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割を食うのは?

読了までの目安時間:約 2分

 

かしわ記念 5.3倍 3着
京都新聞杯 4.3倍 7着
NHKマイルC 6.3倍 9着
京王杯SC 5.3倍 11着
ヴィクトリアM 13.5倍 1着
平安S 4.8倍 10着
優駿牝馬 2.4倍 1着
東京優駿 5.3倍 1着
目黒記念 19.1倍 1着

同郷の名手O.ペリエ騎手以来となるGⅠ3連勝を達成したC.ルメール騎手。
5月の国内主要競走における単勝回収率は、若干穴男と化した後半の神騎乗の影響もあって、400%を軽く上回っている。

実績と鞍上の好調ぶりから、安田記念の1番人気はイスラボニータで堅そうだ。
が、この男の戦績を見ていくと、なかなかに歯痒くなってくる。
GⅠに限定すると、
~5.0倍【0220】
5.1倍~【1012】
ちなみに1番人気では、【0120】である。

穴男の側面がある一方、ここ4戦連続連対は古馬と戦うまで8戦続けて連絡みした王者だった頃の自分を取り戻したようにも映る。
ルメール騎手と本格的に手を組んだ近走は、3歳時のスポット騎乗も含めて【1310】なので、人気にならない理由はない。
ここ3走全て5倍を切ったオッズで、好調さを取り戻した皐月賞馬は、常に安定した走りでファンの期待に応え続けてきた。

「すこぶる順調。それが何より」
栗田調教師は、勝って自信を取り戻した厩舎の大黒柱について、状態面への自信を口にするのであった。
ダービーに因縁を持つパートナーとの組み合わせでは、ルメール騎手がダービーでも騎乗していた場合、その後GⅠ馬になる確率は100%なのだが、今回はGⅠ馬だからなぁ…。

 

ニュース

仮分類法

読了までの目安時間:約 3分

 

アエロリット
ND<ヴァイスリージェント>・フェアW×ヘイロー<父SS>×ND<ヌレイエフ>

レーヌミノル
ヘイロー<父SS>・ND<ノーザンテースト>×ヘイロー<非SS>×BR

ソウルスターリング
ND<サドラーズウェルズ>・ND<ダンチヒ>×SF×ナスルーラ<ネヴァーベンド>

牝馬戦線の勝者はどれも正攻法であり、時計もまずまず優秀だった。
今回は、彼女たちの血統構成に関して、概略した形でそのハイパフォーマンスの根拠となったポイントを探ることにした。
どの馬もノーザンダンサーのクロスを持つスピード型の可能性を秘めた配合だったのだが、五万といるそれを捉えた解剖は時間の無駄だ。

焦点は、ヘイローのあるなし、或いはその入り方に拘わらず、マイルの主要競走を勝っているという戦績であろう。
父親の系統がまるで違うようで、1600ベースで2000Mにも対応した名馬という点は共通。

そして、日本のクラシックおける9割以上の勝者に共通するヘイロー・ノーザンダンサーの従兄弟同士どちらかの直系であるから、その特に重要なラインを形成する<サンデー系>・<芝向き(欧州血統)>を、日本の芝主要系統とするならば、そちらの方を◎、他方を○とした場合、
アエロリット→○-◎◎
レーヌミノル→◎◎〇-
ソウルスターリング→◎◎--

更に、ネアルコ・ネイティヴダンサーなどを含めたファラリス系を△、その他を×とし、3、2、1、0と良血度合いを数値化した場合、同順で、
○△◎◎→9
◎◎○△→9
◎◎×△→7
と、結果に対する相関関係が判然とするような差異が生じた。

