ラジオNIKKEI賞2025 予想 - レース展開と最終予想
明らかに大跳びで、小回りは不適。
現に、1コーナーまで距離の取れる中山の2000Mでも負けている。
がしかし、横山和生騎手は彼を逃げ馬というか、安心ゾーンと称しているのだろう、誰も周りにいない環境で、彼をのびのび走らせている。
人気先行では困るが、ここまで1番人気は未勝利脱出となった3戦目の1回だけ。
この辺りは願うのみだが、東京で連勝しても、どのスイッチを入れれば、差し馬になるのかまでも知っている和生騎手から、先週末、無言の圧でルメールの断然人気馬や2番人気馬を3度封じた父典弘騎手にスイッチ。
函館記念の騎乗予定<父と共有のお手馬・トップナイフ>というよりも、風が吹くままに身を委ねては西へ東への自由気ままなベテランに任させておけば、変な風にはならないということがあっただけでなく、武豊でデビューしたこの馬のこと。
適任という見立てがあって、当然の実績がある。
先週のことがあるから、阪神の万券2着の特別を含め、下手をすると2倍台の人気先行…。
これはまずいが…、買いたいという衝動を抑えられない馬であり、魅力的な鞍上を迎えることになった。
新馬戦は武豊騎手が、JC当日で気合いが入っていたはずだが、自身が気負うほどおぼこいわけがない。
ドウデュースに乗る日の新馬は慎重に…、という冗談めかした隠れテーマがあるわけもないが、慎重に出したら、隣の馬が速くて、少しゆったりでも前に入られたから、無理をしなかった。
でも、ある程度折り合いをつけた最後方からのスパートは、ドウデュースの最高に倣ったものではないが、いくらか見所のある直線でありながら、ジュタが快勝した一戦でレベルはそこそこでも、脚を余したというよりは、鋭い決め手は期待できない現状というジャッジはあっただろう。
結果的に、出負けは出世の一番の近道となった。
中山で和生騎手が乗るのは普通だから、2戦目となった2000Mのここも少しポイント。
これはあくまでも結果論だが、アロンズロッドという誰でも知っている1勝馬が未勝利の頃に出ていたレースで、ルメール騎手が巧みに組み立てたレースながら、内枠の利を活かしたこちらは、出たなりの競馬をしつつ、速いスタートだったから、控えずにということで、アロンズロッドにもその他にも不利が状況だから、この時点で確勝の態勢。
和生騎手というか、この親子特有の黄金の逃げ切りパターンも、たまたまアロンズロッドの隣にいた三浦騎手のシェーンシュティアという牝馬が、これは間違いなく、勝ち筋を思惑通りに組み立てたコース取りで、伸びた方が勝ったという結果論で、まさかの差し切りを食らい、和生騎手もマジか…、という表情が少し笑えてくれるほど、これがアップセットであった。
以降は、跳びが大きい上に、もう春になる時期の未勝利や平場の1勝クラスのこと。
巧みに理想の黄金調味料と化した美しいラップの相似形にハメ込み、
コウセイ先輩はおろか、1勝クラスではエアグルーヴ一族のルメール騎乗馬を完封。
60秒程度の逃げは、
血統の字面に似合わない快速の未来図を抱えながら、実際、
マイラーとして大成した母父の
血統背景から、
重めに出て不思議ないサトノダイヤモンドがちょうどいいという中
距離の逃げタイプで成功…。
いや、この段階で横山典弘にスイッチなのである。
大方の予想通りには乗ってこない約3000勝ジョッキーは、小回りであろうとも、中山の内回りで自分の精緻な構造に持ち込んでしまっている芸術ラップ<武豊はその逆で狙いにはめ込みつつ遊びを盛り込むが、メイショウタバルには自分から合わせていったところがあるから、あの宝塚記念、見た目以上に実はヤバい逃げ切りであったように思う>を定期的に公開してくるが、ここ5年の中では、普通に関東の騎手でやっていたので、あの歴史的偉業となったダービーの宣伝効果もあったから、自然と勝ち星は昨年分をすでに超えているとはいえ、逃げ馬は果たして逃げ馬なのか…、という禅問答を、敢えて繰り返すのであった…。
