血統予想・コラム

JUST競馬予想ブログ

2歳馬総括<牡馬編>

読了までの目安時間:約 3分

 


締めはサートゥルナーリア。

朝日杯制覇のアドマイヤマーズ。

ずっと昔の話のように思える、夏の関西圏で行われた出世レースの新馬戦を制した無敗馬である。

何の変哲もないストーリーであり、ここだけは譲れないとばかりに、ミルコ・デムーロが意地の2歳タイトル連覇を決めたことでもわかるように、こうしないといけないという縛りが、彼のプライドをくすぐり、大団円になったと考えるのがいいファンの捉え方となる。

意地汚く勝負弱い筆者からすれば、ルメールのグランアレグリア、福永のブレイキングドーンと、納得のポジショニングからの???という感じの直線になったことが、ミルコの腕だけで果たしてそうなるものかと、ちょっと懐疑的になったものだが、今にして思えば、デイリー杯の優勝馬と特Aクラスの京都オープン・萩Sのそれぞれ覇者が、毎年必ず登場するサウジアラビアロイヤルC優勝馬や京都2歳S2着馬を破ったのだ。

無敗でGⅠに挑む点で、グランアレグリアとの相違点を見出すことは難しいが、それが3連勝でGⅠに向かう馬は、そう多くは登場しない。

ましてや、2、3歳重賞の主幹的位置づけのハイレベルなレースである。

年によってバラつきのある敗者の出ていたレースとは、根本的に違う。

同時に、何かと取捨に抵抗感のようなものをもたらした札幌2歳S組が、筆者の推したナイママを除き、その後も大活躍。

その時の本命はウィクトーリアだったが、まだ2勝目はお預け。

ニシノデイジーやクラージュゲリエは、まだまだクラシック本戦における注目馬である。

きっと、ミルコはサートゥルナーリアを選ぶことだろうが、ピンポイントでハイレベルな外国人騎手も来るし、物足りない陣容というほどはJRA勢も見劣っていないから、アドマイヤマーズの地味ながら確実に前を捉える巧みなレース運びも、あまり馬鹿にできない。

皐月賞までホクホクのデムーロ騎手にとって、実際のところ、自身のモチベーションが一番の懸念材料であることは、今やけにインタビューの時に声が高いことからも、自覚するところであるはずだ。

クリストフにはなれないミルコの武器は、やはり、類まれな集中力である。

 

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コラム

ダート路線総括

読了までの目安時間:約 3分

 


2つのカテゴリーに分けられるこの路線。

ツートップ

ゴールドドリーム

かしわ記念

帝王賞

ケイティブレイブ

川崎記念

JBCクラシック

3歳馬

南部杯

チャンピオンズC

東京大賞典

この他は、

フェブラリーS ノンコノユメ<国内タイトル2勝目>

ジャパンダートダービー ルヴァンスレーヴ<上に同じ・以降古馬GⅠ連勝>

JBCスプリント グレイスフルリープ<国内外で2勝目>

JBCレディスC アンジュデジール<初タイトル・牝馬重賞4勝目>

全日本2歳優駿 ノーヴァレンダ<重賞初挑戦でV>

3歳馬が出られる古馬戦は、JBC3戦など南部杯以降の6レース。

スペシャリストが登場のスプリント・牝馬戦に出番がないのは仕方がないこと。

つまり、

南部杯

JBCクラシック

チャンピオンズC

東京大賞典

で、3勝2着1回なのである。

統一王者というような存在がよく登場するダート戦線において、コパノリッキー・ホッコータルマエ連合が時代を築いていた頃にワンダーアキュートのような安定株が隙間を埋めることはあったが、それはベテラン。

勢いがあるから若手にチャンスがあるというような甘い世界ではない砂社会において、異例の出世を遂げた3歳の2頭は、歴史上、ゴールドアリュールやその前のクロフネ、地方戦は怪我から復帰後が中心も古馬GⅠ初戦を制したカネヒキリなど、猛者というよりは、異次元の才能を誇ったメンツと肩を並べたことになる。

