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東海S(2020)回顧 – エアアルマス、異次元の道悪適性を生かす

読了までの目安時間:約 3分

 

インティ行かないし、スマハマはまた行ったし…。

それでも、みやこSのような破壊的ハイペースではなく、インティはきっと、道悪が良くないのかもしれないが、行く気が今一つだったことを利して、武豊騎手は中団からのじんわり押し上げ作戦に出て3着。

来たるフェブラリーSに向けて、好材料が加わった印象。外枠はこれもあり。

一方で、エアアルマスの道悪適性は異次元のものがある。

良馬場でもしっかりと2勝しているが、筆者が太秦と認識しながらタイピングではムロマチと打っていた誤記の件をすっかり忘れさせるような、いつでも先行できますというダート馬らしい好位抜け出しを、太秦Sの時以上にスマートにやってのけたのだから、素晴らしい。

抑えたのはGⅠ馬にして京都の鬼であるインティと、猛烈な競馬を経験して7歳にして完成期に入ったみやこSの優勝馬・ヴェンジェンスである。

インティの再浮上が取り沙汰される状況において、左回りでは未だ懐疑的な揉まれることを誰よりも嫌う天才・エアアルマスの展望もまた、大いに開けた一戦となった。

スマハマは順調に使えないだけでない、何か足らないことを感じさせる完敗で、4角で終了というのは残念だったが、それ以外はみんな実力を見せた。

エアアルマスのセクレタリアトクロスのパンチの効き具合が、重要前哨戦でスマートさに繋がったという時点で、期待感は増幅する。

川田騎手との兼ね合いも考えた乗り替わりと思われる松山騎手のアシストも素晴らしいが、今回は素直に、自力で適鞍を見つけ出したエアアルマスの豊かな可能性について、皆でよく考える材料としてこのレースを挙げておきたい。

タフな逃げで強いインティと、無茶苦茶なレースをしなくなりかけているエアアルマス。

ゴールドアリュールでもキングカメハメハでもない彼らの魅力は、異質とされるフェブラリーSでこそ輝きを放つことだろう。

ちゃんと走ってくれるとばいいのだが。

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当ブログの予想
◎→△→〇で3連単8,950円的中

 

レース回顧

AJCC(2020)回顧 – 完成期のレイデオロを中山の道悪で抑え込んだ実績そのままのブラストワンピース

読了までの目安時間:約 4分

 

自分から動いたわけではないが、スティッフェリオが普通のペースを作ったことで、伏兵の押し上げが発生。

結果的に、それが内枠をうまく活用できなかったラストドラフトやミッキースワローのじんわり進出グループのマイネスフロスト故障問題により、進路を奪われたということはないが、仕掛けたいタイミングでの影響が番手グループの外枠組・ステイフーリッシュとブラストワンピースには味方になり、内枠2頭には厳しい追い上げの流れの主要因となってしまった。

自慢の決め手…、というほどスパッとキレが出せるタイプはそもそも、この季節の中山の重賞には登場しない。

それを最大限活かしたと言えるのがブラストワンピースになるわけだが、どことなく、道悪適性なども要求されたことが敗因になった印象の3、4着争いに対し、内ラチ沿いで競った5歳の2頭は、不利をやんわり受けたGⅠ馬と流れ重視で勝負手を打ったルメールの好判断も合わさったGⅡ馬という面で、逆転の余地はあったのだが、いざ坂上からの底力の出し合いになったら、完成期のレイデオロを中山の道悪で抑え込んだ実績そのままに、ブラストワンピースの強さが際立つゴールシーンへと展開。

そこにブラストワンピースがいるのでは…、ルメール騎手の妙案はナイスファイト止まりの称賛に止まってしまった。

仕方ない。ステイフーリッシュは京都新聞杯激走以降、これといった実績を積み上げられていないのだから。

同じ時期にデビューした2頭だが、2戦目からGⅠを使ったステイフーリッシュには、ステイゴールドらしい渋とさは備わっても、自慢の成長力は発揮できずじまいの競走生活になりかけている。

