北九州記念2025 予想 - レース展開と最終予想
1年前の夏、重賞戦の洗礼を浴びた1番人気7着のCBC賞を経て、特に、大きなキャラ変はないキタノエクスプレスではあるが、今年は小倉で1勝を挙げただけでなく、その賞金を活用して、G1に出走。
勝ったサトノレーヴは世界レベルのスプリンターであり、その彼を駆ったモレイラ騎手も、うまく乗れたわけではないが、内を捌くいつもの感じのロスを最小限にした騎乗で、ナムラクレア<これもあまり上手に乗れなかったルメール>の悲願をまた先延ばしにしたのである。
双子の代打でも話題になった恭介騎手は、優作騎手と同じような立ち回りではあったが、渋残りでタフなコンディションは、どの馬も苦しいからこそ、老獪さも問われる、馬へのサポートが重要な一戦でもあった。
理想は中団からの抜け出しだったが、圧に屈したというより、深く理解していない馬に乗った時に、よほど相性が良くない限り、馬の質が明確に上位出ない時に、そうした補助の仕方が不十分になってしまう状況は、伏兵であったからこそ、単に力負けというよりも、大きな舞台を数多く経験人馬が自然と有利な状況<10着までに半分より上の人気の馬が来たレースで13番人気だったキタノエクスプレス>は、通ったコース云々以前の印象を受けた。
前走の鞍馬Sはオープン特別であったが、重馬場での施行。
オタルエバーに前に行かれたというより、自然な形で前に行かれたことで、スローの展開をオタルエバーより0.1秒速い上がりで追い詰めたが、その分の立ち回りのロスが着差になったんのだから、何だか切ない。
ところが、かなり後傾になったこのレースは、馬場が悪いのもあって、後続は意外なほど千切れた。
スローのオープンで、3着馬には1馬身半の差ついた。
3走前の同コースで行われた北九州短距離Sは、馬場の質こそ、その鞍馬Sとよく似ていたものの、相手はそこまで強くなかったことではおなじでも、気持ち、前回の方が迫力で上回るものがあったようにも思えた。
そもそも、オープンに上がってからの5戦で、初めて、メンバー上位の上がり、このレースでは芝では初めて上がり最速での勝利とはならなかったが、オープンクラスで初めて、力上位の差し損ねにも映ったこの一戦。
上がりが速い必要はないが、条件戦で芝を使われてから、使い込まれていくうちに、勝ち切れないまでも上がり上位を繰り返す中で、それが最速でない時に勝ち切って、連勝したのが6歳時のキタノエクスプレス。
初めての芝での勝利は、一息入れた後の春の京都。
ただ、ダートを使っていた頃と同じように、言わば、体質的に…、という死角がモロに出たのがCBC賞の後に使った、リステッドのオパールSだった。
詰まった上に挟まれたCBC賞とは違い、国分優作騎手が完璧にエスコートしたこのレースは、目一杯の作りだったはずの重賞初挑戦後に、夏に減らした分の揺れ戻しはあったが、明らかに、動きは鈍かった。
その太め分のカットが今年初戦の小倉で行われると、難なくオープン初勝利。
これだけでは若い馬に対して有利という推しの材料として、弱めのワードしかないとできるが、高松宮記念も鞍馬Sも、今までにないくらいに安定した体重の増減で、今回減るとまずいが、今回も510kg前後で出走が叶えば…。
その点が少し心配ではある。
どうも、小倉で事故が多くて、ゲート内で大きなトラブルがあっただけでなく、福島ではダートの新馬戦で怪しい挙動の人気馬が津村騎手を乗せてロデオ状態になって、最後は振り落として、自分はラチに脚を取られて、転倒してしまった。<このオテンバプリンセス号は、レース中、両後肢に跛行を発症したと正式に発表されたが、外傷を負っていそうだった>
今の時代、どうも極端に暑くなりすぎるから、馬の様子もおかしい。
小倉への輸送は関西馬でも、距離が長いから大変だとされる。
全く、その点に安全な要素のないキタノエクスプレスだが、ヨシノイースターと共に、7歳馬の生き残りとして、走れる状態であるなら、見た目にもわかりやすいタイプだけに、2時台後半の馬体重発表を、しばし待つこととしよう、とは、少し信用がないか。
オジサンパワーで何とかしてもらいたい、でいいのかもしれない。
お手馬のテンカジョウも、仕方ないこととはいえ、乗れないわずかな期間で、松山騎手の馬になってしまったから、優作騎手も気合いが入る。
自身、地方交流のマリーンCを彼女と制して以来の重賞制覇が懸かるが、それ以上に、充実の7歳馬が元気であったならば、誰もが好機と捉える場面で、気合いもより一層入ることだろう。
ここにも期待だ。