血統予想・コラム

JUST競馬予想ブログ

ゴールドとキング

読了までの目安時間:約 3分

 

2014年。フェブラリーSでとんでもない出来事が起きた。
コパノリッキー、突如開眼。
今年もそれと似たような光景を目撃した。
ゴールドドリーム、一変でGⅠ獲り。

4歳馬でフェブラリーSを制したのは、過去7例あり、うち一回は中山開催のゴールドアリュール。
そして、その仔が4歳で2勝、5歳でも2勝と躍動している。
惜しいことをしたものだ。でも、本当はそれでよかったのか。
死の持つ意味合いは、その時々で変化するものだ。

何度となくフェブラリーSに産駒を送り込んできたキングカメハメハ。
同父のエルコンドルパサーも菊花賞馬とダートチャンピオンを送り込んでいる。
血統構成が似ている両者。三冠牝馬とダートGⅠ10勝馬で応戦した。
アリュールとは2つ違い。
一方は、あっと言わせるダービー5着。もう一方は、衝撃的なダービーレコードウイン。

エルコンドルパサーに唯一劣る弱点は、フェブラリーSを勝てないこと。
2頭のGⅠ馬でワンツーを目論んだ時に壁となったのが、ゴールドアリュール産駒であった。

ともにニジンスキーの血を持つ。
長らく東京マイルのレコードホルダーであったナリタハヤブサもその直系の孫だ。
東京マイルで2度も1分35秒を切って走った馬は、ここ数年ではいないわけでもないが、2勝している馬は彼だけ。
唯一、母母父父にニジンスキーを持つスピード系ダート種牡馬のゴールドアリュールにしか、それは破れないのかもしれない。
エスポワールシチー、ゴールドドリームに共通するのは、最初のハイレベル決着でそれに対応できたこと。

道悪適性では負けていないカメハメハも、唯一しっぺ返しを食らう相手はゴールドアリュールだった。
コパノリッキーとホッコータルマエの対戦において、良馬場では自分のフィールドを守り、道悪ではそれを侵すという構図が繰り返された。
産駒の秋のタイトルがほぼ互角の星勘定であるから、かなりのスピード決着になることがあるフェブラリーSでは、もう適性の差は歴然と言える。
逆転するには、大きな壁でもある完成度の進展が鍵を握ることになるはずだ。

 

コラム

ホワイトマズル逝く

読了までの目安時間:約 2分

 

数々の個性派をターフや砂に送り込んだ名馬が死んだ。
1993年にイタリアダービーを制し、以降も主要競走で好走を繰り返し、翌年の凱旋門賞に武豊騎手とのコンビで参戦し、良くも悪くも鮮烈な印象を残したホワイトマズル。
今年で27歳になったが、寄る年波には抗えなかった。

「昨年から種付けを中止し、今月に入ってからは脚元もおぼつかず、26日に起立不全となりました」とは、最後を看取ったレックススタッドの前田常務取締役。
獣医師とスタッフの懸命の介護もあったようだが、力尽きた。老衰で天寿を全う。
人間も肖りたい、実に見事な大往生である。

名馬たる真価は、種牡馬になってから発揮された。
初期の活躍馬には、キレ者ビハインドザマスク、オークス快勝のスマイルトゥモローなど牝馬が多かったが、そこは超名馬・ダンシングブレーヴの直仔。
イングランディーレがサンデー軍団を天皇賞で一蹴した後は、シャドウゲイト・アサクサキングス・ニホンピロアワーズなど、正攻法で芝のチャンピオン距離を戦う本格化をコンスタントに世に送り込むなど、00年代の競馬を大いに盛り上げた。

極め付きは、逃げてどこまでいけるかをモットーに芝の中距離戦を締めたシルポート。
何度となくGⅠで大逃げを見せ、時に渋とく粘り込み、人気馬を翻弄した。
マイル近辺で強かったこともあって、大きな勲章はないものの、リファール直系の貴重な後継種牡馬として、今後も個性派を出してくれるはずだ。