スティッフェリオはゆっくり実績を積み重ねていった実績はあるが、彼は今後どうなっていくのだろうか。

焦点はブラストワンピースの今後。

当然、12F路線への復帰を目指すことになるこのハービンジャー産駒は、ニシノデイジーとは破壊力の違いを見せつけ、サンデー系の馬にはない渋さを武器に、あの屈辱のロンシャンの経験をどう結果に落とし込むかという作業を積み重ねる努力がどれほどできるかは、再度の躍進のカギを握ることになる。

筆者はもう少し短い距離の方が合う気もするが、もう5歳で、メガトン級の大型馬。

国内の中距離GⅠには適鞍はない以上、タフさも少々足らないタイプだけに、狙いをワンシーズンに一つに絞るしかない。

ただ、道悪で弾ける雰囲気がありありと見られたようなこの日のブラスト80%は、本当の意味での再成長は望めないのかもしれない。

少しだけパワーがついて、今回ばかりは策を練りすぎたことと不可抗力の不利が影響した中で3着と健闘を見せたラストドラフトは、レースの序盤は道悪も影響しての後手後手感はあったが、最後は決め手のあるミッキースワローを差している。

ブラストワンピースの父がハービンジャーで、彼のキングジョージレコードを更新したのが彼の父ノヴェリスト。

ヨーロピアンが幅を利かせる数少ない札幌記念的GⅡに倣うなら、国内の適鞍を求めるくらいなら、どんどん外へ出ろということだろうか。

サンデーサイレンス系の影響力だけ借りたような重賞で煮え切らない連中よりも、彼らの方がよっぽど期待が持てる。

ただ、年齢的な面で、脚部に問題がなければ、次を望めるのはラストドラフトの方だろう。

大事な時にまた主戦がいなくなったスペシャルウィークが独走したのは21年前のAJCC。

それと似たような構図の結果でありながら、妙にこの日のブラストワンピースには、運が味方した印象を受ける。

 

レース回顧

東海S 2020 予想 – 砂を被るとダメなエアアルマスだがこの馬場なら…

読了までの目安時間:約 3分

 

この季節の京都ダ1800重賞ということで、体に染みついた平安Sとの誤認に気をつけつつ、もう新中京で最後にリニューアルオープンしてから7年経ったことに、時の流れを感じた。

中心はインティであることは承知しながら、流れを無視する格好で、前走でボロカスに叩いたはずのエアアルマスを信じてみたくなった筆者。

ボールドルーラー系だから、そんなのもありと無理筋は承知で、人気面でもリスキーなのは理解しながらも、どうしても推してみようと思うことがある。

恐らく、先週に引き続き、ダートはあまり重くない。

3歳のダート戦は軒並み好タイム続発であった。

インティはこれまで、稍重、重でも勝ち星を挙げているが、最高タイムは先達てのチャンピオンズC3着時に叩き出した1:48.7である。

不良で猛烈なハイペースの室町Sで好位抜け出しのエアアルマスが1:49.1で、少し最後はさすがにタフさを体現したような脚の上がり方だったが、変な馬場質だったとはいえ、中京のそれはGⅠでの猛烈な叩き合いの中での数字で、机上の計算では大差くらいの力差が見て取れる。

が、良で砂を被ると、芝の時以上にやる気にならないエアアルマスは、その室町Sで嫌な素振りを一切見せなかった。

だからか、もっと激しかった武蔵野Sは、周りもみんな速い上に、早くに外から被されるなどで、今まで最悪の競馬。

どっちを信じた方がいいのか。

いや、どっちも彼の本質なのだろう。

だから、ボールドルーラー系の活躍馬は高齢でも老け込まない。

逃げ一本ではないということが、インティとの最大の違いである以上、まずはそれをマークし、スマハマにも楽をさせないことが望ましい。

みやこSみたいな競馬になっても、セクレタリアトが3本入った特殊な配合のエアアルマスだから、異様なタフさを発揮するかもしれない。

雨が降れば降るほど、エアアルマスには有利だろうが、何よりも使い減りしていないのは彼の魅力。

ミスプロの血の強さはインティとそっくりだが、こちらの方が乱ペース希望である。

◎エアアルマス

○インティ

▲スマハマ

注モズアトラクション

△アングライフェン、ヴェンジェンス、ヒストリーメイカー

 

