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七夕賞 2020 予想 過去のデータから見る傾向とは?

読了までの目安時間:約 5分

 

雨がどうなるか読めない福島だけに、パンパン馬場は有り得なくても
宝塚記念直前のような急変がなければ渋馬場でも雨馬場ではないパターンは想定しないといけない。

加えて興味深い要素として、ここ10年は1分58秒台の力の決着が大半で
それに伴うようにしてハンディがきつめの牡馬が強いという時代のようなものが形成されてきたのだが
ここ2年は同じような馬場質でも、2分超えの消耗戦では超穴馬が突き抜け
昨年のようなさすがに展開が強烈すぎたレースだと
ほぼ、適性を伴った力のある馬が実力を発揮する舞台へと変化するのだった。

元より
牝馬に有利な舞台ではなく、マーメイドSやクイーンSがしっかりと定着している中で
荒れ馬場必至の福島に参戦意図を持つ陣営は
牝馬重賞に魅力や適性を感じないとも思えるから、狙ってみる手もあると考えた。

牝馬は2頭。

近走の内容も予測される馬場の適性でも
リュヌルージュの方が上のように見えるが、昨年の七夕賞に向けたその日の参考レースを
見事完勝したパッシングスルーも侮れない。

斤量差が2kgではさすがにかわいそうに思うが、
それも難なく突破できる破壊力がある馬にも思える。

先週の復習をしたならばいい狙いの立て方ではないと理解しつつ、パッシングスルーから入りたい。

牝系は優秀。

後に輸入される牝祖たるタミーズターンの系統からは
当地アメリカでは、ベルモントSを圧勝したコンキスタドールシエロが孫の代から登場している。

これがミスタープロスペクター初期の傑作。

その直系であるパッシングスルーもまた、ミスプロクロスを持つことで
限りなく平坦適性をマックスにまで設定されたような組み合わせとなっている。

この世界、スピード型を出し続けることが生き抜く道となる種牡馬継承の基本形は
数を多く出すことで突然変異的に強烈な才能を生みだすネイティヴダンサー系の中では
万能性の観点でも、今最も優秀なのはキングマンボのラインだろう。

コンキスタドールシエロが大した種牡馬ではなかったということではなく、
タミーズターン系そのものに、直系を伸ばしていくスケール感が乏しかったと言える。

一流馬・オーヴァーオールの流れを汲むパッシングスルーは
そこからシアトルスルーやクロフネといった芝ダート問わない活躍馬を出す名種牡馬を配された後、
芝に少し傾倒したルーラーシップをつけられたことで誕生している。

似た組み合わせでも、ミスプロのクロスのないヒットザターゲットは
その名の通りに大賞典ハンターとして長く特殊条件で活躍していたが、これも母が活躍馬のラティール。

母マイティスルーが、東京芝でばかり4勝の非根幹距離型で
その産駒、パッシングスルーの上全てがダートにしか勝ち星がない点でも、本質は似たり寄ったり。

タミーズターン系の守備範囲は、ローカルの競馬場の方が広いということになる。

秋華賞の結果を踏まえ、上の兄弟に倣って地方のダートを使うも
冬が得意ではないのだろう、結果は伴わなかった。

昨年も余裕のローテで福島に挑んできたから、休み明けは問題ではない。

少し大きなフットワークというのもあって、川崎や船橋は合わなかったが
それよりは1角まで距離の取れる福島2000Mは走りやすい。

クロフネの血がやけに似合う七夕賞だけに、アフリート由来の穴馬でまとめてきた時期もあったように
こういうどちらに転ぶかよくわからない血統の馬は買える。

七夕賞で宝塚のようには台頭しないステイゴールド系では
パッシングスルー同様、昨夏の福島で勝ち星を上げたオセアグレイトなども
2200くらいで強い馬向きのレースだから、当然買う。

候補はあまりに多いが、ここではマイネルサーパスの実績も拾わねばならないか。

あのラジオNIKKEI賞で示したのは、道悪適性以上にこの福島向きの適性だったように思う。

◎パッシングスルー
○オセアグレイト
▲ウインイクシード
注マイネルサーパス
△クレッシェンドラヴ、エアウィンザー、ジナンボー

 

