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天皇賞(秋)回顧 – アーモンドアイ、JCの稀有な経験値・枠の利・後傾ラップ…

読了までの目安時間:約 4分

 

内でしっかりと折り合い、ゆっくりと下げて、かつあまりプレッシャーのかからないポジションにつけ、直線では、いくらか追い出しを待ったアエロリットの内をついて、強烈な決め手を発揮。

そのアエロリットが、異様なペースを作らずに突かれるでもなく離して逃げるわけでもなく、現在の1分57秒前後の競馬になる展開を作りやすい環境を全て整えたことで、本来の進路を取らずとも、後傾ラップで圧倒的な強さを誇る馬らしい直線の抜け出しで、最後は誰も追いつけない競馬へと展開させた。

泣く子も黙る、これがアーモンドアイ女史である。

伏兵のいない競馬だが、アエロリットが玉砕しないレースこそ、この馬に合ったレース。

猛烈なハイペースはまだ経験していないアーモンドアイからすると、あのJCの稀有な経験値が最後は有利に働いた。

友道勢の究極の決め手も見どころ十分だったが、枠の利を十二分に活かした本命馬にとって、ほとんど死角のないレースであった。

アエロリットといういい目標を利用して…。

ヨーロッパの騎手にしてみれば、アエロリットを潰さずとも勝手に消えるはずと高を括っていたはずのスミヨン騎手とすれば、パートナーのサートゥルナーリアの案外の伸びもあるが、それに差し返されるという想定はしていなかったはずだ。

経験値という意味は、同じレースを同じように勝つという中では加算も積算もされない。

日本の競馬はその点、様々な展開が起こる。

特に、中央競馬のGⅠが一桁頭数になることはないから、サートゥルナーリアを理想のエスコートで誘った…、という考えではきっと、対アーモンドアイという観点では、対ルメールでも遠く及ばずの感がある。

あまり派手な仕事をできなかったフランス時代のルメール騎手を考えたら、日本におけるスタンスでは当地での位置づけとはまるで違う。

ペリエが武豊に伍して戦えたのは、彼が日本に来るようになってから5年以上してからのこと。

スミヨン騎手が日本にあまり来られなかった時間の中で、軽い競馬を叱咤によって抑え込むヨーロピアンスタイルだけでは通用しなくなった。

それがまた、欧州戦における日本馬の不甲斐ない結果とリンクする理由となるわけだが、スミヨンにとってこの結果は、残念というよりは、考え方を柔軟にするいいターニングポイントになるだろう。

自分がいい位置につけて、理想の競馬をした時には、アエロリットとアーモンドアイは気持ちよく走れる。

馬の経験値が足らない時、アシストできることが限られた今回は、騎手の騎乗内容になど敗因は存在しない。

それを面白いと思ってくれると、彼の40代は充実するはずだ。

位置取りに関しては、外の方にある程度前につけたい馬が多かったから、それがワグネリアンにとってはよくなかったという結論になる。

そういう状況で、半分よりはほぼGⅠ馬となった上位入線組に対し、ダノンプレミアムが意地と誇りを自力で取り戻した名誉挽回の走りで、決め手比べにも屈せず粘り込んだのも素晴らしいが、それ以上に、4着のユーキャンスマイルの自力アップも侮れない。

最初から位置をとる気など全くないから、悠々後方追走から、厳しい2着争いの中にワグネリアンと競り合って、ねじ伏せていったのだ。

ワグネリアンもきっといい頃の出来に戻っているから、これが実力である。

ユーキャンスマイルには散々悩まされてきたが、この気合いの入り方は大一番でこそのものがある。

しかし、GⅢ2勝馬。この実力を次にどこで発揮するべきか。

アーモンドアイ回避濃厚のJCが、少頭数になった暁には、◎がかなりつく馬になる。

もっと追走が楽になるからだ。

 

レース回顧

フィリオアレグロ、レッドルレーヴほか新馬回顧<10/19~21>

読了までの目安時間:約 3分

 

また雨。2年前とほぼほぼ似たような展開ながら、面白過ぎるマッチアップが実現した。

直前に重馬場に回復したばかりの土曜東京芝2000戦では、半兄サトノクラウン・フィリオアレグロとランフォザローゼス全妹・レッドルレーヴががっつりやり合って、2:01.7で決着。

