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鬼が笑った日 – 宝塚記念といえば、ステイゴールド

読了までの目安時間:約 5分

 

宝塚記念といえば、ステイゴールド産駒である。

09年にドリームジャーニーが勝って以降、グラスワンダーの代表産駒であるアーネストリーがレコード走をした11年を除けば、快刀乱麻を断つが如きどこからでも来い状態にある。

ナカヤマフェスタが、前走東京での圧勝の勢いそのままに、道悪に苦しむ人気勢を差し置いて、豪脚をもって制した10年は、ヴィクトワールピサさえも脇に置いた、英ダービー馬・ワークフォースとのデジャヴマッチの導線となった。
失意の三冠馬が兄弟制覇を達成した12年。昨年までの2年間は、三冠牝馬を迎え撃つこととなった稀有な二冠馬による歴史的ワンサイドゲームが続き…。
今年のテーマは、燃えるものがまだあるのか、であろう。

実は、これにはもう一つ同時進行のストーリーがある。
サンデー直仔の現役馬の消滅により、その産駒である孫世代のA級馬を作り出す使命を果たしたノーザンファームの絶頂期を象徴するサンデーレーシングの全盛時代と、これがまるで重なるのだ。

主にノーザンファーム生産の良血馬を、普通のファンでも背伸びすることなく小口からの投資で所有権の一部を買える制度を導入し、大いなる夢を与えた。
もちろん、ブエナビスタやジェンティルドンナなどの象徴的な敗者を送り出したレース史もあるが、そんな強い牝馬の時代とそれに逆行した「特異な馬場への対応力」を問うレースとの不思議なリンクが、妙に必然的に思えてならない。

一年前の夏に復活を遂げたドリームジャーニーの一年に亘る不休生活。
前の年の秋から始まった主要条件のGⅠ競走における、このサンデーレーシングの勝率の劇的増加の流れは、このレースにつきまとう「GⅠ初制覇者の呪い」とも違う、若き日に獲得したタイトルの重荷を、実に痛快なディープスカイ<ダービー馬>討ちで取り払うことで、黄金時代の開始を同時に告げる決定打となった。

今年、そのサンデーレーシングの持ち馬は参戦しない。変化の予感がする。

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宝塚記念といえば、ステイゴールドである。

今更、それを立て続けに強調する意味はないように思うが、弟のオルフェーヴルのことにも触れないといけない。あの歴史的大復活の奇跡を再考する。

未だかつて、GⅠ惨敗後のこれまたGⅠでGⅠ馬が、それも三冠馬であるのにも拘らず、希望的観測による過剰にして妥当な支持に、納得のいく形で応えられた馬など記憶にない。
思えば、伏線は3歳春の前に使った京都にあったように思う。
好時計とスローペースに阻まれた賞金加算は、天災の副産物によって無事成功したわけだが、速さを問われた時の危うさは、最近の名馬とされた者との比較では、押しなべて、中くらいの速さだろうと評価をされる点からも、遅い競馬の時の強さとは別馬に見えるほど差がある。

ステイゴールド産駒は総じて、フェノーメノも本質的には東京と京都を得意としない。
その代わり、中山か阪神にツボを持っている。
が、オルフェーヴルのその振れ幅の大きさは、好き嫌いの次元では到底測れないものだった。
春の香港で本物であることを示したルーラーシップやお友達?のウインバリアシオン、ショウナンマイティやエイシンフラッシュなどGⅠ馬も計5頭いた中で、馬込みから豪快に抜け出す彼らしい迫力が、このレースで戻ってきた。揉まれたことで、走る気持ちも復活した。

もう一つ、同じく三冠馬のディープインパクトが勝って以降、例年通りの傾向であるクラシックホースが苦戦する傾向が続き、前年まで5年間1番人気が敗れていたのも止めた。
それら悪い流れを一気に断ち切れるのは、もうオルフェしかいなかったのである。

殊更強調して…。しかし、ゴールドシップにも通ずるこの血の因縁は、1番人気になる馬の明暗そのままを表している。
そんなオルフェーヴルは、しかし、ロンシャンでまたしてもやらかすのであった…。
人の期待に応えるために走っているわけではない彼のことを、にやけながら仲間に迎え入れようとする鬼の姿が目に浮かぶ。

 

コラム

2015年 POG反省会

読了までの目安時間:約 3分

 

ダービー、オークスが終了後、今年の思い残しはないだろうかと、昨年のPOG関連の記事を見返して、クラシックホースの1年前の姿を再確認してみることにした。

「やっぱり」
今年大当たりだったマンハッタンカフェ産駒のほとんどは、写真掲載されることなく、母の名から血統でしか判断できない大多数の2012年産馬の中に入っていた。
桜花賞前までは多分に注目を集めていたルージュバックの姿も、他誌にはあったのかもしれないが、そこで見つけ出すことはついにできなかった。