1分33秒台の決着となったGⅠが一つもないので、9の二者が即マイラーとは断言できない。
また、二冠のパフォーマンスが酷似する◎◎◎◎→12のジェンティルドンナとソウルには、マイルのタイトルを得るために条件が狭まる傾向が出た一方で、その他の距離における柔軟性は◎◎◎△→9ハープスターではなく、◎△◎×→7ダイワスカーレットと共通するから、ソウルスターリングの距離延長の躍動は、ほぼ確約されていたと言える。
血統の特徴と大雑把な分類によって、適性の区分がしやすくなることがわかった。

 

コラム

牝馬クラシック 2017年 春総括

読了までの目安時間:約 3分

 

NHKマイルCは牝馬のワンツー。
牡馬路線は総じて、本番はハイレベルの決着になったが、牝馬路線は一貫して、スピード能力の高さをベースとした高水準のレース展開がなされたせいで、結果に不満の出るようなレースはほとんどなかった。
あれだけ平凡と揶揄されていたフローラSの勝ち馬は、本来の力を発揮した2歳女王に唯一食い下がった挑戦者となった。
秘めたる能力の差は大きくても、各々の個性が際立つ、実に見どころの多い競馬であり、波乱が多かった割に、損した気分になった人はあまり多くなかったように思う。

桜花賞は土日の馬場質の変化が、大きく結果に影響を及ぼすこととなった。
明らかな雨馬場であった前日は、GⅠ馬と後のGⅠ馬のワンツー。
しかし、回復途中ながら、この季節独特の急坂コースのタフさと相まって、純粋な能力だけを要求されるレースにはならなかった。
だからこそ、JF3着で能力のある所を示していたレーヌミノルには、単純な底力勝負ではない舞台でのスピード比べへの対応力が秘められていたと言える。

一方、前半で自分の競馬をできないと悟った鞍上が直線勝負に賭けた5着アエロリットは、中途半端な人気ながら能力を評価されたマイルCで、今までで最高のスタートを決めた後、リードホース・ボンセルヴィーソの能力を引きたてる追走から、直線は独壇場に持ち込んだ。
まるで、桜花賞でやりたかったことをレーヌミノルがやりきったことを、得意の東京で見せたような競馬だった。

血統的な問題より、あまりに順調に事が運びすぎていたがために、負けることによる消耗の低減という恩恵を受けられず敗れた印象のソウルスターリングは、終始自分らしい上手な競馬で、東京2400Mでは力の違いを見せた。
速く走ることを強いられる日本の牝馬路線だから、それに上手に対応してきたわけだが、フランスではともかく、ドイツに縁の深い血脈の成せる業なのか、オークスでのレース内容は、ほぼ完璧な道中の運びから、直線では少し遊んでいるような感じでの走りで完勝であった。

すでに下げることでも一定の結果が残せている3頭に、故障以外の敵は今のところ見当たらない。

 

コラム

東京優駿(2017)検証

読了までの目安時間:約 6分

 

東京では上手な競馬ができる。
速くはないマイスタイルを駆って、逃げ馬らしい形は作ってみせた横山典弘騎手だが、機を見るに敏のルメール騎手然り、ダービーの勝ち方を知っている四位洋文騎手もそう、日本ダービーを一番よく知る外国人・デムーロ騎手も、今回はやれることはやったので、逃げ切りはならなかった。

ここ数年、横山騎手が2度目のダービー制覇を果たした14年や昨年激戦を制したマカヒキの川田騎手もそうだったが、皐月賞とのレースラップの違いを理解し、出来る限り、死語になりかけていたダービーポジションを目指して、位置を取ろうという意識を持った人が、栄冠を射止めていた。
その前の岩田騎手のディープブリランテも、背負うものを全て力に変えて、先行押し切りで念願のダービー制覇を果たしている。

ドゥラメンテやオルフェーヴル、ダービーを勝てる代わりにオークスに勝てなくなった武豊騎手のキズナは、どの位置だろうが勝っていたはずだが、追い込んでダービー劇的勝利など、高速化の進んだ最近は、ほとんどなかったのだ。
そこまでデータを取り入れていたかどうかはわからないが、今のルメールは、ちょっと手が付けられない。
ダービーは派手な勝ち方をしてしまうケースは多いが、道中にビビッて、位置取りが普段通りにできなくなったせいで、結果そういう展開になっただけということも多い。