結局、わずかに道悪適性で上回るだろう前者が競り勝ったのだが、ほとんど、伝説の新馬戦的展開。

イメージはカブラヤオー対テスコガビーの再現。まあ、見ていたらすぐに分かるさ、といった感じ。

京マイルの牝馬限定も、4代母シャダイカグラのレディフォリアが、正攻法でいった母ブラックエンブレムのアトリビュートを強襲した。

今更昭和の競馬を思い出しても仕方ないが、道悪競馬のあるあるではある。

ダートは3日間で4戦。

土曜は重の京1400でジャスティンリーチ、東1600は不良の馬場を伏兵のウーゴが、それぞれ押し切り勝ち。

リーチザクラウンとゴールドアリュールだから、動けたら強気の勝負で、それができたら勝てるという条件が揃っていたか。

日曜の東1300は関西馬・メイショウテンスイが力通りに走った。父ダンカークだけでなく、母系もダート寄りの血統。

月曜分は後記。

大いに怪しい馬場状態だった日曜日は、何といっても、京芝1800のレクセランス。

この世代は、とりあえず勝てそうなところに出てきた主要種牡馬の産駒は押さえよという傾向通り、競馬をせずに、独力でレースを制した。気難しいフレンチ血統だが、果たして。

左回りのマイル新馬は、共に人気馬が飛び、上手に抜け出したフィオリキアリ、ブライティアランドら牝馬の決め手が活きた格好だが、まずは時計を縮めないと。キズナとクロフネの産駒。

京芝1400快勝のスクリーンヒーロー・タケルラスティは、母父タイキシャトルで、きっと道悪巧者。

逃げない競走生活では、一発はないか。

月曜東京、芝ダの1400戦は名牝系出身者が勝利。

稍ダート快勝のコードジェニックは、ビクトリアクラウンの系統。末脚に魅力。

芝逃げ切り、ラフショッド系・シゲルチキュウは、昇級初戦で妙味ありの勝負強そうなタイプ。

 

レース回顧

富士S 回顧 – ハービンジャー×ルメールらしい後方待機策から直線一気のノームコアV

読了までの目安時間:約 3分

 

ハービンジャー×ルメール。

今や、前記録となったマイル戦における金字塔を打ち立てたノームコアは、ホームに戻ったレーン騎手ともに、不安もある中での激走で、初タイトルを勝ち取った。

その時から、いや、うまくスタートが切れなかった愛知杯の時から、意外とストレートにおけるロングスパートが決まるタイプという手応えがあった。

愛知杯の時のような…。

流れる可能性は十分にある条件に加え、ハービンジャー産駒に対して正確なイメージを捉えているルメール騎手らしい後方待機策から、直線は一気の伸び。

さすがはGⅠ馬という決め手で、かなり骨っぽい相手を一刀両断に切り捨てた。

時計はそれなりに出る渋馬場は先週というか、月・火開催の雰囲気にそっくり。

誰が直線に入っていい脚を使えるかと、みんなで考えを巡らせたわけだが、レイエンダとか東京マイルの隠れた鬼であるレッドオルガなどもきっちり走った。

ダメだったのは、半年近く実戦から離れていた3歳マイル王のアドマイヤマーズと高速レースで走りすぎた関西馬。

クリノガウディーという馬は、どういう相手でも頑張るけど、差して粘り込むというスタイルでないと強烈な決め手はないから、きっと東京は向いていない。

左回りは克服したが、かなり渋った馬場で1:33.0の勝ちタイム。

内から真っ直ぐ走らせられず、立ち遅れを全面カバーならずだったカテドラルなどと同じグループに入る、危険な魅力があるGⅢの主に育っていくのだろう。

どちらもいずれは、コーナー4つの2000Mをこなせるようになるだろうが、その逆を行ったノームコアに倣うなら、ロジクライのような正攻法型の1400巧者の道もあったりする。

斤量などの要素も踏まえると、ノームコアの再びの快走は、単なる格相応の結果というよりは、重賞制覇に求められる水準の再確認に役立ったようだ。

理由もなく東京マイルは荒れない。穴党も少し攻略法の修正が必要になった。

 

