血統予想・コラム

JUST競馬予想ブログ

中京記念 レース回顧 ~ 怪しい手応えも粘り込んだグルーヴィット

読了までの目安時間:約 4分

 

先行残りが懸念されていたが、前に行ける馬が多く、またその手の馬がほとんど伏兵。

おまけに、実質トップハンデの55.5であるプリモシーンが、言うほどはこの怪しげな渋馬場を正攻法で抜け出しにかかって勝ちに出たから、その後ろのグループには有利だった。

だからって、外差しが決まるほどの荒れ方というわけではなく、4分どころくらいから外の馬は来ない。

ギリギリのライン上に、共に乗り替わりになった52の3歳馬がいた。

手応えというか、流石はスクリーンヒーロー×ディアブロのクリノガウディーは適性を感じさせる一気の脚で、見事に復活を遂げたのだが、最も怪しい手応えで上位争いに食らいつき、何とか粘り込んだグルーヴィットが勝った。

きっと、走るタイプのパロクサイドだから、道悪馬場になってしまうと怪しいのでは…。

こんなに手応えの悪い馬だとは、きっと松山騎手も想定していなかっただろうが、ダートの経験値やGⅠでの厳しいレースも知った馬だけに、ある意味で容赦しないで走る気を引き出したことで、この一族独特の勝負に出て強いいい面が、最後は勝敗を決する場面でのプラスアルファとして現れたように感じる。

外枠すぎて、流石に苦戦必至だったカテドラルなど、この手のハンディキャップ競走では必ず力を出し切れない馬が登場するが、NHKマイルCで走らなかった、走れなかった2頭が世界レコードタイ走のプリモシーンを抑え込んだのだ。

斤量面の有利不利だけではなく、こういう不思議な展開も起こりうる競馬に参戦した以上、1:33.6の決着タイムが示すように、予想された最低ラインの波乱の結末は、最初から想定内であった道中のストレスがどのようにパフォーマンスに影響するかを如実に証明したことになる。

誰でも走れる競馬の時、こういうトラックバイアスのようでそうとも言えないくらいの掴みづらい状態の馬場に、いかに適応できるかは、わずかな差で勝負運に見放された馬たちの中でも、明らかに近走で力を出し切れないかった面々の方に、大体のケースでは有利に働く。

ファルコンSくらいの馬場状態の方が、グルーヴィットにはもっと有利だったはずだが、ちょっとしたバランスが勝ち負けに大きな影響を及ぼす夏の重賞のこと。

苦しい経験の他に、ワンツーの3歳馬に関しては、それぞれが京都で新馬勝ちした次戦で、東京へと遠征したすぐ後に、再び地元で好走していた。

プリモシーンはずっと頑張ってきて、マイル戦では近走、暮れのターコイズSで力を出し切れなかったことがあるくらいで、安心できる軸馬だったが、ほぼ適性外のこういうタフな条件で、全く崩れなかった。

思われたより時計勝負にならなかった、馬場回復の妙が結果に大きく影響を及ぼした一方、本命で重賞勝ち鞍2つのみの牝馬が、十分に期待通りに走ったのだ。

往々にして、特殊性ばかりがこのレースの勝敗のポイントに挙げられるわけだが、今年は全く違う。

来ないはずの3歳馬がきっちり結果を残し、55.5の牝馬が格上とはいえ、道悪を克服した中で好走。

ミエノサクシードなど、時計面でのアドヴァンテージで際どく詰め寄ったわけだが、本来ならきっと、彼女のためのレースになっていたのだろう。

期待以上に盛り上がった中京記念は、関屋記念のように、今後はもっと重要度を増した格を得ていくことになるだろう。

 

レース回顧

中京記念 2019 予想 ~ 荒れ馬場と血統的傾向から考える

読了までの目安時間:約 5分

 

土曜の朝、レース開始直前までは雨が降りそうだから、いつもの中京最終週の荒れ馬場になりそうだ。

ほぼ間違いなく、内が残るような高速馬場にならないだろう。

それに呼応するように、7月というか、ローカル開催に切り替わったここ3週は、中京重賞で全ての勝者が、サンデーサイレンス、ミスタープロスペクター、トニービンの血を持っていた。

