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2017年 サマーシリーズ総括

読了までの目安時間:約 3分

 

2000
優勝 21pt タツゴウゲキ
戦前はサクラアンプルールの勝ち逃げもあり得るのでは考える人が多かったが、新潟記念の直線をずっと見ているうちに、ああ、これがチャンピオンのあるべき姿なのだなと、これもまた皆が感じるのであった。
最大の武器である安定感を、誰も想像しなかった日本一長い直線コースで遺憾なく発揮し、またも接戦になったが、今度がしっかり待ち受ける本来の形で押し切り勝ち。
ゼーヴィントに再戦を挑むまでに、いや、先越して出世するチャンスを得た夏競馬の後半となった。

スプリント
優勝 16pt ラインミーティア
まさか、専門家がチャンピオンになるとは…。
過去何度か、その後のローテが最も組みやすいアイビス組がチャンピオンになったこともあるが、この7歳馬の一瞬の決め手は、もはや全方位型だったのだ。
上がりでは3、4着馬の方が上でも、レース内容でも着順でも、今の充実を示すセントウルS2着に、人馬の執念を見た気がする。

マイル
優勝 15pt  ウインガニオン・グランシルク
苦労したステイゴールド産駒に、夏のプレゼント。
5歳という季節は、父が伸び悩み最高潮の歯痒い季節であったが、産駒はそれぞれの得意条件で力を発揮する時期。
脚質真逆の2頭は、中京記念の連対馬。初めての文句なしのチャンピオン誕生が、2頭同時とは…。

騎手
優勝 32pt 北村友一
スプリント2勝、最終戦のセントウルSで、全くの格下馬であったアドマイヤゴッドを駆って5着というのは、この夏の充実が本物である証だろう。
ジューヌエコールは展開と時計に斤量の助け、シャイニングレイのCBC賞は、馬のフレッシュさも勝因だろうか。
地味ながら、2000Mの函館、小倉記念で稼いだ入着ポイントが最後の差に出た形。
最後も差し損ねた戸崎騎手とは、安定感に違いがあったのも大きい。
充実の夏を経て、この中堅騎手の今後の活躍が期待される。

いつも以上に地味な、いかにもローカルスターの誕生というシーンの連続だったものの、大駒が少なかった割には、スリリングな競馬の連続で十分に楽しめたように感じる。

 

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コラム

新馬2017<9/2・3>

読了までの目安時間:約 3分

 

台風の影響は最小限。
良馬場の土曜日は短距離カテゴリーの2戦。
札幌1500Mは、人気馬の手応えが馬体の作りの差として、勝負所で現れてしまった。
勝ったスズカフェラリーは、430kgの牝馬ということもあり、折り合い重視の後方待機策も、前を行く約100kg目方の多いサトノアレスの半弟にピタリと張り付き、手応え十分で4角を回ると、あとは突き放す一方。
スズカフェニックスのいいところだけを受け継いだこの決め手は、大一番でこそ発揮される。

新潟1400も人気馬同士の決着となったが、今度は大型馬・ランスマンのゴール前競り落としという展開に。
断然人気のダノンスマッシュが実にお行儀のいい競馬で抜け出しにかかるところ、小回りの遠心力をうまく使うようにして押し上げてきたこのダイワメジャー産駒は、父譲りの競り強さを初戦から遺憾なく発揮した。
コランディア系だから、平坦馬場も合う。夏馬だと馬主孝行にもなるが。

日曜の小倉と新潟は、芝の1800戦が組まれたのだが、ワンパンチ足らない人気馬同士の争いとなった。
小倉で最後に外から伸びてきて勝ったメイショウテッコンは、マンハッタンカフェでもダート向きの配合で、小回りで平坦なら対応可の馬にも見えた。
新潟は人気のサンリヴァルが末脚比べを粘り勝ちの印象といった具合も、ウメノファイバーの系統で、スパッとキレるようなタイプではない。
両者先行できるようならその方がいいのだろうが、それだと味が出ない可能性がある。

新潟ではダートの1200戦も行われ、セイウンスパイの粘り腰が見事だった。
父はミッドシップマンでミスプロの同系配合がなされた早熟型。
輝く時期はあまり長くないだろうから、どんどん勝っていきたい。

