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東京優駿(2017)検証

読了までの目安時間:約 6分

 

東京では上手な競馬ができる。
速くはないマイスタイルを駆って、逃げ馬らしい形は作ってみせた横山典弘騎手だが、機を見るに敏のルメール騎手然り、ダービーの勝ち方を知っている四位洋文騎手もそう、日本ダービーを一番よく知る外国人・デムーロ騎手も、今回はやれることはやったので、逃げ切りはならなかった。

ここ数年、横山騎手が2度目のダービー制覇を果たした14年や昨年激戦を制したマカヒキの川田騎手もそうだったが、皐月賞とのレースラップの違いを理解し、出来る限り、死語になりかけていたダービーポジションを目指して、位置を取ろうという意識を持った人が、栄冠を射止めていた。
その前の岩田騎手のディープブリランテも、背負うものを全て力に変えて、先行押し切りで念願のダービー制覇を果たしている。

ドゥラメンテやオルフェーヴル、ダービーを勝てる代わりにオークスに勝てなくなった武豊騎手のキズナは、どの位置だろうが勝っていたはずだが、追い込んでダービー劇的勝利など、高速化の進んだ最近は、ほとんどなかったのだ。
そこまでデータを取り入れていたかどうかはわからないが、今のルメールは、ちょっと手が付けられない。
ダービーは派手な勝ち方をしてしまうケースは多いが、道中にビビッて、位置取りが普段通りにできなくなったせいで、結果そういう展開になっただけということも多い。

7年前だったか、横山騎手もヴィクトリアマイル-オークス-ダービーのスペシャル3重勝一人獲りに挑戦したが、出遅れてしまったペルーサを、3角まで抑える事しかできないほど、スローペースに巻き込まれて身動きが取れなかった。

あの時の騎手が、今回は逃げている。
誰の動きを見れば、レース判断に間違いがないのか。
その昔、若き日のオリビエ・ペリエは、日本の競馬のルールを岡部幸雄のやり方に学んで、それを踏襲することで、最後はほぼ日本人化するように勝ちまくり、競馬サークルに溶け込んでいった。

今のルメールは、武豊や横山の作る合理的にして、最も各馬の力が出しやすい展開というものを、非常によく理解しているように感じる。
目標設定を見誤らなければ、このような大レースで、本命候補の馬の力を出し切れないはずがない。
まずまずのスタートから、少し胸騒ぎもあったか、いや、高速化した馬場を意識したのだろうルメール騎手のレイデオロは、向こう流しで動いていくことになるのだが、差すことを選択せざるを得なくなったアドミラブルと似たような不穏な気配でチャカつきをみせていたのに、こちらは堂々と大外進出である。

直線だけを見れば、先週の2歳女王と似たような競馬になったわけだが、不器用なスワーヴリチャードが普通の型にハメるしかない、いや、ハメられたら勝てるだろうという四位騎手の自信の騎乗を、最後はきっちりひと伸びで封じた辺り、とても雑な動きのようでいて、最高に合理的な競馬をできたのではないのか。

もちろん、スローだからと言って動くのが正解とは限らないが、外に出したことで、少しいつもより馬を前向きに走らせようとしたにより、ルメール騎手のイメージ通りに、然るべきヴィクトリーポジションを、追い込みタイプなのに取れたのである。
言ったら、テンよし中よし終いよしのミホノブルボンの逃げの形のような競馬だ。

ここ2週、デムーロの覚醒期を見えているように理想的な競馬を、大一番でだけ(笑)みせるルメール騎手だが、彼の勝負に対するスタンスは、ほぼ同級生の彼と比べても、今回もそう、レースを自分で壊しに行く競馬は決してしないというルールを踏襲しつつ、正しい競馬に徹すれば、いずれ流れは来るということを信じているように窺える。
遅いから、動いたのだ。

アルアインは、どう乗っても展開が変わらない限り、結果は似たようなものだったはず。
上位2頭にはスローに強いミスプロの血があり、東京での実績もあった。
人気のアドミラブルも、ファミリーのクラシック適性に加え、東京2400Mへの適性があった。
力関係からして、ベストパフォーマンスのマイスタイルに負けるはずがない。
鼻差及ばずの結果はこの場合、速く走ることに適性はあっても、極限の決め手や勝負強さが求められた場合、皐月賞以上のパフォーマンスをしたところで、皐月賞前の評価通りに、抜けた存在ではなかったという証に思える。