これは深読みなのだろうか、果たして。
和生騎手は終いに11秒台中盤から12秒に掛からないハロン別ラップをここ3戦繰り返しているが、如何せん、福島の天気も本当の馬場状態まで分からない状況。
馬の気分に左右されるというよりも、課題克服よりも重要な、目の前にある大切にしなければいけないものを守る姿勢を、ホクトベガの事故以来、一貫して、攻めの手とのハイバランスで両立していくなかで、厩舎関係者が馬主からも煙たがられる存在になりながら、無事に周りの方が消えているという現状、もはや、勇ましくもあり、清々しくも思える。
自分が下手に乗っているつもりはなくても、そうではないと評価を受けることも多いが、うまく乗って、それでも負けてしまったことで、本当の実力を認められることに、対武豊最終兵器と成り下がった時代を経た今でも、純粋な気持ちになって、嬉しいと思えるものがなければ、すでに鞭を置いておかしくない名手は、岡部さんは別格としても、武豊を除いたら今でも…、という勝ち気な姿を東京、阪神春開催最終週でも見せている。
3勝全てが、あるがままの横山典弘だった。
だから、尚更困るのである。
ルメールさんもたくさん勝っている日に限って、メインで飛んでという典型ではないか…。
ラップ構成からして、速い上がりを使うにしても、34秒中盤まで。
極限の値を引き出すにしても、1800は最初のコーナーが厳しいと感じやすいからこそ、33秒台前半の脚を東京で使ったレーベンスティールが34.4秒でその脚を使い切れずに敗れた例を、ファンでも知るわけだから、どの設定に置くにしても、制約は好位付け以上の先行がある程度まで約束されている。
唯一、スピード能力の高さを認知し、マイラーとして成功の可能性を見出した時、潰しの利くラジオNIKKEI賞のこと、一点、昨年のオフトレイルが半分事故のような差しに移した成功のモデルも継承する場合がある。
前向きさをコントロールしているのは、それは、息子がうまいこと折り合いをつけているから。
未だに勝ち気に溢れるレジェンドは、そこまでの過程が正しいかどうかを考え尽くし、思わぬ手を講じることがこれまでもあった。
今回のそれは、我々の知らないトレサフィールが、マイラーとしての可能性を示してくれる場合に限られる。
前向きに走れる馬が、それを武器とできるとはしつつ、小回りで中距離型として溜めを覚えさせたとて、安全ではない福島1800で、極端な追い込みに転じた時、どの道失敗の負け筋である。
速いかどうか。
隠されたギアの存在の有無。
豊かなスピードがあるという見た目のパフォーマンスになど囚われない鬼才にとって、今年の重賞勝ち星がいくつになるのか、これが試金石になる。
和生と同じことはしないが、武史のやったことは一応複製してみせる。
これ意外と、結構な割合でみる光景。
タイプが違う騎手と理解しない依頼があったとして、それをも修正した上で、よりよい解答をひねり出す父は、思われているよりも騎手として、お兄さんを少しだけ上に見ていたりする。
アスリートとしての非凡さに、己の狂気を受け継いだとされる弟には、未だにレースで厳しさを見せる。
が、和生騎手がやりきれないことは補完して、派手に魅せることもある…。
筆者は、あまりスピードベースの本格派に思えないのだが、名手が何かを見出したり、意外な死角を見つけたならば、戦略的にというよりも、計画的な成長の促進のために逃がさないことはあり得るが、そういうタイプには思えないので、2、3番手か大逃げか…。
管理する稲垣幸雄調教師は、まだ40代だが、もう6年ほど厩舎を構えている。
萩原厩舎に長くいたから、ロジユニヴァース<主戦騎手は言うまでもなく>が存在した前の時代からの付き合いであろう。
先週は盟友である騎手同期の松永幹夫師の馬で2勝を挙げたが、少しだけ浪花節のように心がなびいたなら、騎乗機会も最近は多い厩舎だけに、思われているよりも想像通りに乗ってくるかもしれない。
それはきっと、大逃げなのだが…、本音は誰かに行かせて、それについていきたいはずである。