これにリファールやノーザンダンサー系の某かのクロスが掛かっている感じで、明らかに、高速決着向きの馬は勝ち負けの争いには加わっていないことになる。

そういう傾向はこのマイルの中京記念にも、既に定着化したものとして記録されている。

トニービンやヌレイエフ、ミスプロは距離の関係でかなりの数絡むが、ヌレイエフの血を持つキングマンボの存在感は、リピーター血統としての価値を高めるように、雨馬場の時やその影響を色濃く受けた時に、より引き出されている印象を受ける。

最初にこのレースを連覇したフラガラッハが、松永幹夫厩舎の馬。

デュランダル×トニービン×ヌレイエフで、2着には2度ともキングカメハメハ×サンデー系の馬が残った。

その時と同じような馬場、要するに、1分33秒を早々は切れないようなタフな条件となれば、そういう決着は予想できる。

そういうことが昨年以外、実に6度も起き、トニービンかミスプロの直系が主要な部分に組み込まれた馬ばかりが勝ってきた。

ステイゴールドのワンツーが起きるマイル重賞が、普通の競馬のわけがない。

ステイゴールドは母父がディクタス。

トニービンもハイペリオンの血がしっかりと組み込まれ、その末裔でサンデー系のハーツクライやその仔のジャスタウェイなども、あまり高速の決着での出番はない。

キングマンボ系のロードカナロア産駒。母父シラオキ系のスペシャルウィークで、祖母はフレンチデピュティ×エアグルーヴ。

余りに条件が揃ったこの52の3歳馬・グルーヴィットに、5戦目にして5人目のパートナー・松山弘平騎手が騎乗という要素は、中京や左回りでの実績なども含めると、有利すぎる一戦になるだろう。

渋残りでもダート2戦の実績があり、共に勝利。

が、わがままさが残るいい意味でのパロクサイド系の特徴が現れたその内容に比べ、3戦目のファルコンSは、比較的速い流れに対し、外からの追撃で直線の反応も上々。

1:21.0は勝ったハッピーアワーに0.1秒劣ったものの、レースレコードではあった。

NHKマイルCに関しては、ダート実績が活きる乱戦ではあったものの、初のマイルと迷わず馬込みから抜け出すレーン騎手の手もあまりフィットしなかった感じで、伸びしろはあったが、キレない死角も見せつつの10着。

しかし、キャリア4戦で毎度の乗り替わり。

東京の経験があったからといって、本質的に秘める芝への適性だけでは何もできなかったのは、GⅠであればいくらでもいいわけできそうなもの。

何となく、夏は元気な印象の松山騎手に、時計の大幅な更新は求められない1:32.9の持ち時計でも対応可能な競馬をできるように、しっかりとアシストしてもらいたいものだ。

軽い馬場は合わずとも、重馬場になってしまうとちょっと反応が鈍るのは、ドゥラメンテなどに見られた驚異的な脚を一瞬だけ使える強みであり、トータルの持続力にはあまり魅力のないから、ファルコンSなどはその典型にも思えたが、明らかに芝の方がギアチェンジがスムーズなタイプ。

何となく2、3着の多い馬が重賞獲りに成功している流れに、この早い段階で乗っておきたい。

ロードクエストもキレを見出されつつ、そこはマツリダゴッホ産駒なのか、渋馬場やトータルの時計がハイレベルではない時に走る馬である。

こちらは57だから、逆転の芽は若手の方にもあるが、当然強敵。

ビリーヴの仔・ジャンダルムも、きっと性質は似ている。ファリダットでさえ、安田記念3着時の走破タイムは1:33.8だった。

◎グルーヴィット

○ロードクエスト

▲ジャンダルム

注カテドラル

△ヒーズインラブ、プリモシーン、ミエノサクシード

 

レース予想

函館2歳S(2019)予想 ~ 洋芝実績がない馬は函館の重賞を勝てない

読了までの目安時間:約 3分

 

