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ルーツドール、デアリングタクトほか新馬回顧<11/16・17>

読了までの目安時間:約 3分

 

東西のマイル戦から大物登場の土曜新馬。

特に、東京の牝馬戦を勝ち上がったルーツドールは、様々な意味において、異質そのもの。

500kg超えでも、スタートから準備万端の構えで、小柄な牝馬の究極系を示した人気のゴルトベルクをその時点で圧倒。

直線も悠々の抜け出しで5馬身差。ある意味、ジャスタウェイのスケール感そのものであり、兄フィエールマンにはないタフさが備わっている。

1:33.3は自分で作った時計なので、逃げ切りではないことでの価値は絶大だ。

西のデアリングタクトも、エピファネイアと祖母デアリングハートのちょうど中間の馬格で、レースセンスは祖母譲りの理想形の牝馬。

一瞬でエンジンがかかるタイプで、器用さで勝負できるという強みが、今年の有力馬にはない魅力となっていきそう。

あとは短距離戦。

団野&Tグローリーのデンタルバルーンは福島、ルメール&Kヘイローのライチェフェイスが東京で勝ち上がって、これらは、ルーツドール同様にスタートで勝負を決めた快勝馬。

京ダ1200のプリサイスエンド・ショウゲッコウも評価が低すぎただけの馬。

デンタルバルーンが意外と面白そうだが、いずれも、中央場所の重賞で通用という感じではないか。

日曜日は一転、何とも捉えどころのないレースが続出。

東ダ1400は力通りという感じで、シニスターミニスター産駒でフラストレート系のティートラップが快勝するなど、人気馬が順当に走ったが、その直前の芝2000がよくわからない結果に。

勝ったのはキンシャサ×キングマンボのガロアクリーク。

その後の京芝1200で、若い頃の兄・シュウジを彷彿とされる末脚を発揮したシャイニーズランと同配合。

時計もペースも平々凡々。勝ち馬の33.5秒を他の人気馬が使えなかっただけだろう。

京都の同じ距離のレースも、仕掛けのタイミングが絶妙だったディアマンミノルというイソノルーブルの孫が快勝するも、これはムーアのハーツクライが強引に動きすぎたのが勝因だから、如何ともしがたい。

東西どちらも、本質的なスピードが上位だったのであろう。

 

レース回顧

マイルチャンピオンシップ 回顧 – 直線の手応えは池添の経験値の中でもオルフェーヴルと双璧だったはず

読了までの目安時間:約 4分

 

池添謙一騎手の完璧な騎乗により、ダノンプレミアムの復活GⅠ勝利はならなかった。

ペースの読みも相手のマークの仕方も、勝負のポイントの見極めも、コース取りも…。

これで池添謙一騎手はマイルCS最多の4勝目。

名立たる名手らが、歴史に名を刻んだマイル王者らが3勝、連覇など、また、日本競馬界における重要なファクターとなっている基本距離のGⅠにおける種牡馬選定の貢献度でも、クラシックレースに並ぶレベルにあるマイルCSの輝かしい歴史に、また新たな金字塔を打ち立てた。

前走の毎日王冠は、マイラーズCでの敗戦を糧に、流れる展開が読めている中を中団から余裕をもっての抜け出しだった本番との関連性まで考えると、この完成期に近づいた今は、では、早く抜け出してソラを遣うのだろうかという確認を福永騎手はしたのだろうと思う。

前哨戦の戦い方であり、それが合うという目論見は間違いなくあって、そういう諸々の死角を払拭できたのであれば、アエロリットのような天皇賞行きも想定されたほどの馬。

春のマイルチャンプという次元で捉えるだけではない、既に、もっと大きな展望をできる領域に入りつつあったインディチャンプだから、池添騎手も、場慣れしているというだけではなく、再確認できる条件がはっきりと見えていたからこそ、余裕の好位追走となったのだろう。

直線の手応えは、池添騎手の経験値の中でも最高クラスのものがあっただろうが、その通り伸びたとなると、あのオルフェーヴルと双璧だったはずだ。

デュランダルは確実に弾けてくれるが、届かないことも多かった。

そういう馬相手に、自身は少しは戻っているならば、断然の主役と筆者もきっと陣営も思っていたのだろうダノンプレミアムは、かつての破壊的な直線を再現できないでいる。

秋の天皇賞の伸びようとするときに、やや苦しそうに外にモタれていた姿は、得意のマイルの平均ペースで見られなかったものの、その前に自力でもっと前を潰しに行くような迫力に、どうも陰りが見られるという気配。

