ローズステークス2025 予想 - 出走予定馬の血統/成績/タイム
何故か、普通のレースがうまくできない癖馬を戻ってきたあの男が御す
タガノアビーの血統
佐賀のJBCスプリントを昨年制したタガノビューティー、NHKマイルCで大穴をあけたブルグの兄弟に、タガノアビーの母タイリンがいるのだが、そうしたどちらに振れるかやってみないとわからない<生まれてきて、どう育って、どういう成長を見せるかで適性が決まるタイプ>スペシャルウィーク×ウッドマンという組み合わせの母母スペシャルディナーに、アニマルキングダム×アイルハヴアナザーのケンタッキーダービーコネクションで、一度はダートに振れたようで、このタガノアビーは、大柄だからなのか、序盤からの立ち上がりが不安定で、芝の長めの距離でも結果を出したから…。
変わり種の直系を形成するブラジル産の芝のトップホースとなったルロワデザニモーと、ドイツ系統の証であるアカテナンゴを父に持つダリシアの組み合わせとなったアニマルキングダムは、ケンタッキーダービーを勝った後、父と同じようにBCマイルで2着になって、翌年には、オールウェザー時代のドバイワールドCを快勝している。
前の前の年が、あの震災の年のヴィクトワールピサとダート王のトランセンドで決まった、歴史的な一戦となったレース。
オールウェザーブームが北米でも下火となり、欧州圏で残るという皮肉な結果となったように、アニマルキングダムの種牡馬成績も、カフェファラオの姉にあたるリーガルグローリー以外<北米芝のマイルで活躍>は、これといって大物は出ていなかったが、晩年の日本産馬の中から、大物が…。
元より、早熟のアラジから晩成の鑑であるレインボウクエスト→サクラローレルまで登場する、パワフルモンスターのホームランバッタータイプが多いブラッシンググルーム系の特性が出ている。
兄弟でも振れ幅が大きい系統だけに、タガノアビーの個性にだけ着目するのが正解のように思う。
不器用なレースを繰り返すあたり、やはりな…、と思わせるところがある。
オークスで示した距離適性や小倉の未勝利戦を勝った時のイメージで乗ったと思われる、盟友から実質的な代打騎乗を託された格好の前走。
ただ、かなり荒れ馬場になる小倉の冬開催で、例によって、渋った馬場で未勝利を脱した際は、自身上がり最速とはいえ、メンバー中で35.8秒が最高だったという記録に過ぎず、レース自体の上がりは、36秒台を優に超えるもの。
夏の中京は前年もそうだったが、今年も超高速で、スローで展開することになった長久手特別<2勝クラス、距離は2000M>は、上がりの記録が全て11秒中盤以上の3F連続だから、差し馬にそもそも厳しい流れに輪をかけて、上位入線組で唯一33秒台を記録しながら、終始、厳しい追撃を強いられるような展開。
荒れ馬場の有馬記念を制したサクラローレルが、前後する高速馬場の春秋天皇賞で、思われたよりも、苦戦を強いられたことが思い出される。
高速の展開を好む、いかにも快速ナスルーラ系の末裔らしい姿を見せる馬は、だいたい、前進気勢が極めて旺盛。
一転、この馬はゲートの駐立が悪いというよりも、騎手が出すことをそもそも諦めて、わざと出していないのではないかというほど、序盤は遅れてしまう。
イン強襲はオークスでも見られたが、押し並べて、
仕掛けのタイミングを常に計りながら、
パワーがある事だけは確かな
血統背景というものも利するように、
ここまでは極めて前掛かりの展開を経験することもないからか、
一塊の馬群を最短距離の進路でゴールを目指す形で、
それを続けている印象。
そうせざるを得ないと同時に、その中で、仕掛けるまでのリズムというものを重視すると、直線勝負に自然となるようなポジションにしか、いつもいられないというのは、特異な個性の持ち主とするより他ない。
それでも走る、結果を残すのだから、大したもの。
ローズステークス2025 予想 - レース展開と最終予想
連闘の1勝クラスは豪快な追い込みだが、楽をさせるだけさせた上で、ゴール前は流す余裕。
牝馬限定の2200戦など、ほとんど需要はないものの、それだけ勝算があったのであろう。
連闘を敢行するきっかけとなったフローラSは、スローではなかったが、フルゲートで、馬は初の関東遠征。
内枠でもっと内にもたれたスタートも如何ともしがたいものはあるが、最も口惜しいのが、結果、3着になったタイセイプランセスに寄られ、とても大事な、追い込みタイプだけに細心の注意を図って追い出されるべき場面で進路を少し奪われた直線のシーン。
猛然と追い上げるタガノアビーと一緒の上がり脚を使ったタイセイプランセスは、エネルジコのセントポーリア賞のような外への再移動で、この2頭は特によく動いていた印象も、ブレーキのかけ方とキャラの影響もあって、しっかりと仕掛けることもままならぬ状態でゴール。
怒りと共に、手応えがオープン級のものであると、相互理解の下、元より怪しい気性で体重の増減が極めて小さい、繊細な馬ばかりの3歳の牝馬と思えない図太い神経というよりも、明らかに真剣味に欠けたレースへの集中度合いを逆手にとった作戦で、ひと月で特別戦3走という狂気じみた勇気ある挑戦を成功させ方のではあるが…。