レース回顧

菊花賞回顧 – インでパワーを温存、底力を120%引き出したワールドプレミアがV

読了までの目安時間:約 5分

 

ヴェロックスのインにワールドプレミア。

勝負に負けるというフレーズとは縁遠い男・武豊の引き出しの多さは、言わずと知れたものがあるが、ヴェロックスが比較的やれることが全て出来た状況で、正直、内枠有利のコーナー6つの菊花賞において、最大限のパワー温存と最小限のロスによって、どうしてもだらしないところがあったワールドプレミアの本質的な底力が、120%引き出された。

高馬であり、京都2歳Sにも有力馬として登場しながら、全く良さが出なかったところがあるワールドプレミアは、何かが足らないというか、何も得られないという経験値の少なさが、最大の死角となっていた。

しかし、その経験値は百戦錬磨の武豊騎手が全力でカバーし、友道調教師の優れた勝負レースに対するアプローチの能力を相まって、最高の結論を引き出すことに見事成功したのである。

母マンデラのイメージは、そっくりワールドエースのやや頼りない走りと繋がるものがあったワールドプレミアにとって、最も恐ろしかったのは、揉まれることだったのかもしれない。

多頭数の競馬にすら参加する機会を得られなかった、脚部不安も含めた勝負運のなさは、ここぞの場面で、あれだけいいレースをしながら勝ち切れなかった男・ヴェロックス&川田のコンビとは、見事に棲み分けて見せた。

最後に笑うのは俺たちだ。

昭和最後の菊花賞で初のGⅠ制覇。

平成期にダンスインザダーク、エアシャカール、ディープインパクトといった、時代を彩るサンデーサイレンスの産駒で制し、また元号が変わって、令和は最初のウイナー。

途中から武邦彦の息子ではなく、武邦彦が父であることを後学で扱う基本情報に塗り替えた天才騎手が、野暮ったい現代の高速競馬に、鈍速力で勝負するスターを再び送り込むという名采配を振った。

12-12のラップを超えたタイムなど、ハイペースを利して差したつばき賞の時だけという、実に珍妙なキャリアを持つ彼が、それが当たり前である唯一のGⅠである菊花賞を制した。

先週の強行開催が、こんなドラマまで生むとは、誰も思わなかった。

ヴェロックスだが。

みんなが感じた勝ち味の遅さとは違った理由が、敗因に挙げられる。

ダービーはペースに対するアプローチが正確すぎたために、サートゥルナーリアとの叩き合いに勝負の命運を全てかけすぎたところがあるが、今回は明らかに違う。

決め手比べでもなく、無論、距離相応のスタミナは問われたわけだが、バテたいうよりは走り切れなかった印象。

馬場が半端に重くて、ズブのディープ現役最高クラスの2頭に、油揚げをかっさられた感じか。

皐月賞がああいう競馬だっただけに、惜しいの一語では語彙が足らないのは確かだが、クラシックであれ以上走れる体力というか、理想のプランがまだ不完全ということだろう。

この点は反省材料。

春のクラシックでレースに参加できなかった馬が、レースには参加したけど走れなかった馬とその中で主役級の働きを見せた馬の両方を負かした。

菊花賞では、何度となく見てきた光景。

去年で言うところのブラストワンピースのような存在が、きっとヴェロックスなのだ。

エタリオウはワールドプレミアの枠だったが、こちらは器用さとわずかな1800適性の差が、結果を分けた。

100点満点の福永騎手のサトノルークスは、一時はすべて飲み込んで快勝かというシーンを作りながら、前回以上に口惜しい2着。

思えば、べらぼうに高い値がついた評価は、かつてのサトノダイヤモンドのような、ゆっくり走らせると力を発揮する京都向き、という共通項を今後も繋いでいくのか。

ダービーは今や、高速の1600適性の何かを秘めていないと苦しい。

2000Mで勝てることが重要。

それがフィットしない感じの今年の1、2着のようなタイプは、昨年のフィエールマンのように、これからどんどん長距離GⅠで活躍するようになる。

本質は1800戦のような感じ。

本格派中距離型のヴェロックスには、とても苦しい競馬になった。

その点、この経験は本来の適鞍で活かせるだろう。

こんなところで情けない競馬をしていても、完全格下のディバインフォースやメロディーレーンまで掲示板に載ったようなレース。

ピントがズレた馬が多く来る方が、全体を俯瞰してみた時には、意味のあるレースと言えるのかもしれない。

 

