血統予想・コラム

JUST競馬予想ブログ

新馬回顧<11/17・18>

読了までの目安時間:約 3分

 


芝は3戦組まれた土曜の新馬。

それぞれ魅力的な勝者は誕生したが、やはり、ここは血統を重視すべきだろう。

東京のマイル戦では、クイーンズリングの半妹とヒカルアマランサスの仔ががっつり叩き合って、最後は少しだけ人気でリードしたクイーンズリングの妹・アクアミラビリスが抜け出した。

時計は平凡も、センスのいい競馬。ヴィクトワールで33秒台の上がりなら上々。

京都もマイル戦だったが、こちらは牡馬も出られる一戦。人気のルプリュフォールが直線でよく伸びたが、こちらはスケール感で見劣った。

カナロアの仔で、母父サンデーにしては物足りない。

福島2000では牝馬が上位独占。逃げ切りの形も、直線の突き放し方が印象的なマリノジュリアは、エイシンフラッシュ産駒。内から伸びるイメージと合う。

ダートは東西とも先行馬の競馬。

珍しい前々の叩き合いでの差し返しで制した伏兵のケイアイターコイズが勝った東1400戦は、キンシャサ産駒でも、1分25秒台で秀逸。

京1200大楽勝のモンペルデュは、中型のアメリカ産牝馬。父カイロプリンスはミスプロ系のステークスウイナーだが、かなり異系色の強いタイプで、癖が強い。

日曜の芝中距離の新馬戦は、無難にディープが人気に応えた。

京都は2000M戦を器用に立ち回ったカフジジュピター。ダノンプラチナと似たような配合でも、内から上がってきた機動力は魅力。

対照的に、上手に走れずに最後は抜け出してしまったのは、東京1800のアップライトスピン。これは牝馬。

前者はミスカーミーの系統で、後者は北米血統の様々な血の集積体。上がり目は前者も、後者には伸びしろがある。

後は中央場所の芝短距離戦。

東京で圧勝のスズノムサシはドリームジャーニー。キンシャサの牝馬・シュガートリーツがインから抜け出しの京都もそう。

かなりの上がり勝負で、瞬発力云々だけでは差し切れない展開であり、時計が何より遅い。

それぞれいい勝ち方だったので、時計の短縮がポイント。

 

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レース回顧

マイルチャンピオンシップ -回顧-

読了までの目安時間:約 5分

 


欧州競馬のそれであった。

ムーアとすれば、マークされるのは望ましくないから、ゆっくり内の有力馬にストレスをかけつつ、アルアイン以外にはやりづらい競馬にした。

しかし、それはよく言えば気のいい、裏を返すと、リズムを崩すと脆いところのある先行型にありがちな死角があったということでもある。

ローテは今までの中では厳しく、そういった展開を作ることに、普通の先行型では苦しい方が合うアエロリットとムーアの相性は、ちょっと良くなかったのである。

そんなこんなで自分らしさを失った逃げ馬に代わり、アルアインは自分の流れというより、勝手に先頭に立たせられた形。

無論、外が届くような流れではない。

そうなれば、狙うは内回りコースとの合流点ですっぽりと開く内ラチ沿いの2頭分ほどのスペース。

ミルコが今年は内ぴったりで、末を引き出した。

ペルシアンナイトは素晴らしかった。出来も上々、雰囲気のあったパドックから、凡走は前回のような他馬からの意地悪なプレッシャーでもない限り、あり得ない感じ。

しかし、ビュイックが今回はパーフェクトだったのである。

ルメールのお手馬でもあるステルヴィオが、掛かる心配など気にしなくていいタイプであれば、メンバーのレベルは手探りでも、下げる手はない。

内に入った。内の馬はよく残る。

驚くことに、そういう立ち回りだけのポイントを押さえた内の馬だけの決着になったわけだ。

スローの瞬発力勝負であり、溜め方と仕掛けるための準備は、ごちゃごちゃの中団から、いかにスムーズに抜け出すかを競うヨーロッパの戦いに身を置く騎手には、実にぴったり。

ミルコにその資質がもっとあれば、きっと日本には定住しなかったはずだが、日本の騎手とすれば、それは十分な蓄財がある。

長期遠征を夏に行った英国帰りの川田騎手も、スマートさに磨きがかかって、ほとんど焦る姿を最近は見せていない。

そういうところで、叩き合いをしたのなら、日本が合っている騎手にはちょっと死角が生じる。

ムーアに合わないパートナーがいたとしたら、ビュイックのパートナーとこの2番枠は渡りに船。

世界の競馬を理解し出した30歳の英愛競馬を支えるトップランナーにとって、世界地図の中にまだ体得しきれなかった流儀が残る数少ない場所でのハイレベルマッチに身を置くことは、この上ない喜びである。