7年前だったか、横山騎手もヴィクトリアマイル-オークス-ダービーのスペシャル3重勝一人獲りに挑戦したが、出遅れてしまったペルーサを、3角まで抑える事しかできないほど、スローペースに巻き込まれて身動きが取れなかった。

あの時の騎手が、今回は逃げている。
誰の動きを見れば、レース判断に間違いがないのか。
その昔、若き日のオリビエ・ペリエは、日本の競馬のルールを岡部幸雄のやり方に学んで、それを踏襲することで、最後はほぼ日本人化するように勝ちまくり、競馬サークルに溶け込んでいった。

今のルメールは、武豊や横山の作る合理的にして、最も各馬の力が出しやすい展開というものを、非常によく理解しているように感じる。
目標設定を見誤らなければ、このような大レースで、本命候補の馬の力を出し切れないはずがない。
まずまずのスタートから、少し胸騒ぎもあったか、いや、高速化した馬場を意識したのだろうルメール騎手のレイデオロは、向こう流しで動いていくことになるのだが、差すことを選択せざるを得なくなったアドミラブルと似たような不穏な気配でチャカつきをみせていたのに、こちらは堂々と大外進出である。

直線だけを見れば、先週の2歳女王と似たような競馬になったわけだが、不器用なスワーヴリチャードが普通の型にハメるしかない、いや、ハメられたら勝てるだろうという四位騎手の自信の騎乗を、最後はきっちりひと伸びで封じた辺り、とても雑な動きのようでいて、最高に合理的な競馬をできたのではないのか。

もちろん、スローだからと言って動くのが正解とは限らないが、外に出したことで、少しいつもより馬を前向きに走らせようとしたにより、ルメール騎手のイメージ通りに、然るべきヴィクトリーポジションを、追い込みタイプなのに取れたのである。
言ったら、テンよし中よし終いよしのミホノブルボンの逃げの形のような競馬だ。

ここ2週、デムーロの覚醒期を見えているように理想的な競馬を、大一番でだけ(笑)みせるルメール騎手だが、彼の勝負に対するスタンスは、ほぼ同級生の彼と比べても、今回もそう、レースを自分で壊しに行く競馬は決してしないというルールを踏襲しつつ、正しい競馬に徹すれば、いずれ流れは来るということを信じているように窺える。
遅いから、動いたのだ。

アルアインは、どう乗っても展開が変わらない限り、結果は似たようなものだったはず。
上位2頭にはスローに強いミスプロの血があり、東京での実績もあった。
人気のアドミラブルも、ファミリーのクラシック適性に加え、東京2400Mへの適性があった。
力関係からして、ベストパフォーマンスのマイスタイルに負けるはずがない。
鼻差及ばずの結果はこの場合、速く走ることに適性はあっても、極限の決め手や勝負強さが求められた場合、皐月賞以上のパフォーマンスをしたところで、皐月賞前の評価通りに、抜けた存在ではなかったという証に思える。

音無調教師はどう思っているのだろうか。
藤沢和雄という不世出の名調教師に屈したというより、最大の課題を残した今回のライバル陣営の策に乗ったものの、枠順の不利から、予想の範疇ながら気負ってしまったことでも、ミルコの味な騎乗を今年も見せることができなかったし、やはり間違いだったと思っていないだろうか。
でも、藤沢厩舎の先達は、秋以降は世代のベストホースである。
最初に出たGⅠで力出し切れずなど、ごくごく普通の結果だ。
もっと先があると、ダービー2着のおじいさん・シンボリクリスエスが、15年前に証明したことを信じたい。

参考:日本ダービー予想 特集ページ

 