レース予想

プロキオンステークス 2020 予想 最終追い切りは?血統から見るその理由

読了までの目安時間:約 3分

 

過去のプロキオンSを振り返っているうちに、
近年のシアトルスルー系の躍進やゴーンウェスト系の速さに目を奪われつつ
血統的には有り得たとしても、アドマイヤオーラ産駒が2勝していることに興味を惹かれた。

なぜそうなるかと言えば直線の長さや回りは影響しても、
距離が同じで急坂が待つ直線も同じとして、本質的な差があるには思えない変則開催。

元は阪神だったということも含め、もしも同じ適性が求められたならば
今年はどういう結果が予想されるのだろうと傾向を探っていくと、妙な共通項が見られたのだ。

要するに、全く適性を感じさせないニジンスキーの血が、ここでは有効なのだ。
中京開催初年度こそ、速さでトシキャンディが他を圧倒したものの、あとは不思議と
・ニジンスキー ノーザンダンサー<ND>×非ダマスカス系テディ直系
・ストームバード ND×同種のテディ系
らの血を持つ馬が躍動。

当然代を経ているND直仔の大種牡馬だから5代内に入っているとは限らないが
勝ち馬の例外が、ここと南部杯連覇のベストウォーリアだけとすれば

・ダンチヒ 同配合<前2者はブルドック系・こちらはサーギャラハッド直系>
・ノーザンテースト <ほぼ同じ組み合わせ>

といった、馴染み深い血の持ち主が10年前、
最後の阪神の勝ち馬であるケイアイガーベラ<母がダンチヒ×テディ系のダマスカス>とも繋がるとなれば、狙いはこの流れでよいとも言える。

サウスポーに育つ中で、右回り実績に乏しい昨年2着のミッキーワイルドは
ダートで走り出してから、充実のレースは4月以降の3戦に限られる。

揉まれた京葉Sも前走も58で、56に戻るのは、松山騎手騎乗より買い材料。
どう見ても芝向きが、母系にチラ見せのニジンスキーの影響で…。
前々走は初のダ1200で、走り切れずとも1:09.7なのだから、昨年よりむしろ強くなっているのではないだろうか。

◎ミッキーワイルド
○デュープロセス
▲ヤマニンアンプリメ
注ワンダーリーデル
△サクセスエナジー、サンライズノヴァ、トップウイナー

 

レース予想

CBC賞 2020 レース回顧

読了までの目安時間:約 3分

 

直線競馬を使った影響か、その時の藤田菜七子騎手の騎乗が良かったのか、はたまた、その前の名古屋での競馬を契機に、自信を取り戻したのか。
いずれにせよ、前走の結果を大いに買われて58を背負わされた横山典弘騎手のクリノガウディーとは正反対、正真正銘、古馬GⅠ連対馬のラブカンプーに若き才能・斉藤新騎手を配し、51での逃げ切りとは、よくできた話だ。

何かにつけて、対抗だの単穴だの、ラブカンプー応援団だったのは昨年までの筆者とすると、それでも何かを求めるように走り続ける彼女に対し、前走のやる気に、わずかながら感じる可能性のようなものはあったのだが、そんなことは、重賞では忘れている。

同じように3歳時から見ていたアンヴァルも、しっかりと正攻法で戦える馬として、ここでは好走。
見切りが早いのではないが、時計はかかってもいいけれども、何かが噛み合わないと走らない馬…。
阪神でやっているけれども、これはローカルカテゴリーの重賞だと割り切れば、それがむしろ、阪神でやることになったから波乱となったのだろうか。

ルーキーイヤーから積極性とレースメイクの巧みさを評価されていた斉藤騎手からすれば、今まで乗った馬の中でも、最速レベルの馬。
こう言うと些か乱暴になるが、モズスーパーフレアがGⅠ馬になった今、同期でずっと同じ路線を歩んだ彼女たちが不当に評価されないなら、こういうこともある。