競馬の内容は単純。

内で脚を溜め、敢えて行かせるくらいの積極的なポジショニングから、しっかりと内のスペースで進路を確保しつつ、直線勝負でステルヴィオの決め手を極限まで引き出すという形。

どことなくムーアと似た気配を漂わせる、この先まだ長いビュイック騎手にとって、実質的な日本初戦のGⅠ戦は、あまりにも戦略に明るい条件での、ある意味で楽勝の競馬だったのである。

ロードカナロアの初年度産駒。

来週も素晴らしい才能と再会するわけだが、世界に出て結果を残した馬の強みは、その同期のオルフェーヴルにはない本物の底力を感じさせる凄味であろう。

母母父に入ったサンデーサイレンスも素晴らしい種牡馬であったが、シンボリルドルフを長としたダンスタイム系で、その2つ上の姉から連なる牝系は、ファルブラヴの本質的な勝負強さを搭載したことで、ついにGⅠタイトルを奪取するところまで復興を遂げた。

ルドルフ三冠の年に生まれたマイルCSを、縁の血統馬が34年後に制する。

日本競馬の歴史に、ビュイックという驚異の才能を上塗りすると、その価値は無限に高まることだろう。

混戦でスローという平凡なレースではあったが、平成期の掉尾を飾るにはあまりにも強い意味を持った、エポックメイキング的な一戦だったと、個人的には思う。

 

レース回顧

東京スポーツ杯2歳S -回顧-

読了までの目安時間:約 3分

 


ルヴォルグとホウオウサーベルは、何となく想定されていたスタートのタイミングが合わないことと、ゆっくり出ることをまずは新馬戦で学んでしまったことが、いきなりの重賞で不安の方だけ、現実のものになってしまった。

昨年なら何とかなっただろうが、いずれにせよ、ワグネリアンレベルではまだない。

直線でどう反応できるか。

こんなに混戦になるとは思わなかったということはない。

最初から、大接戦は期待せずとも、可能性はあった。

良馬場で昨年みたいな頭数にならない限り、イスラボニータもサトノクラウンも、直後に2歳王者になるローズキングダムでさえ、2着馬との差は小さい。

ただ、北海道のややタフなコンディションになってからの芝で好走してきた2頭が来るとは、誰も思っていなかった。

30倍台の2頭。

厳しい展開もガッツのあるニシノデイジーが、重賞を連勝。

東京でどう反応できるか。

当初は、2着ナイママやその後に入った人気のクラージュゲリエの方が高評価だった。

しかしこの馬だけ、路線の軌道に乗ったことになる。

それに今回際どく迫った、コスモス賞2着のアガラス。

渋とく伸びたが、東京1800快勝の馬。

彼らが、重賞レベルの底力勝負で、うまく接戦に持ち込んで賞金を加算した。

ディープで健闘のヴァンドギャルドは、クリスチャンも文句なしのベストライドだったが、重厚な欧州配合の持つ穴なのか、案外、末が甘いことが多い。

キレ負けもあるが、意外なほどタフではないタイプも少なくはないのだ。

ディープの影響かどうなのか。もっと揉まれる経験を積むべきだろう。

ヴェロックスはまだ不器用だろうし、カテドラルも今一つ。

ホウオウもルヴォルグも、大勢が決してからは前との差を詰めてはきたが…。

期待馬が多すぎると、こうなるということか。

残念な気持ちで帰るファンが、この日は多かった。

 

レース回顧

新馬回顧<11/10・11>

読了までの目安時間:約 3分

 


今週も雨の影響が残った中央場所は、午後2レース消化までは稍重馬場。

印象深い勝ち馬が出たのと、そうでなかったレースとの差が激しかった。

評価が高くならなさそうな2戦は、共に接戦のゴール。

福島1200は好位抜け出しのサンタンデールが上手に勝ち上がり。牝馬同士の争いになるも、こちらが完成度で制した。

京都のダート1800は、人気馬の位置取りの悪さから、直線の攻防は見えていた。人気薄の先行残りで、カフジテイクの半弟ストームが逃げ切り。

あとは、直線のパフォーマンスが素晴らしかった。

東1400 ジョーマンデリン<3馬身差・ジョーカプチーノ牝駒>

東1600 カヌメラビーチ<1.5倍で好位抜け出し>

京1600 ヴァルディゼール<3馬身差・カヌメラと同じロードカナロアの男馬>

鮮やかさでは直線鋭さを見せた2頭だが、カヌメラに関しては、アウトサンデーでカナロア産駒だから、ズブく見えたのは必然的でも、自分でレースを作れる才能を持っていそう。

