2014ジャパンカップ回顧

JUST競馬予想ブログ – 血統予想・コラム

ジャパンカップ -回顧-

読了までの目安時間:約 3分

 

祭りが終わった。完勝のエピファネイア。2着はジャスタウェイと福永祐一。
そこには色々な意味で、この4馬身差の間に悲喜こもごも、様々な感情が渦巻いていた。
前走・秋の天皇賞の内容からすれば人気になりすぎている気もしたエピファネイアだが、万雷の拍手を独り占めするに余りあるパフォーマンスで、ゴール後は少しみんな引き気味だった。
日本にはこんな馬がいる。凱旋門賞勢も秋天好走組も陰の存在に甘んじた。
私見の未熟さとともに、トレヴ的存在を日本で目撃できたことに、大いなる経験になったという自負はある。
しかし、凄かった。エピファネイアは。

負け癖のついていたそのトレヴ的存在は、極端に人気を集めた組の過剰な支持をあざ笑うかのような走りで世界をジャックした。
何故だかこのレース、菊花賞馬がやたらと好走する。
デルタブルースやザッツザプレンティというアンカツコネクションや、オウケンブルースリなどがそう。
長距離戦線の決め手比べに慣れすぎると、ここらで墓穴を掘るという構図の現れなのだろうが、真意は不明だ。

勝ち損ねた4年前の忘れ物とともに、鞍上・スミヨンは三連覇阻止への執念は、並々ならぬものがあったのだろう。
父シンボリクリスエスは2年連続1番人気で3着だった。
掛かる癖をどう味方につけるかが鍵ではあったのだが、愛息のその走りは、想像を遥かに超えたものだった。

それにしても、強烈な競馬だった。1000M通過59.6秒は平均的。
そんな流れを前記の通りに、掛かるのを抑える最も前の地点での折り合いをつけることを選択したスミヨン騎手の判断は、明らかに理にかなったものであった。テン乗りの強みとも言える。
変に先入観がないから、とっとと前を捉えて、菊花賞の時のような直線独走のゴール。
でも、やっぱりジェンティル陣営が敗因にも挙げたように、タフな馬場コンディションを味方につけたことが大勝の第一要因であろう。
それも菊花賞と同じだった。

だから、福永祐一はよく知っているからこその「こん畜生!」と、「やっぱりな」という両極端な感情が交錯するレース後だったはずである。これが最終レースだったことも、何の因果か。勝てたはずのレースで負けたというのは、多いように意外と少ない。悔しくなきゃいけない。
本命にした人も含めて、誰もがあそこまで走るとは思っていなかったから、とりあえず唖然として笑うしかなかったわけだが、これには称賛の言葉しか与えようがない。いい競馬をありがとう。

あとは、ハープスターに何もないことを祈るのみ。この日のハープは、札幌記念の時くらいに小さく見えた。

 

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ジャパンカップ -予想-

読了までの目安時間:約 4分

 

一応、サトノシュレンが出走することになったが、大方の予想としては、超はつかないけど九分九厘はスローだという見解。
フルゲートで遅い流れになれば、幾らか内目のコース取りになることを不利と考えた場合、月初めに行われた天皇賞と同じように、大体の有力馬が内枠を引いているから、ダービーのような位置取り争いは十分に起こり得る。

イスラボニータは今回、5枠9番。
ダービーも天皇賞も決して枠の抽選で当たりを引いたわけじゃないから、今回は少しじっくり構えることも考えられなくもない。
ただし、先行馬の決め手というのは、差し馬のそれとは根本的に異質であるから、ペースが落ち着くとわかっているなら、いつも通りに好位付けしていっても何ら不思議ない。そこが何となく不安だ。

ジェンティルは今回も内枠。ムーアに替わって、卒なく乗ってくるはずだが、今までの戦績から個体を分析してみると、
「東京巧者=直線勝負向き」
の図式がしっくりくる。要するに、仕掛けは我慢した方がいいけど、ゲート難はない馬だから好位につけるだけの自在性がある。
ムーア騎手が2度乗って勝っていることは、一見するとプラスなのだが、裏を返せば勝利するために多くの条件がつくことを隠し切れるだけの巧みなリードをできる技量の持ち主だからこそ、簡単に勝ってしまったとも言えなくもない。粗探しではあるが。

例によって、どの馬も東京2400がベストということはないだろう。
ジェンティルにしても、渋った馬場を不得手とする性質は歴代のJC馬の中では異質な存在とも言える。連覇はフロックではないが、突き抜けた存在ではない。
ただし、中心馬に推挙したジャスタウェイやハープスターは、体調万全の根拠は薄いけれど、破壊的な走りがどこでもできる強みがある。