自他共に認める、道悪巧者のレッドアンシェルと近走の内容に成長を感じさせたタイセイアベニールらは、行けるとこまで頑張ってみようタイプのラブカンプーと折り合えば好位付けOKの2頭とは違うことが敗因だが、鞍上を見れば納得。
今は、だいたい馬券内だ。

出なかったクリノガウディー、出てもその後ついていけないアウィルアウェイらは、馬場回復が恨めしいように、レースに参加させてもらえなかったのも、印象的だった。

 

レース回顧

ラジオNIKKEI賞 2020 レース回顧

読了までの目安時間:約 4分

 

直前のラブカンプーの復活劇同様、何かに導かれるように、神懸かった逃げを見せる伏兵が登場。

一方で、危険な賭けのような才能に思えたグレイトオーサーは、
パドックを1回目見た時は落ち着いていたのに、
3回目見た時には色々なことに対応するどころではない危険な雰囲気を放ち、
馬場良化は本来プラスだったはずなのに、
そのせいで走りやすくなったせいか前走以上に暴走してしまった。

お手上げのダミアン・レーンはこう走ってしまうと苦しんだよ、という教育的指導も兼ねた番手付けで普通に走る状態にまで戻ったが、そこに至るまでの過程を踏まえればまさに祭りが終わった後というやつで…、
誰よりも早く圏外に消えていってしまった。

10年前のこの季節。
馬場の具合もそっくりな宝塚記念を制したのは、ブエナビスタと翌年レコード勝ちのアーネストリーをゴール前でねじ伏せたナカヤマフェスタの産駒・バビットであった。

前走こそ目立った勝ち方ではなかったがその前の福島では、
フェアリーポルカに乗りに来て日曜は気楽だった和田騎手を乗せ、
堂々の好タイム快勝の実績があった。

とはいえ、東京で派手に勝ってきた堀厩舎の2頭やダービートレーナーの管理馬、
52の武豊は無双ではないかと期待されたパラスアテナなどが注目された一戦。

しかし、
ここぞの場面で勝ち切ることが重要だということを5月以降のビッグレースで学んだとするならば、
これこそがその復習の成果を見るテストだったのである。

地味でも何でも、ここは味のある馬から狙うべき。

後の菊花賞馬やJC馬も、完成途上とは言いつつ、その破壊力を示せなかったのがこの福島のハンディキャップ競走である。

中山でやっていた時代は、マルゼンスキーに子供扱いされるプレストウコウという構図が、もはやシュールであったわけだが、場の雰囲気に合っている馬には、この上ない大舞台である。

逃げる武器があると、無念の団野騎手に代わって鮮やかなアシストを決めたのが稀に見る大怪我から復帰した時、
ゴールドシップというパートナーと出会った内田博幸騎手だった。

全くキャリアの違う後輩を思いやる気持ちと言葉のチョイスを間違ってはいけないと
普段は冗談も飛ばす内田騎手が感無量という以外に抱く感情の複雑さは、しっかりと汲み取れた。

だからこそ、さすがはウチパクさんなのである。

似たような経緯を経て、
この春復帰した戸崎騎手のディープキングも、
その前に苦難を乗り越えてきた三浦騎手のパンサラッサを鮮やかに御したテクニックなどからも
単純に力通りには決まらない福島好きのオジサンたちには堪らない物語が詰め込まれていた。

血統のイメージよりはずっと荒れ馬場は特段好まないだろう人気の面々に対し、
血脈そのものに道悪適性が備わっている勝ち馬を除くと、
2、3着馬は共に、あのクロノジェネシスが秋華賞を制した週の京都で走っていた実績があった。

まさに泥臭く。

武豊騎手に唯一物足りない、というより最も似合わないフレーズをしっかりと体現できた先着の3騎には、一流であることとは違う武器があったのだ。

そろそろ、こういう競馬が見たかったというファンも多いはずだ。

 

レース回顧

第69回 ラジオNIKKEI賞 2020 予想(GⅢ)

読了までの目安時間:約 5分

 