レース予想

アメリカジョッキークラブC (2020) 予想 – 本来は自在型の差し馬ラストドラフト、いかにもマーフィーのお手馬になりそうなタイプ

読了までの目安時間:約 5分

 

このレース最多勝の横山典弘騎手に手が戻ったミッキースワローやいかにもこの季節の中山の向いていそうなステイゴールド産駒の2頭が注目のレース。

だからって、斤量面に有利さというか、59.5から57への軽減があまりにも着目された人気とはならないだろう実績断トツのブラストワンピースや2戦目初めての中山、重賞だったにもかかわらず快勝であったラストドラフトらは、それぞれ川田騎手であり、快調に勝ち星を重ねるマーフィー騎手である。

見どころも沢山あるし、これこそが古馬の春の始動戦に相応しいアメリカJCCの姿だろう。

狙いたいのはその中でも、前走は勝ったと思ったところからよもやの強襲に屈したラストドラフト。

順調な秋の使い出しではなかったから、簡単に変わり身を見せるとも単純には思えなかったが、調教から頗る順調との好アピールを結果で示す、負けて強しの中団抜け出しからの2着。

マーフィー騎手が外を見やった時のそんなはずでは…、という雰囲気のゴールシーンは、先週の小倉の武豊騎手とは全く違って、これは勝った馬が強すぎるだろうという感覚であったはず。

ところがその勝ったサトノガーネットは、強気で挑んだ牡馬との消耗戦をGⅠを使った後に制した反動か、京都の今季初戦は振るわず、流れに乗れた感じもしなかった。

GⅢで負けていた、という評価になるのがラストドラフトだから、ここは極端に人気になることはないだろう。

加えて、桜花賞快勝の母マルセリーナはともかく、父は今一つ掴めないところのあるノヴェリスト。

こういう狙いだから、改めてAJCC史をちょっと紐解いてみたのだが、平成はおろか、グレード制導入前でも10数年勝っていなかったスウィンフォード系の馬は、スピードシンボリやアサカオーが勝っていたい時代の二ウオンワードまで遡らなければ、勝者として登場しない。

一応、最初の3年はこの系統から勝ち馬が出たのだが。如何せん、50年前の話。

ほとんどのファンは、この事実をまるで知らない。

ドイツで生き残ったブランドフォード系。スウィンフォードの直仔であり、その昔は日本でもプリメロの産駒が活躍していたが、勝ち馬全てその直系。

思えば、スピードシンボリは当時まだ珍しかったロイヤルチャージャー系で、アサカオーはあのシンザンと同じボワルセル系の大種牡馬・ヒンドスタンの仔。

今に繋がるとは到底思えない血の話だが、言わずもがな、スピードシンボリの別流の子孫であるサンデーサイレンス系が今の主流。

直後にテスコボーイやノーザンダンサー系が台頭し、世のスピード化を牽引したわけだが、それに乗り遅れたようなノヴェリストは、ロンシャンより遥かにうねりの激しいアスコットのキングジョージでパントレセレブル級の時計を叩き出し、他を圧倒している。

これまで産駒は25回中央の重賞に登場し、先週もダイワクンナナが惨敗するなどで、2頭しか馬券に絡んでいない。

何故か、もう一頭のローゼンクリーガーはファルコンSで3着という馬。

ただ、1番人気になる根拠に乏しかったからか、それは1度もないし、今回もそうならない。

新馬はともかく、オープンでの3勝全て2番人気以下だった母マルセリーナ同様、ノヴェリストもダービーは1番人気に応えられず、ドイツで無敵になってから挑んだキングジョージは、やや混戦だったが4番人気だった。

