血統予想・コラム

JUST競馬予想ブログ

東京優駿 -回顧-

読了までの目安時間:約 4分

 

これなら、皆納得であろう。
普通にやっても勝てる。それが才能のある馬の競馬であり、自分でレースを作る力がある馬の強みである。仕方ない。
想像を超えるようなレース内容ではないが、父をそして世界制覇に届かなかったディープの駆けた時計を僅かに超えた2:23.2で走りきったのでは、まさに向かうところ敵なし。
彼らが自らで時計を出したのと比べ、この日のドゥラメンテは、正攻法の外差しで、ミルコと息ぴったり。
余裕があったので、ミルコはこの勝利に感極まる瞬間を帰り道のウイニングランで見せることができて、それにファンもよかったと声を上げるのだった。宝塚に行っても…、やめておこう。

何となく、横山ペースで進みそうな予感はしていたが、結果ミュゼエイリアンを駆った横山典弘には、勝負をより高いレベルのものにしようとする、ベテランジョッキー独特の気概があったのではないだろうか。2週前のレースのそれと同じように。

褒めるべきは、そんな当たり前のことを当たり前にした人馬より、急遽のコンビで急成長を証明したサトノラーゼンと岩田騎手だろう。
4角手前から外に張って、直線目一杯勝負を挑んで、坂の手前では突き放されてしまったが、同冠号のクランの猛追を凌ぎ切ったわけだから、大したものだ。
鞍上は語ったという。十分楽しめた。
2着で使う言葉ではないだろうが、してやったり、ベストバウトである。陣営の気運もこれで高まるはずだ。いい正月がやってくる。

同厩だから、心中複雑な部分もあるサトノクラウンは、普通のレースになればもっと際どかったと思うのだが、才能の差は歴然だったとも言わざるを得ない。その後ろに構えたリアルスティールも然り。
こちらは、皐月賞の二の舞だけは…、という一発逆転の追撃策をとったのだが、お互いが万が一とも限らない、確信に近いドゥラメンテの自滅に懸けた消極策に止まった。
ダービーでは特に、勝ち馬とその他17頭との明暗は恐ろしくはっきり結果に現れる。でも、実績やプライド、内に入れると最近よく詰まる傾向から、致し方なしと思うしかない。
余計なことを考えず、休むのみだ。頭の方も。

ホットなダービーで反映される未来予想の確信。
掛かる馬が菊に行くべきか、掛かる馬が揉まれる凱旋門賞に行くべきか。
前述の通り、ドゥラメンテは今回相手を見る余裕を持って二冠馬に輝いている。だから、勝ち時計からも最強のダービー馬である。
しかし、懸念材料を国内戦の中で消化しきれないと行きたくないとする日本の競馬界の常識が取り払われたなら、それはロンシャンに絞って…、でもいいような気もする。
堀調教師にも、もっと高みを望んでもらいたい。拍子抜けするほど簡単なダービーにした功績は、言わずもがな騎手と調教師の腕であることは、明白なのである。あともう少しの勇気だけは、馬から与えてもらえばいい。

参考:日本ダービー予想 特集ページ

 

レース回顧

目黒記念 -予想-

読了までの目安時間:約 2分

 

目黒記念が特殊なカテゴリーのレースのせいだからなのか、どの馬を推すにせよ、自信満々とまではいかないのは、大半のファンの本音であろう。
前走で格好のつく競馬をしている近年の覇者を無視したくはないのだが、斤量以外の部分でも怖さはある。

休み明けは大丈夫そうだけど、ディープの7歳騸馬を推すことにもちょっと怖気づいてしまった。
情けないが、好調そうなことは間違いないレコンダイトから入ろうと思う。

実績の割に、55と少し見込まれた分だけの魅力はある。
サンテミリオンの下で、姉が活躍していた頃生まれたのがこの馬。ハーツクライ産駒で、ダービー2着馬を父に持つ共通点。
何故か、デビュー時から体重は増えることなく、無理した時だけ減った分を取り戻すというここまでの過程で、前々走二桁体重増の少し前から戦績も高水準で安定し、それが2000M以上の距離でのものなら買いのサインだろう。
ミラクルミルコの2連発に期待するのは、いくらなんでもおめでたい妄想だが、父の産駒は大体想像以上の仕事をするときだけ重賞で走る。狙い目だ。

