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中堅の戦国時代

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現在の競馬界の趨勢を推し量るならば、完全なる世代交代の前段階といったところか。
若手というより、それなりにキャリアを重ねてきた中堅が、その力を如何なく発揮している。

オークス以降の競馬は、間違いなく池江v.s.堀であった。ともに、GⅠ2勝。いや、勝ち分けたというべきか。
騎手なら30代、調教師なら40代にいい馬に巡り合えないと、大体先はない。

騎手の方だと、田辺、福永、戸崎etc…。この春数多く悔しい思いをした彼らに、別に期待感が失せてしまうほどの失敗はなかった。
ただただ、苦い経験を経て自己表現をしやすくなったその上の世代が、高い壁となっただけのこと。
ルメール、デムーロらとは、歓喜と絶望の絶対数が少ないのだから仕方ない。知らないことを恥じるだけでは、やはり前には進めない。
自分たちより若い騎手に負けてしまったのは事実だが、ついこの間までその立場だったのだからそういうこともある。

まさしく、トライアルの季節を迎えた日本競馬界の人材開発。
その視点から捉えると、ダービーはやっぱり面白かった。
サトノラーゼンが開眼したからである。
デムーロは、パートナーの普通は普通じゃないと理解していたのである。
リアルスティールには、決め手はあっても突破力が足らなかったから、怪我までしてしまったのである。
その裏で、今年活躍したベテラン騎手のダービーへの思いが凝縮され、それぞれの立場で表現をしきった。

中堅どころの調教師は、この春何かを掴んだ。勝つことへの苦しみから解放される喜びを、大レースの制覇という形で自信とともに体得したのである。
一方で、騎手の方は、一番大胆に乗らないといけない時に、ちょっと大人しい競馬に終始してしまった。
批判を浴び、乗り替わりも何度かあった。相棒に対して注文を付けるのではなく、嫌がりそうなことを避けつつ、相手に怖がられる際どい一手をとっていきたい。
それが大胆な手でも、普通の手でも、相手が嫌なことをしないうちは、凡庸な騎手のままなのだ。


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