本命はジャスタウェイ。ドバイや秋の天皇賞、安田記念での奇跡の逆転劇など、丸々1年頑張って走ったことで、世代や国境の壁を飛び越えたワンダーホースへと昇華していった。
ただ、ここで本命に推す理由は、中山記念のあの競馬が強烈だったからである。
もちろん、中山記念の勝ち馬がここを勝ったことはない。そもそも、当年の勝ち馬がここに出てきて、主役級の評価を受けて競馬すること自体稀なこと。

これの何が根拠として使えるのかというと、充実期を迎えた馬ならば、不得手な展開になりうる時に策を必要とするレースで、正攻法に転じても、きっちり結果を残すことができるもので、それが明らかに合わない条件でそうなったから、昨年来使われてきたGⅠでの連続好走に明確な理由があると解釈することができるわけだ。

だいたい、中距離GⅠで連続好走したからといって、休み明けでわざわざ初秋のロンシャンに赴くことも普通じゃない。
そのロンシャンでは、3巨頭の中で唯一、好位抜け出しを狙おうとして結果失敗。が、ただ後ろからぶち抜くだけが自分の競馬ではないということを、騎手が少しでも理解してあげられただけでも収穫大。
ここはハープスターと合わせて、乗り替わらなかったことの重大さを尊重したい。
無論、大敗は即ち、己の技量のなさを露呈する形になるわけで、そういうプレッシャーに打ち勝ってもらいたいという願いもある。
批評家を黙らせてこそ、真の一流である。

 

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京都2歳S -予想-

読了までの目安時間:約 2分

 

前週開催された東京スポーツ杯は、長らく登龍門という位置づけで行われてきたが、頭数は毎年揃わないけれど、時にはチャンピオン級が輩出するこちらのレースも、陰ながら注目レースとして年輪を重ねてきた。
ナリタブライアンやエピファネイアもここを勝って、クラシック戦線へ向け弾みをつけた。

今年は、そのレベルの馬が揃った。だから、東京スポーツ杯よりはっきりとした力関係が明示されると予測できる。
内回り独特の怖さもあるが、強烈なスピード馬は、朝日杯に向けて今は牙を研いでいるはずだ。

スローと見る。レコードホルダー・ティルナノーグは、これまでの戦法で勝負できるから有力だ。特に、今不安のない鞍上にとっては、大きな勲章をもう一つというよりは、この金の卵をどう育てていくかに興味が集中する週末となる。

ただ、完成度も問われる重賞競走となれば、時計を持っている馬も多いから必ずしも絶対視はできない。
距離未経験も、父母の血統構成に共通項が多い不思議な配合に魅力を感じるダノンメジャーを狙いたい。

フォーティナイナーの一族でも、概ね芝向きの中距離配合といった趣き。また、坂のあるコースよりは適性を感じるし、末脚勝負にも対応可能であることは証明できている。1番人気でない時こそ狙い目だ。

 

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朝日杯FS展望

読了までの目安時間:約 2分

 

混戦には違いない。いくら開催場所が阪神に変わったからといって、高速マイルでの激戦を敬遠する陣営は減らないはず。それでも当面を見通す意味においては、最重要レースと言っていいだろう。

アヴニールマルシェやタガノエスプレッソあたりは出てきそうだが、即中心馬とはならないのが現状。それは例年の傾向と照らし合わせても同じ。
中山戦の過去10年で1勝馬はゴスホークケン1頭しか勝っていない。20年に拡張しても3頭だから、既に結果を出している馬が圧倒的有利。今年は難解だ。

が、今年から重賞も増え、賞金加算が難しくはなくなったので、出てくれば人気になりそうなアッシュゴールドや週末の京都2歳Sの結果次第ではティルナノーグなんかもキーホースになる。でも、朝日杯を勝ったからどうなのか?と言われたら、参戦意義すらなくなってしまう可能性もあるので厄介。

適性ではダノンメジャーが血統面からもリードも、京都2歳Sに出てきそうなのでホープフルSと両睨みか。それならブライトエンブレムという謎多き存在やクラリティスカイという安心して買える叩き上げの実力馬が有力と目されるだろうが、人気になられると考えてしまう。玉石混淆の2歳戦ならではの悩み。