函館らしさが戻ったか、先週も上がりの掛かる競馬になった。

本州ほどは雨の影響を受けていないが、北海道に実績がない馬は函館の重賞を勝てないことはよくある。

今年は2戦とも、洋芝戦に勝ち鞍のあるのワンツーであった。

さて、藤岡佑介騎手のリーディング争いにひとつ貢献をしたレッドヴェイパーが、本来使うべき開幕週の新馬戦でコンビを組む予定だった北村友一騎手へと乗り替わり、再度勝利を目指す。

阪神で圧勝のタイセイビジョンは、タートルボウルだからいくらでも洋芝をこなせそうなものだが、高速化が進んでいたにも関わらず、札幌2歳Sとは大違いで、7月開催になってからも全く違う組の勝ち馬に出番を与えていない。

ティーハーフと同じように阪神から来る洋芝巧者のような配合の馬が、まるっきり出番なしとはならないはずだが、それなら門別2戦圧勝のアザワクにだってチャンスはある。

ただ、時計が出にくくなっているところで、順調に使えなかったにも拘らず、追われたから走ったという感じで新馬を勝ち切ったレッドヴェイパーは、スタートのミスも考えづらく、稍重の1:09.8ならここでは断トツの存在感を放っている。

2着だったケープコッドは2週後に良で1:09.9で圧勝も、ここは除外。

5馬身差3着だったメイショウナパワンも、新馬とほぼ同タイムで未勝利を勝って、こちらは参戦。

人気のスマートカーリーが翌週の良馬場、レッドと同週に圧勝のパフェムリも同じ1:10.2であり、相手が楽だったらもっと遅かったはずのレッドも、軽くない相手と既に対戦済みの強みが、ここでは活きるか。

洋芝ではあまり崩れないロイコン系で、シンコウラブリイを産んだハッピートレイルズの直系は、ハイペリオン色が強いが、セントサイモン色がここ2代で強まったレッドヴェイパーの代では、タフな馬場の短距離戦は歓迎に思える。

今年も連闘馬がいるので、マンバーを相手筆頭とする。

◎レッドヴェイパー

○マンバー

▲タイセイビジョン

注パフェムリ

△アザワク、ゴッドスター、リュウノゲキリン

 

レース予想

平成の出世レース・謎の国際GⅠトライアル

読了までの目安時間:約 3分

 

函館記念

16⑥ネオリアリズム

94②タイキブリザード☆

函館2歳S

12④ロゴタイプ

06②ローレルゲレイロ

97①アグネスワールド☆

中京記念

<マイルに条件変更後はなし>

02①ツルマルボーイ

00①メイショウドトウ☆

どういうわけだか、旧中京記念も含め、渋った馬場で行われることの多い晩春のGⅠや日本よりは確実に重い馬場で行われる海外のGⅠのウイナーなど、国際的に評価されるレースの勝ち馬が多い。

安田記念の覇者はここに挙げただけで3頭。

外国産馬が強い時代の象徴的存在で、藤沢厩舎だとか森厩舎の馬ということも、たまたまの結果ではないことを補強する材料となっている。

同時に、別定函館記念の特性と、時期入れ替えてからの同ポジションである札幌記念とでは、格は違えど、札幌に芝ができたからというだけではない理由で、その競馬の質がアップしている。

ニッポーテイオーもサッカーボーイも、ブリザードと同じ3歳で函館記念を好走し、後の大成へ繋げた。

相手が楽とかそういうわけではないから、札幌記念は勝っているネオリアリズムなどは、ローカル適性にとどまらない何かを得たことが、結果的にはよかったことになる。

今の中京記念には、マイル変更の意味はあまりなく、補完するのはそもそも関屋記念であることに変化はない。

栴檀は双葉より芳しを証明した昔の函館2歳S好走馬に対し、開催時期の前倒しが早熟型に有利ななかで、ロゴタイプが全くの人気薄で4着だったことは、2歳時で王者であることを世に知らしめた最大の根拠と言えよう。

