血統予想・コラム

JUST競馬予想ブログ

POG反省会

読了までの目安時間:約 3分

 

例年比3割増しくらいなところで収束し、上位勢の組み合わせに破綻は生じなかった今季の牝馬クラシック戦線。
ただ、メジャーエンブレム、ジュエラーが主役になるクラシックは想定されていなかったのか、200頭余りピックアップされた候補生の写真が載った冊子に、その姿はなかった。

良血シンハライトは、掲載されていた。
ただ、今より気持ち多いだけの420kg台中盤の馬体は、血統馬らしい均整の取れたフォルムであっても、インパクトを欠いていた。
小さい馬はオークスでは強い。しかし、その個性がプラスになった結果、ここまで穏当な浮き沈みのない戦績に繋がったのだとすれば、未掲載の2頭は、やはり自力では彼女以上にあったのだと思う。
同じディープなら、クイーンC2番人気のサプルマインドの方が期待感はあった。

一方、牡馬に関しては、血統も見栄えもエース級がわさわさいる状況。
リオンディーズ、サトノダイヤモンドの立ち姿からは、重厚ながら、しなやかさも感じさせる、今の高速クラシック向きの適性が見て取れた。
筆者は、シンハライトのような小柄が馬の伸びしろは推し量ることは、一定程度ならできるが、こういう、タフな競馬を好むだろう500kg近辺の総合力タイプの推挙には、いつも失敗してしまう。

ディーマジェスティは、ヘイルトゥリーズン系の同系配合馬で中型馬。
背が伸びたせいか、今よりはっきりとがっしり型のブライアンズタイム的要素は、変化していると言えばそうだが、一変したわけでもない。
ちょっとは脚を長く見せるようになり、ディープらしさが加わった分だけ、あの高速決着への対応力も身に着けたということか。
それらを負かしてダービー馬となったマカヒキも、牝馬マイルタイトルホルダー同様、その姿はなく、比較できず。

ラニは、サンデーサイレンスが肌の配合のせいか、ダート馬のイメージに囚われるものはなかった。
仕上がり早でも速さは感じさせないが、先行型として成功する感じはしない体型というのは、血統の印象も含めて、概ね予測できた結果にも思える。

最強世代は、軽い血統の方が距離が延びて強いことがある。

 

コラム

春クラシック総括 -牝馬編-

読了までの目安時間:約 3分

 

オークスが終わるまで一貫していたのは、前走2着馬によるGⅠ制覇というリズム。
それは、桜花賞3強の因縁の深さを象徴する姫合戦のプロットとなった。

桜花賞前は、あまりに速すぎた前哨戦・トライアルを、単純にハイレベルとみるか、怖いとみるかの二論に分かれたにもかかわらず、結果、みんな好走してしまって、ちょっと狐につままれた気分になった。
メジャーエンブレムが敗れたことに、皆が不満を持ちつつ、餅は餅屋と腑に落ちたファン心理の傾向については、一点、勝負に徹したデムーロ騎手とジュエラーの気迫が、あまりにも凄まじかった影響が大きかったように思う。

「誰をライバルとするか」
1番人気馬はその他大勢。結果、格下相手にレースの主導権を与えたがために、自滅した。
もう一頭のハイスピードクイーン・シンハライトも、相手がメジャーエンブレムである以上、勝ちにいかないといけない、となって、それらはまとめて、強烈な追い込みに賭けた勝ち馬の末脚に屈する格好で決着を迎える。

「最初にしてクライマックス」
みんなマイラーではないだろうか。
走れてしまうことで、連続して1分33秒前半以上の時計で駆けたことの反動もあった。
33秒台では凡走すると知ったメジャーエンブレムは、東京で復権に成功。
一方、ジュエラーの軽度ながらも、オークス回避の原因となった骨折は、クラシック戦線でありがちな、一世一代の勝負に出た反動が出た形であり、悲運ながら、気落ちする展開ではなかった。

最後の直線、池添騎手の8年前の騎乗を思い出させたオークス。
半年前の東京で、メジャーエンブレムのオープンクラス初戦をハナの差だけ邪魔したデンコウアンジュが被害を受け、桜花賞を回避したアネモネS馬・チェッキーノは、最大の上昇力をトライアル連勝で証明し、正攻法の末脚勝負で挑んだのだが…。
人間の意識には、多少なりとも変遷というものはあったのかもしれないが、ヒロイン候補にそれはなかった。