レース回顧

テイエムフローラ、キムケンドリームほか新馬回顧<10/12~15>

読了までの目安時間:約 3分

 

半ば強引に始まった4回京都2週目の競馬。

当然の波乱、鈴木孝志厩舎&和田騎手&中型牝馬の3点セットで、2レースは決着。

ダ1800は逃げ切ってラーラクロリ。父はサムライハート。

芝1600の人気馬殺しの追い込みは、スクリーンヒーロー産駒・テイエムフローラ。

内からの押し切りの後者は作戦勝ちでも、後者に関しては、アストニシメント系のミネノタケの子孫で、異様なレベルの道悪適性があったように思う。

日曜も京都のみ。

注目馬の出てきた芝2000戦だが、直前に晴れてきても…、という重馬場で適性がモロに出てしまった。

直線で馬込みを鮮やかに抜け出してきたのは、オルフェ産駒・メイショウナルトの半妹という血統のキムケンドリーム。キズナが2頭続いた辺り、こういう条件に適性がないと苦しかったようだ。

月曜日のみ、予定通りの開催になるも、何だかんでまた雨が降って、雨馬場に。

彼の日のシーザリオを再現したようなところのある東1800の福永騎手騎乗・ルナシオンは、配合が全く同じのダノンプラチナに近いキレ馬で、兄のスワーヴリチャードに似た雰囲気は、胴長に見せる体型くらい。パワーはありそうだが、東京専門かもしれない。

1600の牝馬戦は、いち早く抜け出したエピファネイアの仔・フェルミスフィアが見事だったが、うまく外に張れていたら、菜七子騎手のピーエムピンコの逆転だったか。後者はリアルインパクト産駒。個性が強い者同士だ。

京ダ1200逃げ切りのヴィンチェーレ、芝1400快勝のレシステンシアらは、母系が重厚なサンデー系。

キレない分、強気に動ける良さがある。

馬場回復叶わず、むしろ悪化の火曜東京は、2000M戦をエピファネイア×アプリコットフィズの牝馬・フローズンスタイルが、しっかりと先行抜け出しで快勝。9頭立てで、牡馬が人気。距離の長さが結果にも影響したが、勝ち馬は能力上位だった。

ダ1400はバトルプラン×リンカーンらしからぬ根性の持ち主・タイセイポリシーが勝ち上がり。なかなかの曲者だ。

 

レース回顧

府中牝馬S 回顧 – 岩田Jの勝負師気質と見事にフィット、スカーレットカラーが制す

読了までの目安時間:約 2分

 

雨の影響は京都とは違い、限定的だったと思われるが、時計を見る限り、エイシンティンクルがちゃんとペースを握ったことで、人気の太目残りだった4歳のトップホース2頭が少しもたついてしまい、ならばと、重賞2戦で際どく差し込んできたかつてのフェアリーS2着馬・スカーレットカラーが、先週のダノンキングリー並みの決め手を繰り出し、一気の追い込み。

路線の超安定勢力・フロンテアクイーンも見せ場を作ったものの、稲妻の如き強烈さを見せ、豪快な追い込み。

まるでヴィクトワールピサの仔には思えないそれだったが、思い返せば、出が甘く末に賭けるようなスタイルがGⅠ制覇の決め手になったその代表産駒・ジュエラーもそう。

この馬の場合、それと似た重厚な欧州血統が少し入っていて、フレンチコネクションが濃いジュエラーとは違い、母父はウォーエンブレム。

日本でも馴染み深いハビタットの血が母系の中にあり、ミスプロのクロスと欧州型には少ないターントゥの血が豊富という特徴があり、なのにロベルトが入っていないという画期的な特性を持ち合わせる。

