血統予想・コラム

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キーンランドC -回顧-

読了までの目安時間:約 3分

 

またフォーエバーマークが失速。そして、またローブティサージュが頑張った。

須貝厩舎が勢いに乗ってきた頃の活躍馬が復活。そして、三浦皇成という騎手の第二次成長期も、我々は体感することとなった。

 

前後半の3Fが34秒台という、洋芝とはいえ決して速くはない流れで、ただでさえ芝生がはげていない内残りしやすい馬場状態で、牝馬の末脚が炸裂するのは、夏であること以前に、春の反動を大きく引きずっているGⅠ組の凡走の方が目立つ形で、結果的に勢いを取り戻した4歳牝馬と路線の重鎮が上位を独占した

 

阪神牝馬Sで復調気配を示したものの、ヴィクトリアマイルでは力通りというか、適性面での限界を露呈する結果に終わった春競馬を経て、デビューした函館に2年ぶりに戻ってきたローブティサージュは、本来の決め手を牝系の配合から推察される洋芝適性と相まって見事なスプリント能力とともに、あるべき姿を披露する最高の場面できっちり取り戻してみせた。

1800Mのデビュー戦を快勝していたのだが、その後一息入れてファンタジーSで2着していたような馬。陣営の願いが、格に相応のパフォーマンスを求めてきた部分において、徐々に補正されていったのは、明らかに厩舎の成熟度が増した結果だろう。

 

そして、そういう背景のあったGⅠ馬に、そのタイトルを先越して体感する打ってつけの機会で、しっかりと好勝負して、勝利をモノにすることは、騎手の仕事で一番大事にしないといけない「違い」の理解に、最も効果的な勉強となる。エイシンフラッシュへのテン乗りの経験とは、根本的に意味が違う。

かつて、プライドが失せかけていたトウカイローマンに跨り、古馬の重要競走である京都大賞典を見事制したルーキーの武豊は、翌秋の菊の舞台で主役となった。そんなことを思い出させるのも、彼のデビュー時に見せた衝撃が、まだ印象の面で塗り替えられていないからだ。

最高の味を知れば、また乗り方もよくなる。

 

さて、レッドオーヴァルも北海道で復活を果たしたが、この馬は少し厄介。ハープスターと同じディープを父に持つ馬ではあるが、あのスーパーヒロインと比べてしまうと、適応力アップのきっかけとはいいにくいので、評価が難しい。GⅠ参戦には賞金も微妙だから、京都で大勝負だろうか。ローブティサージュに競り負けてしまった。

スイートスポットが非常に小さい馬である。

 

夏の主役は、必ずしも秋の主役とはなり得ないが、この札幌で人馬の遺した蹄跡は、伝説の起点となる予感がする。

 

レース回顧

キーンランドC -予想-

読了までの目安時間:約 4分

 

札幌記念が秋の風を運んでくるのはいつものことだから、それを特別意識することはないが、今年は壮大な夢を抱けるような展開だったので、否応なく秋先取り気分になっていた。

そのことでああすればこうすればと考えているうちに、もう週末である。邪推などせず、ここは実績に見合った評価を下すべきと考える。

きっと、そういう流れが出来上がった一戦だったのではなかろうか。そもそも関東在住の人には、一足早くもう秋がやってきてしまったのだが。

 

根拠の一つに、今年のキーンランドCに出走する6頭までもが、スピードを殺がれる泥田のような馬場で行われた高松宮記念に参加してしたことがある。スプリンターズSの前哨戦の一つなわけだから、当たり前と言えば当たり前だが、まずまずのメンバーが揃った。

今回の出走馬とその時の着順を書き連ねると、

②スノードラゴン

⑦スマートオリオン

⑫サクラゴスペル

⑬サンカルロ

⑭レッドオーヴァル

⑱マジンプロスパー

 

その時点では素晴らしいメンバーの揃った一戦も、あの馬場だったから、必ずしも実力通りに決まらなかった。ただし、レース後燻っているのは上位入線馬であり、掲示板を外した組は

⑥アースソニック アイビスSD③

⑧マヤノリュウジン OP特別2勝

⑩シルクフォーチュン クラスターC③

⑪ガルボ 函館SS①

⑭レッドオーヴァル 降級後自己条件快勝

⑰レッドスパーダ 京王杯SC①

 

と、上々の成績を上げている。なかなかに興味深い傾向だ。

要するに、参戦意義はあったが、好走すると消耗があまりに大きすぎた。⑮レディオブオペラは、既にターフを去ってしまっている。

 

レッドオーヴァルの評価はひとまず置いといて、少し手の出しづらいサクラゴスペルと休み明けの1200では強気になれないサンカルロを除くと、昨夏以降で重賞勝ちかGⅠ連対の実績を残している3頭が残った。

もし、この中からどれかを選べと言われれば…。

芝未勝利のGⅠ2着馬やさまよえるマジンより、ミーハー丸出しのスマートオリオン推しというのは、いささか痛さ満点の邪推なのは百も承知で、時計の少し掛かる馬場での適性から最上位の評価を与えたい。

 

騎手もこの馬の洋芝実績も今更語るまでもないが、スマートオリオンが好走する時は、決まって差し馬を連れて来る。時計が掛かる馬場が得意なのだから当然なのだが、つまり先行型でも前傾ラップが合うタイプなのだ。

フクノドリームが出てくる。前々回はフォーエバーマークのベストリード後の失速も敗因。

前回負けた相手は差し馬のマヤノリュウジン。斤量減と2度目で結果を出したい名手との再タッグは、小さいながら勝因とするには十分な要素だろう。

 