クラシックで燃え尽きなかったから、あのモーリス斬りがあるのだ。

どのレースも、どこかのGⅠに繋がる直接的な要素はないので、所詮はGⅢだからという結果ばかりだが、根幹距離の重賞である以上、一定の意味合いは持っているもの。

7月の重賞は特に地味だが、力のある馬のステップには、いい経験値を与えている面は間違いなくあるだろう。

 

コラム

管理すべきこと – 東京の高速馬場、安田記念の内斜行、禁止薬物禍

読了までの目安時間:約 3分

 

東京の高速馬場問題に引き続き、安田記念の内斜行問題に、直後の禁止薬物禍…。

人間がもう少し考えたら何とかなりそうな問題と、薬物問題で隠れていた雨馬場における対応の重要性が同時進行でマシマシの傾向を示したことで、前月から続く言い知れぬ不安は、レーン騎手の大暴れだけでは何も解消されなかった。

薬物問題に関しては、全面的に人間側の責任であるのだが、それと最も関わりが遠いはずの騎手会の当日のトップであった福永騎手が陳謝した件は、状況を考えたら致し方ないとしても、客観的に見て、主催者より先に末端の人間とまではいかないものの、競走馬を管理する側ではない関係者の謝罪など、何の意味もないから、質問をした側の記者の意識も当然、その資質を問われることになる。

直接関係していないから、話がしやすい立場だったからというだけのことであり、真相を知る立場ではない。

少なくとも、謝罪しているようなイメージを与えるメッセージに対し、フォローの一言があってもよかったはずだ。

さて、宝塚記念に関して思ったのだが、東京の馬場作りと根本的に違っていたかというと、現象としては同じだったはずだ。

軽い競馬になりづらい6月の阪神は、春の中山と同じように、雨が降った時の備えはしている。

最初から雨が降らないとなれば、ある意味で、エアレーション効果がフルに発揮されるのだろう。

それを週末雨予報の時はしない。

ハズレて、馬場が高速化する。これは何度かあった。

しかし、東京は雨が降らないところで連続開催だから、キープすることを重視すると、Dコースでも外差し馬場になったように、結果として対策の講じようがなかった気がする。

降らないのはどうにもならない。

17年の秋はひどい雨に見舞われたが、良のJCは高速決着。

でも、雨が降った後にカバーするのが本質であるべきだから、仮柵の移動をもっと極端に2週ごとに行えば、意外なほどすっきりと公正な馬場での競馬は可能な気もするのだが。

あれだけ速いと誰も得しないから、面白さも半減してしまったのである。

興行的にも、ダメージを被る時期に入ろうとしているのではないだろうか。

 

コラム

サトノアレス引退

読了までの目安時間:約 2分

 

2016年の2歳王者・サトノアレスの引退、種牡馬入りが決まった。

朝日杯FSでは低評価ながら、驚異的な瞬発力を発揮して皆を驚かせたが、以降は勝ち星にも恵まれず、3歳夏に制した巴賞が最後の勝利。

しかし、以降東京競馬場のレースを使い続けたことで、しっかりと掲示板に載り続けていたので、その存在を忘れるというほどの体たらくではなかったものの、今年の京王杯SCでは、左前肢跛行を馬場入り後に発症し、そのまま競走除外。

「蹄の状態が良くなく、現役を続けるのは難しい」

とは、オーナーの里見治氏。

もちろんそれも引退理由の第一要因となったわけだが、本音はそれだけではないようだ。

「デインヒルの血が入っているので、ヨーロッパからも興味を持たれており…」

これで合点がいくところもある。

近年はクールモアの名牝が、続々日本でディープインパクトとの交配を行っており、先細りが見えているその直接的手法よりも、数多存在するディープ産駒の後継種牡馬に適性を見出した方が、よっぽど経済的で効率もいいのだ。

ある意味、ここで重要になってくるのが、東京は得意なのに、2歳時に勝ったきりだったという戦績面の残念さ。

裏を返せば、命がけの競馬もしなくてはいけなくなる超高速馬場での競馬を勝ってはいないというのが、それでも持ち時計はあるし、デインヒルの優秀さと同時に、サンデーサイレンス系の影響力も再認識する結果を2歳でタイトルを持った馬が古馬になってから残したことに意味があるように思う。