再びのデジャヴを希望する筆者。

昨年末、最後の最後に衝撃的楽勝でGⅠ初制覇を果たしたコントレイルのような馬の出現を、この福島の1800重賞に求めたいと無理な注文をつけてみようと思う。

パンサラッサはその彼を管理する矢作厩舎の同僚であり、前走の古馬戦の内容も秀逸。
パンサラッサは一応、コントレイルが勝ったホープフルSに出ていた。

ちゃんと経験を積んだ末に、同期の馬が人気のレースで、そのタフな一戦の実績がモノをいったというような逃げ切りであった。
少しずつ成長を続ける三浦皇成騎手には、実は、ピッタリの騎乗馬である可能性もある。

コントレイルのライバルになれたかどうかは、今となってはやや言い方に困る状況にあるサリオスを管理する堀調教師は、ここに2頭の才能を送り込んできた。

一頭は無敗の良血馬・グレイトオーサー。

もう一頭も、クラシック実績のあるスワンズウッドグローヴ系出身で、前走の東京1600戦を1:31.7で快勝したサクラトゥジュール。

どちらもサリオスにも騎乗したレーン騎手が乗って勝った馬だが、何となく、迷いなくオーサー推しというか、当然こちらに乗ってもらいたいという雰囲気もする参戦の過程が透けて見える。

別に、他にも武豊騎手の52で話題を集めること必至のパラスアテナがいて、ダービートレーナーの2騎も決して格下ではないという組み合わせ。

だから、ホープフルSのように…、となるわけだ。

宝塚記念の結果に関しては、結果的に、昨年とそっくりの結果であったというのもある。

因縁の矢作・堀対決は、年齢はずっと堀調教師が若いのに、キャリアはずっと堀師の方が上ということだけでなく、ドゥラメンテとリアルスティールの、これも対決構図としては微妙な力差のある組み合わせだったということでも、その技量の高さで売れ筋になるだけに、人間が勝手に盛り立ててしまうような要素に溢れたライバル関係を築きつつある。

こんなことは、他にもたくさん馬がいるわけで…、という感じで片付けられない今回の各々の立ち位置があるから、コントレイルのように無傷の馬には少し惹かれる。

まあ、サリオスだって、今も無敗でおかしくなかったわけだが…。

堀調教師が4頭目の重賞馬を送り出したのが、このラジオNIKKEI賞。

ニュージーランド産で斤量2kgもらいの52で、柴山雄一騎手を配して完勝したロックドゥカンブは、返す刀でセントライト記念も制し、菊花賞では堂々1番人気に推された。

厩舎最初の男馬による重賞制覇で、後にキンシャサノキセキで遅ればせながらの大活躍に繋げた南半球産馬の攻勢をかけるきっかけとなったのもこのレース。

兄が一応、京都2歳S勝ちのドレッドノータスというグレイトオーサーが、その兄がその京都で勝った時のように上の方を向きながら序盤は先行し、そのまま押し切った前走の内容に、ある種のシンパシーのようなものを感じ取れた。

ドレッドノータスも昨秋大いに復活して見せたが、ディアデラノビアの産駒は上を向くだけなら母似で済むが、どうにも気持ちが長続きしない傾向がある。

グレイトオーサーにかかる期待は、母も失敗したデビュー3連勝。
ロックドゥカンブでは成功している。

もっとローテはきついが、彼が近年唯一の前走2000Mの条件戦勝ちの連勝馬であったという点は強気になれる。

フローラSはともかく、若駒にとって、青葉賞→ダービーの連勝があまりにも過酷な試練であるように、たとえ、このゾーンにツボのある馬でも、2000以上は負けで挑み、巻き返す形が望ましい。

アンビシャスには、因縁のドゥラ・リアルに続く3着という共同通信杯の実績があった。
ここでは別格。

コントレイルが過酷な東京1800を屁でもないとしたような、次戦の好走をグレイトオーサーにも期待したい。
無理は承知の上。

ストロングリターンでは敗れ、期待に応えたロックやファイナルフォームの後の不発にどういう感慨を抱くかはさておき、フィエールマンやソングオブウインド、出世度合いで翌秋逆転のスクリーンヒーローを負かした先行型を狙うよりは、シンコウラブリイのような本格派への道を彼には開いてもらいたい。

