あまり真剣味の感じられない競馬が、妙な安定感と、オープンでも格負けしない性質として現れているようなところのあるデアヴェローチェは、芦毛の牝馬である。
みんなその存在を知って、たちまち人気が出てくると、勝手にかわいい要素がプラスされた状態で、過剰に支持を集める危険性を孕む。
同じ様に、白い毛色になってきた頃に、黒い馬具をつけることの多かったあのデッカイ芦毛馬も、顔はなかなかイケメンだったが、ファンがつくと途端に、ツンデレのツンが強烈になって、実に有り難くないリアクション、レスポンスが繰り返されることで、中毒症状を呈した欲しがりマニアも現れたりもしたが、こじらした後の主戦もそうしたキャラだが、いちいち、こっちが気にかけると、危ない要素が足されていくキャラなのかもしれないと、勝手に思った筆者。
僅差勝利ながら、前々走でそこまでの主戦級だった岩田望来騎手<恐らく、騎乗停止を受けての鞍上変更だが、その理由での乗り代わり2戦続いたから、熱烈なオファーがないと苦しい立場か>が、やけに馬をやや激しめの愛撫というよりも叱咤にも見えてしまうようなヨッシャー感を全面に押し出していたリアクションから、センスのいい馬という印象を、一旦、全部レースを見返してみて…、とやってみたら、やっぱりそうだった。
今、どういうわけだか、産駒も好調で自分もやたらと元気な17歳児が、色々な角度から、念押しにも近い推しが入っているのだが、現役時のレースをすべてテレビ観戦していたものの一人とすると、こんなに信用ならない天才はいない…、デアヴェローチェにはそうなってもらいたくないが、少し怪しい面はある。
マテラスカイ産駒なのに、芝オンリーなのは、ダート馬なのに安田記念に挑んできたアイランドファッション<この馬も芦毛>がその理由と一つにもあるだろうし、娘のミニーアイル、上の兄妹らの出世する馬ほど芝専門の性質を引き継いだモノだろう。
オークスまでは安定して走っていたパシフィックギャルも活躍した
姉の一頭だが、ゼンノロブロイの産駒だから、
そういうところもあるのかもしれないと思ったのだが、
こうしてファミリー全体に2着が多いキャラがオープン級に共通項
として顕在化する状況は、明らかに
血統的特性。
その証拠に、2戦目に未勝利で少しだけ置かれる競馬をしている時があって、この時は、若きフランスの次期エース級と目されるプーシャン騎手が乗っていた。
最後はすごい脚で前を詰めてきたが、直線に入って、しっかりと態勢を整えるまでは、あまりやる気を感じさせない手応えだった。
そうして、順当に2勝目を挙げる前に、未勝利勝ちの後は、エルフィンS、フィリーズレビューなどを使われて、いずれも見事に権利獲り、賞金加算に失敗したのは、格上の相手の方が、力を発揮すると考えたからでもあろう。
前向きさをいくらか、レースを重ねるうちにしっかりと、
血統にイメージ通りに見せ始めたということで、
賞金加算をする上でも、
平場の自己条件では負けられないところで、
明らかに態勢不利のところからぶち抜いてきたのが、
例の1200初戦のレース。
望来騎手が乗れないとなって、北村友一騎手にスイッチした葵Sは、変な格好でスタートしたから、騎手もバランスを崩していたが、内枠を利して、最後は後続に迫られたものの、1:07.6の好タイムで快勝。
葵Sの勝ち馬ではもっと速いタイムで駆けたモズメイメイやピューロマジックらが著名であるが、彼女たちと違って、好位抜け出しで少し遊んでいる素振りもあるから、案外、ここでは楽勝の感もある。
ピューロマジックは一昨年の重賞連勝馬。
この夏も元気なところを見せていたが、いずれにも、北村友一騎手が絡む。
前向きさを邪魔するわけでもなく、進みが悪い馬には、無理の強度のアシストは良しとしないスタイルは、アランカールの騎乗で物議を醸すこともあったが、本来のエピファネイア産駒の成長曲線に合わせた、正しいアプローチに思う。
鞍上が代打でも好結果を出したデアヴェローチェは、適鞍では外さない父同様、確実に狙い撃てる舞台を確実に仕留める川田騎手の乗り手のスキルに合っているというだけでなく、本来は決め手も活かせるというデアヴェローチェのキャラクターにもあっているはずだ。
ここ2年は押し出された1番人気で、本領発揮と行かなかったが、前掛かりの小倉のスプリント戦であることを熟知する鞍上は、好走している時こそ、ここぞの差し追い込みである。
そのために未勝利という意外な記録が残るだけであって、何だか相性の悪いレースであるという先入観で、変に売れないのであれば、芦毛で妙な人気になりやすい現象も避けられ、見事な形での、ピューロマジックと対比を成す好結果が残せる可能性は大いにある。
直線競馬も洋芝もこなし、ドバイでも様々なレース中のトラブルにめげず、差して好走の実績も残したピューロマジックは、ここ3年のスプリント戦線で、ずっと、展開の鍵を握る存在になっている。
それを追いかけ、追い越せるだけの才能を誇れる存在であるならば、ここは通過点。
鞍上の初勝利も懸かる一戦ではあるが、颯爽と駆け抜ければ抜けるほど、人気になること請け合いだろう。
今度も辛勝に見せる、いつものヤツでお願いしたいが、ユウガ的にそれはもう今回でやめにしないかと、提案をした時に飛躍する瞬間が訪れるのかもしれない。
もうそうなってしまったなら、人気に拍車がかからなくなってしまうが、それならもういっそのこと、ピューロマジックの調教師が心打たれた顕彰馬・ロードカナロアのようになってしまえばいい。