サイクルが早くなり、早熟性や効率性を重視しすぎた結果、持続性のある成長の魅力が持ち味の系統は、今まで以上に主要国で重宝されるのではないだろうか。

 

ニュース

ギルデッドミラー、マンバーほか新馬回顧<7/13・14>

読了までの目安時間:約 3分

 

芝の馬場発表は悪い印象を与えないものだったが、ダートを見れば、そこは推して知るべしという状況。

その割には、土曜の新馬はすんなり収まった。

函館1200はその中では荒れた方だが、人気馬の早めに動かして直線はごっつあんですだったマンバーの方が強かった感じもする。ジョーカプチーノの牝馬。

来週も登場したら、やはり人気薄で狙いたい。

本州のあと3戦は人気馬の競馬。

中京マイルは血統馬も集ったが、セレクトセールで弟が異様な金額で競り落とされて注目されることになったギルデッドミラーがいい末脚を見せた。オルフェの牝馬。

福島の1800は、いかにものサムライハート×ソウルオブザマターという配合のディアセオリーが、早めの進出から押し切り勝ち。専門分野で強そうな感じは、鞍上の江田照男騎手込みという面もある。

1200M牝馬限定戦の方は、ディープ×ソーマジック、小柄な牝馬でも力強く伸びたマジックキャッスルの圧勝。

そもそも、マイルくらいが合いそうな配合だし、相手関係や自身の現状の力量なども考え、ここを選んできた節がある。

その意味で、ローカルで早熟性を活かせるスプリンターがいなかった分を差し引かないといけないが、総合力は評価すべきだろう。

日曜は湿り気が若干飛んだ函館の1800戦が注目。

ゴールドシップが好位につけ、エピファネイアが立ち遅れてから5F付近でそれにつけるという展開。

勝ったのは常識的な走りを見えたゴールドシップ産駒のサトノゴールド。

アメリカンな上に、ヒムヤーもインテントも入った畏怖するべき異系が含まれる母系にこの父。

特徴を掴ませぬままGⅠまで勝ってしまえば、我々は感服するのみという謎多き才能に育ちそうだ。

本州は芝の短距離戦が全て重馬場で…。

中京1400(牝)のキズナ・クリアサウンドは強かったが、1200の方のMウォリアー・ダンツウィザードは明らかに馬場と断然人気馬の不発の影響大。

福島1200のアンライバルド・Mテナシャスも、1:12.0の馬場が味方したラフィアンだし…。

大きく敗退の人気馬は、新潟で巻き返し必至だろう。

 

レース回顧

名鉄杯 レース回顧~スマハマ、レコードで圧勝

読了までの目安時間:約 2分

 

先週のプロキオンSと同じように、ゲート入りの時間帯にアクシデントが発生し、また発走時刻が大幅に後ろ倒しに。

ただし、力差がはっきりしている組み合わせであったことや、適性が見えていたレースだったことから、スマハマが崩れるような展開は考えづらかった。

相手関係はずっと楽になったことと、わざわざこの時期まで復帰2戦目をずらしたこと。

前日から異常に時計が速くなる傾向にあったことも含めて、先行して、しっかりと粘り込めそうなスマハマには、道悪の復帰戦は理想的な環境となったように思う。

勝ちタイムの1:47.6は、当然、日本競馬界における金字塔になるわけだが、元々快速でならしたわけではないスマハマと、道悪ばかり走って条件戦時代から1分50秒台の時計を持っていたジョーダンキングとで、適性が少しクロスしている中で、実力や底力のようなものが反映された結果というのは、勝ったスマハマにとって、とても意義深いものになったように思う。

それにしても、結果的に押し切りとなったわけだが、レコードの要因は言わずもがな、川田騎手の慧眼、それである。

普通にスパートしたところで、ジョーダンキングの良さを引き出すだけに終わるのは、目標がはっきりしたレースでは勿体ない。

まるで、サイレンススズカに挑んだグラスワンダーである。

誰よりも強気に攻めて、何とか一泡吹かせようではないか。

今回はうまく行かなかったが、スマハマと藤岡騎手に多少なりとも本気を出させることには繋がった。

スマハマはこれで、1800Mでインティより速く走ったことになり、ジョーダンキングは改めて渋馬場適性を型を崩すことで、再度証明した。

芝・ダートどちらもいける優秀な母系を背景に、まだフレッシュな2頭が活躍することは、もう予定調和のことであろう。

 