だからこそ、速いパンサラッサやサクラトゥジュールの存在は、ここでは無視できないわけだ。

◎グレイトオーサー
○サクラトゥジュール
▲パンサラッサ
注パラスアテナ
△コスモインペリウム、ルリアン

 

レース予想

サマースプリントシリーズ 第56回 CBC賞(GⅢ)予想

読了までの目安時間:約 3分

 

九分九厘道悪、加えての阪神連続開催。
狙っていたイベリスの除外もあり、55.5は兄のインディチャンプが初の安田記念制覇で58克服と同じではないかと、勝手な理屈をつけて、少し渋馬場の実績には乏しいものの、底力で負かせないかということで、アウィルアウェイの重賞2勝目に期待する。

 

今や、オーストラリアにいつ行っても通用のトキオリアリティの一族だけに、国内に留まっての活躍に期待とは言えないわけだが、どうであれ、もう少し重賞勝利の実績は欲しい。

昨年の勝ち馬で今年も登場のレッドアンシェルも、道悪で健闘程度の実績しかなかったのに、道悪巧者のセイウンコウセイら実績馬をねじ伏せた不良馬場での結果も見逃せない要素。

 

勢いの方が大切…、とは言いながら、道悪の中京で完敗の前走はGⅠとはいえ、少し物足りないが、中京よりは連続開催の影響も加味して、時計が掛かる。

その面に大いなる死角を抱えるアウィルアウェイには、何とか味方につけたい条件だろう。

 

デビューから高松宮記念当日で30kgも増えた馬体は、元の差す形に戻して、成長したという結果に繋がったわけだが、この一族に、そうした傾向はない。

あのシルクロードSは、作戦上は有効だっただけで、川田騎手もそこまでは下げないはず。
斤量のこともある。

 

父ジャスタウェイが、この頃まではまだ勝ち切れないでいたのは、ハーツクライがそうであったことを受け継げばこそ、素晴らしい血の系譜と言えたわけだが、今はもう、2歳王者のサリオスが厳然と存在する状況。

晩年には前に行けて…、などと言って、6歳秋にブロードアピールのような追い込みで魅せる馬になっているはずもない。

牝馬の活躍馬が少ない一族。吉田勝己氏個人所有とはいえ、その後のことも考えて、そろそろ普通の差しでの結果が求められる。

試金石の一戦となる。
その手の変貌が望み薄のノーワンを、敢えて相手にする。

 

◎アウィルアウェイ
○ノーワン
▲エイシンデネブ
△クリノガウディー、ショウナンアンセム、レッドアンシェル、ロケット

 

レース予想

宝塚記念 2020 回顧 ~ フレッシュな状態でこそ末脚炸裂のバゴ産駒

読了までの目安時間:約 5分

 

昨年と同じように、一頭、別次元の馬がいたというレース。

直前の雨に全ての命運を委ねたクロノジェネシスと北村友一騎手に確信めいたものはあったはずだが、フレッシュな状態でこそ最も末脚炸裂のこのバゴ産駒の破壊力を、これ以上ない形で体現してしまうのであった。

まさに大楽勝である。

 

何と言っても、国内の台風被害では前代未聞の規模で9年前の震災並みの苦難を我々に与えた10月のあの週に行われたあのタフな秋華賞を完勝したのが、このクロノジェネシスであったわけで、その他沢山のGⅠ馬もいたが、道悪実績や秘める適性でそういう面々を上回ったモズベッロ、メイショウテンゲンの台頭により、改めて、キセキの道悪適性と驚くべきもう一つの引き出しを持っている天才・武豊の知的な戦略が有能であることも示されたのであった。

 

実に分かりやすい。

みんなで押して押してというような展開でファイトしたとて、簡単に勝てるようなレースではない。

筆者は、妙なマッチョ化で+4kgのワグネリアンに疑念を抱いたが、同時に、ほとんど野獣と化したサートゥルナーリアの力みも気になったし、ラッキーライラックは流れに乗りすぎてしまって、終いの脚の不安も1角手前で生じた。