ムラっ気があって人気にはならないはずの東スポ杯4着エミネスクも登録くらいはしてもらいたい。
秋明菊賞では2着だったが、堅実に走っているオメガタックスマンには、マイルでの一発はある。
と、探せばいろいろ見つかる世代なので、来春への不安はあまりないような気もするのだが。
アジアエクスプレス以上の隠し玉を見つけ出すには、今はちょうどいい時期だろう。

 

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外か内か

読了までの目安時間:約 2分

 

JCを外国馬が勝って不思議な気分になることはあっても、何だが変に納得してしまう場合が多い。
未だに残る2400Mの日本レコードは、ここ25年ずっと外国馬によってしか更新されていない。
逆に言うと、それ以外の場面でわざわざアジアの端までやってきて、この特殊な高速馬場にフィットした馬以外が勝ち鬨を挙げることはあり得ないと断言できるくらい日本馬は強くなったのだ。
国内戦ならば、隙はまず生じない。

今年は、一昨年以来となる日本馬同士による海外遠征組と国内主要路線組の対決が実現しそうだ。
その最初の例が、ディープインパクトが凱旋門賞で豪快に散った後、何とかプライドを取り戻すべく激走した時で、その裏でライバル・ハーツクライが、キングジョージ以来の出走を果たすものど鳴りの影響で惨敗、即引退の運びになったというサイドストーリーもあって、実に印象的なレースであった。

今回はそのデジャヴなのか、それぞれの仔が歴史的な存在にまで成長を遂げ、日本に戻ってくる。
つい2か月前までは、もしかして…、という期待感を抱かせていたが、今は日本のトップホースとしての地位を揺るぎないものにする使命がある。

元々わけのわからない展開になりやすいレース。そこで焦点となるのが、彼らを外国馬のように扱うべきなのか、否か。
凱旋門賞組といえば、間違いなく人気になるが、配当のアヴェレージが低い厄介なお客さん。
それが日本馬の場合だとどうなのか。
「好走例3回には、前走大敗ではなかったという共通点あり」

有馬記念でもあまり凡走するイメージのないこの特殊参戦枠が、今年のレース展開のカギを握るのは間違いない。

 

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新馬回顧 <11/22~24>

読了までの目安時間:約 2分

 

<土>
東西のダ1400戦から。
西では、スキーパラダイス一族のショコラブランが人気のドラグーンを差し切った。
東の稍重戦は、人気薄ながらフィールザプリティが楽勝。父はブラックタイド。弟より安価な繁殖牝馬をつけても走る傾向は、今後も続くだろう。
京都芝1600は、武兄弟が作る緩い流れに唯一対応できたカプリチオーソがインから抜け出した。チチカステナンゴと田中博康騎手。相性は良さそう。

<日>
東京の芝1400戦は、緑帽同士の一騎打ち。若き日の父キンシャサの背を知る柴山騎手騎乗のマーセラスが人気に応えた。エアグルーヴの甥。
ダ1600では、ルーキー・石川騎手跨るノンコノユメが快勝。特別戦でも手放したくない。
京都2000は、良血馬が上位独占。2番人気でロンドンブリッジの孫という血統のサトノゼファーが逃げ切り勝ち。1800向きか。2着のラストインパクトの半弟と3着だったヒルノダムールの全弟も悪くはなかったが、鋭さに欠くか。

<月>
東京は対照的な結果に。
芝が2戦。牝馬限定のマイル戦は、人気のロッカフラベイビーが狭い進路をこじ開けて抜け出した。4代続けてオークス馬を出した父が配された血統。中距離でこそ。
1800戦は波乱。後藤騎手騎乗のカボスチャンが好位から抜け出し穴をあけた。正攻法での一発は流石だ。

京都は、ルメール&断然人気馬のコンビが2戦ともジャック。
牝馬戦はエアトゥーレの仔・コンテッサトゥーレが、その血筋に違わぬ非凡な才能を見せつけ快勝。ダートでは、マルカシェンク産駒ながら砂向き配合のマルカウォーレンが力強い走りで勝利した。ともに、自分の型がある。

 

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マイルチャンピオンシップ -回顧-

読了までの目安時間:約 3分

 

火の出るような叩き合いは、最近何故か東京で集中していたから、京都のハナ差なんて久しぶり見た気もしたが、「京都は最後は内」の格言通り、外差しが決まらない高速決着を、得意のイン強襲で悲願のGⅠ獲りに繋げた岩田騎手の執念に、今回は脱帽である。
重賞未勝利馬の流れも止め、自身の京都惜敗ロードにも終止符を打ち、レースレコードでの勝利。力差のない競馬では、気合と勝負熱は十分すぎるほどの武器になる。