芝2000の未勝利戦が各場で行われて、それぞれ見どころがあったのと比べてしまうと、大分こじんまりとした印象しかなかった。
その未勝利組では、小倉のシャルドネゴールドが一番伸びしろがありそう。新馬でロックディスタウンに敗れていた馬だ。

 

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新潟記念(2017)検証

読了までの目安時間:約 4分

 

まずまずの展開。
前走の差し返しのようなゴールシーンに強気の競馬に転じた秋山騎手騎乗のタツゴウゲキが、想像以上の粘り腰で先行押し切り勝ち。
いや、追いかけてきた組がかなり勝ち味の遅さで四苦八苦しているカフジプリンスやアストラエンブレムだったのも大きかったのか。
七夕賞の不利を倍返しして、見事にサマー2000シリーズ覇者となった。

小倉記念からの連覇は基本的には有り得ないことで、2年かけて両方勝つ馬などはいたが、両方ハンディキャップ競走として長くやってきたから、連勝馬はこれが初。
ちょっと前までは翌週に阪神で朝日チャレンジCが行われていたから、東西の棲み分けがなされていた時代と合わせて、その変化の大きさ、目標の切り替えの効果が、この夏競馬に関しては、JRAの努力が実を結ぶ形となった。
大変珍しい。(笑)

こういう競馬を田辺騎手にやってもらいたかった…、と思いつつ、マーベラスサンデー産駒、かつてタツゴウゲキと同じように5歳になってから重賞もGⅠも関係なしに快走を続けたシルクフェイマスの領域に入りつつあるなと、ちょっと感心している。
前走の勝ち方は劇的で、斤量の利もあったし、今回は一気に3kg増の55で、広い馬場より小技を繰り出してコツコツ勝ち上がっていくようなタイプだったことなど、何が今まで違うのか、むしろ不思議な事ばかりが起こった一戦であった。

タツゴウゲキには、日本に来て衝撃的な粘り腰を見せたシングスピールを母父に持つという大きな補助材が入っているせいで、父が4歳春から怒涛の勢いで勝ち続けた実績を、シルクフェイマスはカーリアンを得ることで、ものの見事に再現してくれた。
サンデーサイレンスの初年度産駒にして、フジキセキとは全く違う段取りでGⅠ馬になったマーベラスサンデーは、奇しくも小倉でまたして魅せた武豊騎手のお手馬だった。
これといってお手馬が決まっていなかったという点では、四位騎手と怒涛のGⅠ獲りを狙った京都GⅡ連勝の頃に自分らしさを体現できるようになったシルクフェイマスとまるでそっくり。

馬鹿にしているとどこまでも上り詰めてしまう血統…。
血は争えないものだな、と改めて再認識させられるゴール前の攻防だった。

その血統でいえば、エプソムCとどこまでも同じような内容で2着に惜敗というより、ステイゴールド化して定位置に落ち着いてしまっているようなところのあるアストラエンブレムは、少々憐みのような気配をたたえ始めている。
何せ、方向性で言えば、4歳春からの逆襲という点で、ハイレベル世代の牡馬となるとジャスタウェイと丸被りのところがあるが、よく考えてみると、破壊力をどう活かしていいのか分からなくなっているうちに、GⅠにも連戦にも対応できるようなキャリアを積んできた中での連戦2着だったのと比べ、こちらの方は、ただ自分が自分を乗り越えられないから躓き続けているという残念さとで、賞金は今回も加算できたものの、何とも煮え切らない内容に終始してしまっている。
ある意味、タツゴウゲキとは全く反対側にいるオープン馬である。

考えて何かを見出さないといけないこの手の馬には、騎手らしい哲学者然とした考える人の方が合うと思う。
馬がやんちゃであれば、もっと戦績にムラが出るが、そういう気性ではない。

ミラクルな出会いと別れから、秋山-デムーロの因縁は小倉に引き続き、新潟での返り討ちへと展開したが、タツゴウゲキとの夢物語のゴールは、本当に秋の天皇賞なのか。
意外とその辺りが判然としないのが、夏の各路線のチャンピオンの実像だったりする。

 

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