紅梅Sでジュエラーの姪・ワントゥワンの猛追を凌ぎきって、厳しい戦いに赴くチャンスを得たシンハライトは、その経験をオークス戴冠へ繋げることに成功した。

 

コラム

東京優駿(日本ダービー)回顧

読了までの目安時間:約 6分

 

リオンディーズだけが下げて、後の人気の3頭はだいたいのダービーポジションにつけて、中団の内目からスムーズに立ち回った順で、力を出し切れる競馬を選択した、勝負の形を作った順番通りに、第83回ダービーは決着した。

ほぼ、力を出し切っただろう皐月賞で、ともに、連勝が止まった同士の執念の叩き合いは、これでクラシックコンプリートを達成した川田将雅騎手のマカヒキが、差し返す形で外から追い詰めたルメール騎手のサトノダイヤモンドをゴールの瞬間までついに交わさせることなく、ハナの差だけ残した。
それは色々な意味で、一流騎手としてのプレッシャーをより感じるべき存在へとなれた瞬間でもあった。

最近、結果が芳しくないデムーロ騎手のリオンディーズは、事前の評価は皐月賞と同等のものであったが、期待の割合が少し分散した分、決して、奇をてらった追い込み策ではなかったように感じる。
先週は早仕掛け3着、ダービーは後方、実質的な殿一気の試みは、掲示板に載れるか否かの結果に終わった。
馬を信じられなかった部分もあるだろうし、皐月賞とさして変わりない返し馬からのイレ込みもその策の直接的な理由ではあるだろうが、皐月賞より遥かにまともに流れたダービーで、積極的に勝ちにいかなかったのでは、ちょっと悔いが残るのではないだろうか。
そこは心配。
ファンはミルコもリオンディーズも見捨てはしないが、馬の出来に比べれば、ミルコらしいいい意味での強引さが全くなかったのは、何だかつまらない気分であった。

うまくいったのは、マカヒキの方。
後ろにディーマジェスティを置き、想定された上位組のほとんどが中団より前にいる状況で、思えば、3連勝での2歳女王戴冠を目指して直線インをついたあの阪神ジュベナイルフィリーズのハープスターでの騎乗に似た直線の勝負の形は、今回は吉と出た。

それはそうである。
2、3着馬は一緒の位置にいたのだから。
やや型を崩して、前回からスピード勝負に勝機を見出そうとしたダービー5勝の武豊騎手駆るエアスピネルが前にいるのだ。
川田騎手の理想とする競馬に近い。

そういえば、ハープスターの件では、桜花賞でのレッドリヴェールとの再戦において、皆が恐怖感と爽快感を同時に覚えることとなった新潟2歳Sの再現により、見事なクラシックコンプリートリーチの優勝の記録が残っている。
同じ轍は踏まない。

皐月賞でのディーマジェスティに、体感からすると、まるで追いつかない感覚を得て、かなりがっくりした部分があるのだとすれば、このダービーの勝ち方である。川田将雅という騎手は、類まれな勝負勘をもつ男なのだと、後付けではあるが、なかなかやるなと思わせるところがあって、その伏線は、意外と近くにあるものだと残念な気分にもなりつつ…。

素晴らしかった川田騎手に対し、本音を言えば、やっぱりこの馬が一番だよ、と昨年と同じように、奇しくも同じ勝負服でダービーに挑み、それを証明しようとしたルメール騎手は、ダービーとしては普通の騎乗だったように思う。
あっさり負けを認めてしまったのは、まさかそこを突いてくるか、とマカヒキの進路を瞬時に思い返し、皐月賞でも交わされたゴール寸前の屈辱もフラッシュバックしてしまったかのように、馬のやる気に対し、まあ、それがスタンスではあるのだろうけど、本当はこうして勝とうと思った乗り方で、気持ち必死になって追いかけて、それを交わしきれない事も理解してしまって、結果、ハナ差で敗れて、どこかでは納得の結末だと瞬時に切り替えられえしまったからなのか。

