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復活ならず

読了までの目安時間:約 2分

 

常に真剣に、純粋に競馬に臨む姿勢が、時に軋轢を生み、自らの騎手生活を不本意に終える理由になったのだとしたら、どんな職業においても再チャレンジしたいと思うのが、本物のプロフェッショナルである。
男は、今までとは逆の中央→地方というステップで、引退撤回を賭けた一発勝負に打って出た。

「藤田伸二元騎手、地方騎手免許1次試験突破ならず」
今月15日に挑んだ筆記試験は、引退から2年、27年ぶりとなる大いなる勝負の一戦であった。
「藤田伸二を乗せたい」
そんな馬主が、故郷の北海道にはいるから…。
何とも男らしい一本気の勝負師ならではの、再デビューを目指した経緯には、何事も一回きりという、勝負の世界の厳しさを身をもって体感してきた同氏にとって、生き様そのものが色濃く反映されていた。

「応援してくれた人にはありがとうと言いたい」
電話によって不合格の通知を受けた藤田氏は、競馬に乗ることへの不安はないとの旨もコメントし、引退後2年目の夏は、劇的ながら静かに終わったことを滲ませつつ、後悔の思いなど微塵も感じさせない、義理堅い男の実像そのものがそこにあるとファンに伝えるべく、爽やかな敗者の弁で異例の挑戦を締めくくった。

平等である必要はなくても、必ず誰かが不利益を被るような状況を知っていながら、そこに介在する人間だけが恩恵に与る状況は、レース中のラフプレイに甘くなった主催者に皆が疑問を呈することと、何だか大きく乖離している気もしないではない。
どちらが正しいというものでもないが、自分はこう思うと語る人間が不利になる構造は、やはり間違っている。

 

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ニュース

新馬2017<9/23・24>

読了までの目安時間:約 3分

 

曇天の土曜競馬。
前日の雨の影響で、稍重馬場で行われた中山1600の新馬戦は、人気の良血馬が力を見せつけた。
万全の抜け出しで危なげなく初陣を勝利したのは、ロードカナロア×ザレマの牝馬・グランドピルエットだった。
うまく走れることは予想がつく配合だっただけに、2番人気で置かれながらも猛追したディープ産駒のクリッパーとは、その差も大きかった。

ドスローの阪神芝1200は、こちらも牝馬、アドマイヤマックス産駒のトンボイが先行して押し切り勝ち。
6月の新馬でもないのに、前半が36秒台というのはいささか度を越しているので、時計を縮めないことには…、である。

日曜日は晴れ。
東西で2000M戦が組まれたが、対照的な結果に。
阪神は三つ巴の攻防がゴール前で2頭になり、最初に仕掛けたドンアルゴスが粘り込む展開。
ドリームジャーニー×シンボリクリスエス。血統では人気馬に見劣ったが、根性が違ったという印象。故に、人気勢は成長がないことには…。
中山は人気馬同士の争い。
良血・ノヴェリスト×Dスカーレットのダイワメモリーが、ちぐはぐな競馬で1番人気のマイネルプリンチペの粘り込みを許しそうになるも、ゴール寸前でグイグイ伸びて、差し切り勝ち。
道中動く馬多数で、揉まれる競馬を初戦から経験できたのはいいだろうが、これは本来の形ではない。

ダート2戦は、阪神1400がスペイツタウン産駒らしくスマートに逃げ切ったオペラグローブ<牝馬>、重の中山1200では直線後半は独壇場に持ち込んだヨハネスブルグ産駒のデンコウケンジャの強さが目立つ展開。
後者に関しては、若いうちは距離をこなせそうな短距離型という印象で、やってくれそうな気配はする。

全体的に重賞レベルに育つには、もう一皮、ふた皮剥けないといけない馬が多く、枯れてからももうひと踏ん張りできそうな馬が生き残れるように感じた。
グランドピルエットは母も伯父ももうワンパンチ足らなかった馬だから、ロードカナロアの決定力がプラスに働く可能性もあるだろうが、彼も4歳夏までは人気に応えきれないところがあった。
スケールアップには時間と経験が必要だ。

 

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レース回顧

回転軸 血統・騎手から

読了までの目安時間:約 3分

 