芝の決め手比べで、ある程度時計が求められる条件で、尚且つ、軽い馬場状態ではない外差しも決まるコンディション。

岩田騎手の勝負師気質の騎乗と、見事にフィットしそうな背景があった馬が、このスカーレットカラーだったと言えよう。

かつてそれを制して初重賞勝ちを決めたプリモシーンは、二桁体重増以前に、流れに乗っているようで全く動けそうな気配のない勝負所の手応えだったから、同じ太めでもしっかりと形作りの出来たラッキーライラックとは、その状態がまるで異なる。

Vマイルでも力比べを演じた先行組は、今回も掲示板だったが、それを制したは15着だったフロンテクイーン。

前哨戦と言えども、春の本流組は大いに怪しい情勢にある。

 

レース回顧

秋華賞 回顧 – クロノジェネシスが血統の持つパワフルさを爆発

読了までの目安時間:約 5分

 

パドックの気配からして、まだまだ多分に成長の伸びしろのある馬という印象を与えたクロノジェネシスが、直線で他を圧倒。

スピード自慢を有力馬ほど誇ろうとしたレース展開を味方に、こっちのクロフネ<母父>が、血統の持つパワフルさと、常に安定して力を発揮してきた実力で、らしさを爆発させた。

斉藤崇史調教師とは、北村友一騎手は川崎の全日本2歳優駿を制したノーヴァレンダと、人馬三者一気にタイトル取りに成功した<これは国際グレードのGⅠ>コンビではあるが、元より、何だか勝ち味に遅い上に、トライアルなどではやたらと強いクロノジェネシスで、諸々のコンディショニングを考えてのぶっつけローテは、誠に見事である。

そして、オークスの時とは違う馬場で、もっと厳しい展開になるも、そのどちらでも中団の決して楽ではないポジションからの抜け出し。

北村友一騎手も随分と立派な騎手になったが、スマートさだけではない、人馬の底力がレースの勝敗で大きな影響を与えたようなところがある。

展開の不明な点を様々論うのも、この秋華賞の回顧には必要なことかもしれない。

しかし、これは内が残る、前には有利な先週と同じ馬場と考えたことと、逃げてはならないという明らかな陣営からのオーダーがあった1、2番手の秋華賞勝利騎手の判断が、悪い方に働いたと思うのだ。

先行できるようになった、そうしたいと思える状況、そうしなければ勝ち切れないという狙いが福永騎手にはあったのだろうから、ダノン潰しに躍起になった面はあるだろう。

一方で、理由もなく逃げることは、GⅠなどの大舞台で人気になる馬では絶対に許してくれない藤沢調教師の馬でルメール騎手がペースも見つつの番手追走が、有り余るコントラチェックのスピードを抑え込むことによって、スムーズさをお互い欠くことになったわけだ。

それを人気になった上に、日々成長はそのまま、スピード化まっしぐらの完全型マイラーになりそうなダノンファンタジーが、内枠も道悪もなんだあれもこれも…、という感じで、川田騎手が正攻法を選んだので、結果的に、タフさを身上とするカレンブーケドールや決め打ち型のシゲルピンクダイヤに実に、やりやすい展開へと繋がったわけだ。

はっきり言って、上がりがいくら何でも掛かりすぎで、父が凱旋門賞で快時計を叩き出したバゴという血統背景のクロノジェネシスには、何もかもが向いた上に、力が極めて高水準だったのに対し、それ以降の上位入線組は、色々条件が重ならないと自慢の持続力が発揮できないタイプなので、生き残りとその他という結果と結論付けられる。

その一方で、充実度合いにまだ+30kgほどの余裕があるような雰囲気のクロノジェネシスの前途は、いかようにもなりそうな万能性の魅力を改めてキャンペーンできた、適鞍の中でのベストパフォーマンスで、実に明るいものになった。

前に行って失墜のかつてのライバル…。

もうあの頃の力関係ではなくなってしまったのではないか。

1頭だけ異常に強かったグランアレグリアが、今は不遇の季節を迎えている。

オークスで駆けすぎたラヴズオンリーユーも、しっかりと復活できるだろうか。

その意味において、クロノジェネシスがここを勝った意味は大きいのだ。

アーモンドアイはトリプルティアラだからあまり関係ないが、その前のディアドラ、ヴィブロス、ショウナンパンドラなどは、春まではまるで力関係で上位組とは差があった組。

しかし、以降は一気に世代を代表するチャンピオンフィリーになり、それをキープし続けた。

カレンだってシゲルだって、モズカッチャン、リスグラシューのような道を辿ることだってできるかもしれない。

ただ、一流というパフォーマンスを完遂できたクロノジェネシスは、歴史を振り返っても、これは力通りだったという評価がなされるのではないだろうか。

強かった。もっと強くなってほしい。

また、芯の強い名牝の誕生である。

 