音無調教師はどう思っているのだろうか。
藤沢和雄という不世出の名調教師に屈したというより、最大の課題を残した今回のライバル陣営の策に乗ったものの、枠順の不利から、予想の範疇ながら気負ってしまったことでも、ミルコの味な騎乗を今年も見せることができなかったし、やはり間違いだったと思っていないだろうか。
でも、藤沢厩舎の先達は、秋以降は世代のベストホースである。
最初に出たGⅠで力出し切れずなど、ごくごく普通の結果だ。
もっと先があると、ダービー2着のおじいさん・シンボリクリスエスが、15年前に証明したことを信じたい。

参考:日本ダービー予想 特集ページ

 

レース回顧

東京優駿(日本ダービー)2017見解

読了までの目安時間:約 5分

 

人気を集めそうな母父シンボリクリスエスというちょっと怪しい才能の配合を中心に、クラシックらしい血統論を用いた戦略を今回は採用したい。
どうもこの2頭、何となくズブそうなという先入観に囚われると、痛い目に遭いそうだ。

ディープインパクトの産駒はここ5年という括りで言えば、12年①③、13年①、15年②、16年①②③と、ほぼパーフェクト連対である。
14年は10倍以下の4頭が非ディープ産駒だった。
今年はサトノアーサー、アルライン、カデナ、アドミラブルだから、皆上位人気だろう。

一方、オークスにいなかったキングカメハメハ産駒は、レイデオロとダイワキャグニー。
母父はダービーに縁のある血統だから、これもあまり甘く見ない方がいい。

さて、シンボリクリスエスが母父の2頭に注目した理由なのだが、人気面の大まかな推測と、道理で皐月賞ではスピード不足必至のクリンチャー<ディープスカイ×ブライアンズタイム>が、先行勢で最も粘って4着していたことが挙げられる。
京都の2000M未勝利戦で、2分1秒を切って押し切った時が240倍という馬が、3か月しないうちに、クラシック最重要戦とされる皐月賞でたちまち好勝負だったのだ。

活躍馬エピファネイアと大まかにいうと逆配合に近いアドミラブルは、距離もこなし、尚且つ皐月賞組の勲章である持ち時計も文句なしである。
近年の中では、キズナのダービーは時計も内容も平凡に近いから、皐月賞の結果が今年とリンクする以上、末脚勝負に自信のある分だけ、アドミラブルはかなり有力となる。

叔父ヴィクトリーや一族で最も能力があったと思われるアンライバルドは、皐月賞を劇的な勝ち方で制した。
この系統のコアな部分を支えるフサイチコンコルドも、濃厚なノーザンダンサークロスの弊害に苦しみながら、ダービーでは最高の状態にもっていって、武豊の本気モードスイッチを入れさせるような末脚で一刀両断した。
大柄なアドミラブルは、きっと、前に行くしかない気性だったヴィクトリーなどより、ずっと総合力があるはずだ。
馬力勝負歓迎の血統だけに、パンパンではない良馬場は鬼の可能性がある。

実は道悪が得意かもしれないレイデオロ。
音無秀孝にアドミラブル<ヴィクトリーを管理>、藤沢和雄のレイデオロはディープの姉レディブロンドと息女ラドラーダを管理していた。
ラドラーダの父は、タイキシャトルと並び厩舎の隆盛期を支えた前述のシンボリクリスエスである。

「知っているからこそ」
キングカメハメハもシンボリクリスエスも、2歳暮れの辺りでは普通の馬である。
3月になって、武豊騎手ではないがスイッチが入ったのだ。
そこを待てば、これまで一定の完成度合いを示してきたレイデオロならば、ダービーには万全の態勢で挑めると確信を持っていたように感じる。

ミスプロの3×4に加え、ナシュアは2本のミスプロとロベルトのそれぞれ母父に入り、決め手の根拠となるスピード能力の裏付けは、しっかりと出来る配合だ。
硬軟織り交ぜた配合ということならば、14年のワンアンドオンリーに通ずるものがある。
今回ハーツクライ産駒は2枠の2頭のみだが、母父はミスプロ系。
スピード型の配合では共通するが、ヘイロー同系配合のようなインパクトはない分、完成はまだ先のような気もしないではない。

キングマンボ系では、父もそう、エイシンフラッシュも皐月賞の辺りから、一気に馬ができてきた。
ディープやマイル実績のある鈍重なタイプの父を持つ2頭が皐月賞の上位組なので、余力を含め、実はもっとスマートな決め手が要求されるダービーでは、やや外し気味の配合でもスピードに乗ると止まらないタイプが狙い目だ。

2000Mで冴えなくても、2400で驚くような反応を見せる馬は、結構いるものだ。
特別抜けた馬はいないけれども、特別な舞台に挑むのに適した配合のシンボリクリスエスを肌に持つ人気馬は、逆らうべき相手ではないように思う。