ダノンシャークに関しては、鞍上にうまく乗せられたのもあるだろうが、今までにないほど勝負強く、この日はハンターのような追撃の仕方で見違えるような根性を見せていた。ある意味オグリ的。
ただ、相手が勝ち損ねることの多いタイプだけに、最後は実績がモノを言ったという感じか。
あと、ダノンの勝因は今年また4戦しかしていなかったのも大きい。
富士Sがあまりに切なかったから、連の相手くらいには考えていたが、このレース得意のカーリアンの血が母父に入っていることも味方した。

半マイル45.3-5F56.7は、本来のこのレースのラップではなく、十年に一度くらいの稀な事象。
マイルCでの悔しさをここで晴らしたかったのだろうホウライアキコの敵は、今回初めて前が速すぎて追いかけられなかったミッキーアイルであり、彼へのストーカー的情念が暴発したような展開に繋がった。
ファイター・南井の気概は堪能できたが、これでまた精神的バランスを崩さないか心配である。
ミッキーの方は、さして気にすることもないだろうが、マイルで上手な競馬をさせたければ、短縮して差しを覚えさせた方が良い。

ディープばかりが目立った競馬。
フィエロは、マイルだと生ずるさが出そうな予感はあったが、目一杯走っての結果2着は仕方ない。作り直せば、来年もチャンスはある。
トーセンラーは、昨年の流れなら連覇もあったが、これ以上はない競馬。エキストラエンドも自分の競馬はできたはず。
タキオン産駒らしい持続的勝負向きの性質を示したグランデッツァは、毎日王冠より走っていたが、結局は強烈な武器がなかったことが3着という結果になったと思う。辛い立場だ。

ワールドエースやロゴタイプは、いくらなんでもあの毎日王冠の内容から、レコード級の時計でマイルを走らされる展開は厳しかった。
特に、後者の場合は、坂を利して仕掛けると潰れる流れになったことが、掲示板外しの主要因であり、マイルGⅠは合わないのかもしれないとも感じた。

 

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マイルチャンピオンシップ -予想-

読了までの目安時間:約 4分

 

本当にディープでいいものなのかと、色々思案してみたのだが、どうやら全部を消すのは無理なようである。
京都の古馬の1600重賞は、特段マイルCSと繋がりがあるわけではないが、前年覇者・トーセンラー含め、近一年以内の同条件の重賞ウイナー全員が出走してきた。
それが全てディープ産駒。

おまけに、距離適性なり今の馬場状態との相性で言えば、NHKマイルCを人気を背負って逃げ切ったミッキーアイルが、安田記念での経験を糧に、前哨戦であるスワンSを快勝しているのだから、それも軽視できない。
後の2頭だって、京都に戻ってくれば走りそうなダノンシャークと同じく京都に良績があるフィエロだから、いずれにせよ買い目には入ることになる。

全部消える条件として考えられる10月の時のような日本レコード級の好時計決着で、それがハイペースで展開した際、重厚なタイプの台頭を許す可能性ももちろん考慮せねばならないのだが、ミッキーアイル潰しに躍起になる感じの勝負師タイプは先行馬に騎乗していない。
乗り替わってしまって参考にはならないだろうが、有力馬の一頭と目されるサンレイレーザーとて、毎日王冠の4F-5F通過のタイムは、47.1-59.1と極めてスタンダードな先行策だったと言えるわけで、また逃げて妙味があるかとなれば、今回も逃げるとは思えない。

休み明けのホウライアキコ、サマーシリーズのマイルチャンピオン・クラレントらも、自分でペースを作るときは、大体脇役に収まってしまうタイプ。これ以外が逃げたところで、猛烈なラップが出る可能性は想定しづらい。

一方、だからといって推せるかという問題もある。
各々持ち時計に不安はないが、時計が掛かる展開で戦績にムラが出るのも共通していて、思われているよりは好走条件が狭いという可能性も考えられる。
そこに穴があるとみて、一点突破を試みることにした。
敢えて、ディープが得意な軽快なスピードを求められる条件にも対応可能な実績馬から、古馬戦ではまだ未勝利も総合力の勝負では台頭してきそうなロゴタイプを狙いたい。

言わずもがなの皐月賞レコードホースは、周知の通り、ダービー以降連対することすらなく悶々とした日々を過ごしてきた。
いつの間にか3歳馬にも先着を許すようになり、ますます肩身の狭い思いを強いられることになると思われたのだが、何やら先々週辺りから世代全体の勢いが戻ってきたようで、次々と主要重賞をモノにしている。その流れに乗りたい。