マイル近辺の力勝負でこそ、真価を発揮である。

ちなみに、福島ではローズキングダムの産駒が勝って、若い力が競馬界を支えていることがよく見える結果となった。

日曜日も派手なパフォーマンスの馬が登場。

東ダ1600のシハーブなど、騎手との折り合い全くつかずの道中から、直線突き抜ける破壊力で、断然の支持に応えている。これはシャケトラの半弟。

京都の1400勝ちフィブロライトと1800のペルクナスは、ルメールとモレイラなので位置取りもよかったということになるのだが、エイシンフラッシュの牝馬と快速スプリンターのマジェスティックパーフェクションの産駒の勝利。

どうにも、他の馬の完成度に問題があった印象もあり、上々の勝ち上がりの内容も、素直に評価するには格上がりの一戦の結果を見てからの方がいいか。

東2000のサトノラディウスは、派手な支持も地味に底力を発揮して、人気に応えた。

正統派ヨーロピアンのディープ産駒。国枝×北村コンビは、地味目の方が妙味あり。

 

レース回顧

エリザベス女王杯 -回顧-

読了までの目安時間:約 5分

 


強引に先行する馬もなく、今年も、クロコスミアがスローの逃げ。

昨年はうまく立ち回れなかったリスグラシューが、今年はモレイラ騎手を配し、勝負の中団待機。

うまく捌けた昨年のモズカッチャンは、似たような好位のポジションも、気配ほどは反応できず、今年はキレ負けしてしまった。

パドックで掛かることが心配されたノームコアも、途中で前につけるところまでは昨年と同じだったルメールとて、案外の直線の反応は無念の一語。

勝負は昨年モズカッチャンが使った脚を、今年はリスグラシューが使って、差し切り勝ち。

それなりに流れた前走の府中牝馬Sで、ディアドラが強烈すぎて目立たなかった中での上がり32.6秒が光る。

東京新聞杯で素晴らしい彼女の決め手を引き出した元主戦の武豊騎手でもなければ、前走その脚を使わせたミルコでもない。

外国人騎手ばかりが勝利。

ルメールとモレイラでレースは決着し、兄より真面目なクリスチャンがそれに挑む構図。

それぞれに脚質面への不安というより、仕掛けのタイミングに課題があったりする点で、この大一番が関西初遠征の3歳ノームコアはかなりの減点。

無敗馬でもなかなか崩せない壁は、得てして、口惜しい思いに数知れず浸ってきた残念女王・王子に突き破ることができるのだ。

器用さと同時に、キレ味の引き出し方を工夫しなくてはいけないタイプは、こうした非根幹距離重賞では強いとされてきたが、モレイラがどうこうというより、今のリスグラシューが本物になったことを何よりも数字が示している。

昨年と馬場状態は大差なく、同じく序盤の流れも似たようなもの。

その中で、リスグラシューは秋2連敗で武豊騎手もいない状況で、流れを掴めず終わった前年とは一変。

外にいたのが奇しくも同じオーナーのコルコバードで、とてもいいスタートから終始被される展開になるも、相手がこれが初重賞であり、うまく行き過ぎたつけが勝負所の手応えに出て、外差し傾向の助けは多少あったが、昨年同様の内と前が残る展開。

そこでギリギリまでスパートできなかったことで、無駄な脚を全く使わず、前回の伸びで上がってこられたのならば、時計もそれなりに作れる底力が身についたリスグラシューには、いくらか余裕のあるレースだったかもしれない。