おめでとう。
そこに苦さがないと、来年も再来年も勝てない。
サトノダイヤモンドは、納得の出来になったはずだが、日本の競馬向きの柔軟な騎乗は、結果的ではあるが、ゴール前の接戦に影響したように思う。
ミスではなくても、ちょっと末脚をより引き出すことに執着しすぎたのではないだろうか。
ヨーロッパではギニーホースになれる素材だが、日本では時計が速いダービーが行われる。
ウオッカの時は、完璧なハナ差残しであったのとは、ちょっと対照的だった。
これは少々残念。

蛯名騎手には、ディーマジェスティの能力を全て引き出す技術はあっても、それをダービーで繰り出して、勝ち切るだけの勝負運がなかった。
幸運の内枠、2年前に似た平均的な展開に、前に有力馬がいる状況で、道中も理想的な外への進出であったのだが…。

名手が名馬を駆るのが、ダービーであり、GⅠの正しい在り方だ。
GⅠというのは、人馬の執念が全てであることも多いが、このレースのように、生き様そのものが結果を左右することもままある。

同時に、レコードへの期待は、マイネルハニーの逃げに託した時点でもう薄らいでしまった。
直線、リオンディーズに究極の追い込みを期待するのは酷にしても、もっと強烈なものを期待していたら、マカヒキが上手に走って、きっちり勝ち切ってしまったのである。
いや、思われているよりは…。
力をコンスタントに出せるのは上位3頭だろうが、ドゥラメンテがまだ現役にいるせいもあって、気持ち物足りなさも感じてしまった。
型を崩してダービーを勝った馬は数知れず。しかし、その後大成した馬などいない。
怪我をするか、燃え尽きるか。
皐月賞組の消耗は、想像以上である可能性は否定できない。

参考:日本ダービー予想 特集ページ

 

レース回顧

東京優駿(日本ダービー)予想

読了までの目安時間:約 6分

 

合理的に考えたら、キングカメハメハ<2頭>とディープインパクト<6頭>の取捨選択が最重要ポイント。
戦績の優秀なこの8頭の優駿は、血統は素晴らしいが実績が大分物足りないプロディガルサンだけ、別個のアプローチが必要だ。
フレッシュさで勝負になるかどうか。血統はあまり重要ではない。

7頭の取捨。
皆、重賞馬である上に、GⅠ連対4頭以外も、皐月賞1番人気、スプリングS勝ち、青葉賞快勝と、ダービーに縁のあるレースの主役であった。
ダービーだから、血統の吟味が肝になる。
裏を返せば、今年はそれほどまで拮抗した力関係なのだ。

前走の内容から、人気が更に落ち、気楽になるだろうマウントロブソン、エアスピネルらが、2400Mまで来るとちょっとタフさがどうかというタイプに見えたから、連下に据えるとして、
ディーマジェスティ
マカヒキ
サトノダイヤモンド
リオンディーズ
ヴァンキッシュラン
ら5頭の共通点と、大きな個性の違いを表しているだろう血統の相違点を探っていくと、ノーザンダンサークロスは皆持っているが、

・ヘイロークロス
サトノダイヤモンド
マカヒキ
・ヘイルトゥリーズンクロス
ディーマジェスティ
・ノーザンダンサークロス<主要素>
リオンディーズ
ヴァンキッシュラン
と、3分類することができた。

近5年の勝ち馬の血統的特徴、言うなれば、クロスの性質を挙げると、
11年 ノーザンテースト4×3
12年 ノーザンダンサー<リファール>クロス
13年 ノーザンダンサークロス
14年 ヘイロー3×4
15年 ノーザンダンサークロス

ここ10年の例外となるウオッカ、エイシンフラッシュらにも、各々の個性を生む継続クロスや薄いクロスが入っている。
最近多いヘイルトゥリーズン、特に、その直仔のヘイローのクロスは、しなやかさや鋭さを身上とするサンデー系にとって、2400Mという、この系統には少し距離適性で我慢しきれない馬も出てくる条件に向けて、少なくとも、鋭さを強化しない意味での効果は出ている。

ディープの産駒で、2200M以上の距離に向く馬には、絶対にノーザンダンサーのクロスが入っているが、それは、母馬には必ず入っているようなオーソドックスなものであるから。
父がディープなら、マカヒキのような3×5のヘイロークロスは、決してプラスにならない可能性はある。
先行力で勝負できる馬か、持続力のある末脚を早めスパートから繰り出せる馬に合うクロス。
東京の方が、今のコースになってから、極端な追い込みは決まりにくくなっている。