一方、ノーザンファームの生産馬がずらりと並んだページの最初の方に名を連ねるドゥラメンテは、ポルトドートウィユやトゥザヴィクトリーの娘、キングカメハメハの半弟などに続くそれこそ第一グループに既に組み入れられていた。
今では、風変わりな茶色いメンコで耳も覆われているから表情の変化を見極めるのは難しくなってしまったのだが、どうも立ち姿に本質的な変化はないように思う。

体高云々は写真とテレビで見え方が変化するから断言できないが、本格的な稽古を始める前に今より10kg軽い程度の馬体重だから、フォルムに違いが出ることはない。
小顔で首は長く見せ、骨量豊かに映しつつもしなやかを兼備した胴長の馬体は、当時から異質さを漂わせていた。

それがアンバランスに見えた筆者の眼力のなさは言うまでもないが、何とか百頭余の写真の中から厳選した30頭の中には入れることができた。
軽すぎても重々しすぎてもだめ。選ばれし馬とはそういうもの。

巻末の方には、ミッキークイーンの姿もあった。小さいのにバランスが取れてて、でもスピード型の胴詰まりの体。
大物感なら、その下にいるリアルスティールの方が、ディープらしくて恰好いい馬なのだが。
ここらを拾えていないということは、相馬眼がないと言えるわけで、成長というファクターと調教で無駄なものが削られた後の姿を想像する力を身に着けなければと、今更だが猛省している。

 

コラム

競馬学 – レコードクロニクル

読了までの目安時間:約 2分

 

「2:23.2」 ドゥラメンテ
2015.5.31 東京芝2400M<ダービーレコード>

この数的根拠は、一体何を裏付けるものなのか。
GⅠ勝利はままならないだろうと思わせる彼の底知れない本性の部分において、どうも疑うだけ無駄なレースとなってしまったのが、たまたまクラシックだった、とするか否かを解く鍵を見つける意味も兼ねている。

故障の蓋然性の高くなるような競馬を連続しているのは、少し気掛かりではあるのだが、楽勝には変わりない。
今後目指すべき日本競馬の在り方も、彼の行く末によっては大きく展望できる可能性さえする。

本物であればこその時計ではある。
壁を乗り越える時、リスクを伴うのは当たり前だ。
だから、あのゴール前の余裕に、真の本質が反映されているように思う。何せ、それはダービーだったのだから。

このレースに限定してレコード走の評価を下すなら、スピード勝負に持ち込めば、メンタルを含めた体調不良以外で、負ける理由はないということ。レコードにしたから、楽に勝てた。
直線では、完全に主導権はドゥラメンテの走る気の部分にあったのだから、そういう能力に長けているのは間違いない。

同時に、父とその産駒に伝わる雨馬場への適性も感じさせた。
2000M以上のGⅠを速い時計で走れる馬は、そのほとんどが道悪で失態を冒すことはない。
エルコンドルパサーと同じ血が入っているせいか、妙に欧州型の匂いがしてくる。深い芝の方が合うのではないだろうか。
あの体型は、どうにも日本馬には見えないのだ。

故に、クラシックというより、日本のGⅠを楽勝したことの方が不思議なのである。

 

コラム

ダービー雑文

読了までの目安時間:約 2分

 

雨予報が2週続けて裏切られても、キングカメハメハの流れはまだまだ続いていた。
こちらも相変わらずなのだが、ディープがどんな展開になろうとも壊滅することもなく、昨年のハーツクライ旋風を思い出せば、目黒記念だって簡単だった。

父と母の好印象の部分を本当にいいとこ取りしたようなドゥラメンテの馬体。
あのハイペースを早め進出から抜け出すのに必要な持続性は、明らかに父キングカメハメハの性質そのもの。実際、彼の体は母似のしなやかさフォルムであるのに、ひ弱な印象はまるでない。ちょうど父と母の真ん中といった佇まいだ。

ただ、瞬間着火の如き機動力は、どうにも母アドマイヤグルーヴのそれとは違うように見える。
かつて、ノースフライトや父コジーン産駒のローブデコルテが、信じられない脚を繰り出して東京のビッグタイトルをモノにしている。
苦しむだろう勝負を決する最大エンジンの点火を、極めてオートマチックにかつ爆発的なシフトチェンジのスピードで、いとも簡単にやってのける能力は、ナスルーラ系独特のかん性から生み出されたのだろうと思う。

2着以下がダービーレコードを更新した範囲に入っていない。
この0.2秒に、圧倒的なバカの壁を見たのは、恐らくリアルライムでダービー観戦した全ての人間の共通認識である。

秋は楽しみだが、奥手の血統のこと。
今改めて、もっと上の方にある通過点を目指す態勢を、彼のリズムの中で整えることを陣営には求めたい。
余計なひと言。でも、ディープ以外にはこういうタイプはいなかったわけで、そろそろファンも欲しているのである。
みんなの夢を乗せて走る馬と一緒に生活することを。

 

コラム レース回顧