1秒以上の勝ち時計短縮は、その影響が大きい。

昨年同じく外から突っ込んで来たミッキークイーンは3着止まり。

それでも僅差であった。

しかし、その反対の立場であるモズカッチャンは今年は3馬身離された。

前走の府中牝馬Sで2番手からそれなりに粘って5着のクロコスミアが、楽に先行しての2着。

となれば、同じく厳しいレースを使われたリスグラシューも、もっと走れるわけだ。

昨年と違ったのは、モズカッチャンも含め、皆が強い男馬と厳しい争いの中で揉まれてきたこと。

しかし、経験を糧にできたのは、前の2頭。

上手に運びながら、モズカッチャンも急進勢力のレッドジェノヴァも、上がりへの対応力で最後は差をつけられた。

得てしてということならば、同じ距離を使っているよりも、様々な条件を知った方がいいということもある。

1800が得意なクロコスミアはドバイターフ。一貫して2000以上のモズカッチャンは、シーマクラシック完敗以外の結果はまずまずも結局は、丸一年未勝利。

ほぼ一緒のレース選択をしていたが、クロコスミアの方がよりアグレッシブな挑戦者であり続けたのである。

それでも、最後は昨年と同じような負け方。

岩田騎手も苦しいだろうが、それは日本の関係者にも同じことが言える。

いいところだけ外国人…、ではないのである。

差別的な意味ではなく、それらにいなくなってもらえるような勝負強さを、今はただただ耐えて、彼らから学ぶより他はない。

日本人のナイスファイトは、伏兵に乗った前記の岩田騎手とコルコバードの浜中騎手。

モレイラが華麗なのは相変わらずだが、泥臭さで何とかしようという意思を汲み取れたから、面白いレースになった点は強調しておきたい。

最終レースは結局、藤岡佑介騎手が勝利。女王杯の緊急乗り替わり枠で騎乗機会を得た、栗東の考える人であった。

まあ、どちらの騎手が勝っても気分は悪くなかったのだが…。

 

レース回顧

武蔵野S -回顧-

読了までの目安時間:約 2分

 


ルグランフリソンがきっちり伏兵の仕事をこなしての重賞レースらしい展開となった。

平均より早めの流れになれば、むしろ、芝スタートの方がまともにレースに参加できるサンライズノヴァさんでも、力は発揮できる。

明らかにメンバー強化で前走より人気になったのは騎手の影響と思えたナムラミラクルも器用な先行で粘り込み。

あとは、他の差し追い込み勢の台頭がどうなのかというのが注目となったわけだが、欧州式のまずは馬込みで折り合いをつけてという形式ばった戦法が裏目となったウェスタールンドを筆頭に、豪快に追い込めるような馬はサンライズノヴァほどはキレないから、高速決着では出番なし。

春の調子にようやく戻ったクインズサターンが四位騎手らしいキレ味の引き出し方で快走し、勝負所から混みあった馬群の真っただ中にいた面々を差し置いて、上位3頭は揉まれずに戦えた実力馬の争いになった。

一応は力勝負であり、上位人気2頭が絡んで時計も優秀と言える1:34.7での決着。

ただ思うのは、芸風がどうかはともかく、総合力を示したのが東京で上手に走れるメンバーばかりでは、少なくとも、上がり目を示したというほどは評価できない点がちょっと気になる。

サンライズノヴァなど、中央の限定王者的存在で、一族の長であるバッカスのような決め手までは出せるようになったが、東京ばかりで戦っているから、引き出しがどんどんなくなっている。

せめて、同じ距離であるなら場所は問わず…、というのが望ましい。

得意の東京道悪競馬で今回は楽勝。

良馬場の1400という舞台では、とりあえず勝ちに行かねばならない。

デイリー杯は、先週のファンタジーS同様、勝ち馬以外がまだ重賞レベルになかったから、Aマーズも次が重要。

 

レース回顧

新馬回顧<11/3・4>

読了までの目安時間:約 3分

 


計11鞍で開催数マックスの新馬戦。

土曜は5鞍。

注目は京芝1800のリアルスティール全妹対シーザリオの孫。

キレに勝るリアルSの妹・ラヴズオンリーユーがイン突き抜け出し。まあ、アーデンフォレスト<父ルーラーSで母の全兄エピファネイア>はどうせ不器用な先行型だから、ここは叩き台という認識でいいように思う。