キングカメハメハは、自身がノーザンダンサークロスを持っているから、産駒にそれが入れば、自ずと継続性が出てくる。
昨年のドゥラメンテは、母母母父のまた父の位置に入ったその血のクロスが、大種牡馬同士の配合をまとめるヒモのような役目を果たしていた。

予想の段階で一番は決められないが、配合のパターンと戦績から、ダービー血統、即ち一流の血統馬を選び出すことは可能だ。
ディープらしさを出すには、ヴァンキッシュランの配合が一番か。
でも、ヘイロークロスが決してマイナスにはなっていない傾向もある。
サトノダイヤモンドは即座に切れない。

実績と血統の持つ潜在的な適性はリオンディーズ。
ただ、人馬とも、何だか迷い道に入ったような印象はある。
本来は、ダービーで行きたかったはずが、抑えていく方の確率が上がったともとれる中山の内容がある。

父にヘイロークロスのある裏路線の勝者には、距離適性を補う根拠となる血が少々足らない。
まあ、ディープと配合イメージが近いスマートオーディンは、ギリギリセーフか。
帯に短し、襷に長し。
しかし、ハイレベルだから、そして、みんな速さがあるから迷うのかもしれないが、ならば、持続力が最もありそうな馬からがいいのか。

◎サトノダイヤモンド
○リオンディーズ
▲ヴァンキッシュラン

ヘイロークロスが、スピードをプラスするというより、キレをちょっと消された分だけ勝負の仕掛けができるサトノダイヤモンドは、策が見えないリオンディーズの適性を上回れる可能性がある。
キレが凄いのならいけるだろうが、最後は戦ってきた相手の差という先週の結果も踏まえると、ヴァンキッシュランは、自分の競馬をして着があるかどうか。

皐月賞の着差は、必ずしも実力差とはならないが、00年代は1分58秒中盤の連対馬、ここ数年は58秒台前半以上の連対馬が、ほとんど来ていない。
エピファネイア、ドゥラメンテは、2400Mの古馬GⅠの連対馬でもあるから来たが、今年は、ハイペースの2000Mがぴったりの馬が来た印象。
ハイペースの皐月賞を正攻法で行った2頭が、今年の主役だと考える。
大荒れは想定しづらいが、穴なら、他のディープが疲れてしまって力が出し切れなかった時のプロディガルサンか。兄よりはゴツい競馬が合っているように思う。

参考:日本ダービー予想 特集ページ

 

レース予想

4強は万全

読了までの目安時間:約 2分

 

ダービーを制しているのは、リオンディーズの角居調教師とサトノダイヤモンドの池江調教師。
名伯楽に仕えた経験のある両者は、共に、ダービートレーナーの師匠から誕生したダービートレーナーだ。

「舌をくくって凄く乗りやすくなった」(M.デムーロ騎手)
他にも強い馬はいるが、一番乗りたい馬はリオンディーズだと語った鞍上に対し、師はいつも通り、全権委任のスタンス。

「前走を叩いた上積みはありそうです」(池江調教師)
終いを伸ばしてほしいというルメール騎手へのリクエストは、重賞馬2頭を追いかける意欲的な調教で、1馬身先着という回答となった。
万全の備えで、2度目の戴冠を目論むダービートレーナー。

「(川田ジョッキーから)『皐月賞の時より、パワーアップしている』という言葉をいただきました」(友道調教師)
騎手、調教師とも、かつて大魚を逃した苦い経験がある。

「血統的に長い距離も大丈夫だと思いますし、(中略)蛯名騎手が日頃の調教で教えてくれていますし…」(二ノ宮調教師)
このコンビ、何故だか古馬になってからの方が目立っている気もする。

非勝利騎手&調教師のコンビでも勝ってしまう馬は、決まって、皐月賞、NHKマイルCでも中心馬だった。
例外は、最近だとエイシンフラッシュとかディープブリランテなのだが、両者は道悪の皐月賞3着馬。

夢をかなえるためには、まず、馬を信じなければならない。
信じた先には、きっと、不満の残る結果は待っていないだろう。
データ通りならば、ダービー馬はこの中にいるはずだ。

 

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