可哀相なことをしたというほど、過酷な試練を課されたわけではないが、あの輝いた2歳シーズンから、1つ使いごとに何かを失っているのかもしれない。

皐月賞参戦で全てを失った可能性を回避した今、傍から見ると抜け殻になりかけたダノンプレミアムの未来は、少しずつ暗転しているように思う。残念だ。

一方、小気味いい逃げで見せ場たっぷりのマイスタイルとミスターMCS・ペルシアンナイトは、さすがの一語。

あの厳しい馬場状態だったシンザン記念の3着馬と5着馬。

こういう道の開き方を、陣営は願わずいられないのが、ダノンキングリーの勝ち味の遅さか。

あれだけのスケール感溢れる競馬の後、例年通りに、毎日王冠快勝馬として安定の敗戦を喫したが、皐月賞の時のような内からもがきつつ追いかけるという感じは、あの時よりもっとタフな内ラチ沿いの馬場状態もあり、能力全開とまではいかなかった。

しかし、これもいい経験。

切なくなるほど、GⅠで勝ち運に恵まれないこの未来のスターには、インディチャンプのような躍進を期待されている。

一度きりで燃え尽きさせるような短期免許の騎手が乗っていなかったからこそ、それを期待できる。

課題はもう、自在性のブラッシュアップのみ。

来年こそは、インディチャンプの一泡吹かせてやりたいと、陣営は雌伏の時を過ごすことになる。

 

レース回顧

東京スポーツ杯2歳S 回顧 – 誰よりも早く好位をとった時点で勝負を決したコントレイル

読了までの目安時間:約 3分

 

1:44.5である。

なんだこれは…。

決して歓迎ではない好タイムだが、ムーア騎手の他の馬にお前らがペースを作れ、という感じのスタートで脚を使わせるように、誰よりも早く好位置をとってしまったから、もう勝負にならなかった。

速い馬であると同時に、ほぼ同じような血統の人気になった面々に比べ、母がBCジュヴェナイルフィリーズウイナーということ以上に、青鹿毛だからという以外にもバランスや前向きさの程よさなど、この時期の若駒の争いに求められる単走で走り切る能力が、パドック気配一つとっても、どんなに若いファンでも汲み取れるそれが、名手ムーアのアシストで全開。

ラインベックはムーアにやられたビュイック…、という構図の最大の被害者のようなところもあったが、それで3着なら問題なし。

母は速すぎる三冠牝馬だったが、ベストトゥベストの悪いところが一切なく、いい方向にズブさが発揮される中型馬という武器を持つ。

速く走れるコントレイルが独力走行のアメリカンタイプなら、血統の見分けが難しいラインベックは明らかにメルセデス的重厚さを秘める。

それらに引けを取らないアルジャンナは、完成度は両者に及ばないものの、別にここは勝たなくてもいい…、というレースの歴史に則した中身のある2着。

長期展望を掲げる池江厩舎にしてみれば、2戦目の休み明け、長距離輸送後の最初のレースでレコードの2着。

サニーブライアンやメイショウサムソン、その後に登場のドリームジャーニーも、完成度に見劣る勝ち馬との差は、あっという間にひっくり返せることを証明した名馬たちの足跡に、ここは肖っておきたい。

本当に速い馬のマイネルデステリョは、コーナー4つの競馬で本領発揮のタイプか。

ワンペースすぎて、実質コーナー2つの競馬で行き過ぎると、その豊かなスピードが暴発してしまうようだ。

マイネル馬にはこういう経験値が大切だったりする。

 

レース回顧

グランデマーレほか、新馬回顧<11/9・10>

読了までの目安時間:約 3分

 

被った条件一つもなしの土曜5鞍は、人気馬が順当に走った。

福2000はエピファネイアの牝馬・シーズインギフトが早めのスパート合戦から、最後はライバルが伸び負けする好内容で快勝。

東1400のマイラブ系・メイショウホルダーは、Vピサ×Fライトの牡馬らしからぬ決め手で勝ち上がり。

京1600のイプシランテは、マーフィーの積極性が活きて、スロー逃げからの押し切り。リアルインパクトは早熟性もある自身に似た仔を沢山出す。

東ダ1600ではルメールだけ飛んで、もう一人のクリストフのナイルリバーが勝利。

京ダ1800はエスポワールシチーの下をサンライズベガの従兄弟・サンライズホープが下した。

前者はアメリカンフェイローのミスプロ同系配合馬、後者は兄と同じヘイルトゥリーズン同系配合のVピサ産駒。

周りの似た配合の馬ばかりが上位に食い込んでいた。

晴れ日で良馬場続行の中央場所では、芝の新馬4鞍。

京都1400(牝)の伏兵・メデタシメデタシが前祝したのに始まり、波乱が多いかと思えば、1800の方は人気のロードカナロア・グランデマーレが逃げ切り、東京の1600でも、ノヴェリスト×Dスカーレットのダイワクンナナが理想の好位抜け出しで快勝。