このレースが象徴的で、勝ち馬はどれも人気上位馬。

東西の芝1400戦も、東京の牝馬戦が人気のハーツクライ・アゴベイ、京都も人気上位のトゥラヴェスーラの全弟・トウヤリトセントが上々の内容で勝ち上がり。

アゴベイの方は、母方にアメリカのダートチャンピオン配合と凱旋門賞に向きそうな底力型の血が混じっていて、どう成長するのか見守りたいところ。

土日で今週も、3場で4戦のダートの新馬が組まれた。

東京1300

ストリートキャット直仔ストリートボス産駒のエヴァキュアンが人気に応える。きっと、1400以上が合う。

京都1400

勝ったシンゼンブースターはオルフェ産駒で4代母ブロケードも、中にダート向き血統を3代つけられたから、自ずと砂巧者に。

東京1600

スコールイの血を受けたダイワメジャー産駒のノーベルプライズが快勝。マイルをこなしたので、芝向きではないだろう。

福島1700

ぶっちぎりのカーリン・ワシントンテソーロが登場も、レコードに2秒差だから、素直に強いとまではいかない。中央場所参戦後に評価確定。

中央場所の芝戦では、京2000のハービンジャー・アルクス、東1800のハーツクライ・シュヴァルツリーゼがスローからの瞬発力勝負を制したが、思われていたより相手が軽かった印象もある。

1600勝ちのマリブムーン・マドラスチェック、牝馬戦のダイワメジャー・サヴォワールエメらも、完成に時間がかかりそうで、一流の雰囲気まではないから、少し出切りの可能性も出てきた。

みんな始動が早くなって、ゆったりローテが現在の主流。

派手さが物足りなかった以上は、評価しかねる。

 

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レース回顧

JBCクラシック -回顧-

読了までの目安時間:約 4分

 


ルメールの前菜は、もはや、GⅠ級の格がないとフルコースが成立しないという雰囲気で始まったJBC3競走。

4角に入るという段階で、人気のマテラスカイとルメール騎手のグレイスフルリープという組み合わせで決着する展開は見えていた。

しかし、猛ペースではなかったのに、レースプラン通りだったというだけで勝ち切ったのは、グレイスフルリープというよりはルメールである。

さすがの武豊でも、これはお手上げというスプリントであった。

仕上がり具合ではマテラスカイと同格以上のキタサンミカヅキも見せ場を作った。

芝グループの惨敗は残念だったが、それだけ中身の濃いレースだったということだろう。

オドノヒュー騎手の卒のない騎乗でパフォーマプロミスが気持ちよく府中の直線を駆け抜けた後、いかにも過剰人気に思えるサンライズソア登場の京都・クラシックの方は、テイエムジンソクがうまくスタートできず、ではと、機を見るに敏のルメール・サンライズソアが先行。

その展開で中団ポジションでは少し怪しいところもあったケイティブレイブは、3角辺りでテイエムジンソクが行ってくれたことで、ほぼサンライズ潰しが自分ではなく自然な流れの中でできたから、直線は悠々の進出。

事実上の最上位人気馬として、しっかりと結果を残したケイティブレイブと福永騎手が、充実のシーズンのビッグマッチをようやく制した。

フェブラリーSの激流も経験し、ゴールドドリームとのマッチレースも経た今、適性や勢いで勝るオメガ含めた追手の作る順調さという流れで、実際問題、一流馬の秋始動戦たる日本TV盃完勝の内容を冷静に考えたら、いくらか展開利があったのかもしれないものの、ここでは力最上位という実績通りの結果は、JBCクラシックの覇者に相応しいものがあった。

福永騎手にとっても、この秋はワグネリアンがいなくなる事態によって、やや拍子抜けの前半戦であったが、こういう締めるべきところで仕事をすることができるようになった現在は、実績馬のケイティブレイブに相応しいパートナーであることを万雷の歓声に包まれる状況で、天下に示した意味は大きい。

結果が全て、という立場ではもはやない2000勝ジョッキーが目指すべき目標は、いい競馬を皆に多く見せる努力である。

これ以上ない勝利の意味があった。

負けたオメガはこの先がある馬。

ソアだって、もっと前は攻められて脆い一介のオープン馬だったのが、ルメールの立場を支える粘りで3着健闘。

1番人気馬の褒め方としてはおかしいが、ルメールを褒める必要がない状況で、ここは彼のファイトを称賛したい。

騎手のことで言えば、大外枠を引いた時から何かを狙っていたのかもしれないアンジュデジールの横山騎手は、抜群のスタートから、ラチに拘った彼女の走りに終始させるための策にはめ込んで、充実一途のダート馬として再生したラビットランの繊細さをついて、僅差の接戦をものにした。

3戦とも魅力的なレースだったが、死闘という意味ではレディスクラシックが一番の熱戦だった気もする。

クイーンマンボさんは、ここ2年と比べれば見事な変わり身ではあったが、何となく、寝ぼけたところがあるのは、この馬に2本入ったリボーの血のせいだろうか。

追記として、アル共杯の1、2着馬は上がり勝負で32秒台の脚を使っていた。あとは、出番なしのルックトゥワイスもそう。

JCには凄まじくキレる少女が登場するかもしれない中で、適性で台頭の穴候補が出現とみるのだが、どうだろうか。

 