レース回顧

東京優駿(日本ダービー)2017見解

読了までの目安時間:約 5分

 

人気を集めそうな母父シンボリクリスエスというちょっと怪しい才能の配合を中心に、クラシックらしい血統論を用いた戦略を今回は採用したい。
どうもこの2頭、何となくズブそうなという先入観に囚われると、痛い目に遭いそうだ。

ディープインパクトの産駒はここ5年という括りで言えば、12年①③、13年①、15年②、16年①②③と、ほぼパーフェクト連対である。
14年は10倍以下の4頭が非ディープ産駒だった。
今年はサトノアーサー、アルライン、カデナ、アドミラブルだから、皆上位人気だろう。

一方、オークスにいなかったキングカメハメハ産駒は、レイデオロとダイワキャグニー。
母父はダービーに縁のある血統だから、これもあまり甘く見ない方がいい。

さて、シンボリクリスエスが母父の2頭に注目した理由なのだが、人気面の大まかな推測と、道理で皐月賞ではスピード不足必至のクリンチャー<ディープスカイ×ブライアンズタイム>が、先行勢で最も粘って4着していたことが挙げられる。
京都の2000M未勝利戦で、2分1秒を切って押し切った時が240倍という馬が、3か月しないうちに、クラシック最重要戦とされる皐月賞でたちまち好勝負だったのだ。

活躍馬エピファネイアと大まかにいうと逆配合に近いアドミラブルは、距離もこなし、尚且つ皐月賞組の勲章である持ち時計も文句なしである。
近年の中では、キズナのダービーは時計も内容も平凡に近いから、皐月賞の結果が今年とリンクする以上、末脚勝負に自信のある分だけ、アドミラブルはかなり有力となる。

叔父ヴィクトリーや一族で最も能力があったと思われるアンライバルドは、皐月賞を劇的な勝ち方で制した。
この系統のコアな部分を支えるフサイチコンコルドも、濃厚なノーザンダンサークロスの弊害に苦しみながら、ダービーでは最高の状態にもっていって、武豊の本気モードスイッチを入れさせるような末脚で一刀両断した。
大柄なアドミラブルは、きっと、前に行くしかない気性だったヴィクトリーなどより、ずっと総合力があるはずだ。
馬力勝負歓迎の血統だけに、パンパンではない良馬場は鬼の可能性がある。

実は道悪が得意かもしれないレイデオロ。
音無秀孝にアドミラブル<ヴィクトリーを管理>、藤沢和雄のレイデオロはディープの姉レディブロンドと息女ラドラーダを管理していた。
ラドラーダの父は、タイキシャトルと並び厩舎の隆盛期を支えた前述のシンボリクリスエスである。

「知っているからこそ」
キングカメハメハもシンボリクリスエスも、2歳暮れの辺りでは普通の馬である。
3月になって、武豊騎手ではないがスイッチが入ったのだ。
そこを待てば、これまで一定の完成度合いを示してきたレイデオロならば、ダービーには万全の態勢で挑めると確信を持っていたように感じる。

ミスプロの3×4に加え、ナシュアは2本のミスプロとロベルトのそれぞれ母父に入り、決め手の根拠となるスピード能力の裏付けは、しっかりと出来る配合だ。
硬軟織り交ぜた配合ということならば、14年のワンアンドオンリーに通ずるものがある。
今回ハーツクライ産駒は2枠の2頭のみだが、母父はミスプロ系。
スピード型の配合では共通するが、ヘイロー同系配合のようなインパクトはない分、完成はまだ先のような気もしないではない。

キングマンボ系では、父もそう、エイシンフラッシュも皐月賞の辺りから、一気に馬ができてきた。
ディープやマイル実績のある鈍重なタイプの父を持つ2頭が皐月賞の上位組なので、余力を含め、実はもっとスマートな決め手が要求されるダービーでは、やや外し気味の配合でもスピードに乗ると止まらないタイプが狙い目だ。