レース回顧

嗚呼、ダメか – 凱旋門賞回顧

読了までの目安時間:約 3分

 

勝ったヴァルトガイストは、古馬の前哨戦であるフォア賞を快勝していた。

キセキが全く歯が立たなかった相手。

血統はガリレオ×モンズーン。こんな血統の馬を日本で連れてこようなどとは思わない。

ということは、しっかりと対応しているように見えたのは前半だけだった日本三銃士たちは、直前の雨というより、ずっと雨というコンディションによって変質した、キセキでも対応不能のかなりソフトな重馬場を、本当の意味での敗因とすべきか否か、一度考えないといけないのである。

今回ばかりは、ニューマーケット滞在の表立ったメリットが、直後に出てくることはない。

あの好位置にいて、フォルスストレートを前に、ほぼギブアップだったのだから。

キセキだって、元から素直な優等生ではない。3歳夏に、新潟で衝撃的なタイムを叩き出した馬である。

JCレコード決着最大の立役者。

その昔というか、最初の凱旋門賞に挑むときから、本命馬のエネイブルは道悪がいいとは誰も言ってこなかった。

わからなかったというか、シャンティイアークの重馬場以外、後はキングジョージ2勝時のソフトコンディション中レベル程度の稍重しか経験がなかったのだ。

シャンティイは前年が、凄まじい時計の勝負になったが、実は、昨年の改修後最初のロンシャンアークの良馬場のタイムの方が、ちょっと遅い。

今年はもっと遅い。

道悪は敗因であろう。

サドラーズウェルズの同系配合で、その3×2。

父ナサニエルにはお馴染みシルヴァーホークの名が母父に入り、母の系統にもミルリーフやニジンスキー系の種牡馬が入っている。

ディープは良馬場でも、スピードが勝ちすぎてシロッコ共々、好勝負までは至らなかった。

結果的には一番とされたが、あの禁止薬物問題も発生。

本質は、その他2着の面々と変わらず。

ベテランコンビにしてやられた今年の凱旋門賞は、やや新鮮味に欠ける基本的な道悪適性が優先されて、新入りにはあまりにも過酷なレースとなった。

距離適性の問題。日本馬の本当の敗因は、その不適であろうと思う。

 

レース回顧

ディアスティマ、サクラトゥシュドールほか新馬回顧<10/5・6>

読了までの目安時間:約 3分

 