道悪など一切経験のないサートゥルナーリアに出番なしは当然で、溜めは利かせたから掲示板に載ったわけだが、有馬とて、あの2着は全く古馬に歯が立たず、ワールドプレミアという世代のジョーカー的存在の一発着狙いの差しに危うく負けそうになったくらいの馬。

 

才能はあっても、ますます力強さだけが誇張されたような馬に、こうした器用さも特殊能力も、または勝負運を賭けるために必要なこれまでの運のなさも、ずっと格好のいい馬だったせいか、全てが味方にならなかった。

だから、あの雨が運命を分けたのである。

そこで降るか…。有馬記念も最近、変に好メンバーになりすぎて困ることあるが、宝塚記念に18頭で、まともな結末などあり得ない。

 

この結果とのバランスがおかしいくらいに、2000Mでも良馬場で正攻法では物足りないクロノジェネシスは、2戦目と4戦目の東京でキレにキレたところまではよかったが、春二冠の高速決着でどうにもならない壁のようなものが見えた3着を続けた。

雨が降れば京都記念での見せつけたヨーロピアンテーストの桁違いの道悪適性を示せる。

あの時は、みんなそろそろっと走ってのレースで大差とまではいかなかったが、リスグラシューがそうであったように、運を味方につけたクロノジェネシスは、その圧倒的な渋馬場適性で、道悪実績のあったGⅠ馬さえ粉砕。

 

これではゴールドシップやオルフェーヴルも負けてしまったのではないかというほど。

ディープインパクトともいい勝負であった可能性はある。

競馬場は違うが、実質同レベルの馬場でクロノジェネシスは2:13.5、これは不良馬場なのではと言われた京都のディープは2:13.0である。

序盤の流れは同等で競馬場の作りも考えたら…。コントレイルが異次元の走りを見せる年だからこそ、こういう無駄な妄想もしてみたくなる。

 

キセキはやらかしを逆手に取る方法を、ほぼ適距離のここで完璧にやりこなすようなユタカマジックがありながら、結果は昨年と同じ。

きっと、戦法が違うから同じ2着なのであって、半端な馬場もこの2200コースも合わないのだろう。

父がそうして、2年続けて負けている。

 

5歳勢は燃え尽きたような直線。

キセキの捲りが炸裂する最中、各々の抵抗の形はあったのだろうが、絶好調に見えたトーセンスーリヤは粘り込み、ラッキーライラックだけに同期では先着を許すも、距離適性まで踏まえたら、大健闘。

その他が不甲斐ない結果で、もしかすると、作り上げる過程にクロノジェネシスとは逆のメリハリの中3週作戦などが合っていることを示したと同時に、遥か格下に見えた4歳勢に、強い6歳もほぼ壊滅。

いやはや、もう秋から3歳世代の新時代がスタートの予感がする。

3歳がいない重賞のレース検討は、じっくりしないといけないだろう。

 

レース回顧

宝塚記念 2020 予想 ~ 5歳春のダービー馬、ここは背水の陣

読了までの目安時間:約 5分

 

サートゥルナーリアやグローリーヴェイズが、これまでいい結果を出してきた内枠からの競馬で、どういうポジショニングを狙っていくのかが見もの。

直線の弾け方では、時に有力牝馬の2頭をも凌駕する彼らが、この独特の雰囲気がある宝塚記念で、どんな競馬をするのか。

 

敢えて、こういう言い方をするのは、例えばメジロライアンであるとかメイショウドトウ、ずっとGⅠ級の馬たちから下に見られていたリスグラシューが、どうしてこの舞台であれだけ強烈な脚を使って抜け出したのか、ということを突き詰めていけば、彼らのそういうこれまでのパフォーマンスとここで求められる才能との相違点が明らかに存在するからなのだ。

 

速い上がりが必要とされない、日本の主要競走の中で最も1角まで距離が取れるコース形態。

メジロライアンはこれに当てはまらない京都でのマックイーン討ちだったとはいえ、秋の京都新聞杯におけるパフォーマンスから、自分の競馬に持ち込めればきっと勝てるという確信があった早め抜け出しであった。