順番としては、
◎レイデオロ
○アドミラブル
▲ベストアプローチ
注スワーヴリチャード
△サトノアーサー、アルアイン、ダイワキャグニー、キョウヘイ
アドミラブルは藤沢調教師が王道としてダービー獲りを目指した策に似た2か月で3戦のハードローテ。
ここで1番の力があっても、絶対能力が出し切れるとは限らない。
母母父クリスエスのキョウヘイは、タニノギムレットと同じシンザン記念の勝ち馬。
皐月賞2、3着馬と似た適性だろうし、ハマった時の迫力では優勢だ。

参考:日本ダービー予想 特集ページ

 

レース予想

親仔制覇<ダービークロニクル>

読了までの目安時間:約 3分

 

先述のキングカメハメハ - ドゥラメンテ以外にも、この30年は親仔制覇を目撃することが多かった。
一応、これも除外対象か。
<72回>ディープインパクト - <79回>ディープブリランテ、<80回>キズナ、<83回>マカヒキ

父を超えたかどうか。そのワンイシューで語りたい彼らと彼女1頭がいる。
・(<51回>シンボリルドルフ)- <58回>トウカイテイオー

・<69回>タニノギムレット - <74回>ウオッカ

・<70回>ネオユニヴァース - <76回>ロジユニヴァース

ドラマチックな血と名手の固い絆が生まれるきっかけが、このダービーであったりもするようで、ネオーロジのコネは少し弱い気もしないではないが、両者とも道悪のダービー馬である。
父が果たせなかった夢を叶えたカツラノハイセイコ、サクラチヨノオーのようなパターンがある一方で、サクラショウリの代表産駒が辿った悲運の導線はダービーという特別なレースへの参戦の有無によって、何かが狂ってしまったようなところもある。
ロジユニヴァースが勝った時の1番人気は同父のアンライバルド。
鞍上、調教師は後にダービーを制したが、馬にリベンジの舞台は訪れない。サクラスターオーと少しダブる。

顕彰馬から出た顕彰馬と、幻の春三冠馬から登場した歴史的タフネスフィリー。
名手のひと仕事があった一方で、ブラッドストーリーの終着点たるダービーには、必ずと言っていいほど、配合を巡るストーリーがついて回る。
トウカイローマンではなく、その妹のナチュラルにルドルフの種付け権を譲ったからこそのテイオーの誕生がある。
ギムレットが故障しなければ、ウオッカは桜花賞を勝てたのだろうけれども、では、ダービーに参戦していたかはわからない。

つくづくこう思う。
「コピーを作っていては、血は残せない」
血統の教科書に載せておかねばならない金言を、彼らは生み出した。
父より仔の方がレース内容はずっとスマートで、強さも際立っていた。
故に、親仔制覇の価値は、他のGⅠとは格段に上なのである。

 

コラム

初制覇の瞬間<ダービークロニクル>

読了までの目安時間:約 3分

 

これは毎年、誰かが初制覇しているので、3パターンについて考えてみた。

クラシック初制覇がダービーというパターン<敬称略>
騎手:<54回>根本康広、<57回>中野栄治、<63回>藤田伸二
調教師:<54、57、66、69、75、76、77、79、80回>8名

GⅠ初制覇がダービーというオーナー
<56、60、62、63、65、76回>6名

新ダービージョッキー誕生
<54、56~61、63~65、67、68、70、71、73、74、76~79、83回>

3パターンで共通は、
09年<76回>ロジユニヴァース(横山典弘)、萩原清、久米田正明
数十年に一度というレベルの極悪馬場に唯一対応したと思われるロジユニヴァースを、体調不安が拭えぬと信頼しきれなかったことへの後悔でほろ苦い初戴冠のインタビューとなった横山騎手は、その5年後、橋口弘次郎調教師をダービートレーナーにしてあげられたことを、終始嬉しそうに語るのであった。

オーナーのGⅠ初制覇と悲願成就のダービートレーナー襲名とが重複した年はないが、ダービージョッキーと言えるようになった年となると、
<56回>ウイナーズサークル(郷原洋行)
<60回>ウイニングチケット(柴田政人)
<63回>フサイチコンコルド(藤田伸二)
<65回>スペシャルウィーク(武豊)

もう20年近くない。
血統の向上と金子真人オーナー<現金子真人ホールディングス>が3勝している(笑)といった影響もあるのだろうが、あの頃はいい時代だったという人がいれば、若いファンはちょっとうらやましく思うかもしれない。
ちなみに2着に入った騎手は皆、ダービージョッキーとして今後も記憶される4人。
フサイチコンコルドに敗れた武豊騎手は、98年から1番人気で4勝するなどして5度の勝利を記録。
正攻法で戦って敗れたことを、この天才は糧にして見せた。

武騎手も、過去3度初制覇の場面で2着した経験を持つ。
勝ったあとの2度は、ようこそという感じで勝者を馬上から讃えていたシーンは、ダービーならではの光景である。

 