人の生活を支えるために生まれてきた彼らに、無機質に死んだと表現するのも筋違いのように感じる。
名馬と著名人は、人々に同じような影響を与えてくれる。逝く、でいいと、今回は判断した。

 

ニュース

新馬回顧<2/25・26>

読了までの目安時間:約 3分

 

新馬戦は中央場所の中山、阪神の今開催を以って、2014年生のレースが終了する。
ダート1200と芝2000の新馬戦が、土日でクロスして開催された初週。

土曜は芝が中山、阪神でダートのレースが行われた。
チャンピオンディスタンスの中山2000Mは、断然人気のルージュバックの異父妹・エリティエールがスタートから終始目立たない競馬で惨敗。
この時期の中距離新馬戦でミドルペースは有り得ないので、ここでも65秒前後の1000M通過で、先行勢にしかチャンスはなく。
激戦のゴール前で競り勝ったのは、最近勢いのあるアロンダイト一族のストロングレヴィル。
ハーツクライ産駒で仕上がりもまだまだという気配でも、ポテンシャルの高さで関西馬をねじ伏せた。
ダート馬でもおかしくない血統なので、しばらくは様子見が無難。

阪神は、若手騎手騎乗の3頭で決着して、中波乱。
理想的な好位抜け出しで初陣を勝利したスズカモナミは、キンシャサノキセキ産駒の牝馬。松若騎手の好アシストもあったが、ものすごく癖のある血統構成でもないので、素直な短距離型といった趣か。

日曜も穏やかな天気で、東西とも良馬場の競馬に。
阪神2000Mは、元気なハーツクライがまたもや登場する結果に。
断然の支持に対し、満額回答の番手抜け出しで応えたエクレアスパークルは、8戦して4着以下なしの4勝馬・アンタラジーの下にあたる期待馬。
体を大きく見せる骨量豊かな中型馬で、中内田厩舎の活躍馬に共通するグッドルッキングホースだ。
母母父がストームキャットというのが、本当の意味での微妙で、いきなり重賞通用の魅力を漂わせていた。

中山ではミニグラスワンダーといった佇まいのタケデンサンダーが、鮮やかに逃げ切りを決めた。
母の兄弟が漏れなく地方で走っているように、近親に活躍馬がいる系統ではないものの、サンデー&NTの入ったスクリーンヒーローと似たような血統構成なので、意外や意外、大物食いもある。
早速、1番人気馬の隙をついて、力勝負で結果を出した。

 

レース回顧

阪急杯 -回顧-

読了までの目安時間:約 2分

 

いくら渋めの良馬場より湿っていないと結果を出せていなかったとはいえ、このシュウジの負け方はいただけない。
GⅠはおろか、GⅢをもう一度勝ち直さないと、こういう舞台に出てきてはいけないような無様な結果となってしまった。

昨年の今頃2着を連発していた7歳馬・トーキングドラムが、大本命の凡走に助けられ、インからスルスルと抜け出して、理想的な溜めと、予想外のマーク相手・シュウジの失速で大金星目前のヒルノデイバローを抑え込み、終いには行く末に希望を持つ意味で芝に挑んできたナガラオリオンの台頭を許す始末。
色々な意味で、シュウジらしい競馬が波乱の方に振れた影響で、人気馬は見事に圏外へと消え去った。

1:21.4という勝ち時計は、あまり軽くはないこの時期の阪神の馬場では、ほぼ平均的なタイムだろう。
阪神C連覇でトータルの時計に注文がつくタイプであったサンカルロも1:20.1で勝ったことがある。
その前の年にマイルCSで快勝したエーシンフォワードの名があって、これと同じ時計だった。