と、少しほっとしていると、かなりの不安要素があった人気馬が全て飛んだ東1800で、ロージズインメイがキングカメハメハを封じ込めるというようなこともあった。

注目はグランデマーレか。

グレートフィーヴァーの一族は数多く走っているが、走る馬ほどもちょっと癖の強い傾向が出てくる。

断然人気にここで応えたからと安心はできないが、ロードカナロアのスピード能力をしっかりと受け継ぎ、この辺の距離のレースに適性を感じさせただけでも、十分な宣伝効果はある。

東京のロージズインメイ・コスモスタックは、マイネル馬としては上品に出るシーキングザゴールドの血が入っているので、今後の激走も警戒。

ドリームヴァレンチノみたいにはならなくても、堅実に走るはず。

 

レース回顧

エリザベス女王杯 2019 回顧~オークスで期待した血統のイメージ通りに仕上がったラッキーライラック

読了までの目安時間:約 4分

 

オークスの時に、アーモンドアイとのあまりに対照的な体の作りに、本命に推した筆者自身、自信を失った。

これはマイラーになってしまったんだな。

秋華賞は理想通りにうまく使えず、中山記念のハードな流れを真っ向勝負で有力牡馬に対して受けて立ったのは2月の末。

あれから、もう季節がいくつか巡った。

この日のラッキーライラックは、筆者がオークスで期待した血統のイメージ通りの、大きな作りでもスマートに見せる牝馬らしいすらっとしたフォルム。

それは当然、元が小さいクロコスミアやクロノジェネシス、本来はキレ馬らしくスマートな体形のスカーレットカラーなどとは、血統的な理由と相まって、本質的に別の馬の作りとなるわけだが、これなら決め手を活かせる、2歳女王になった時のラッキーライラックに戻るのではないかと期待させるものがあった。

スミヨンは内に入れた。

-4kgの発表以上に内面から肉体に変化が起きたかのような激変に、きっと、距離に対する不安なども耳にしていたのだろう。

いつもの、最近のラッキーライラックだったら、もうそれでアウト。

中山記念とはあまりにも違う超スローの展開。

不滅の同一GⅠ3年連続2着の偉業を果たしたステイゴールド産駒のクロコスミアの内を割ってというか、見事に開いた内から父オルフェーヴルが復活を遂げたあの宝塚記念の時と同じような進路で、ラッキーライラックが最後に顔を出した。

他のみんなも一生懸命に走っている。

一瞬の脚が身上のスカーレットカラーも、やや体重のコントロールが利かないという感じで激増で、距離不安も影響して、見せ場作りに止まった。

それより何より、上手に競馬をすることに執念を燃やしたラヴズオンリーユーなど、本来はもっと増えてもいいというフォルムも、その姿を凝視すればするほど、伸びしろがまだある分、この馬体では持て余してしまうのではという中で、中身の濃い番手抜け出しで3着。

普通の馬ではこれはできたとしても、最後は失速である。

スローだからこそ、本質が出る。新馬戦と同じ理屈。

厳しいレースを経験したのは良かった。

ただ、彼女の今後のハイスペックなパフォーマンスは、やはり、自身の脚元への不安と表裏一体となっていくのであろう。

クロノジェネシスだって、見せ場作りに止まったが、ちゃんと掲示板に載っている。

人気馬はみんな走っているからこそ、ラッキーライラックの快走には価値がある。

誰よりもスムーズにインを伸びてきたとはいえ、誰も見たことのない彼女の姿だった。

スミヨン騎手の面目躍如となる勝利であったと同時に、そこはオルフェーヴルの仔、ステイゴールドという馬の血がいかに豊かな可能性を秘めているのか、改めて勉強させてもらった。

