

その他

12③ルーラーシップ

 

毎日杯

皐月賞優勝

17①アルアイン

NHKマイルC優勝

10①ダノンシャンティ

東京優駿優勝

13①キズナ

その他

18①ブラストワンピース

17③キセキ

15⑤シュヴァルグラン

13⑪ラブリーデイ

12③スピルバーグ

10⑤ルーラーシップ

09⑥ストロングリターン

 

マーチS

17④<18⑥>ロンドンタウン

<14⑦クリソライト>

<11①テスタマッタ>阪神

09①エスポワールシチー

 

【高松宮記念】

勝ち馬前走

シルクロードS

18①

17②

16⑤

阪急杯

14①

13①

09②

オーシャンS

12④

11②

10①

その他

15香港②

 

ダービー卿CT

16③サトノアラジン

<16②ロゴタイプ>

15①モーリス

10①ショウワモダン

 

☆大阪杯

春天優勝馬

<16②/17①キタサンブラック>GⅡ/GⅠ

11①ヒルノダムール

90、01、03、07年優勝馬は、全てクラシックホース。

 

勝ち馬前走

18金鯱賞①<ダービー2着>

17有馬記念②<GⅠ3勝>

<産経大阪杯>

16中山記念②以降未勝利

15有馬記念⑥<GⅠ馬>以降未勝利

14凱旋門賞④<GⅠ馬>以降未勝利

 

<13①オルフェーヴル>

 

3月末の重賞だけに、格に関係なく、それなりの質が担保される条件が整っていると言える。

その中で、厄介な3200Mのビッグレースを前に、阪神大賞典組は人気ほど恐ろしい負け方をする傾向に逆らうように、日経賞と現大阪杯は極めて順当に、本番に向けたステップとしての価値を高めつつある。

 

2000Mの大阪杯は様々な狙いを持った馬が登場する影響がプラスに働いていることで、本番の天皇賞にアドヴァンテージを生んでいる一方、距離が長くなるにつれて、本質的には有り得ない紛れの原因を作っている部分もあるのだろう。

そのバランスがもっとも取れるのが、きっと、今は日経賞なのかもしれない。

 

昨年は本番の時計が遅かったから、何とかなった面もある。

今年は近年の傾向通り、その後の2大レースを使った組に期待すべきだろう。

参考:日本ダービー予想 特集ページ

 

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混戦は間違いない? 天皇賞(春)展望

読了までの目安時間:約 3分

 

今年はシュヴァルグランがいないから…。

阪神大賞典が終わった。

何だ、シャケトラの復活、再挑戦が見どころではないか。

 

彼はディープインパクトやテイエムオペラオーのような選ばれし才能なのか。

はたまた、もっと強い馬が登場した時に、残念な男と後々伝承されるナリタトップロードやブライアンのような存在になり下がるのか。

面白いのは阪神大賞典三連覇でも、春天は6歳時の1回しか勝てなかったゴールドシップ。

 

マヤノトップガンなどもそうだったが、テーマを持って戦いに挑む中で、某かの苦しみを経た後に、ここを勝ってしまうとその後もも強い。

世紀の対戦前のマックイーンもそうだった。秋の苦しみを経ている面々には、復活の目がある。

シャケトラがレインボーラインやアドマイヤジュピタのようになるには、メジロブライトと似た、珠玉のライバルに負け続けた後の天下という雰囲気があるかどうか。

反動が怖いのは、むしろ、この阪神大賞典の後のような気もする。

 

好メンバーの日経賞は、しかし、展開に左右されるような雰囲気がそのまま結果にも反映され、ユタカの日常を体現するように、メイショウテッコンが今度こその逃げ切り。

コーナー6つの競馬は苦手そうだったエタリオウには、いつも以上に頼りない印象の2着が再び戦績に刻まれた。

こちらもマンハッタンだったが、本番ではステイゴールドだろ、という雰囲気だけはあったが、迫力がこの世代の平均値以下の両者。

ひと工夫のエタリオウに、もう一度期待の方が脈ありか。

 