渋残りも、そこは開催替わり初日の土曜日。

好天もあり、芝の馬場悪化はなかった。

東西の中距離ベースの新馬は注目だったが、京都1800は当たり。

ディープ産駒のディアスティマが、好発好位付けからの早め抜け出しで、ミドルペースを押し切り勝ち。

上がりは平凡も、ディープがキレで勝たないというのは武器になる。後続勢も総合力に期待が持てる。

一方、東京マイルの断然人気・クロミナンスは、スロー逃げから直線でもたつくという失態を演じ、伏兵2頭の追撃を凌げず。

勝ったラッシュアップは、Vピサ×ノーブルジュエリーの力馬だから、妥当と言えばそうだが、本命馬はかなり心に闇を抱えている可能性がある。

京都では芝の1200戦も行われ、生誕2歳1か月の3kgもらい・クラシックココアが、力で半年先に生まれた面々を封じた。

豪州ファストネットロック牝駒。無理なく馬を仕上げてもらいたい。

馬場の質があまり硬くないのか、天下の10月開催の中距離戦で、日曜は人気馬が飛んだ。

京都2000は、スマートにインから抜け出したジャストナウが上手だった一方で、人気馬の反応が悪く…。

東2000の注目馬・ダノングロワールは、インからの抜け出しというより、自力で抜け出す器用な脚がなかった印象。

掛かり気味でもしっかりと脚を使ったサクラトゥシュドールは、ネオだけれども、サクラチヨノオーの近親で強気に出た方がいいタイプの分、強みが活きた。

前者はジャスタウェイの小さな牡馬で、アイスフォーリスが近親にいる。納得の決め手。

49erの3×3を持つ牝馬・バトルカグヤが東1400戦を勝ち上がったが、恵まれた逃げ切りではない、底力を感じさせる何かがあった。リボー的な狂気を秘める。

ダートは計4戦。

京1400・稍
ディモールト 2人<ヘニーヒューズ/逃げ切り>*単勝1.8倍の本命馬は3着で、勝ち馬は10.4倍。

東1600・重
タイアンキチジツ 7人<ダンカーク・牝/ゴール前インから捉える>

新1200・不
キラービー 9人<スマートファルコン/馬群をクラッシュして力で抜け切る>

京1800
ダノンアレー 1人<ディープインパクト/キレないが安定の好位抜け出しという感じ>

 

レース回顧

毎日王冠 回顧 – スピードランナー・ダノンキングリーの誕生

読了までの目安時間:約 4分

 

軽いレースではなかったが、しっかりと直線で反応できたこと。

妙にうまくスタートを決めすぎた4歳のタイトルホルダーが、アエロリットに全く楽をさせずに、前哨戦的な展開を作らせなかったことで、バランスラップの厳しい競馬になった。

それでも、スタートが全くアウトという感じだった戸崎騎手のダノンキングリーは、斤量も含め、リカバリーが人馬ともパーフェクト。

思ったイメージがあの共同通信杯のようなレースを…、という大方の見立てだったが、直線で使ったダノンキングリーの末脚は、必死に頑張って、相手のリズムに何とか抗って見せた、あのロジャーバローズを唯一追い詰めた時の脚に見えた。

ダービー連対馬など、まず毎日王冠では用なしだった歴史は、時代の流れと、パドック気配からして、全く馬に戸惑いのなさを醸し出す余裕でも、明らかに古馬に対し、上がり目が違った。

ダービーの時の気配は素晴らしかったが、適距離だという以前に、誰よりもリラックスして、戦う準備が整っていた本命馬が、ひどいレースをする状況ではなかったということだろう。

しかし、それは結果論。

相手のリズムに…、ということでは、勝手に相手のリズムにしてしまったインディチャンプの、やはりかという感じの根負けでも理解できたように、そう簡単に差し切れるような展開ではない。

確か、雨が降っているのに、今日は外差し馬場だなとみんなが感じた3年前のルージュバックが制した時でも、戸崎騎手は落ち着き払って、いつもの直線勝負であった。

今年も簡単に前が粘れるような、単なる高速の外差し難航のトラックコンディションではなかった。

ある意味、アエロリットが珍しく、目一杯まで仕上げなくてもいい状態で走れたことが、古馬らしい前哨戦仕様の仕上げが可能になったこととイコールになったので、突出した1800Mのスピード勝負で、諸条件の有利不利の面が、きっちり反映されたのかもしれない。

スピードランナー・ダノンキングリーの誕生である。

言い換えれば、ダービーで示した2:22.6で駆ける能力を、補正をしっかりとできる東京の1800で、まずそこに合わせることによって、完璧な立て直しとスケールアップに繋げたことになる。

筆者は上位3頭にそれぞれ思い入れがあるから、贔屓目になりがちなところもあるわけだが、こういう展開で、54の優位性をそのまま示したダノンキングリーの素晴らしさは、そうは簡単には伝わらない。

ただ、揉まれるないポジションを図らずも確保でき、自力で上がって行くことをダービーで人馬ともマックスで経験したことが、しっかりと再現できたのである。

クラシックへの臨戦過程も無駄はなかったが、古馬に挑むその流れも完璧。

同じ脚を次なる舞台でそのまま期待してはならないだろうが、京都で不甲斐ないレースをした4歳の非GⅠ馬連中などより、ずっと中身の濃いレースをできた。

この秋だけではなく、その後の展望も自ら開いた。

戸崎騎手が言うように、馬に勝たせていただいたのである。そこに全てが込められている気がする。

目標を定めて、獲るべきタイトルを狙い撃ちしたい。

 

レース回顧