オルフェーヴルにはノーザンテーストの血が2本。

その4×3が掛かっている。

エリザベス女王杯をその産駒が勝ったことはなかったが、20年前のこのレースで輝いていたのは、その孫にあたるメジロドーベル。

その直系が勝ったわけではないから、連綿と続くブラッドストーリーとは成りえないが、2000M以上の競馬で連対していない馬が、GⅠ馬だからという理由でこのレースを勝つというのは、異例中の異例。

距離適性も今までの戦法も全て覆せたのは、そうした血統の背景があってのことだろう。

石橋騎手に手が戻るかはわからないが、もし次に乗った時、彼女の乗り味は全く違っているはずだ。

直線のあの脚は、アーモンドアイの決め手である。

ポンデザールは…。

時計を持っていなかったから歓迎のスローでも、緩急がつきすぎると、牝馬のGⅠでは厳しかった。まだ先は長い。

 

レース回顧

武蔵野S 回顧 – 横典の普通に乗っても巧いんですキャンペーン炸裂

読了までの目安時間:約 3分

 

前々走の東京で弾けて見せたワンダーリーデルが、鮮やかに差し切って見せた。

対抗馬がいないと知って、やってしまったと後悔する筆者に追い打ちをかけた、横山典弘の普通に乗っても巧いんですキャンペーンが、このレースでも炸裂。

これまでは晩春にそこそこ走る馬というイメージだったのが、スタチューオブリバティ産駒がたまに発揮する意外性の成長力を見せ、秋も重要重賞で突き抜けて見せた。

タイムフライヤーも丁寧なアシストで、藤岡騎手は理想の決め手を発揮させたが、そのすぐ後ろでスムーズに立ち回り、見事にそれを利用して競り落としたのが勝ち馬だった。

どう考えても、人気馬総崩れの影響が出たレースだが、明らかにエアアルマスはダート重賞向きのタフさが身についていないので、いつもなら再度の追い上げが可能だったノングレードレースの時の反応とは、全く違った。

気持ちの持続性に難点があるボールドルーラー系の死角そのものだった。

変なオッズの付き方だったので、人気に関わらず、スムーズに立ち回った馬がいい競馬をしたレースとなったが、1年振りに爆発的に走ったダノンフェイス以下、良馬場のレコードにも近い1:34.6というタイムに、中距離ベースでは対応不能だった馬も多かった。

だからこそ、昨年の勝ちタイムより上回って、今年は先行して5着の59サンライズノヴァを超えられなかった馬に、中央のマイル以下の重賞で用のありそうな者はいないと思う。

ちなみに西の一戦も、ベテランの味が活きたイン強襲。マーフィーはフォルスストレートにハマったみたいな感じで、2歳戦でこれはいただけない。

勝負のポイントをあまりも理解している名手のスマートな騎乗が、鮮やかすぎたのは、ある意味では残念なことなのかもしれない。

生きた教材を実戦で活用してこそ、名手への道は、次のステージへとステップアップできるのだ。

いるいないの差が、これではあまりに大きすぎる。

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当ブログの武蔵野S予想

▲ワンダーリーデル - ◎タイムフライヤー  で

馬連 21,070円的中

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レース回顧

スカイグルーヴ、クラヴェルほか新馬回顧<11/2・3>

読了までの目安時間:約 3分

 

好天の土曜競馬は、午後に怒涛の新馬5戦が組まれるも、いとあやしの展開が続き、振れ幅の大きい競馬ばかりだった。

人気に応えたのは、東ダ1600のバーナーディニ・アメリカンベイビー<母父パイオニアオブザナイル>と、2番人気でも唯一の関西馬として例によって勝利を収めた東マイル・牝のディープ産駒であるクーファイザナミと、ほぼほぼルメールさん頼りというのが何とも切ない。

鞍上の騎乗技術もさることながら、その存在によってレースがより自身にプラスへと働く、30代の武豊時代のそれに見えてきた。

馬に関しては、次戦次第で再評価した方がよいか。

京都は川田不発のダ1400、芝2000の影響は大きかった。

その前のマイル・牝を勝った康太騎手のエピファ×Dマドレのクラヴェルが、この日のベストヒットか。

やけに人気が割れた一戦だったが、直線の伸びが違った。

ダートは攻めの和田が決まって、サウスヴィグラスの中型馬・マティアスが新馬勝ち。

2000のVピサ牝駒・アンサンブルも和田騎手だが、これは勝負所の手応えが誰よりも良かった。

日曜は何といっても、東京の2頭。

中でも、2000Mで逃げて差し脚を使ったパロクサイド系フィリー・スカイグルーヴの破壊力は満点。

最初から逃げるのはあまり感心しないが、スローからの直線最速の脚ならば、ドゥラメンテ化も期待できる。

エアグルーヴのようにセンスで勝負するタイプではない。

東マイルと京1800の芝を勝ち上がったディープも悪くない。

自慢の決め手を、サトノフウジンは母系アメリカン、トゥルーヴィルがフレンチ配合の母系という武器を活かし、爆発的に炸裂された。鞍上のアクションとも合っているタイプだった。

