2019年 優駿牝馬(オークス)レース回顧

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優駿牝馬(オークス)-回顧-

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望外のジョディーがコントラチェックより速いというゲートから、何となく予想されていた、これは2分22秒の決着になるのでは…、という展開。

しかし、あの弾け方は、さすがキングマンボの血筋である。

外から豪快に伸びた末脚は、兄リアルスティールを駆って東京で2度激走したミルコ・デムーロだから引き出せたものだろう。

この勝負は、ラヴズオンリーユーの完勝。

その流れは既知の、朝日杯から桜花賞に直行の異例ローテで完勝した、あのグランアレグリアと同じ。

2:22.8という時計は、ダービーでもまだ記録されていない、3歳春の極限の数値である。

殊、ジャパンCにそれをあてはめれば、最新のレコードはキングマンボの直系のひ孫であるアーモンドアイ、その前は、激闘をデットーリと制したキングマンボ直仔のアルカセットだ。

2:23.3でダービーレコードを打ち立てたのはキングマンボ直仔のキングカメハメハであり、その孫はアーモンドアイ。

キングマンボは他にも、現ダービーレコードの2:23.2で二冠達成のキングカメハメハ産駒・トゥラメンテを送り出している。

オークスに関しては、これまでのレコードはジェンティルドンナの前が幸四郎元騎手のメイショウマンボや福永騎手のローブデコルテ、その前はレコード毎週発生の90年春に記録されたエイシンサニーの2:26.1があって、みんな別の種牡馬。

前年にキングカメハメハ系が並ぶところまで行ったが、今度はキングマンボ由来の牝系と父ディープインパクトという組み合わせで、3歳春の決定版的12Fの金字塔を打ち立てた。

兄よりは扱いやすく、変に1800Mに固執したキャラにならなかったのは、2戦目から、京都内回りのマイル戦を使った効果もあってのことだろう。

それでも兄は、二冠戦で2着2回、ダービーは相手悪く、ドゥラメンテの4着で末を活かせなかったレースも、安定の皆勤賞だった。

ノーザンファーム産の誇りは、今週もまたGⅠ制覇で保たれたわけだが、同時に今回起きたことは、2着馬は社台ファームでも、父ディープで母父はストームキャット系で最もサイクルの早いスキャットダディであるカレンブーケドールが来たこと。

同血にも近い2頭が叩き合い、大レコードを樹立。

筆者の推していたクロノジェネシスやダノンファンタジーが、各々2:23.2-.3で続き、2頭の間に新馬レコード勝ちで、今回も追い込んだウィクトーリアが入ったことで、一つの物語が完結する。

「何を引いても社台グループの血筋にあたる」

種牡馬の導入は、それは日高のシンジケートだってあるから、完全独占状態ではないものの、そもそも、ビッグレッドファーム辺りで注目馬を導入したところで、配合相手も質にバラつきがある。

十数年前、現役サンデー直仔絶滅状態のクラシックでは、由緒正しき在来牝系によって質の担保が図られたが、今度は孫世代がより質の高い配合相手を得て、今の趨勢を形成した経緯がある。

世界どの国を見渡しても、どこかにいいモノが集まる仕組みになっている。

いいとか悪いとかではなく、完全にいい流れになっているのは、努力の賜物であると同時に、進化の過程にまた入ったという意味でもある。

時計の更新はもはや、歯止めが利かなくなっているから、キングマンボ単独の適性ではどうにも立ち行かない。

よって、より洗練されたアメリカンなのに芝も自在にこなすサンデーサイレンスやストームキャットのようなワールドワイドな血が、今回は有効だったのだろう。

先週もヨーロピアン配合のハービンジャーに、アメリカ系統の芝向きのボトムが日本で根付いていたフサイチエアデールの一族との組み合わせで、ディープを破っているノーザンファームの争いが起きたばかり。

紙一重のようで、カレンブーケドールは血統で敗れ、非社台系のトップホースたるシゲルピンクダイヤも、2:25.2と、奇しくもメイショウマンボと同タイムで走るので精一杯という、厳然たる事実が、そこには横たわっているのだ。

何かに導かれるように、ジェンティルドンナがレコード勝ちした時と、5F通過は全く同じ59.1秒。

しかし、2:23.6以内で駆けた馬は、今回は7着シェーングランツまで入る。

そして、勝ち馬以外東京で勝っているか、快時計の連対馬。

初めての東京で弾けたジェンティルドンナに域に、このラヴズオンリーユーは成長できるのか。

何かを捨てた時に、違う創造物が誕生する。そんな才能になれる可能性はあるが、それが何かはわからない。

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