そういうことにヒントを求めていくと、案外、有力であればあるほど、豪華メンバーの宝塚記念でまた多頭数だから、違う可能性を求めていった方がいいのではというスタンスになっていくのである。

 

能書きはこの辺にして、能書きを更に上重ね。

そうは言いながら、根幹距離でこそ、総合力勝負でこそと思っていたワグネリアンから入るというのは、何だかおかしい。

しかし、振り返れば振り返るほど、この馬はキレキレでもなければ、そこまで器用でもないことが、ちょい負けの積み重ねに繋がったとすれば、参戦したレースの距離は、陣営の当初の見立て通りにフィットしているわけで、5歳春のダービー馬、ここは背水の陣である。

陣営にも騎手にも思い入れのある血統馬であるワグネリアンは、計画通りに細マッチョ化に成功するも、見合った結果はまだ出せず。

 

ただ、ここで相手関係の優位性が出てくる。

外から来たら普通の馬くらいの脚しか使えないライアンやドトウのようなタイプこそが、牝馬2頭に右回り巧者のようなところがある前記2頭に共通するキャラなのではないか。

大阪杯のゴールポストをいちいち動かしたような宝塚記念は、大阪杯が一本立ちしたGⅠになった瞬間、GⅡ時代にあった繋がりがほとんど途切れてしまった。

目標が宝塚記念でなくなった時から、ここで結果を出さなければならない馬によりチャンスが生まれるGⅠへと変貌したのだ。

 

ゴールドシップが連覇できたのも、序盤から行き脚がつかない馬にはあまりにも有利な助走の時間が与えられるから。

似た形態の札幌記念での幻の復活Vを逃した正攻法の抜け出しは、確かに落鉄も序盤の行きたがった素振りもあったが、正直、全開でいける状態にまでは作っていなかったはず。

次走秋の天皇賞のワグネリアンは、3歳秋緒戦の神戸新聞杯に+10kgで出てきた時と同じくらいの目方で、二桁減の462kgだった。

 

スタートは良かったのに、周りが思ったより速くて、内に押し込まれてしまい…。

筆者はやや呆れたように、今年の大阪杯での情けない負け方に失望したものだが、ダービーもJCもガッツは誰にも負けていなかった。

苦しい場面でこそ、ディープインパクト×キングカメハメハ×ブロードアピールの底力が発揮される。

小柄な差し馬ではなくなったワグネリアンは、ダービーの恩返しと言わずとも、あの時とは全く違う心持ちで競馬に臨み、今までにない凄味を見せる福永騎手と共に、あの時の自分を取り戻してくれると信じたい。

何なら行ってしまえ。前走の福永騎手にはそういう気概があった。

相手が潰しに来た時こそ、本気を出せる馬であると証明できれば、ようやくあのダービーがフロックでないことを皆に知らしめることができる。

 

ダービーでふんだんに勝者からイジメ抜かれたブラストワンピースも、勝つか負けるかの極端なパターンばかりだが、こちらも序盤で自分を主張できないから位置取りが悪くなって負けるタイプの馬。

大外枠とは言え、ゆったり進めればグランプリホースの底力はいくらでも発揮できる。

似た者同士の5歳の牡馬に再びの脚光を浴びてもらいたい。

この世代、この宝塚記念を制すれば、国内の芝主要タイトルはコンプリートとなる。

3歳まではアーモンドアイ以外も皆頑張っていた。その流れが、モズスーパーフレアの幸運の勝利から、戻りつつある。

 

◎ワグネリアン

○ブラストワンピース

▲ラッキーライラック

注クロノジェネシス

△サートゥルナーリア、トーセンスーリア、レッドジェニアル、モズベッロ

 

レース予想

アハルテケS 2020 回顧 ~ ロスのない競馬でラチ沿いを伸びてきたアシャカトブ

読了までの目安時間:約 3分

 

直前の3時台のレースが全てぶっ飛んだ決着だったのに対し、出なさ過ぎのレピアーウィットと気持ちよく出過ぎて望来騎手のキャリアでは引き出しにないような逃げになったのが裏目のトゥザクラウンということで、ここでもおかしなことが起きそうな予感はあったのだが…。