あまり関連しそうのない今年の大阪杯組では、エポカドーロやムイトオブリガードとか、思い直して長距離戦再挑戦で、うまく逃げ馬を使って粘り込みを図るキセキだとか、イメージとは違う形で出番をモノにしそうな意外な台頭の馬に注目。

 

負け組では、阪神大賞典の実質逃げ馬であったロードヴァンドールの再びの激走と、日経賞に関しては、もっと雨が降って乱戦になればという注文はつくが、揉まれない条件は簡単に作れる立場になりそうなクリンチャーに、今年は期待。

それぞれ、連続騎乗が見えているから、一変する可能性は大いにある。

混戦は間違いない。

 

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外枠総崩れ 高松宮記念回顧

読了までの目安時間:約 5分

 

彼女にしてはスタートがあまり良くなかったモズスーパーフレアと、やや正攻法すぎるのは、ここ2戦の内容からちょっと不安になる面もあったダノンスマッシュが上位争いに加わるところまでいかず、筆者の推したデアレガーロもいつもの出の甘さが影響して、外枠総崩れ。

 

レースを振り返ると、いいところにミスターメロディがいるなあという好位ポジション。

例年乱戦になる高松宮記念が、1分7秒台で決着しそうな雰囲気は、土曜の競馬を見れていれば確信を持てるものがあったが、それに加えて、例年より遥かに内残りの傾向が出ていたので、同じように差すなら、ダノンの正攻法外抜け出しより、勝負のイン突きを決めそうになったショウナンアンセムと、ブリンカーさえ外してしまえば普通に競馬できそうな気配のあったセイウンコウセイのベテランらしい逃げ込みに、結果的ではない部分でも、穴馬券の伏線があったように感じる。

 

キングヘイローと言えば福永祐一だが、4歳になってからの鞍上はほとんどが柴田善臣騎手であった。

キングヘイローが勝った時は、ディヴァインライトで2着。

父と騎手候補生として同じ年にこの世界に入ってきた伊藤正徳元調教師の管理馬である。

全てひっくるめて、ベテランの超穴馬を引き連れたこのシーンは、キングヘイローにまつわるストーリーから、来週再び新たなページを刻むことになるワグネリアンと紡いだダービーのゴールシーンと、まるでそっくりだった。

 

前走は人気を背負ったものの、明らかに外枠で位置取りに苦心することが見えていた開幕週の競馬で、それがそのまま敗因になったようなレース。

しょっちゅう乗り替わりのあるミスターメロディは、乗りやすいとはいえ、一番よく乗っている福永騎手とすれば、内枠を引いた時点で、外に張ってきそうなダノンスマッシュの勝ち気の競馬をあざ笑うような展開を望んでいたところもあるだろうが、予想よりも事実上は格下と思える相手を競り落とすだけの競馬になったのは、少しはキングヘイローによる見えざる力というか、その御加護もあったのかもしれない。

すぐに墓参りに行かないといけない。

 

勝負のポイントは、内残りバイアスというより、筆者が危惧した4歳馬の過酷な戦歴にある気もする。

ショウナンカンプやこの日やけに調子の良さが目立っていたセイウンコウセイ、実質最初の高松宮記念<1200短縮初期だけは杯のまま>勝者のフラワーパークらは、翌年には別馬になってしまった。

燃え尽きた先輩たちに比べ、新コースになって以降は、ほとんどの年が道悪というトラックバイアスが普通の高松宮記念の中で、かなり渋っていた年の勝ち馬であるセイウンコウセイだけは、昨夏に復活し、シルクロードSの激走を経て、気持ちを立て直すことに成功したのだ。

 

あのダイワメジャーを復活させた上原博之調教師の管理馬。

これも何かの縁だろう。

逃げ馬がいつの間にか…、という感じで差してきたショウナンアンセムはロゴタイプの田中剛厩舎。

この東の道悪巧者が、歴代トップクラスの1:07.3という勝ちタイプの競馬で台頭したのだ。

 