2000Mで冴えなくても、2400で驚くような反応を見せる馬は、結構いるものだ。
特別抜けた馬はいないけれども、特別な舞台に挑むのに適した配合のシンボリクリスエスを肌に持つ人気馬は、逆らうべき相手ではないように思う。

順番としては、
◎レイデオロ
○アドミラブル
▲ベストアプローチ
注スワーヴリチャード
△サトノアーサー、アルアイン、ダイワキャグニー、キョウヘイ
アドミラブルは藤沢調教師が王道としてダービー獲りを目指した策に似た2か月で3戦のハードローテ。
ここで1番の力があっても、絶対能力が出し切れるとは限らない。
母母父クリスエスのキョウヘイは、タニノギムレットと同じシンザン記念の勝ち馬。
皐月賞2、3着馬と似た適性だろうし、ハマった時の迫力では優勢だ。

参考:日本ダービー予想 特集ページ

 

レース予想

親仔制覇<ダービークロニクル>

読了までの目安時間:約 3分

 

先述のキングカメハメハ - ドゥラメンテ以外にも、この30年は親仔制覇を目撃することが多かった。
一応、これも除外対象か。
<72回>ディープインパクト - <79回>ディープブリランテ、<80回>キズナ、<83回>マカヒキ

父を超えたかどうか。そのワンイシューで語りたい彼らと彼女1頭がいる。
・(<51回>シンボリルドルフ)- <58回>トウカイテイオー

・<69回>タニノギムレット - <74回>ウオッカ

・<70回>ネオユニヴァース - <76回>ロジユニヴァース

ドラマチックな血と名手の固い絆が生まれるきっかけが、このダービーであったりもするようで、ネオーロジのコネは少し弱い気もしないではないが、両者とも道悪のダービー馬である。
父が果たせなかった夢を叶えたカツラノハイセイコ、サクラチヨノオーのようなパターンがある一方で、サクラショウリの代表産駒が辿った悲運の導線はダービーという特別なレースへの参戦の有無によって、何かが狂ってしまったようなところもある。
ロジユニヴァースが勝った時の1番人気は同父のアンライバルド。
鞍上、調教師は後にダービーを制したが、馬にリベンジの舞台は訪れない。サクラスターオーと少しダブる。

顕彰馬から出た顕彰馬と、幻の春三冠馬から登場した歴史的タフネスフィリー。
名手のひと仕事があった一方で、ブラッドストーリーの終着点たるダービーには、必ずと言っていいほど、配合を巡るストーリーがついて回る。
トウカイローマンではなく、その妹のナチュラルにルドルフの種付け権を譲ったからこそのテイオーの誕生がある。
ギムレットが故障しなければ、ウオッカは桜花賞を勝てたのだろうけれども、では、ダービーに参戦していたかはわからない。

つくづくこう思う。
「コピーを作っていては、血は残せない」
血統の教科書に載せておかねばならない金言を、彼らは生み出した。
父より仔の方がレース内容はずっとスマートで、強さも際立っていた。
故に、親仔制覇の価値は、他のGⅠとは格段に上なのである。

 

コラム

アドミラブル好調キープ

読了までの目安時間:約 2分

 

青葉賞レコードウイン。
休養たっぷりで挑んだ阪神芝1800Mの未勝利戦は、1:45.8で駆け抜けた。
皐月賞も高速決着ではあったが、同じ距離の毎日杯は1:46.5の決着。
アドミラブルは青葉賞を勝つ前からすでに、クラシック級という評価であったわけだ。

「先週が軽めだったので、今週はラストをしっかりやった」
騎手時代も縁のなかったダービーに、今年は管理馬を3頭送り込む音無調教師。
皐月賞3着馬をエースとしない陣容は、異例のローテからダービー史上初の青葉賞1番人気の可能性を孕む時点で、池江厩舎よりも俄然勝負気配といった趣だ。