コラム

ダービーレコード<ダービークロニクル>

読了までの目安時間:約 3分

 

87年以降に行われた過去30年のダービーを振り返り、この間に起こった様々な名シーンを回顧いていきたい。
まずは、期間中4度更新された「ダービーレコード」について、その思い出の記憶を辿っていくとする。

・88年<55回>サクラチヨノオー(小島太) 2:26.3<83年バンブーアトラス比-0.2>

・90年<57回>アイネスフウジン(中野栄治) 2:25.3<-1.0>

・04年<71回>キングカメハメハ(安藤勝己) 2:23.3<-2.0>

・15年<82回>ドゥラメンテ(ミルコ・デムーロ) 2:23.2<-0.1>

哀しいかな、ダービー後順調に使えたのは、ドゥラメンテの3戦が最高で、ここで燃え尽きてしまった馬がほとんど。
バンブーアトラスもメイズイもトキノミノルも…、である。
そして、各馬ともこれが2度目のGⅠ制覇となった。

即ち、これよりも短い距離でのビッグタイトルがあったということになるわけだ。
2歳王者の2頭は、臨戦過程もそっくりで二枚腰と快速を武器に栄冠を射止めた。
奇しくも、この2頭に続いた騎手が、それぞれに前後するが、ダービージョッキーなのである。

カメハメハ親仔の時もそう。
チヨノオーの時は、ライバル関係とされた岡部騎手との2度目の戴冠を懸けた、非常に見応えのあるマッチアップで、昭和最後のダービーは大いに盛り上がった。

その後、地方、外国出身騎手がレコードウインを決めている。
前2者が非1番人気馬だったのに対し、こちらは堂々、前走の圧倒的なパフォーマンスを買われた中心馬という支持を受けていた。
そういう支持に対し、いかにも飄々と受け流す余裕も持っていそうな2人に対し、横山、岩田騎手らは目一杯の勝負を挑んで、あまり惜しくはない2着に敗れている。

しかし、まだ当時は勝てていなかった横山騎手が乗ったメジロライアン、ハーツクライらは、GⅠ制覇はおろか、クラシックホースをも送り出した種牡馬になった。
運を使い果たさなかったことが、後々の成功に繋がっていったのだろう。
ちなみに、フウジンもカメハメハもGⅠ馬を出している。

 

コラム

東京優駿2017

読了までの目安時間:約 3分

 

皐月賞を見ればわかるという年もある。
皐月賞の結果を再検証する必要のある年も多い。
今年はそのどちらでもあり、また、どちらがより本質を捉えているということもない。

再検証の必要はない。参考にすべきものが少ない。
見返した方が、結局よくわからなくなるということも、たまにはある。

皐月賞を検討していく中で課題となったのは、どの参考レースを最も重要視すべきかということであった。
春の阪神のGⅢ馬のワンツーに、一時はクラシック候補に上ったブレスジャーニーに敗れた組の一頭が3着。
朝日杯も主要前哨戦も、最後は頼りになるトライアル組も、実質的には壊滅であったから、いい時のイメージがぼやけにくいようないいレースをした馬と、違う部門の期待馬にチャンスが巡ってきたのである。

具体名を挙げることは困難という、皐月賞組の有力候補ではあるが、それならば、皐月賞で勝負にならなかった有力馬は、今度こそチャンスがあるのでは、と考えることも無理筋でないはずだ。
フラワーCの幻影は水泡に帰したものの、負け方を知ったファンディーナは、今度こそ本物のジョーカーとなる。
末脚が魅力のレイデオロ、スワーヴリチャードらも、実質、他流試合と化した第一冠で、多数がゴール板を駆け抜けた、上位組入線後の入着争いには参加している。

サトノアレスはややタフさが欠ける印象でも、直線勝負が歓迎の馬だから、全体のタイムが遅くなると、朝日杯の再現は有り得なくもない。

むしろ、速い馬であると証明した2000M未満で結果を残してきた池江厩舎組の方が、人気を大きく集めることはなくても、少々割り引きが必要であろう。
内残りで且つ前残りの皐月賞が、ダービーと関連性を持つことは、よりスピード決着が先鋭的になった近年の流れで、直接的な関連性を生み出す要因そのものがなくなりつつある。
皐月賞の方がレベルは高いとさえ言われる時代。

「そろそろ青葉賞から」
本家イギリスでも、2000ギニーから連続好走するのは至難の業であり、ダービーのトライアルから挑むという狙い方の方がより常識的に。
しかし、アドミラブルの快走にペルーサの姿を見た人も多いはず。
混迷極まれり、である。

参考:日本ダービー予想 特集ページ

 

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