オークスというよりも、前走の内容も含め、小倉1800の未勝利戦に対し、約63秒半の矢車賞の序盤の流れで2200Mではキレキレだったが、案外、このワンターンの1800戦でフルスロットルエンジンで爆発的な瞬発力を発揮しそうな予感がしたほど、案外、相手がそこまで強くなかったことで、末脚が目立ったようで、タガノアビーの適性ではわずかに外れた所で好走したまでのことにも思えた。
盟友のリレー。
同期である川田騎手との絆が、近年で最も目立つ関係性となっている藤岡佑介騎手は、恐らく、皆が想像したとおり、弟の康太騎手が事故で亡くなったこともあり、初期の予定よりはかなり遅れた挑戦でも、機を見た、調教師試験の一次を受験する関係で、騎乗を控えていたものとみられる。
札幌開催の前半までは元気に乗っていたわけだから、まず、それは間違いないし、川田騎手の言葉の端々から、佑介騎手の現状のスタンスに関する情報は、小出しにされてきたということも多くのファンが認知している。
彼は、本来はそうしたことに自身の適性などを含め、競馬界での仕事をする中で、管理業務と人間関係の両立が求められる調教師という役目を、どこか天職のように思っている振る舞いが見られたが、当然、試験合格がゴールではない。
もしかすると、情報が漏れていないだけで、昨年も挑んでいたのだとすれば、8月からの試験準備ということでは、合点がいくところもある。
早いに越したことはないが、軽く100勝を超えているのに一発合格の福永祐一騎手→調教師のスムーズ過ぎる、いわば出来過ぎの流れは異例すぎるから、40代に入った頃から…、という流れなので、今のJRA騎手でかつG1ジョッキーであるならば、順当なステップであるとも思える。
いずれ、本人の口から語られるものであるが、一次で落ちたら、表には出てこない。
一次を合格しても、この手の報道は自主規制にも等しいものがあるから、二次を受ける寸前で情報が漏れ出てくるくらい。
そのスタンスは決して間違っていないが、JRAが正式に発表せずとも、二次で落ちるのは少々色々なことで問題が…、というギリギリラインの人だけであり、一次の難関となる大勝負が重要なのだから、制約の多い生活を送り続ける騎手出身者ならば、ということでも、報道は自由でも、藤岡佑介騎手がいずれ合格することはほぼ間違いないのだから、それを早めに語るという先駆者的な存在になってもらいとは思う。
自分のことだけ話せばいいのだから、他の受験者の話などすることもないのだし、ここは一考の余地がある。
是非、ベタ記事にも載せてほしいという意思が、やや閉鎖的な産業構造の中で、蟻の一穴ぐらいになるのではないかと思うのだが…。
悪いことだけ、機を見ては、ずる賢く報道するのではなく、またおもねるばかりでもなく、吉報を伝えることに、確定的ではないにせよ、無機質なものでも騎手出身者に関し、一部開示するのは本質的に間違いではないとは思うのだが…。
無論、想像の域を出ないのだから、荒唐無稽とはまでいかないにしても、12月くらいまでサクラサクの報せを待つのが正攻法なのだが、まぐれで一次試験を通ることは絶対ないことだけは強調しておく。
矢作調教師のような主催者から嫌われている試験者ぐらいしか、落とされてはいないはずだ。
それを今立てるJRAには、少し興ざめではあるが、積み上げられた圧倒的な実績、その数字は、偏った感情よりもずっと正直に本質を表している。
期待の藤岡佑介調教師<ご尊父のキャリアが終わりに近づいていることへの意識が一番であることに変化はないはずが、期せずして、状況が一変するのが常という世界ではある>はそこまでがめつくはないだろうが、今や、尊敬する存在であろう四位調教師の次に信頼を深める、スーパーホーネット<G1馬を何度も破った名脇役>の頃から続く関係性は、騎手生活の最後まで変わらないのだろう。
順調に行ってしまった場合の心残りは、あのキングスコールの完成形を騎手として作れないことか。
技術調教師として、世界中に用事のある矢作厩舎に一員になることも現実的だが、転職という一点で、四位騎手から調教師になった過程に触れ、また、その厩舎が勢いづく功労者にもなったことは、依頼の数からも、答えは明快である。
入れ替わりになるわけではない健一師について回ることもないだろうが、期待のホープである高杉騎手の面倒は見ないといけないだろう。
最後の秋になるとは限らないが、盟友が、いい馬を供給してくれることを誰よりも望んで、主戦としての立ち位置を何としても確立したいと、ほとんどネタの様に毎度語っているからこそ、怪我の多かった騎手生活の最後、いい馬を沢山委ねられてきた経験を、早速、活かしていけそうな状況であろう。
今回の相棒はキレ馬だが、使える脚は短いのに、小回りだと注文が多い。
積極性が身上の藤岡兄弟が、永遠の解散をした後、今まで以上に差し馬タイプの依頼が増えているからこそ、ここがスイートスポットだった時、盟友が乗る、オークスで乗り損ねたカムニャックの対抗馬一番手に上ることであろう。
良きライバルのまま、最高のラストにしたいが、受かっているのかはまだわからない。
でも、ここは勝ち切って、前祝いにしたいだろう。
まあ、土曜のジューンテイクでも構わないのだが…。<これも本命の予定>