そういう血筋は、ジンクスを破った時にこそ…、となるがその段階ではない。

特殊な中京2000から、中央場所の主要重賞で一変を見せる馬は多い。

本来は自在型の差し馬。いかにもマーフィーのお手馬になりそうなタイプだ。

直線が短すぎるのは良くないが、少し前に行けるようになったミッキースワローを軸に、スペシャルウィーク以来GⅠを勝っていた馬が延々勝てないジンクスは今年も続くと見て、ブラストワンピースには大人しくしてもらいたいと思い、印は落とす。

◎ラストドラフト
○ミッキースワロー
▲スティッフェリオ
△ステイフーリッシュ、ブラストワンピース

 

レース予想

アーモンドアイへの願い ~ 引退時期、凱旋門賞?ドバイターフ?

読了までの目安時間:約 3分

 

引退時期

今年中であることは既定路線だろうが、故障の可能性が何かしらの事故以外には想定されないタイプの馬なので、ある意味で、ここでお仕舞いとしやすいのは確か。

最初は、それこそドバイターフ連覇をはなむけにして、血統背景からウオッカのように海外のビッグサイアーと交配するプランでもあるのかなと思っていたが、有馬参戦で狙いが変化したところがある。

次戦を決めるごとに、着地点は流動的になりそうだ。

筆者は断固として、今春での引退を推挙する。

クラシックレース皆勤賞も未勝利のリスグラシューとは違うのだから、その他の目標に重きを置くことは本来、もう難しいはずなのだ。

狙うべきタイトル

となると、凱旋門賞に行きますか、という感じになる。

あの有馬の負け方から、ブリーダーズCに行く意味もない。

10F路線でせっせと稼ぐほどの意味もなければ、また香港に行こうと思うことも無駄な思考の消費となるだけ。

天皇賞連覇を中心に据えつつ、有馬大敗の穴埋めをできれば、12F戦への復帰は不可能ではないだろうが、前に行けるということも条件になるか。

ポケットに収まって、直線でドカン。リスグラシューのあのイメージができれば、アークに行ってもいい。

その代わり、それを引退レースとすべきだろう。

鞍上の変更の可能性

さて、禁じ手がもはやなくなった感もある乗り替わりのあれこれ。

ルメールが選択したアーモンドアイとなっているが、目標の変化や昨春の粗相も記憶に新しいので、ないわけではないと思う。

ムーアという感じではないが、ヨーロッパだとビュイックとかフランキーなどが万が一でも手が空いていれば、ちょっと話をしてみるくらいは…。

日本の騎手なら、断然ユタカ・タケだろうが、積極性が最近目立つ松山・北村友両騎手は、そもそも牝馬の扱いも得意なタイプだから、機会があればこれはこれで面白い。

まあ、あと何戦するかわからないが、ルメールで完結する物語を完成させる義務が、オーナーにはある、とここは敢えて記しておく。

 

コラム

ヌレイエフとリファール<04クラシック文化の残滓>

読了までの目安時間:約 3分

 

5代以内にヌレイエフかリファールが入った馬、ないし、6代以内でそのどちらかのクロスを持つ馬がGⅠを勝った例を挙げると、

ヌレイエフ

インティ 母父母父

ラヴズオンリーユー 母母母父

インディチャンプ 母父父母父

クロノジェネシス 父母父

クリソベリル <父母父×母父父母父>

<ロードカナロア産駒>仔の代で父父父母父

サートゥルナーリア

アーモンドアイ<前記5代目×母母父>

リファール

ノームコア 父母父母父

(ラッキーライラック)<母父母父母父・ノーザンダンサーの継続クロスに関連>

<ディープインパクト産駒>仔の代で父母父父

アルアイン

グランアレグリア

フィエールマン

ラヴズオンリーユー

ロジャーバローズ<前記4代目×母母父父>

ワールドプレミア

コントレイル<前記4代目×母母父父母父>

<ハーツクライ産駒>仔の代で父母母父

リスグラシュー<前記4代目×母父父母父×母母母父>

スワーヴリチャード

サリオス

 