レース回顧

函館記念 レース回顧(2019) – 田中勝「後続を離す逃げ」という選択

読了までの目安時間:約 4分

 

皐月賞でこんなことがあったな。

もう12年も前のこと。

途轍もなく気難しい超良血のヴィクトリーに初めて騎乗する田中勝春騎手は、記者会見でいつものカッチースマイルを封印しつつ、その4年前に、絶対にクラシックでいい勝負なるはずのサクラプレジデントに乗って、ネオユニヴァースとの至極の叩き合いに競り負けた、あの日の屈辱を晴らそうと密かに策を練っていた。

果たして、伏兵でユタカ・アンカツの馬に人気が集まったクラシック初戦。

気持ちよく走らせるために、同時に折り合わせるために…。

色々と思案したようだが、結局、行きっぷりがいいことと伏兵のサンツェッペリンの勢いもあって、前に行くことにした。

サンツェッペリンに終始突かれ、直線では完全に並ばれ、一度は交わされたように見えたが、もう一度差し返して並んで、ゴール板を通過。

結果、ハナの差で接戦を制し、これにより本当のGⅠジョッキーと認識されることになった。

並ばれたマイスタイルが最後は差し返す圧勝

格も舞台もまるで違う函館記念で、それと似た展開。

今回好敵手となったマイネルファンロンの充実度合いがよく見て取れる積極策が、前回のような惨めな競馬だけはさせたくないという気持ちも込みで、カッチーはしっかりとリズムをとって、後続を離す逃げという選択をとらせた。

最後はデジャヴそのものの展開になったものの、2走前のダービー卿CTで一時コンビ復帰となった横山騎手が、マイルのスピード戦の戦い方を、ある程度差すという形で教え込んだ効果か、それほどは軽い競馬ではないはずの流れでも、先行残しの展開に底力で持ち込み、マイネルファンロンをしっかりと差し返して抜け出した。

正直言って、ここでは相手が楽だったのかもしれない。

3番手がステイフーリッシュとドレッドノータスとで入れ替わっただけ。

それでも、極端にBコースだからといって内が残れるような馬場質でもなかった。

勝ったマイスタイルが力を出し切った結果が、1:59.6での、差し返しこみの逃げ切りだったのだ。

内の方の前に行きたそうな面々も、かなり行く気になっていたとはいえ、マイスタイルにほぼ進路カットされるくらいの切れ込まれ方をされながら、ブラックバゴ以外残っている。

恵まれた斤量の馬は今回少なかったから、外で58のエアスピネルにまるで抵抗できないトラックバイアスがあったとは言えないものの、出来がそういう感じの休み明けの古馬という作りとなれば、大敗の結果も致し方なしだったか。

昨年函館で連勝のマイスタイルと札幌でモレイラのセットで無敵だったとはいえ圧勝の経験のあるマイネルファンロンの先行残り。

1番人気が10年表で1度しか馬券に絡んでないことに気を留めず、丹内祐次だって函館記念を勝っているだろうとイメージの補正さえできていれば、お互い、巴賞の悲劇から本番で一矢報いようと躍起になる図は、容易に想像できたことだろう。

先週に引き続き、本線の方に近い買い目をしっかり押さえて当ててはいるものの、どうにも、真芯に入らない感覚にとらわれるのは、ただ筆者が下手なだけではないというがよくわかった。

単純な力勝負ではないから、普通に高配当が出る。

ハーツクライからステイゴールド2頭に流す馬券など、春の天皇賞でも有効なのは皆が知るところだが、その観点を函館記念に落とし込むことが難しいのだ。

面白いとは、こういうことを指す形容の言葉なのだろう。

 

レース回顧

函館記念 2019 予想~ ダービー4着の実力馬から

読了までの目安時間:約 5分

 