今、本質ダート向きの血統は、これから主役を生み出すトレンドの配合をリードするのではと感じる。
早く暑くなって、東は夏が結局ずっと涼しかった。
全体のレベルが低調になっている時に、さて、誰がフォローするのかと思ってみていると、札幌記念ではキングカメハメハの上位独占、5着以内に4頭入る結果に。
マーベラスサンデー産駒のタツゴウゲキがサマー2000シリーズチャンピオン、クロフネの3歳牝馬が北海道で圧倒的なパフォーマンスを見せ、ダート重賞2戦は断然の存在だった中心馬を差し切る新たな才能との遭遇と相成った。
極めつけは、タピット産駒・ラビットランが魅せる豪脚か。

函館、札幌の開幕週以外の重賞は、総じて、想定内の時計の決着ばかりで、層の薄くなったいわゆる良血馬の陣容には、かなりの隙があったのは事実。
秋以降に大きなものを獲ろうという目論む陣営があったのに、実績のある馬ほど不発に終わった。
しかしそれは、6月の中央場所開催中からそうだったので、キレる馬以外は渋い血統でも勝負なるかもしれない。
サマーチャンピオンをイチ推しとしつつ、既存勢力からは1800以外は下げることに固執して勝負に徹したいディープ×Sキャットのリアルスティールを再評価したい。
春は散々だったが、この配合で正攻法ではスタミナが足らない部分がある。
鞍上が固定できればいいが。

若手が活躍したようで、ベテランの腕が光る開催後半となった騎手に関しては、ルメールの大爆発で終わった札幌を筆頭に、収まるところに収まった印象しかない。
そして、秋開催の序盤もトップジョッキーが目立つ結果ばかり。
嗚呼、うたかたの夏かな、では物足りない。
この夏きっかけを掴みかけている北村友、三浦両騎手の再チャレンジには期待したいが、オーナーの皆様、よろしくどうぞとしか言えないのは歯痒い…。

強かさで上回ることができない以上、態度以外で、主導権争いで常にリードできるように、位置取りの意識は調子の良し悪しに拘わらず、積極的にあってもらいたい。
比較おとなしい騎手が上位争いをしている。
例外のミルコが先行している時以外は、どんどん前に行きたい。

 

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コラム

ファインニードルの鞍上決定

読了までの目安時間:約 2分

 

先日のセントウルSを制し、スプリンターズS参戦が決まっていたファインニードルの鞍上が、ベテラン・内田博幸騎手に決定し、態勢が整った。
これまで騎乗していたM.デムーロ騎手は、同レースの前年覇者で主戦を務めるレッドファルクスとのコンビで参戦することが既定路線だったため、有力馬の一頭ながら、鞍上探しの行方が関心事となっていたわけだが、これで一段落した形だ。

阪神コースが得意なファインニードルだけに、ここ数年よりは時計が速いように思われる中山でのレースでは、否応なしに期待が集まる。
10月最初の重賞レースであるスプリンターズSは、夏から続くやや不穏な空気漂う本命苦戦の流れを変える、一つのきっかけになるのだろうか。
重要前哨戦の勝ち馬の走りは、この秋のGⅠ路線の雰囲気にも大きな影響を与えそうだ。

有力と目されるGⅠ馬が皆休み明けという状況は、最近のスプリンターズSでは意外と珍しい。
ここを休み明けで制したレッドファルクスやウルトラファンタジーは、その年に初重賞制覇を果たしたような新興勢力で、人気馬の案外の凡走で台頭した部分もある。
実績のある馬こそ、しっかりと使われてから信頼に応えられる状況を作れるという傾向。
ファインニードルは実についているように思うが、果たして。

混戦を断つために必要な条件は整った。
キレるラインミーティアやレッドファルクス、正攻法のビッグアーサー、ファインニードルらの攻防は、見応えのあるものになりそうだ。

 

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ニュース

物語の主役を作れ

読了までの目安時間:約 3分

 

夏は波乱の連続で、次世代のヒーローがどう生み出されていくのかという興味がドンドン薄れていく結果となった。
そんな夏物語も終わり、何とも言えない雰囲気の予測不可能な季節が始まった。