京都の高速決着となった2400M戦で勝っているアドマイヤスピカ、トウシンモンステラや今年広い馬場で勝っているステラウインドやダービーフィズを厚めに押さえる。

 

レース予想

東京優駿 -予想-

読了までの目安時間:約 4分

 

今年は、悲運の血筋をもつ候補が多い。
ポルトフィーノは、3歳GⅠを不運の連続で全回避した上に、初のそして最後のGⅠ出走をまさかの落馬でチャンスを無駄にしてしまった。
その女王杯。途中からカラ馬になったにもかかわらず走る意思だけは持ち続け、ついにはリトルアマポーラに影をも踏ませぬ走りで振り切った切ない映像が、今でもファンの脳裏には深く刻み込まれている。
何してんだか…。
縁あって、2番仔のポルトドートウィユは、ダービー出走に漕ぎつけた。ギリギリでも何でもいい。
勝利の可能性をまず生み出したことが、何よりも意味がある。

死と身近な場所にいる良血馬の宿命。
怪我で済めば、あとはなんとかなる。レーヴミストラルがダービーに求めるものは、まず走らせてもらうことだったろう。
調教師にとっても正真正銘のラストチャレンジなわけだが、そんな背景を知っているからか、何としてでもモノにしようという執念という程のものは、表には出していないように思う。慎重に、大切に…。
馬自身は知らないだろうが、知らなくても何かを感じる部分はあるかもしれない。
程よく心配するからこそ、危ない丸太の一本橋も案外安全に渡れるのである。いい準備ができたようにみえる。

GⅠは勝っているものの、クラシックではことごとくライバルの後塵を拝してきたアドマイヤグルーヴ。
最初と最後は勝てた馬だが、真ん中の大切な場面では、気難しさも災いして敗北を重ねていった。
本当はもっとたくさん勝っていても…。
いとこのポルトの話は十分したから、日本最高レベルの名牝系を形成しているドゥラメンテのバックボーンについて、今更掘り下げる必要はないだろう。
一つ、祖母エアグルーヴが内に秘めていた狂気は、サンデーサイレンスの血を受けたからより強く継承されるわけではないということ。
それはおじのルーラーシップを見ていれば、よくわかる話だ。

ここまで何を言いたかったのかというと、騎手や調教師の夢の舞台であることは言うまでもないこのレースは、当然のことながら、血の隆盛を世に知らしめる最高の舞台であるのもまた確かなのだ。
凄味を足されることで、ここに挙げた3頭だけではなく、サトノクラウンやキタサンブラックなど少々渋めの血統の馬が、皐月賞という重要なステップレースを踏んだ後、無事ダービーに挑むことができた。
このただひとつのタイトルのために、残りの人生を棒に振ってもいいとさえ思わせるのがダービー。

余力がある馬の方が有利に決まっている。
ここまで二冠馬が相当数誕生してはいるが、そのほとんどは時計か着差で皐月賞終了時点での決定的な力差を示してきた。
わがままなヴィクトリーロードを疾走したドゥラメンテに、圧勝という要素も加わった皐月賞の内容から、本質的に得意な戦法ではないのに、結果を残せた強みもあるはず。
また同じ乗り方になるかはわからないが、逃げたりしなければ二冠濃厚とするのが、常識的な見解だ。
誰にも分からない彼の本質なのだが、ダービーというフィルターが不合格者と除外するシーンは、予想できない敗因にしか根拠を求めることはできないだろう。
2分を切れなかった時代の皐月賞を好時計で走った時点で、もう次も答えが見えているとされた定説を、高速化も久しい今引き合いに出しても問題ないように思う。軸、頭不動のスタンスでいく。