その他が凡走したのではなく、33.2-34.1という比較的バランスの取れた部類のレースラップに、今年の挑戦者はほとんどが、対応しきれなかっただけだろう。

上がりのラップを見ても、ショウナンアンセムの33.4秒を上回ったのはレッツゴードンキの33.3で、ショウナンを挟んで、デアレガーロやミスターメロディらが連なる。

 

この時点で、モズスーパーフレアの完全なる前傾ラップでの強みは全く活きることはないから、惨敗も当然。

ダノンにしても、持ち時計そのものは0.5秒も縮めている。

ただ、ここ2戦上がりが一番でなくても強かったからと言って、福永騎手が乗っていた頃に確立させつつあった差しのスタイルを消してまで、ここでも勝ち切れるほどの迫力はなかったか。

あえて今の北村友一騎手だから言うが、この乗り方でも通用したのは、平坦時代の高松宮記念までであったのだろう。

 

ただ、同期で水を開けられたということではない。

ミスターメロディは、ダートデビューのアメリカン野郎。

母母父以降はプリンスキロ系、インリアリティ系、ボールドR系を挟んで、マンノウォーの孫が並ぶ、いかにも正しいアメリカ血統ながら、本質はそのままストームキャット系×デピュティミニスターだから、いつダートに戻っても不思議はない。

完成度も人気2頭より本当は早いのだろうし、これをもって世代交代などと決めつけると、秋はもっとひどい目に遭うかもしれない。

 

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武豊、絶妙なスローペース 日経賞回顧

読了までの目安時間:約 3分

 

稍重馬場というのもあるが、クリンチャーや伏兵のハッピーグリンのような捲り自慢の馬を封じたのは、武豊だからこその絶妙なスローペースの作り方があったからこそのもの。

だから、メイショウテッコンに蛯名騎手は、カフェブリッツを最初から好位につけさせ、何とかプレッシャーをかけようとしていたが、さすがに、総合力が及ばず。

 

エタリオウのデムーロ騎手としても、行くことが分かっている明確な目標をどう捉えていくか、その道程が重要だったわけだが、自身をもって追いかけるような自信満々の騎乗ではなかった。

自身が冴えないことがどうこうではない。

エタリオウのキャラはそっくりそのまま、父ステイゴールドなのである。

どう施しを加えてようとも、馬がそれに応えてくれる保証はない。

一時期乗っていた2勝馬のサウンズオブアースも、どう乗ってもダメだった。

 

動いた。

しかし、あの向こう流しも後半に差し掛かろうという段階での追い上げは、動かされただけのこと。

隣にミルコが来たことで、ユタカ騎手である。もう、勝利を確信していたことだろう。

何をやってもキタサンブラックになかなか敵わなかったシュヴァルグランのような構図。

 

父マンハッタンカフェがずっこけたこの舞台。

産駒は自慢の末脚を炸裂させ、今年は阪神大賞典でびっくりするような走りを見せたシャケトラもいる。

勝てば本番も…、の展望もあっただろうテッコンの陣営は、それと真逆のキャラの彼をどう誘うのか。

ただ、テクニックに封じられることなどなんとも思わないエタリオウは、次もきっといいところまで来るはずだ。

 

似たようなスロー逃げを完遂した毎日杯のランスオブプラーナだが、やけにサドラーだレインボウQだという血を持つ馬が多い組み合わせで、ここでも母父マンハッタンが決め手になったか。

相手の不器用さに助けられた点は、東西共通であった。

 

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牝馬の55は厳しいがデアレガーロから 高松宮記念予想

読了までの目安時間:約 5分

 

週も半ばになろうという時に、ちょうどこの3月末の開催になった最初の高松宮記念である2000年の勝ち馬・キングヘイローの死が伝えられた。

血統にも恵まれ、福永祐一の先生にもなったキングヘイローは、09年覇者のローレルゲレイロを送り出している。

今年はダイメイプリンセスが参戦する。

その当時と変わらないのが、

「4歳馬に辛い舞台」

ということ。

 