主役候補はいても、堂々の主役はいない秋。
取っ掛かりはスプリンターズSと凱旋門賞、例年の豪華メンバーに別料金の船盛りがじゃんじゃんテーブルの上に乗っかっているような雰囲気になりそうな毎日王冠組が現状の不満を抑え込んでくれる、その希望であることは確かなのだが、ビッグアーサーはぶっつけ、シルバーステートは故障で…。

船頭のいない船は、言わずもがな落馬して騎手を失った斤量幾ばくも無いサラブレッドと同じで、どっちに行くのかも定まらない。
新たな可能性を感じさせる古馬はいるのか。
札幌記念も宝塚記念も期待と大きくかけ離れた結果になったために、元々混戦模様の日本競馬界は、どこもかしこもヒーロー、ヒロインを渇望する状況にある。
菊花賞で牝馬が優勝、アロゲートがチャンピオンズC参戦などという事件の発生を期待するのも、ご都合主義が過ぎる。

GⅠを勝っていない馬がどうやってそのタイトルを得るのか。
春だってそういう馬は沢山いたのだ。
日高の馬も社台の良血馬も関係なく、みんな泥を浴びながらガッツを見せてもぎとっていった。

その可能性がある馬は…。
芝路線は見えない部分が最近特に多い。
実績は重要ではないというケースがまま見られるし、第一、主役はずっと牽引するということは、元々突き抜けた存在は少ない短距離路線にそういう存在が現れると途端に流れが変わるという傾向にある。

ビッグアーサーに期待して大失敗から1年。
ソルヴェイグ以上の力があれば、その上にいた牡馬はあくまで次点評価の馬で、自力勝負向きのタイプではないから逆転可能も、案外だったセントウルSのフィドゥーシアを見てしまったから、今年もキレる牡馬かもしれない。
ラインミーティアですかね?

3歳世代ではソウルスターリングとは未対戦のファンディーナやラビットランが、台風を吹っ飛ばした力を今後どう発揮するかが見物。牡馬はいない。(笑)

 

コラム

新馬2017<9/16~18>

読了までの目安時間:約 3分

 

さてさて。
土曜の中山はまだ雨が降る前。
芝1800もダート1200も逃げ切り。
芝は人気のマイネルファンロンの追撃をハナ差凌いで、ヴィクトワールピサ牝駒のスピアーノが制した。近親にファイトガリバーがいる系統。底力はある。
ダートの方はシニスターミニスター産駒の関西馬・メイショウヒサカタが他を圧倒。コツコツ走るステファニア系らしい馬になっていきそう。

この日の阪神からは天候・馬場を記していく。
芝1400 雨・稍
雨量が増え始めた頃のレース。これもダイワメジャー産駒のハゼルが逃げ切り。母がミスワキ×サドラーだから納得にスロー押し切り。

日曜
中山芝1600(牝) 雨・稍
悪化の一途をたどる状況。
大外ブン回しの後方一気でトーセンブレスが快勝。1番人気も同じディープ産駒のプリモシーンだったが、これも内をうまく回ってくるのは得意ではなかったか。道悪では急なギアチェンジは難しい。

阪神芝1800 曇・稍
台風はまだ遠く、むしろ、馬場は回復気配の状態。
自ら高速決着を演出した人気薄のリュクスポケットが逃げ切り。
1:47.7で後ろから突かれながらの結果。ダイワメジャーとキングカメハメハの決着だから、前にいた方が有利だったのだろうが、勝ち馬は素晴らしい。

月曜
3レース全て、晴・稍で施行。
阪神芝1600(牝)
エイシンフラッシュ産駒2頭の一騎打ち。ボウルズが外から、ウスベニノキミはそれを受けるように好位から抜け出し、最後はボウルズが競り落とした。良血馬は両者含め多かったが、案外の凡戦の印象。

ダ1800
好位抜け出しでゴールドアリュール産駒のサクラアリュールが、低評価を覆す好内容で快勝。母系の大元は世界的名血で、フロックではないだろう。

中山芝1200
兎にも角にも、外々を別次元の脚で伸びたアンフィトリテが別格という競馬。
リアルインパクトの姪でロードカナロアの仔。自信を持って戦える時の強さは、超A級というのが特長の注目すべき血統であり、むしろ、マイル辺りが完成期での主戦場になる可能性もある。

 

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レース回顧

2017年 サマーシリーズ総括

読了までの目安時間:約 3分

 