高松宮記念組を中心に、牝馬は5勝なので、前年覇者と本命馬と同期の2歳女王は押さえておきたい。

芝未勝利も2着は5回、ダートを含めると計12回もあるスノードラゴン。そういう馬だと思えば、相手筆頭がしっくりくる。

 

レース予想

夏の証明

読了までの目安時間:約 2分

 

ドリームジャーニーという馬は、今年の札幌記念ツートップとよく似ている。

ゴールドシップとは同配合で、ハープスターとはGⅠ馬としてのプライドを賭けた夏の戦いを制した所がそっくりで、3頭とも真夏のデビューだ。

 

変わってるなあ。そう思ったのは、芙蓉Sで豪脚を披露して快勝後に出走したそこそこメンバーの揃った東京スポーツ杯で、道中消耗して何とか3着を確保した時と、その直後に中山に戻って、またすごい脚を使って2歳チャンピオンになった時とで、あまりに印象が違ったから。

今にしてして思えば、小倉記念楽勝の理由が、この時眼前に提示されていたわけだ。

 

非力な印象を受ける父似のボディラインが可能にしたディープ並みの強靭な末脚。勿論、条件は限定される。

それは、万能性を問われるクラシック戦線では足かせとなった。

3歳シーズンで神戸新聞杯1勝に止まったのも、我慢を強いられる窮屈な競馬が苦手なのではなく、早くから才能を爆発させてしまった反動もその一因だろう。

 

年が明け、コーナー2つの1マイル戦2連続惨敗。揉まれない競馬が合うわけでもない。

ここで陣営は方針転換する。末脚を直線の短いコースで活かしてみよう。そして、左回りはできるだけ使わないようにする。

見事復活を遂げた小倉記念。以降1年近く休まずに使い続けられ、翌年のグランプリ2戦を独り占めした。

 

最初に分かっていたものと本質との相違点を埋め合わせるための時間というのは、箔のある馬ほど得てして時間がかかるもの。今の姿を信じることの大切さ。

札幌発ロンシャン行きのチケットを持った2頭の場合、その点で自信と期待が陣営に満ち溢れている。

 

コラム

もう秋モード

読了までの目安時間:約 2分

 

松田博資師が不遜とも捉えられかねない態度で受け答えしている姿を見て、思わずニンマリ。でも、とても頼もしかった。

パドックで見たハープスターはお世辞にもいい出来ではなかった。が、その30分後、4万とも言われる観衆の視線を釘付けにしたわけで、手応えはそれなりにあったのだろう。

納得の結果。負けることなど一切気にしていない。

それなのに、ゴールドシップにだって勝てる、と考えていることも一目瞭然だった。

 

乗り替わり濃厚の状況に、師は心の内で、こいつ降ろしても意味ないと思うぜ、という本音を隠しているような気がする。今までもずっと、そう思ってきたはずだ。

 

田辺騎手が元気だ。たかがGⅢ2勝にプラスアルファの勝ち星があるだけだが、このサマージョッキーチャンピオン候補は、今自分の仕事を全うできている。

メイショウナルトは逃げる脆かったが、馬の気ままに前半行かせた七夕賞で、3角過ぎからより後続を引き離そうとする中舘作戦を敢行し、ツインターボみたいな競馬で快勝してみせた。

小倉では少し失敗したが、きっとベストの条件じゃなかったから無理させなかったのだろう。

 

気難しいクラレントも、お手馬のような手綱捌きでダノンシャークを完封。

結果としてあの位置が理想的だった。結果論ではなく、彼にとってのベストポジションはその時と場面によって違うことを、しっかり心得ていた。春より更に進化した勝負師。秋が楽しみだ。

 

あと丸田騎手。函館SSのクリスマスも北九州記念のリトルゲルダも、テン乗りで結果を出した。

ダンスインザモア復活勝利当時よりも、勝負所での判断が冷静かつ自然だった。大化けするか。

 

コラム

あと少し

読了までの目安時間:約 2分

 

ちょっとハープスターの調子は気掛かりだ。

この札幌記念は、明らかに差し馬有利。でも、ゴールドシップと小回りコースへの対応に加え、洋芝への適応力を示せた収穫は大。

理想は直線一気でも、実際はそれだと差し損ねる危険があるから、意味のある競馬だったと言える。別に、JFの時のような乗り方でもよかったのだが、負けた後だから、自由にはやらせてもらえない。

 

うまくいった。だからこそ、反動が気になる。今回は精々7、8分の出来。

輸送を控え、父と同じく爪に不安があるタイプの差し馬だから、案外調整そのものが一番の課題のように思える。

日本最終調整の時点で、本番の騎乗者が跨ることが最も望ましい。

 

札幌でまた負けてしまったゴールドシップ。この前は、札幌2歳Sでグランデッツァに敗れていた。

敗因がその時と同じような気がした。

もう完成期から少し衰退する時期に差し掛かっているのだろう。自慢の捲り脚でハープスターを捉えきれなかった4角。

粗を探せばいくらでも見つかる馬ではあるが、馬場を捉えて走れなかったという旨を騎手が口にしたことは意外でもあり、また必然的なものにも感じた。

 

2歳夏から走っている馬。思えば、札幌戦辺りから気難しさを見せ始めていた。

おとなしかった今回。

ブリンカー云々よりは好位付けの戦略の方が重要だ。怪獣ではなくなったシップには、今の形を守る必要性がある。

 

現状、一番勝利に近いのはジャスタウェイだろう。穴が大分小さくなった。

ただ、大きな欠点を補えるような展開には、こうやってよくなるもの。その勝負運を手繰り寄せるには、競馬と真摯に向き合う力が必要だ。それがもう少し欲しい。

 

コラム