ダート戦を勝ちあがったキタノオクトパス<フェノーメノ>、メートルムナール<オアシスドリーム>らは、母系もヨーロピアン型の血統なので、評価が難しい。

京芝1400で人気に応えたキズナ・ワンダーカタリナも、直線平坦は合うが、距離適性はまだ未知である。

 

レース回顧

アルゼンチン共和杯 回顧 – 横山Jが迷わず直線でインを選択した時点で勝負は決した

読了までの目安時間:約 4分

 

オジュウチョウサンが逃げても不思議ではない組み合わせだが、パリンジェネシスがしっかりと先行争いに加わっている中で、62秒台の序盤の流れは遅い。

そこで他のメンバーが何ができるかということになったが、ウインテンダネスも外からじわっと先行。

ただ、有力勢に唯一、内の方に入るリスクがあるけれども、馬場状態を考えたらそちらの方に勝ち目があると考えていただろう横山騎手のムイトオブリガードが、久々に理想の好位抜け出しを狙った、絶好のインにつけた。

気難しい血統の馬が、この距離のレースの割に多く、この馬も例外に漏れず。

ステイゴールド産駒の騙馬が人気になるような組み合わせ。

騎手人気もあったが、いささか、流石のルメールでもテン乗りで重賞に挑む格上がり初戦の馬をベストライドで勝利に誘うのは、ちょっと難しい課題だったか。

自分の進むべき道に、それより外のタイセイトレイルと勝ったムイトオブリガードがいた。

それらが勝ち負けしたようなレース。

ムイトオブリガードが理想的な位置をとったスローの展開。

あのアーモンドアイのような、さすがにダノンプレミアムくらいのポジションにつけないと苦しい競馬になることは分かっていた。

伏兵の方がよりいいポジションにつけている。

横山騎手が迷わず直線でインを選択した時点で、勝負は決した。

問題はアイスバブルだろうか。

スタートで大きく煽って、期待を大きく裏切る後方追走。

世界レコード走のルックトゥワイスが見せ場を作ったのとは違い、こちらは小倉を使って、ある意味、狙った通りのレース選択した中でこれでは悲しい。

兄のグリュイエールも、忘れた頃にターフに戻ってきて、とんでもない時計を叩き出した馬だったが、肝心の勝ち負けに持ち込まなければいけないレースで、どうも歯車がかみ合わない。

馬の体調はともかく、明らかに精神面にダメージを受けているような雰囲気のあった京都のインティにも言えることだが、相手を見て戦っているうちは、勝負を制することは難しい。

どちらも同じように、序盤におかしなことが起きるケースが目立つ。

それとは対照的に、秋の大一番に何か魅力的なものがあるのかと思わせるほど、この季節のGⅠに縁のある血筋であるムイトオブリガードは、チグハグなレースばかりだった春とは一転、騎手も唸るほどの、上手に競馬をする馬になっていた。

青葉賞や菊花賞で他の騎手ではなかなかできない乗り方で見せ場を作った横山騎手が、ごくごくオーソドックスな戦法を取って、しっかりと格のある出世レースを制したムイトオブリガードと、惜敗続きながら、オープンに入っても安定感に変化のない2着タイセイトレイル。

豊かな成長力を誇るトニービンの血を受けた、祖母シンコウラブリイの底力が、このレースで発揮されるのは久々。

トウカイテイオーの半弟・オーザに完敗ではあったが、3歳の身で2着に好走したのが、トニービン×シンコウラブリイのハッピールック。2001年のことだった。

それに直前のレースまで乗っていたのが、何を隠そう横山典弘騎手。

密かに盛り上がるロイコン系の血が、いまだ健在であることが明らかになった、令和最初のアル共杯とは、実に乙である。

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当ブログの予想
◎ムイトオブリガード → △タイセイトレイル
馬単5,590円的中

 

レース回顧

京王杯2歳S 回顧 – 重厚な配合のタイセイビジョン、相当な破壊力

読了までの目安時間:約 2分

 