ダービーで1番人気に2度応えている名手は言う。
「馬自身もどんどん強くなっている」
今週もミルコは心強い。
雨が降っても、速い時計の決着でも結果を残しているこの天才騎手だが、今回策が全く読めない。

音無厩舎には馴染みの福永騎手や、悲願で言えばもっと口惜しい思いをしてきた藤沢&ルメールコンビのレイデオロなど、ダービー適齢期を過ぎたスターたちが、落武者になってはたまらんと、牙を研いでいる。
縁のなかった面々と比べれば、アドミラブルの鞍上にはメンタル面の不安以外に、殊ダービー制覇への死角となると、これと言って見当たらない。

正攻法を選んだ藤沢師のレイデオロと関東馬では成功例の多い青葉賞ルートを驀進してきた音無厩舎のアドミラブル。
例年にも増して、激闘を予感させる東京優駿を今年も楽しみたい。

 

ニュース

初制覇の瞬間<ダービークロニクル>

読了までの目安時間:約 3分

 

これは毎年、誰かが初制覇しているので、3パターンについて考えてみた。

クラシック初制覇がダービーというパターン<敬称略>
騎手:<54回>根本康広、<57回>中野栄治、<63回>藤田伸二
調教師:<54、57、66、69、75、76、77、79、80回>8名

GⅠ初制覇がダービーというオーナー
<56、60、62、63、65、76回>6名

新ダービージョッキー誕生
<54、56~61、63~65、67、68、70、71、73、74、76~79、83回>

3パターンで共通は、
09年<76回>ロジユニヴァース(横山典弘)、萩原清、久米田正明
数十年に一度というレベルの極悪馬場に唯一対応したと思われるロジユニヴァースを、体調不安が拭えぬと信頼しきれなかったことへの後悔でほろ苦い初戴冠のインタビューとなった横山騎手は、その5年後、橋口弘次郎調教師をダービートレーナーにしてあげられたことを、終始嬉しそうに語るのであった。

オーナーのGⅠ初制覇と悲願成就のダービートレーナー襲名とが重複した年はないが、ダービージョッキーと言えるようになった年となると、
<56回>ウイナーズサークル(郷原洋行)
<60回>ウイニングチケット(柴田政人)
<63回>フサイチコンコルド(藤田伸二)
<65回>スペシャルウィーク(武豊)

もう20年近くない。
血統の向上と金子真人オーナー<現金子真人ホールディングス>が3勝している(笑)といった影響もあるのだろうが、あの頃はいい時代だったという人がいれば、若いファンはちょっとうらやましく思うかもしれない。
ちなみに2着に入った騎手は皆、ダービージョッキーとして今後も記憶される4人。
フサイチコンコルドに敗れた武豊騎手は、98年から1番人気で4勝するなどして5度の勝利を記録。
正攻法で戦って敗れたことを、この天才は糧にして見せた。

武騎手も、過去3度初制覇の場面で2着した経験を持つ。
勝ったあとの2度は、ようこそという感じで勝者を馬上から讃えていたシーンは、ダービーならではの光景である。

 

コラム

ダービーレコード<ダービークロニクル>

読了までの目安時間:約 3分

 

87年以降に行われた過去30年のダービーを振り返り、この間に起こった様々な名シーンを回顧いていきたい。
まずは、期間中4度更新された「ダービーレコード」について、その思い出の記憶を辿っていくとする。

・88年<55回>サクラチヨノオー(小島太) 2:26.3<83年バンブーアトラス比-0.2>

・90年<57回>アイネスフウジン(中野栄治) 2:25.3<-1.0>

・04年<71回>キングカメハメハ(安藤勝己) 2:23.3<-2.0>

・15年<82回>ドゥラメンテ(ミルコ・デムーロ) 2:23.2<-0.1>

哀しいかな、ダービー後順調に使えたのは、ドゥラメンテの3戦が最高で、ここで燃え尽きてしまった馬がほとんど。
バンブーアトラスもメイズイもトキノミノルも…、である。
そして、各馬ともこれが2度目のGⅠ制覇となった。