縁に恵まれたように見えるレーヴミストラルは外せない。青葉賞馬の今度こそは、こういう場面でこそ怖い。
皐月賞組は、どうせなら大敗の方がいいようにも思う。サトノクラウンやベルラップは、11月時点でのダービー候補。
牡馬クラシックは、迷ったら弥生賞組である。

参考:日本ダービー予想 特集ページ

 

レース予想

ダービー・変化の30年史

読了までの目安時間:約 2分

 

岡部幸雄がシリウスシンボリに乗れる状況にあったならば。
当時の関係性から言えば自然な流れでも、大調教師・二本柳俊夫は、鞍上加藤和宏の固定を条件にした。
前年ビゼンニシキを捨て、シンボリルドルフに乗り続けた伏線もある。
競馬界のレジェンドへと更なる進化を遂げた名手にとって、フリー騎手の道を日本に根付かせるきっかけとなったこの2年は、その後の30年を語る上でも極めて重要な意味を持つ。

2着続きの流れまで、後輩の横山・蛯名らに受け継いでしまったが…。

思えば、この30年は、関西馬にとって劇的な立ち位置の変化をもたらした期間でもある。
バンブーアトラスがレコード勝ちしたのは82年。以降三冠馬や何やら、関東馬がいいとこどりをして、人気になっても勝てないでいた。

平成に年号が変わっても同じだった流れは、91年にトウカイテイオーが圧勝してから一変。
奇しくも、彼はあのルドルフの初年度産駒であった。それから堰を切ったように栗東所属の名馬がダービーはおろか、競馬界全体を席巻していくことになる。
テイオーの年から6連勝。そこからの24年で22勝。

実は、関西の騎手というのは、人気で飛ぶことが多い。基本的に、ダービーでは所属する方に乗っている騎手が騎乗する。
ただ、柴田政人のような異例の形は、その逆がここまでないという点で、関東騎手の異常なまでの執念を感じさせる。
関東の騎手は、ここ30年で10勝。地の利で片付けられる話ではないだろう。
関西の騎手が、関西馬で2つ勝ちそびれているわけだ。ダービーを、である。

ちょうど今、関西との力差が縮まりつつある。
少なくとも3月までは関東馬の天下だった。今年また、潮目が変わるのか?
ダービーはドラマの宝庫であるから…。

 

コラム

未来の一部分

読了までの目安時間:約 2分

 

ラストダービーウィークを迎えたことについて、松田博資師(69)に尋ねてみた。
「いつもの朝と変わらんさ」
自然体な姿は相も変わらず。

思えば、ここ15年で3着2回と、縁に恵まれたとは言いづらいところがある。
その一つ。裏のカードが納得の結果を出して、本命格の方が道悪とレース展開で不発に終わった2006年のダービーについて振り返ってもらうと、
「アドマイヤムーンの時はもう少し前につけていれば…」
師には珍しく、後ろ向きな気持ちを吐露したのかと思ったのだが、
「誰もがどのレースも勝ちたいと思って使ってるに決まっとるやろ!」
と、一笑に付した。

最後の挑戦は、ダービーへのローテーションに関する最大の挑戦ともなる。
青葉賞馬は、ダービーを勝てない。
「悲運ともいえる血統だよな」
レーヴミストラルの一家に宿る負の循環と、半兄アプレザンレーヴの道をなぞるようなダービーへの臨戦過程とその後。気にならないはずがない。

「トモが弱いところがある」
でも、出られる態勢にあるならば、出なければならないのがダービー。
藤沢厩舎の出世馬も、青葉賞を勝った後に大成していった。ダービーを踏み台にして。
そんな呪縛を解く宿命を課されてきた青葉賞馬は、そのまま松田博資調教師の姿を映しているようにも思う。
「来年あたり、かなり馬は良くなっているだろう」

無理使いは絶対にいけない。これが、名伯楽の最後に導き出したダービー必勝法なのだろう。
未来に繋げる役目を、今果たそうとしている。

 

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