2000
優勝 21pt タツゴウゲキ
戦前はサクラアンプルールの勝ち逃げもあり得るのでは考える人が多かったが、新潟記念の直線をずっと見ているうちに、ああ、これがチャンピオンのあるべき姿なのだなと、これもまた皆が感じるのであった。
最大の武器である安定感を、誰も想像しなかった日本一長い直線コースで遺憾なく発揮し、またも接戦になったが、今度がしっかり待ち受ける本来の形で押し切り勝ち。
ゼーヴィントに再戦を挑むまでに、いや、先越して出世するチャンスを得た夏競馬の後半となった。

スプリント
優勝 16pt ラインミーティア
まさか、専門家がチャンピオンになるとは…。
過去何度か、その後のローテが最も組みやすいアイビス組がチャンピオンになったこともあるが、この7歳馬の一瞬の決め手は、もはや全方位型だったのだ。
上がりでは3、4着馬の方が上でも、レース内容でも着順でも、今の充実を示すセントウルS2着に、人馬の執念を見た気がする。

マイル
優勝 15pt  ウインガニオン・グランシルク
苦労したステイゴールド産駒に、夏のプレゼント。
5歳という季節は、父が伸び悩み最高潮の歯痒い季節であったが、産駒はそれぞれの得意条件で力を発揮する時期。
脚質真逆の2頭は、中京記念の連対馬。初めての文句なしのチャンピオン誕生が、2頭同時とは…。

騎手
優勝 32pt 北村友一
スプリント2勝、最終戦のセントウルSで、全くの格下馬であったアドマイヤゴッドを駆って5着というのは、この夏の充実が本物である証だろう。
ジューヌエコールは展開と時計に斤量の助け、シャイニングレイのCBC賞は、馬のフレッシュさも勝因だろうか。
地味ながら、2000Mの函館、小倉記念で稼いだ入着ポイントが最後の差に出た形。
最後も差し損ねた戸崎騎手とは、安定感に違いがあったのも大きい。
充実の夏を経て、この中堅騎手の今後の活躍が期待される。

いつも以上に地味な、いかにもローカルスターの誕生というシーンの連続だったものの、大駒が少なかった割には、スリリングな競馬の連続で十分に楽しめたように感じる。

 

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コラム

新馬2017<9/9・10>

読了までの目安時間:約 3分

 

9月の中央競馬は2場開催。
阪神と中山で、そろそろ好素材が満を持してデビューしてくるのがこの時期。
土曜の東西の芝のメイクデビューからは、そういう存在が現れてくれた。

阪神のマイル戦は、ミッキーアイルの全弟・スターリーステージが断然の人気を背負うも、レースの主役は常に、絶好位につけたビリーヴの仔・ジャンダルムだった。
直線入り口では、すぐ後ろにつけたロードラナキラと一騎打ちムードになるも、内から迫ったスターリーステージとの三つ巴の競馬にはならず、直線の伸びは一枚違うものを感じさせた。
食わせ物も少なくない兄弟だが、果たして。淡白ではないと思う。

中山2000で豪快に外から伸びたバレリオは、アイスフォーリスの全弟。
体つきからレースぶりまで瓜二つの印象も、ある意味で牡馬の割には反応のいいタイプと思える。
東京、京都で同じ競馬では通用しないだろうが、このコースは合いそう。

日曜は阪神で注目馬が順当に勝ち上がり。
2000M戦で一気の末脚を見せたシルヴァンシャーは、POGファンお馴染みのアゼリの仔。1400の牝馬限定は、慎重に下ろされた印象のオルフェ全妹・デルニエオールが楽勝。
ビリーヴの産駒と同じで、なかなか常識にかかってこない兄弟は気がかり。
相手が強くなった時にどうなるかを見てからでないと、ここでは力が違ったので何とも言えない。
前者の2着馬はオルフェ、後者はノヴェリストのそれぞれ人気馬で、母系も筋が通っている。
無理に重賞を使わなければ、2勝目までは確実だろう。

中山マイルでは、人気のネイビーアッシュをゴール寸前で捉えたタイムパラドックス牝駒のウインディマンシュの末脚が際立った。
よくある中山スペシャルの類だろうが、小柄な馬にダートの制約は伴わないことはよく知られるところ。
時計が掛かるスローのレースでは、こういうこともよく起こる。
ダート1800戦では、小差の1番人気馬・スペースファルコンが逃げ切り。父の名は記すまでもないか。意外とやれるタイプかもしれない。