両方

ラヴズオンリーユー<その他に母父ストームキャットがノーザンダンサー系>

まずは産駒の代で父父母父の4代目にヌレイエフが入るキングカメハメハ直仔がGⅠ未勝利の代わりに、

サートゥルナーリア

インディチャンプ

アーモンドアイ

キングマンボの関連で、

ラヴズオンリーユー

クリソベリル

らがGⅠ馬になり、複数回GⅠで好走。

 

一方、姉妹で立場を違えた

ノームコア

クロノジェネシス

の輝いた場所の違いと、同じ時期に重賞を勝ったという共通項が何とも興味深い。

あと、サンデー系でリファールの入ったディープとハーツは、共にリファールクロスの馬が大活躍したことと、キングカメハメハ対ハーツクライの構図で言うと、

リスグラシュー

アーモンドアイ

の持ち札対決の武器の差が、明らかに結果に影響を与えたことは、復習の材料にぴったり。

ヌレイエフは東京の高速決着向き、リファールはタフな戦いの小回りの消耗戦に合う。

結局また、キングカメハメハとハーツクライの話になってくる。

その特性を継承している彼らの実績と、言わずもがなであるディープインパクトの非凡さには、改めて敬服する次第だ。

 

コラム

「リスグラシューのステイゴールド化」など、巻末大盛り上がり現象の怪

読了までの目安時間:約 3分

 

2019年を振り返ると、例年以上に総決算的レースの盛り上がりが異様だったことが挙げられる。
例えば、

グランプリ<リスグラシューのステイゴールド化>

ドバイには行かず、香港に行ってからその後のことを考えたいと陣営は思っていたのだろうリスグラシューは、2度目の香港を経て、更なる成長を見せる。

まず、父ハーツクライがそうであったように、変なコースの攻略で重要になる先行力を得たのだ。
モレイラが教えたわけでもなく、武豊が乗っていた頃には叶わなかったテクニックの習得。
これをベースに宝塚記念圧勝から、下げ方に自在度が増して、理想の差し切りであとの2戦も圧勝。

有馬記念は出走馬で唯一、最後まで脚が残っていた。
好条件が重なれば最強のステイゴールドとその代表産駒たちのパフォーマンスと、あまりにもそっくりであった。
これが牡馬ならば、最良の後継種牡馬だったのだが、それ以外は最強牝馬のパフォーマンスである。

香港<ダノンスマッシュだけ置いてけぼり>

まだ春の香港マイル路線には、生ける伝説たるビューティジェネレーション殿がいたが、勝てそうだったQEⅡはウインブライトが快勝。

彼は香港カップもアーモンドアイの代打を引き受け、結果を残した。
スプリントだけ負けた、ということだ。
マイルもヴァーズも、本来の力を出せれば…、というメンツが力を出した。

でも、スプリントには今はタワーオブロンドンやグランアレグリアなんかもいるわけで、未来は明るい。

渋淀の歓喜<時計が掛かってもいいはずの一戦>

秋華賞は悲願のタイトル奪取のクロノジェネシス、菊花賞は遅れてきた高馬・ワールドプレミアの初重賞制覇もセット、エリザベス女王杯の古馬戦初勝利となったラッキーライラックまで、軽くない馬場を味方にした格好だった。

思えば、春は高速決着ばかり。消耗なしのワールドプレミアは当然だろうが、守備範囲外の結果で抵抗を見せた名牝2頭の秋の戴冠は、時計が掛かる京都という新トレンドにピタリと適合したオールラウンダーの底力の一端を見た瞬間でもあった。

 

コラム

3歳ダート戦線の夜明け<土日はダ1800祭り>

読了までの目安時間:約 2分

 

