血統予想・コラム

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東京優駿(日本ダービー) 回顧

読了までの目安時間:約 5分

 

衝撃の走りのリオンリオン。

衝撃の逃げこみのロジャーバローズ。

今回は完璧なエスコートとなった戸崎騎手のダノンキングリー。

時計が出ることが分かっているだけではなく、レコード間違いなしの先行勢の存在があった。

積極的に位置を取れたグループに対し、じり脚のヴェロックスに最後は差し切られたサートゥルナーリア。

過酷なダービーは、3強ダービーを崩す昭和の時代によく出現した、謎の刺客・ロジャーバローズだった。

正攻法で戦うことが見えていたはずの皐月賞1、2着馬は、結局、全くうまくレースできなかったサートゥルナーリアも、考えて動きやすい中団位置をとったヴェロックスという感じで、ハイペースの凌ぎ方に傾注したということでは、間違いはなかったはず。

しかしだ…。

あの福永祐一を勝負の鬼にさせたのが、この日本が誇るダービー・東京優駿という舞台なのである。

今年のそれは、当然、昨年以上の着順を目指した戸崎圭太がその対象だった。

しかし、勝負すべき相手が後ろにいるというつもりで万全のコース取りと仕掛けであった今回、それでも敵わない何かがあったのだとすれば…。

前回の京都新聞杯で、イメージにはなかった高速決着への可能性を見出していたロジャーバローズは、3歳春に2:23.6、秋には前年の三冠馬・オルフェーヴルの心を折って2:23.1で、それぞれ東京2400Mを快勝したジェンティルドンナの近親にあたる。

当然レコードが出る馬場だから、この2:22.6に何も疑問はない。

しかし、父が走れたか、従姉弟が走れたか、今や2000M以上のレコードタイプにはつきもののヌレイエフの血を持つ馬だからといって、この時計で乗り切れたかと言われれば…。

レースは生き物だが、逃げるしかないと思ったロジャーバローズとリオンリオンが、自分の理想とする位置をとったのだから、それを自ら潰しに行かないと勝てないのだ。

どんなレースでも、可能性のある馬に有利に、そして、うまくいきすぎた馬が、勝つべきレースと皆思う前のレースで完璧だと、勝手に崩れることがある。

あの皐月賞があるから、距離が本質的に延長する舞台に適性があるヴェロックスは、きっとここまでの高速レースは得意ではないけれども、本質ではもっと楽に中距離戦をねじ伏せて勝ちたいタイプだったから、全てがうまく行かなかった今回は、見せ場を作るまでに止まるようにして、今度は競り負けた。

バテたのだ。

ここまでくると、ルメールでもうまく行かなかったと思える。

あのゴール前。

絶叫したファンは実に多かったはずだが、実は、ダノンキングリーが相手を外に求めた時に、勝負は決していたのかもしれない。

さすがに筆者もダノンが勝つと思って見ていたが、時には、番狂わせというのが大一番でこそ起きるというもの。

浜中俊という騎手の紆余曲折をみんなで見てきて、一喜一憂することも、GⅠでこそという立場にならなければいけなかった現状、まるで重賞でも縁のなかった姿に、皆が歯がゆさを覚えていた。

が、前回ロジャーバローズに乗った時の彼は、実に気を見るに敏の的確な先行策をとり、素晴らしい結果を残していた。

今回もまたインに拘った戸崎騎手も然り。

うまくはいかなかったけれども、次なる大舞台でこそ、この若馬のために全力のエスコートをしようではないか。

思い起こすことで生まれる、新時代のダービー終了後の嗜みから、筆者が感じたものはこうである。

「時計が速いと競馬は普通になる」

今までは人気馬に有利なファクターだったが、もっとタフな馬場のダービーでは、こういう信じられない馬の激走が何度もあった。

邪魔な馬が昔は多かったが、今は、時計への不安が騎手の障壁となる。

浜中、戸崎両騎手には、そういう先入観がなかった。

時計勝負だからこそ、前に行った方がいい。

昨年の秋に、それを学習したはずの多くのファンは、関係者同様、時計の魔物に立ち向かっていかねばならなくなった。

安田記念はどんなレースになってしまうのか。

あれほどの名馬が戦うのに、異常な時計が出過ぎてしまうと、やはり、少々興ざめしてしまうのも間違いない。

それだけは残念である。

 

レース回顧

葵S -回顧-

読了までの目安時間:約 2分

 

一段後ろの位置からの追走になったが、滅多なことでは速くならない京都のスプリント戦。

揉まれず勝負所を乗り切り、重賞実績馬の追撃を凌ぎ切ったディアンドルは、時計面の不安もなんのその。

正攻法の抜け出しで、まだ余裕を残した今までの競馬を再現した。

見た目以上の快勝だった。

新馬戦はGⅠでも好走したファンタジストの2着であり、以降は毎度のようにその時一番いい騎手に乗ってもらっていたディアンドル。

牝馬らしいフォルムというより、完成度はともかく、490kgの馬体重が示すような、パワー優先型のトップスプリンターになりそうな雰囲気だ。

前走の阪神では、5戦続けての初騎乗者となったルメール騎手が、強気でモレイラ、マーフィーが勝ち切った内容を微修正するが如く、仕掛けをワンタイミング遅らせてからの競馬で、結果はこれまでと同じくらいの楽勝であった。

藤岡佑介騎手とすれば、先行を絶対としないだけでも、スプリント戦のアドヴァンテージになることくらい理解できるレベルのキャリアもあるし、何より、オープン実績に対する信頼度が揺るがなければ、全く怖くない相手だと考えていたのかもしれない。