道中は違うクリストフの方が何とか本命のクリストフを抑え込もうと、進路をできるだけ塞ごうと努力し、かつ、仕事人の江田騎手のプレッシャーに本来なら根負けしそうな感じもあったタイセイビジョンだが、直線に入ると、かつてのグラスワンダーや最近GⅠ馬になったばかりのタワーオブロンドン級の手応えだった。

時計は速いのかもしれないが、プラス体重がいささか目立ちすぎたビアンフェが、恐らくは、力を示したと言える展開。

こういう馬場はさすがに不得手に思えるマイネルグリットが、昨年のような桁外れのスローなら、ある種の紛れを利して伸びてくる構図もありえたが、これではギブアップ。

それにしても、重厚な配合のタイセイビジョンの底力は明白ながら、この破壊力は相当なものがある。

旧コースだからこそのマイネルグリットの祖父・グラスワンダーが記録した1:21.9の価値はあるが、昨年のJCで12F路線における破壊的時計更新を成したアーモンドアイがそう。

祖父が走っていた時代から15年ほど経ってしまうと、その記録と競走成績というのは、同じ数字で比較はできなくなる。

インパクトの面で、今回の1:20.8は評価できるだろう。

アストンマーチャンは、この時期の1400で1:20.3で駆けているから、何ともこの比較は難しいが、牡馬の出るレースとは差が出ることもあるし、これとも同等の価値があるか。

そういえば、ファンタジーSは今年も、京王杯より速かった。

いつもこうなる。1:20.7で押し切ったのは、ダイワメジャー違い、京都新馬勝ちからの直行が案外不利という死角をものともせず、道悪経験を活かして、レシステンシアが完勝。

筆者も一応、注目馬に挙げておきながら…、ただ13倍はないよなという評価も、後から考えたら…、というファンタジーあるあるが凝縮された結果となった。

 

レース回顧

ダートの方がいいデュードヴァン、次走期待ゼノヴァースほか新馬回顧<10/26・27>

読了までの目安時間:約 3分

 

また金曜日に雨が降って、土曜は回復途上の馬場状態。

東西でマイル戦が行われたが、京都の重馬場はアメリカ血統で欧州型マイラーに育ったサプレザを母に持つサトノインプレッサの渋とい末脚で、東京の稍重馬場では、祖母アドマイスのアオイクレアトールが上手に抜け出して、それぞれ勝利。

時計はそこそこでも、上がりが速くなる東京でさえハービンジャーとゴールドシップが続いたくらいで、軽快に脚を使うタイプには苦しかった。

東京未勝利をR勝ちの馬も、Eフラッシュ×ロブロイだった。

一方で、ダートの新馬は京1200は父トランセンドのタマモアテネ、東1400もノーザンリバー<タキオン×マキャヴェリアン>の伏兵牝馬・ボンボンショコラらが、グイグイ前に行って押し切り。

東マイル快勝のデュードヴァンは、デクラレーションオブウォーという芝で成功の欧州向きアメリカ配合馬で導入済みの父を持つ馬だが、ダートの方がいいか。アサティスになるかも。

より馬場質が難解になった日曜日は、低調なレースが続いた。

芝は4戦。

東1400牝馬戦直線一気はブラックタイドのアカノニジュウイチ、荒れ馬場でヨーロッパのローカル戦のような気配だった新潟1400はフェノーメノ産駒のザイラ。牝馬らしい一瞬の決め手もプラスだったのだろうが、勝因は血統だろう。

引き続き、絶妙なスパートでやや過剰人気だったシングライクバードの仔を抑え込んだのが、キズナの大型馬・ケヴィン。

東1800は良血馬が揃うも、トウケイヘイローで清水久詞厩舎の北村宏司と揃い踏みだった伏兵・トウケイタンホイザが好位抜け出し。

扱いの実に難しい馬たちばかりで、近年の傾向の通り、すでにクラシックホースがデビュー済みで、なおかつもう勝ち上がっている可能性を示すような結果だった。

東京のゼノヴァースに関しては、まだ上手に走るスキルがなかっただけで、藤沢厩舎だから明けには勝ち上がるか。

数字以上の末脚に迫力があった。

京ダ1800は、重馬場を先行押し切りでキンノマサカリが勝利。

メイショウサムソン産駒ながら、キングカメハメハの母マンファスを3代母に持つ。芝では重厚すぎるか。

 

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