即ち、これよりも短い距離でのビッグタイトルがあったということになるわけだ。
2歳王者の2頭は、臨戦過程もそっくりで二枚腰と快速を武器に栄冠を射止めた。
奇しくも、この2頭に続いた騎手が、それぞれに前後するが、ダービージョッキーなのである。

カメハメハ親仔の時もそう。
チヨノオーの時は、ライバル関係とされた岡部騎手との2度目の戴冠を懸けた、非常に見応えのあるマッチアップで、昭和最後のダービーは大いに盛り上がった。

その後、地方、外国出身騎手がレコードウインを決めている。
前2者が非1番人気馬だったのに対し、こちらは堂々、前走の圧倒的なパフォーマンスを買われた中心馬という支持を受けていた。
そういう支持に対し、いかにも飄々と受け流す余裕も持っていそうな2人に対し、横山、岩田騎手らは目一杯の勝負を挑んで、あまり惜しくはない2着に敗れている。

しかし、まだ当時は勝てていなかった横山騎手が乗ったメジロライアン、ハーツクライらは、GⅠ制覇はおろか、クラシックホースをも送り出した種牡馬になった。
運を使い果たさなかったことが、後々の成功に繋がっていったのだろう。
ちなみに、フウジンもカメハメハもGⅠ馬を出している。

 

コラム

2017年 新種牡馬考察

読了までの目安時間:約 3分

 

今年の新種牡馬はかなりの大物揃い。
ロジユニヴァース
エイシンフラッシュ
オルフェーヴル
ロードカナロア
3世代のダービー馬に加え、世界のロードカナロア!もいる。

08年生まれの2頭が注目。
オルフェーヴルは言わずと知れた黄金配合馬。母父メジロマックイーンを第一条件に、ステイゴールドに入ったノーザンテーストかその父ノーザンダンサーのどちらかにクロスを掛けることで、持ちうる底力は極限にまで引き出されるという成功パターンを作った一頭である。
兄のドリームジャーニーもまずまずの成績を残しているが、ノーザンダンサーのクロスが濃くなることもなく、POG候補生の良血馬に目をやっても、かなり目立ったオーラを放っているから、ディープとは違う意味で、強烈な個性派を父以上にコンスタントに生み出す可能性がある。
シンハライトの弟とサトノダイヤモンドの妹には大いに注目だ。

同様に、血統ではオルフェーヴルを超えるところのあるキンカメ×ストームキャットというスピード配合のロードカナロアは、ノーザンダンサーのクロスこそあれど、日本では貴重なアウトサンデー配合なので、サクラバクシンオー級の活躍とミスプロ系独特の万能性で、父をも上回る影響力を示す可能性を秘める。
キングマンボに入ったノーザンダンサー系とリボー系の組み合わせが、母レディブロッサムと同じ。
意図した配合ながらクロスは薄いので、また同じ配合を持つ繁殖牝馬でも成功する素地を持つ。
ヌレイエフクロスを持つフサイチパンドラの牝駒などは、成功例も多いので気になる存在だ。

ノヴェリスト
モンテロッソ
前者はドイツの馬らしく、2400タイトルが複数あるモンズーン産駒。
後者は、スマートファルコンが出遅れてレースにならなかった12年のオールウェザー・ドバイWCの覇者である。ドバイミレニアム直系の孫にあたる。
上記の活躍馬の血と重複している牝馬がこれらと交配されている。
安定感を期待してはいけない。

他にも、
エスポワールシチー
ストロングリターン
ローズキングダム
らが控え、意外な早熟性や凄まじいまでの底力でダート界を牽引しそうな馬を出しそうで、こちらは長い目で見たい新種牡馬だ。

 

コラム