結局、5連勝目も完勝だった。

血統図で見られる種牡馬の現役時代を思えば、こんな馬に育つと考えづらいが、いずれも古馬になって強くなった馬。

それでも、祖母シェーンクライトが超早熟型の単調な馬だったから、2代経ることでそれぞれの血のバランスが取れて、こういうパフォーマンスができる馬になったように思う。

それにジャイアンツコーズウェイと人気のジャスタウェイが続いた競馬。

1分8秒台は平凡も、ロードカナロアがそうであったように、今から能力全開ではない成長力のある血統というのは、各馬にとっては是非とも味方につけたいバックボーンであろう。

 

レース回顧

東京優駿(日本ダービー)予想

読了までの目安時間:約 6分

 

サートゥルナーリアとダノンキングリーは、血統で共通するポイントが多数重なり合っている。

・レイズアネイティヴ<ミスタープロスペクター>
・サンデーサイレンス
・ストームキャット
・ノーザンダンサー5×4

相違点として、対照的なものを挙げるならば、

ヌレイエフ<父父父母父>、サドラーズウェルズ<母母父>

ヌレイエフの甥がサドラーズウェルズ

→サートゥルナーリアが持つ重要種牡馬

インテント系オナーアンドグローリー<母母父>、そのリファールが6代目<母母父母父父>にも入っている

3代母ロヴィンタッチはトウショウボーイと酷似した特性があり、その血統構成がマジェスティックプリンス×フリートナスルーラだから、ミスタープロスペクターとも大きく異なる配合ではない

→ダノンキングリーの母系の特性

サートゥルナーリアは無敗馬。

前年から2000M以上のレースを勝ち続けて、負け知らずでダービー馬になったのは、1800デビューから皐月賞まで2000Mを連戦連勝のトウカイテイオーと、2000Mしかキャリアのなかった4戦馬・ディープインパクトくらいしかいない。

この2頭。重賞は皐月賞まで未経験か直前に経験しただけ。

それでも皐月賞で人気になったから、ダービーはほぼオートマチックな二冠制覇の流れができていた。

ヴィクトワールピサもその前年のロジユニヴァースも、皐月賞の結果は、ダービーとは違った。

最近では、レイデオロもワンアンドオンリーも、皐月賞は勝っていない。

おまけに、サドラーズウェルズの入った馬の連対は、皐月賞以上に難しいのがこのダービー。

負けるとしたら…。

ハイセイコー、キタノカチドキ、トウショウボーイ、それに前記のヴィクトワールピサが、ほぼ順調に皐月賞まで通過しながら、ダービーで油揚げならぬ、競馬界におけるステータスをさらわれてきた歴史。

力だけで決して決まらないというより、若馬に2000M以上の連続好走がいかに過酷か、青葉賞組の無念とも繋がるものがある。

スペシャルウィークというかディープになるか、シンボリクリスエスとその仔にして兄にあたるエピファネイアとなるか。

決して、簡単なトライではない。

ダノンキングリーには、本当は距離は長いと思う。

それはしかし、近年の勝ち馬に共通すること。

2000Mのタイトルに縁のあるダービー馬が多い一方、ステイヤー型のダービー馬は、その昔からほとんどいない。

クリフジだって、本当は中距離馬だろう。

彼の血統構成を再びほじくり返してみたのだが、どうも、ダービー3着のトーセンホマレボシに似ているように思う。

ノーザンテーストかストームキャットかの違いは、決定的にして、本質から別物だとは思う。

が、ミスプロに似た血が母方にあるとして話を進めると、セクレタリアトにインリアリティ、ノーザンテーストとストームバードはテディ系のチョップチョップというあまり著名ではない種牡馬が入り、ここまで共通。

最近重要度を増している、隠れたところにあるネイティヴダンサーのクロスまで同じだから、同血ではないにしても、似た傾向を同じ時期であれば、示す可能性は大いにある。

トーセンホマレボシはダービー直前の京都新聞杯で爆発的なナショナルレコード勝ち。

勝ち馬のディープブリランテとほぼ同じ競馬をするも、上がり目が違った。

そのディープブリランテは1800で強く、東スポ杯は独走だった。

相手関係に違いがあっても、ほぼほぼ親族同士の争いである以上、必ず似た面が出てくる。

東京の新馬で前に行って勝っているダノンキングリーが、皐月賞で前に行ったのも理解できる。

器用さは彼らに似ている。その上で決め手は上位。

あと、レコード近辺の決着が見込まれる今回、オークスに至るまでのレースでレコード勝ちした馬とオークス以降の4つの3歳GⅠのレコードタイム保持者は、ヌレイエフのあるなしでキレイに振り分けられていることも触れておく。

長いところではヌレイエフ絶対主義。

東京の古馬戦も、ヌレイエフインが中距離戦では強い。

ただ、皐月賞と今年の桜花賞は、ディープの仔でボールドルーラー系が肌、という点が共通。

先週はいいところ全部持ちのラヴズオンリーユーが記録を出したが、今や、キングマンボかそれと血統構成上酷似した血を持つ馬に時計勝負で挑むには、アメリカンなパワフルさが必要なのではないだろうか。

目方も見た目も、ラヴズオンリーユーとダノンキングリーは似ている。

同じ配合だからと言って、ここまで似ることはないが、ボトムが違うから、傾向とは違ってそっくりなのかもしれない。

時計勝負で見劣ることはない。

◎ダノンキングリー
○サートゥルナーリア
▲クラージュゲリエ
注ヴェロックス
△ロジャーバローズ、アドマイヤジャスタ、ランフォザローゼス、リオンリオン

 

レース予想