３月から新規開業の３９歳・宮田敬介調教師

コロナ事象が発生のＪＲＡで、土曜特別戦前の武藤雅騎手の乗り替わりにはドキッとしたが、こちらは職業病の一つ腰痛の発症で、ひとまず急場を凌いだ格好。

その翌日の中山は、再び雨になった。そこでとある事件が発生する。

古馬１勝クラスを快勝した馬が、地方から再転入してきたということではなく、３３．６－３６．７のパンチの利いた流れを自ら作り出し、馬なりで流して１：１０．３という好タイムを叩き出したのである。

ちなみに、５Ｆ通過は５７．２秒で、終いを走らせていないから１０秒を超えてしまったというだけの事。

こういう才能を秘めた転出後圧勝連続の元未勝利馬が、いざ出戻って、酷い競馬をすることも多いが、そんな不安は微塵も感じさせず、芝で勝てなかった馬が、芝でロケットスタート。

いやはや。名前はダンシングプリンス。

半姉にプリンセスメモリーがいて、その父の代表産駒であるパドトロワの牡駒。

デュランダルの一族で、性格真逆という馬だ。

事件は続く。

１時間後の同じクラス、ダ１８００戦は時計こそ平凡も、伏兵のビップデヴィットがいささか展開に恵まれたとはいえ、逃げ切りで５馬身差の圧勝。

ちなみに前者は１０馬身差。おまけに、この馬は単純に転厩馬だった。

彼らを管理するのは、３月から新規開業の３９歳・宮田敬介調教師。

もっと強烈なのは、ダンシングプリンスは鮫島厩舎、ビップも清水久厩舎にいながら鳴かず飛ばずだったのに、ここまで未勝利だったのが嘘のように、参戦２鞍とも、転厩初戦でこの結果。

オープン馬などサンマルティンしかいなかった宮田厩舎は、しばらくの間、関係者から大いに注目を集める。