 

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レース回顧

海外遠征で明暗

読了までの目安時間:約 2分

 

今年はロンドンタウン
韓国・ソウル競馬場で行われたコリアCは、想定された通りに日本馬同士の争いとなり、今年は昨年優勝のクリソライトを後ろに回して、充実一途の4歳馬・ロンドンタウンが重賞連勝、初のGⅠ制覇を成し遂げた。
同日、カップの前に行われたスプリントも、武豊騎手騎乗のグレイスフルリープが好位から抜け出し快勝。こちらも初GⅠ制覇を果たした。

日本馬はパーフェクトの結果。
今や、JBC競走の前哨戦は、中央のレースには止まらないということなのだろう。

重馬場に苦しむ
さっと流しながら勝って、いつものように勇躍本番へ…、の青写真通りには今年はいかなかった。
凱旋門賞のスーパー前哨戦デーの掉尾を飾る古馬の一戦・フォア賞は、軒並み2分30秒台の決着が続くソフトコンディションの中行われ、人気の中心であり本番での好走も期待されたサトノダイヤモンドが、リードホースとして帯同するノブレスともども、終始レースの主導権を握りながら、終いは完全に失速し、ダイヤモンドが4着、ノブレスは殿6着と惨敗を喫した。
勝ったのは、それらを見る位置から追走したドイツのチンギスシークレット。

「軟らかい馬場だけが心配」
名手ルメールの不安は的中し、この程度のハードルは乗り越えられると思っていた指揮官の顔からは血の気が引いてしまい…。

当初はロンシャンで行える予定だった今年の凱旋門賞は、ほぼ1年前の時点でシャンティイ連続開催が既定路線となっていたようだが、こういう展開はまず日本ではあり得ない。
コース形態そのものが、日本馬には合わない可能性もある。

 

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ニュース

感じるままに

読了までの目安時間:約 3分

 

この夏、石川騎手や木幡巧也騎手が、中身のある騎乗で初重賞制覇を成し遂げた。
GⅠに何度も挑戦している石川騎手は遅ればせながらの印象もあるが、レパードS以降はろくに馬券に絡んでいない木幡騎手にとって、その価値は絶大なものになるだろう。

ただ同時に、うまくいかなかった若手騎手も多かった。
おかげで、最後の方に来て大ベテランの名手が息を吹き返してしまった。
もっとかわいがられてからがいい、などという年功序列制の世界ではないのだから、引退に追い込むくらいの若々しさをもっと期待したい。
人気馬への騎乗を任せられることも少なく、ましてや重賞でとなると滅多にない機会。
荻野極騎手のプロキオンSのような例でも、実は下級条件でさえほとんどない。小倉2歳の松若騎手は馬が案外で…。

そして、そういう条件戦でも同じ構図になることで、人気を背負いすぎて過剰な支持を集めた良血馬が敗れる時に、何ができるか、できていたかということがその後の結果に影響を与えるケースもよく見られる。
若手にはチャンスが少ないから勝負に出る形も限られるという制約があるのに対し、150勝を楽にできる名手たちも、馬が悪いというだけで負けたわけではない謎の凡走も最近多いから、モレイラやムーアにいいところを全部持っていかれる原因ははっきりしているのである。

おじさんが元気なわけではない。
ただ、たまにしか働いていないような状況にありながら、その手綱捌きはいささかの衰えも感じさせない。
中堅以下、今乗れている面々にこれから拘って欲しいのが、ルールの作り方である。
ペースを作る技術ともう一つ、確信のある先行しての勝機は本当に差した場合とで確率が上であるとゲートの中でも思えるか、というメンタルが重要だ。

ペースが落ち着いても差せるというのは自信に繋がることはない。
自分で動かしている感覚がないからだ。
相手がいるから仕方ないという部分をいかに小さくすることができるのか。
減量騎手の頃に果敢に逃げた時の感覚を取り戻さないと、どんどん縮こまった乗り方しかできなくなってしまう。
面白い競馬にしたいと思うことから、全てが始まるラストステップなのだ。

 

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