とりたてて、明け3歳の午前中のダート未勝利戦が注目されることは少ないが、週末に渋馬場となった3歳未勝利・新馬のダート1800戦は少々様子が違った。

備考:5F通過-上がり4F→勝ちタイム

中山

1/18 土曜 <稍>

2R未 アイスナイン 1人(39.5)ヘニーヒューズ
64.8-51.9→1:56.7<2着と2秒差>

3R新 シェダル 1人(38.4)ゴールドアリュール
63.8-50.8→1:54.6<2着と2秒差>

1/19 日曜 <稍>

3R未 ダノンファスト 1人(37.5)キングカメハメハ
65.0-49.9→1:54.9<2着と2.3秒差>

牡馬出走可の3戦全て大差勝ち。

京都

1/18 土曜<稍>

2R クリノイコライザー 2人(39.5)プリサイスエンド
61.4-52.3→1:53.7<2着と7馬身差>

1/19 日曜<良>

2R ワールドウインズ・セ 1人(37.3)ルーラーシップ
64.7-50.3→1:55.0<2着と7馬身差>

参考

土曜京都1勝クラス
<稍> ハクサンウィンザー 2人(39.1)ヘニーヒューズ
62.1-52.8→1:54.9<勝ち馬通過順 ④⑤⑤④ 2着と1馬身半差>

日曜小倉1700 ネモフィラ賞
<重> ミヤジコクオウ 1人(37.9)ヴィクトワールピサ
54.9ー50.5<4.5F-4F>→1:45.4<勝ち馬通過順 ⑥⑤④③ 2着と1 1/4馬身差>

この他、日曜日は東西で牝馬限定戦も組まれていたのだが、水準より遥かに上の両方とも1分57秒以内の決着。

近年の潮流に反し、やや低調と思われたダート路線にも、着々と大物候補が登場する流れに、益々3歳世代の飛躍を期待させるものがある。

 

ニュース

2着馬に大差のシェダル – ライバルとの差を徹底分析 / 新馬回顧<1/18・19>

読了までの目安時間:約 3分

 

1月18日 1回中山6日目 ダ1800M

 

単純比較はすべきではないと前置きした上で、暮れの同条件におけるハイパフォーマンスをちょっとだけ凌駕した感じのシェダルについて、ここでは触れざるを得ないだろう。

こちらはクロフネ肌のゴールドアリュールの大型馬で、高速決着に向いていそうな雰囲気はぷんぷんしていたし、直線の追いっぷりなんかは、カフェファラオのライアン・ムーアを彷彿とさせるものがあったマーフィー騎手の叱咤も効いたのだろう。

とはいえ、2着馬に2秒差だから、ちょうど10馬身差の1.6秒差だったカフェファラオよりも、インパクトは大。

しかし、ここからが肝心で、カフェファラオに木っ端微塵にされた2、3着馬は、次戦であっさり勝ち上がっている。

バーナードループという勝ち馬と人気では拮抗していた期待馬も、2戦目の中山ではしっかりと時計を縮めて7馬身差の勝利。

良馬場での結果が重要であったりするダート戦線。

大変な天候の中とはいえ、普段よりはわりかし走りやすいという条件で、カフェファラオより0.1秒総合タイムで上回っても、上がりで1秒以上差がついているということは、同日京都の未勝利戦で馬場同質・61.4-51.7→1:53.7で逃げ切ったクリノイコライザーだって、カフェファラオより1秒速く走っているのだから侮れない存在と言えるわけで、どこまで自分を高めることができるかが肝要だろう。

半姉は秋華賞でも人気を集めたパッシングスルー

血統のイメージは全く違うが、一族には長く活躍したミスター大賞典・ヒットザターゲットもいるタフなタミーズターン系。

姉は芝の重で走りづらそうだったが、弟はダートの渋馬場は得意そう。

とは言いつつ、翌日の未勝利戦でも中山でぶっちぎり馬が登場しているから、ライバルは多い。

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日曜の芝で勝ち上がった人気の2頭は、距離適性は血統のイメージ通りだったものの、馬格のイメージとレース内容が正反対。

高馬のアドマイヤより、大きすぎない東のキンシャサノキセキの方に肩入れしたい。

まあ、どっちもディープ関係者なのだが、後者・ルフトシュトルームは父超えられそうなスケール感を秘める。

堀先生のお手並み拝見。

 