 

素晴らしいロスのない競馬で直線はラチ沿いを真っ直ぐ伸びてきたのがアシャカトブ。

東京でも中山では走る馬だったが、武藤騎手ではないことと、久々の東京のマイル戦というのがどう出るかわからなかったが、そこは戸崎騎手であり、前々走マーチSで4着の馬。

手応えよく抜け出しにかかったバレッティのゴール前逆噴射走法の隙をついて、鮮やかに競り落として見せた。

ところが、よりにもよって戸崎騎手に嫌な思い出のあるラチ沿いで、ゴール直後に鞍上を振り落としてしまい、終いには我を失ったようにラチを飛び越えようとして失敗し…。

 

あまりにも悲運であったのは、2着のバレッティも同じだったか。

こうなると理解した上で、これ以上待てないところから動き出したにもかかわらず、全然抜け出そうとしない。

前走は前を追いかけていって、最後は後ろ馬に追い詰められていた。

走破タイムは前走と同じだったが、馬場が違う。

去勢されて久しい彼だが、どうも6歳春にして、短距離適性が芽生えてきたのかもしれない。

 

休み明けのゴルトマイスター、改めての東京戦で復活気配のデアフルーグは、総合力の中距離型として台頭だが、12-12のラップの通りゴール前まで来た展開で、マイルベストの印象はなかった。

デアフルーグもスピードがあるのかないのかよくわからないが、マイル以下で時計勝負は向かないのは分かった。

コズミックフォースは、今度は1800で強気に行きたい。

しかしながら、レピアーウィットの自滅の影響がレースの質を大きく変えてしまったことは否めない。

 

レース回顧

アハルテケS 2020 予想【トゥザクラウン】テン乗り優遇・前走はノーカウント

読了までの目安時間:約 3分

 

春のグランプリを翌日に控え、その約24時間前に行われるアハルテケSは、今年も渋った馬場で高速決着が予想される。

で、何か逃げるのかと色々探っていったわけだが、スマハマってそんなにいいペースを作るタイプなのか、ゴルトマイスターは今後の事を考えて、休み明けからいきなり先行する手はないなと思っていると、若い頃からよく知っているトゥザクラウンはいるではないかと気が付いた。

 

ここ2走は、恐ろしく惨めな結果でさぞかし陣営もしょげていることだろうと思っていたのだが、前走の初ダート、その前の珍しく休み明けからまともに走った後の中1週とすれば、何か色々とズレての結果と見ることができた。

新馬で大惨敗を喫し、3歳秋の阪神で未勝利勝ちしたような馬の事。

トゥザヴィクトリーがそうであったように、トゥザクラウンの兄たちもまた、前走ノーカウントというような快走を何度も見せている。

あまりにも負け過ぎではあるが、6歳馬なのだからとして、マイル3勝の実績にここは肖るとしよう。

 

問題は岩田望来騎手との相性。

ところがこのエキセントリックなトゥザヴィクトリー兄弟の血の影響か、この馬、乗り替わりでばかり勝利し、初勝利から福永騎手とこの東京芝1400で圧勝するまで4度までもがテン乗りでの勝利。

ダートに変わってその流れまで受け継がれるとは言い難いが、毎度違う馬になって見せるカメレオン的性質が見て取れる。

 

ただ、それでも5勝するには根拠があって、未勝利脱出時以外は、全部13頭以下の競馬。

一応、叩き2戦目で少頭数なら…、というこれまでの好走条件は揃っている。

単純に頭からという馬ではないから、レピアーウィットやサンチェサピーク、ダートオープンの古株らも押さえる。

 

◎トゥザクラウン

○ゴルトマイスター

▲レピアーウィット

△サンチェサピーク、スマハマ、デアフルーグ、ハットラブ

 

東京JSはトラスト断然も、同じく2歳時から重賞にも顔を出していたケイティクレバー、フォワードカフェの先行力も侮れない。

なかなかの好カードだ。

 

レース予想

1 2 3 57