先週の競馬を見ている限り、ここ数年高速化していた函館の芝ではない。

大昔のサッカーボーイがレコード快走の函館記念には、今年もきっとならない。

何より、上がりは大分かかっている。

そのため、ほとんどの馬が主要レースを制した種牡馬の産駒であることから、特殊な種牡馬が特異な条件となりやすい函館で…、という構図から穴狙いをする意味がなくなってしまった。

こういう洋芝らしい馬場状態に適応している既走馬であるとか、何故か昔からよく来る2400M以上に勝ち星のある新規参入組などを、おおよそ血統から推測できる能力も加味して、選定する作業が必要なのである。

しかし、前走逃げ馬の失速に完全にリズムを崩されたマイスタイルは、久々の函館で見せ場なしだったとはいえ、何故か北海道に来ると渋馬場になるという奇遇がありつつ、昨年はここでオープン入りを決め、以降重賞で3度好走している。

おまけに、中央場所でも昨年の福島でも、ハイペースを真っ向に受け止めて、正攻法の抜け出しをする展開で、かなりの死闘になった札幌記念は耐え切れなかったものの、安定して結果を残している。

更に、そういう経緯を踏まえて、思い切って中日新聞杯ではグイグイ先行したものの、自身もろとも先行グループを壊滅状態に持ち込んだ時が、5F通過58.7である。

ポイントはその前後で、マルターズアポジーが先行して内で我慢を強いられる展開で踏ん張り通した福島記念やダービー卿CTでしっかりと好走していることか。

1角と4角で先頭のレースで逃げ切りを図った時は、中京の暴走の際しか失敗がない。

明らかに不適の条件であるはずのダービーでも、例のレイデオロの動きがありながら、結局は4着。

今回はまたブリンカーをつけ、中途半端な行き方はしないだろう。

抑える以上は、揉まれない位置を選ぶ。

ドレッドノータスに行かれると少々厄介だが、先週のロードヴァンドールほどではないにしても、条件が整えば先行すればタフなタイプだ。

一族にはビリーヴがいて、その祖母とマイスタイルの4代母がグレートレディエムで共通。

ダンチヒもサンデーサイレンスも共通だから、先行型なのは同じでも、トニービンやセクレタリアト、それに母父に入ったフォーティナイナーまで加わると、もう別物。

明らかに距離適性は違う。

ただし、ビリーヴは母グレートクリスティーヌが、祖父にニアークティック×ネイティヴダンサーと同配合のノーザンダンサーとアイスカペイドが入っている。

マイスタイルは祖母のレディダンジグでは、間にセクレタリアトが挟まって、ニアークティックは3×4となる。

加えて、前記のナスルーラ系の大種牡馬で名馬、フォーティナイナーの代では父父母父はナシュアの名もある。

トニービンは凱旋門賞馬で、セクレタリアトは史上最高クラスのトリプルクラウン、ナシュアだってケンタッキーダービー以降の二冠を制覇。

ナスルーラ系の傑作が凝縮した底力型のミドルディスタンスホースが、ビリーヴの類まれなスプリント能力と合わされれば、それはとても強いはずなのだが…。

この一族、どうも牡馬はあまり活躍しない。

血統は母より上だったファリダットも、ついに重賞は勝てなかった。

もしかすると、5歳シーズンの内に勝てないと、その二の舞となってしまう可能性はある。

陣営はそれなりに自信はあるとは思うのだが…。

4歳で条件馬とはいえ、3走前の中山2000の追い込みは見事だったゴールドギアは、奇しくも、マイスタイルと昨年の同じ日の特別戦を勝った同士であり、トニービン、サンデー、ミスプロで3代母アドラーブルと似たところだからでは、押さえるしかないだろう。

フレッシュな組は有利だから、乱戦に強そうなポポカテペトルもあの目黒記念で先行しているくらいなので、ここでは侮れない。

◎マイスタイル

○ゴールドギア

▲ポポカテペトル

注アーバンキッド

△ステイフーリッシュ、メートルダール、レッドローゼス

 

レース予想