その例外的存在であるセイウンコウセイと父が見事に4歳時に制したショウナンカンプの仔・ラブカンプーなどが今年はいるが、ここに至るまでに古馬戦で定量の57を背負っていないダノンスマッシュのような馬がほとんどなのだ。

牝馬の55も厳しいから、フラワーパーク、ラインクラフトくらいしか牝馬は好走していない。

ダノンの父ロードカナロアは、仔が3歳GⅠで経験しているものを、古馬初戦のシルクロードSでハンディを背負わされる形で経験し克服するも、特殊過ぎた12年改修初年度の馬場にも手こずり、3着に敗れた。

何の因果か、これもキングヘイローに縁のあった福永騎手のお手馬であった。

 

福永騎手はミスターメロディに乗る。

因縁は巡り、これも4歳馬。重賞は勝っていないが、NHKマイルCでは4着。

地味な立ち位置に変わる今回、実はこの世代の最有力の存在にも思える。

 

55の5歳牝馬デアレガーロ。

前走の32kg増には振り回された印象も、その京都牝馬Sのレースレコードと勝ち方は、陣営が太目残りを明言する今となってみれば、かなりの好内容である。

 

マンハッタンカフェの産駒で、近親がこのレースを2勝しているドクターデヴィアスの一族。

母父スーヴェニアコピーはキングマンボと同配合であり、今で言うマイルCの位置づけにあったNZTを勝っているシェイクハンドがその全姉。

ただ、これは彼女の才能の本質をついたものではない。

 

デアレガーロは、中山の中距離戦をデビュー2連勝で、フラワーCでは当時、飛ぶ鳥を落とす勢いのファンディーナに次ぐ人気で登場している。

その頃から露見した距離への限界は、夏からの軌道修正で見事な転身へと繋がったが、その気性面の怪しさは全て、凱旋門賞連覇の怪物・アレッジドの4×3に起因するものであることは明らか。

 

3代父のリボーが傷一つ違いで、似たような戦績である点で、よく比較される両者。

ひいじいさんがアメリカ繋養後に、高齢になって、祖国に戻ろうとしたものの、搭乗拒否に等しい保険の問題が生ずるような荒ぶる気性が、この系統の特性であり、個性の最たるもの。

面白いのが、リボーは52年生まれで、祖父のトムロフルは65年のプリークネスS優勝馬と普通の流れだったのが、父ホイストザフラッグが生まれたのは68年、アレッジドがアメリカで生を受け、リボー同様に3歳で凱旋門賞を制したのは、まだ77年の秋なのだ。

極めて早いサイクルで、直系の血を競走能力で繋いだくらいだから、案外、凋落は早かったりする。

 

アレッジドが種牡馬になってから、ちょうど40年。

その4×3が成立するには、やはり、十分な時間を経て登場したデアレガーロは、あまり今では一般的ではなくなったセントサイモン系のクロスの強い配合で、前走は、底力を見せつけるような中団馬込みからの抜け出し。

キャリアの面を危惧する牝馬特有の懸念も、滅多に登場しない牝馬重賞の勝ち鞍のみの混合GⅠ勝者であるエンドスウィープ産駒のラインクラフト、スイープトウショウらの、牝系の良さとサンデーサイレンスや代表産駒キングヘイロのダンシングブレーヴという名馬を母父に持つ点に肖りつつ、アレッジドの奥にはシアトルスルーとノーザンダンサーがあるデアレガーロなら…。

 

底力の血が中山3勝の謎の戦績に凝縮されているなら、一気の馬体減に、父の負の歴史を払拭する超余裕残しからの連続大駆けに賭けてみたいという狙いもある。

ヘイローとノーザンダンサーが互いの良さを削いでいるような配合に思うナックビーナスも、ここに来て、時計面での進境が見られる。

連続好走できるようなタフさまではないモズスパーフレアを呑み込めるのは、必ずしも、名門厩舎の血縁者ではないだろう。

 

◎デアレガーロ

○ナックビーナス

▲ミスターメロディ

注アレスバローズ

△セイウンコウセイ、ダノンスマッシュ、レッツゴードンキ、ロジクライ

 

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