ルメール替わりとマイル短縮以上に、右回りに変わったことの方が狙い目に思う。
右【4024】
左【1003】
ベゴニア賞で開眼してから、飛ぶ鳥を落とす勢いでクラシック路線を牽引していったが、元々が好走条件の狭いサドラーズウェルズ系。
父ローエングリンと同様直線の長いコースでは、最後キレ負けする性質はそのまま受け継がれていて、スローペースや緩急の要求される条件は苦手。
皐月賞を1:58.0で走れる馬が、基本的に平均ペースで流れる京都外回りのGⅠで、余程の精神的スランプに陥っていない限りは好走間違いないなしだろう。
来週の伏線にもなるのだが、今年の中山記念組は、最後の最後に底力を発揮してくる。
そこで4着だったマイネルラクリマに、オールカマーで2着に敗れたラキシスは、先週の主役になった。3着馬のロゴタイプだって…。

 

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価値ある1勝

読了までの目安時間:約 2分

 

今秋のGⅠ9戦以外にも検証すべきレースは数多く存在するが、極限値を問うのがGⅠレースである以上、その中から選ぶことが望ましい。
今年度の各部門代表馬が、秋に輝き、路線の一番馬に相応しい走りを見せてきた歴史からも、この2レースを制したチャンピオンを称賛すべきである。
奇しくも2000Mというチャンピオンディスタンス、11月初旬の3連戦初戦であることは、ある意味では至極当然のことのようにも思う。

コパノリッキー JBCクラシック
<時計の持つ価値>
スマートファルコンが暮れの大井で本場・アメリカのダート戦顔負けの歴史的逃げ切りを決めたのと比べれば、盛岡の重馬場で、ほとんどが休み明けの中逃げ切ったのとでは、まるで別物であるのも確か。
ただ、同父、同脚質というデジャヴが、父を超えたかなんて計りようがないけれども、同じようなことができる可能性を具現化できただけでも、我々は見る価値のあるレースを体感したことになる。
「速く走ることに芝適性は必要ない」

スピルバーグ 天皇賞(秋)
<ディープだからこその価値>
敢えて、これにもう一つ付け加えるならば、速さと強さが均衡してなければできない芸当であったと、あの末脚を評したい。
時計の出やすい条件ではなかった上にスローペース。京都では時に、信じられないような時計が偶発的に出ることもあるが、東京では、そのすべてが必然的な要素によって発生する。
前者とは、有力馬がこぞって休み明けであったことと快時計か否かという相違点がある。
ディープ産駒でなくは勝てない展開できっちりワンツーフィニッシュ。
「サンデーサイレンスはまだ生きている」

強さの値に、お互い差は生じない。

 

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下半期GⅠ前半回顧

読了までの目安時間:約 2分

 

重賞未勝利馬が今季のGⅠ戦線で舞い踊り席巻する一方で、実績馬の苦戦が目立つ結果にもなった。

中でも、GⅠ2連続2着となったヌーヴォレコルトは、秋華賞を負けられない一戦と定めたことで、陣営のモチベーションが最高潮にまで上ったのだが、結果には繋がらず苦杯を嘗めることに。
京都の2戦では、共に1番人気に推されながらも、正攻法での敗退だから察するに余りある。
ショウナンパンドラには、自身が少し出負けして後れを取った分だけの着差をつけられ、ラキシスに目標にされたエリザベス女王杯は、卒なく回ったことで競り落とされる結果に。
父ハーツクライ。悲哀の源泉はこれだろうか。

スプリンターズSでは、ハクサンムーンを始め、路線を牽引するGⅠ馬なども揃ったのだが、特殊な馬場状態が運命を分けた。
自分らしさを出せなかったスプリントの主役は馬群に沈み、正攻法のグランプリボスも安田記念の時のようにはいかず、スノードラゴンの追い込みが決めて、父のリベンジを果たした。
そこには、復帰の目途をたてた父のパートナーもいた。

前走3着はフロックではないことを示しつつ、父に縁のなったレースを制して忘れ物を取り返してみせたのが、菊花賞と天皇賞の勝ち馬である。
16年前にレコード決着で敗れたスペシャルウィークの仔は、1200重賞の勝ち馬を持つ血筋を味方につけ、大レコード走で快勝。
8年前に屈辱にまみれ、失意の季節を甘受したディープインパクトの仔は、名門のプライドを得意レースで取り戻す劇的逆転打を放った。
トーホウジャッカルもスピルバーグも、父と違い、ダービーに縁がなかったのも勝因であろう。

 

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