レース回顧

京成杯 2020 回顧 – 道悪歓迎キズナ×タイキシャトルの伏兵・クリスタルブラックが強襲

読了までの目安時間:約 4分

 

内にモタれながらの追い込みで、前を一気に飲み込む。

キズナ産駒で新馬を勝ったばかりの馬。

父エピファネイアで新馬を勝って一息入れて、断然の支持を集めた牝馬の優勝は、あと一歩のところまで迫っていたが、いくらか軽い馬場の方が合うスカイグルーヴは、道悪歓迎にも思われたキズナ×タイキシャトルの伏兵・クリスタルブラックの強襲を凌ぎ切れなかった。

恐らく、上がりが掛かりすぎたがために生じた逆転劇。

過激なパフォーマンスで世の注目を集めた直後のヒシアマゾンが敗れたのも、同名で中身はジュニアCと似たマイル重賞時代の京成杯だった。

牝馬が来ないのは、夏の終わりに行われる京成杯AH以外の中山マイルの重賞と似たような現象。

時計が掛かるのがあまり前ではなくなった昨今、予報も芳しくなかった週末に向け、1勝馬なら自己条件を選択するという手段も講じられたはず。

しかし、ある意味で人気のスカイグルーヴとそれを差し切ったクリスタルブラックは、不安材料があってもそれを無視して、見事に新馬からの連チャンを決めたわけだ。

牝馬のスカイグルーヴには賞金加算の恩恵と共に、番手からの抜け出しという最大にして唯一のテーマが、滞りなく消化された意義は大きい。

勝つに越したことはないが、みんなが思っている以上にタフな競馬になる、キングカメハメハでさえ完敗の京成杯で連対したのである。

新馬戦に引き続き、豪快に差してきたクリスタルブラックの経験値が、中山でのパフォーマンスであったということ以上に、スカイグルーヴには自身の中にある道悪は決して歓迎ではない上に、そもそもタフな中山での2戦目の競馬という大いなる死角は、きっとそれほどの問題ではなかったように思う。

そもそも、上がりがみんなの使えるレベルの数字になる条件で、他の馬と合わせて走る経験を、それは勝ち馬も同じだが、重賞で初めてすることになれば、前に行く馬でも後ろからの馬でも関係なく、それは苦しい戦いになる。

もっと経験を積んだ馬が多かった中で、最内・大外に配された2頭の1戦1勝馬のワンツー。

思われているよりも、ずっと彼らのスケールは大きかったのだ。

伏兵の快走ではあったが、サンデー以外のヘイロー系が母父、母母父ロベルト系のクリスエスで、明らかにこういう時期の中距離戦に合わせてきたような配合のクリスタルブラックの未来は明るい。

直線で唯一、例年より渋っていることで差しが決まる状況でも、追い込みが決まったと言えるのは彼だけである。

謎の二桁体重減のゼノヴァース以外、2分2秒台という馬場相応の底力勝負で、期待された組は好走している。

中山というタイプではなさそうなディアスティマ、ビターエンダーらに2馬身半つけたスカイグルーヴは、やはり只者ではない。

きっと、彼らよりもっとタフなコンディションでは苦戦すると思われた馬である。

荒れ馬場は苦手で時計が速くなりすぎるのも特段好むことはないパロクサイド系の良血馬にとって、早い段階での稍重克服は強気になれる要素。

祖母アドマイヤグルーヴは、道悪経験なしに本番を迎えたので、クラシック後に活躍。

その前の代は反対に、エアグルーヴが2度の稍重での勝利、ダイナカールは桜花賞で不良馬場を経験後、各々オークスで勝利している。

ルーラーシップが3戦目で稍重勝ち。一方、スカイグルーヴの叔父ドゥラメンテは、最後のレースが初の稍重の宝塚記念。

苦手なものを早くから経験すれば、その後の活躍期間は長くなるのがこの系統の特性である。

 

レース回顧

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