軽くはなくても中山とは違って、2か月ぶりの開催になるから、前は残りやすい。
が、前日のアーリントンCはそれなりに流れた平均ペースで、ほぼ標準的な勝ち時計の1:34.1。
今のデムーロ騎手は全てにおいて正確なので、基準とするにはもってこい。
普通の結果に対応できなかったシュウジは、特段無理に抑えたわけでもなく、阪神Cより流れたのに掛かって、でも、余力は残っているはずだったのだが…。

この馬が飛べば、きっとトンデモナイことが起きるぞ。
カオスモス&幸四郎に期待したファンの願いもむなしく、平凡な決着に落ち着いたこの組は、型を崩した先行型の巻き返し以外に、本番でのチャンスは潰えてしまったように思う。残念だ。

 

レース回顧

中山記念 -回顧-

読了までの目安時間:約 4分

 

スローから逃げ馬が主導権を握って、でも、先行馬は残る。
いかにも中山内回りらしい、これこそミルコ好みの駆け引きの競馬であった。

筆者の目論見は、上手に競馬できる馬に有利な先行馬の競馬になるのでは?というもの。
ロゴタイプがスローの逃げは意外でも、ネオリアリズムがこういう展開で折り合いを欠かないというのはもっと…。
クリストフが得意な正攻法の競馬で大きな仕事をしたことが、どうにも先入観としてあるのだが、良くも悪くも強引な形で折り合いをつけたり、普通はダメなところで動いていくのが感性の人・ミルコ・デムーロのスタンダードな型である。
勝ちにしか興味のないところがあるから、一旦リズムを崩すと、手強い牝馬よりもっと繊細なところを出す。

そういう意味では、こうして一度スイッチが入ってしまえば、全てが完璧に回るのも必然なのだ。
前日のアーリントンCも完璧。このレースも、途中からマイネルミラノが仕掛けていく形でリードしてくれたから、無理のない好位抜け出しで、よくある中山の勝利パターンにハメ込んだのだ。
ネオリアリズム自身、自縄自縛のような差し損ねの連発で、騎手だけではなく当人の精神面もあまりよろしくない時期があったが、そこは堀調教師。
香港マイルからプラス15kgという、古馬としてはいくらか余裕のありすぎる体であっても、全く内容のない秋の2戦ではなかったから、ただ無理に仕上げなかっただけで、馬の前向きさはしっかりとコントロールできていたように映った。
絶好調のミルコ。そんなに悪くない状態と見るや、とてもお利口な競馬で連日の重賞制覇である。
いやはや。

中山記念は、関東のベテランたちの庭。
今年は決め手比べで屈しない穴馬にしかチャンスはなかったが、どういう経緯か、戸崎→横山典スイッチでより鋭敏さを増した末脚で、名うての中距離チャンピオンを置き去りにして、ちゃっかり2着。
サクラメガワンダーもそうだったが、正攻法で、それこそ前走の白富士Sのような普通の競馬をしては、なかなか勝ち切れない。
一族の長・サクラチトセオーも得意とした舞台で、45倍の馬にこの鞍上。
いやはや。

リアルスティールはジャパンCよりはやりやすいと思って、それなりに期待していたが、やはり追い込みの手に出て、やはり差し損ねたアンビシャスの方が、よっぽど底力があるなという残念な負け方。
アンビシャスにしても、1番人気で3着外しでは褒められないが、GⅠの前哨戦だから仕方のない部分はある。
それに対し、悪くもない位置で、流れが多少変化しても、いつまで経っても器用にならないリアルスティールは歯痒い。
正攻法の差し切りを狙ったヴィブロスの方が、よっぽど先行きに明るさがある。
阪神の内回りが合うわけもなく、昨年見せてしまったモタモタ感だけ再現して、いやもっとだらしなくなったことでも、まだ安田記念で負った心の傷が癒えていない可能性を考慮しないといけない状況にあるようだ。

見せ場だけは…、と思った陣営の多くは、長らく継承された中山記念の呪縛に囚われてしまった。
関西馬には辛い舞台であるということは、関東馬の上位独占で再確認するまでもない。
いやはや。

 

レース回顧

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