レース回顧

京王杯2歳S ファンタジーS -回顧-

読了までの目安時間:約 3分

 


<2歳重賞回顧>

今週から冬時間で、例によって東京が先にレース施行の流れになったので、京王杯2歳Sの方が10分早く行われた。

なんてことはないスローの展開は昨年と同じだったが、完全にラスト400の勝負になって、内で我慢した2トップのワンツー。

先に進路を作った、ほぼ予定通りのファンタジストを素直に評価すべきか、うまくレースはできなかったが、あわやの競り落としまで持ち込めたアウィルアウェイのナイスファイトを称賛すべきか悩ましいのだが、あの着差。

血統構成的にもこの辺の距離は、長い目で見ても適性十分だろうし、ファーストマッチということで、引き分けだったとここはしておこう。

スピードをうまく抑えられたファンタジストと、距離延長はしばらくは問題なしのアウィルアウェイ。

2000Mはもう苦しい感じであったと同時に、互いに、特殊な距離への対応力をもうすでに完全証明した雰囲気が、ゴールシーンでは漂っていた。

弟が大変な高額取引で話題のダノンファンタジーは、ファンタジーSを難なくクリア。

そもそも負けるような組み合わせではなかったが、似たような流れに見えた京王杯と3秒近く時計が上で、完成度も遥かにダノンの方が上と思われる。

ダノンファンタジーはきっと、ライバルと目したグランアレグリアとは違い、川田騎手であろうとなかろうと、阪神JFに行くと思われる。

まあ、大胆なところもある中内田調教師だから、レースを盛り上げるために1週先送りもあるが、楽しみは春に取っておくはず。

アウィルアウェイもノーザンファーム。

思惑は皆の推察通りであり、順調にみんなでクラシックに挑む流れができかけているだけでも、陣営には有難いことである。

その他については、西のベルスールは力素直に評価でも、東の3着以下には凡戦であり、もう一度スキルアップの機会を作りたい。

 

レース回顧

新馬回顧<10/27・28>

読了までの目安時間:約 3分

 


土曜は馬場コンディションも気になったのだが、東京芝マイルの牝馬限定戦のレベルと、勝ったレディマクベスの決め手に、未来感を堪能した気分になった。

その一戦。

好位組の決め手比べで、ディープの人気馬との叩き合いになったのだが、レディマクベスはハーツクライ産駒ながら、サンデーサイレンスが母母母父に入った不可思議な配合でその2×4、加えて、母父シングスピールでヘイローが3×4×5と、きつめに両方クロスしている。

時計平凡も、違う才能を持つ馬である可能性がある。

一方、直前の京2000<稍>では、ディープよりブラックタイドの方がキレるという不思議なレースを、人気の兄の産駒・アックアアルタが制した。

従兄弟はワグネリアン。やはり、エンジンの掛かりは遅いタイプのようだ。

この土日は、ダート戦が多く組まれた。

土曜

京1200 ポンペイワーム<ダンチヒ直系・イッツマイラッキーデイ産駒>

東1400 ペイシャムートン<ネオ×ティンバー>

共に危なげのないレースぶり。後者は圧勝も、時計があまりに平凡で稍重である点も考慮すると、必ずしもこの距離が合っている印象はない。

日曜

京1800 ダノンスプレンダー<父ロードカナロア>

新1200(重) サーストンバーラム<父サウスヴィグラス>

先行ポジションからの押し切り勝ちはミスプロ系の持ち味。ダノンも高速決着歓迎のベガの一族で、今後もグイグイ行きたい。

日曜日は芝3鞍。

東京1400でゴール前間に合ったシトラスノキセキと、デビュー戦から完璧な内容で1800M快勝のルヴォルグは、共にルメール騎手が鞍上。

ワークフォースとディープインパクトのいいところを引き出して、総合力の勝利も共通だったが、乗り替わると何かリズムが狂いそうなところもある。

京都1600でパワフルな勝ちっぷりを見せた持ち込みのダイワメジャー牝駒・メトロポールは、捉えどころのないマキャヴェリアンが母父父という配合。

まだ中型で止まっている馬体が大きくなりすぎると、牝馬だけに厄介なことになりそう。

どちらにせよキレない馬だから、父と同じく、鞍上の選択は重要かもしれない。

 

レース回顧

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