皆に共通する芝対応可能のようで、ダートの方が遥かに速いというスピード能力。

それが古馬にはもうないわけだから、斤量の勝負ではなく、反応に対する争いに敗れてしまうのは、どうにもならないことなのだ。

古馬ツートップが、若い頃がグイグイスピード勝負で台頭していたのように、戦い方にはいろいろな経緯のようなものがある。

地方の小回りでタフな砂をかき上げる様に走る能力を身に着けても、フェブラリーSでは通用しない交流タイトルホルダーは、いつの時代にも多い。

多頭数にも対応できないが、オメガパフュームのような決め手の鋭い差しタイプに、彼らが東京大賞典で敗れた以上、能力差を認めざるを得ないだろう。

 

コラム

東京大賞典も3歳馬

読了までの目安時間:約 2分

 


O.マーフィー騎手が参戦してアポロケンタッキーを駆ったところ、このレースを勝った時以上にスムーズに先行した。

レースは締まり、力のある馬と名の通った騎手しか対応できない、厳しい展開になった。

良馬場の勝ち時計は2:05.9。

3強の叩き合いを制したのは、この日も3歳馬、そして、ミルコ・デムーロであった。

第64回東京大賞典。勝負のポイントは、序盤の位置取りの正確さではなく、誰が相手になるのかという判断力だった。

馬の順番とすれば、ケイティブレイブ、ゴールドドリーム、オメガパフュームで順当なポジショニングと言えたが、ケイティブレイブはペースはともかく、やや揉まれるようにして好位を取るというところまではいかず、ゴールドドリームは悪い時の出負けが今回は出てしまい、こちらも理想的な流れとはならなかった。

しかし、相手は450kgあるかないかの3歳馬であり、先述の展開もある。

位置がどうこうではなく、どうやってスパートするかが重要だったわけだ。

JBCの時のようにじっくり前を捉えに行ったケイティブレイブは、しっかりと中団位置からの競馬に持ち込んだゴールドドリームとの叩き合いに持ち込むべく、ギリギリの攻防に持ち込んだのだが、冴えるミルコ・デムーロ騎手のオメガパフュームは、それらの思惑をしっかりと見極めてからの仕掛け。

だからといって、置かれていたわけではないから、抜群の反応で外から有力勢を捉え切った。

鋭くまた、今回は使い減りの懸念のある体重減にもかかわらず、重厚さを備えた末脚が見られた。

またしても、恐るべき3歳の才能がGⅠ馬となった。これが2番手グループとは…。

 

ニュース

新馬回顧<12/22・23・28>

読了までの目安時間:約 3分

 


超変則3日間開催になって、今年で2年目。

来年は丸々1週分の間隔になるから、いよいよ、競馬界に休みがなくなることになる。

今年の最終開催は、まずダート戦から。

22日の中山は2戦で、1800は前を見ながらじっくり抜け出しで快勝のVピサ・アルマスティングが、1200は快速競馬の流れに乗ってプリサイスエンドのトーアシオンが1:11.8で逃げ切り。

前者はお馴染みのエイシンキャメロンの一族、後者は1Rが1:11.6で決着している点が特記事項。

阪1400の渋馬場戦も、伏兵評価のロードカナロア・メイショウウズマサの逃げ切り。24秒台だから、京都でも期待できる。

28日の中1200は、デカすぎる白毛・マイヨブランとメモリアルのルメール騎手の迫力勝ち。母ユキチャンとはタイプが違う。

雪舞う阪1800で穴をあけたマッスルビーチはメイショウサムソン産駒。こちらは競馬がうまいタイプ。

22日は、芝は阪1800のみ。

稍重馬場をスムーズに外から伸びたハービンジャーの女馬・グラディーヴァが、低評価を覆して快勝。

ディープ×フレンチの母の配合というより、日本最高峰の牝系であるパロクサイド-エアグルーヴのボトムだから、当然の結果だろう。続いたミクロコスモスとレディアルバローザの仔も、そこそこ見どころがありそう。

日曜の東西の芝戦からは、中マイル快勝のダイワメジャー×シーイズトウショウの良血・ブレイブメジャーが目立った存在として登場。

2000以上はともかく、1200型に出るということはないだろう。

西の渋残りの1400戦では、エイシンオズが小柄なのにガッツのある差し切りで勝ち上がり。

エイシンアポロン×プルピットという配合を見て、合点がいった。

28日は東西2000M戦。

中山 ジュピターズライト<ハービンジャー>

阪神 フェアリーエポカ<ルーラーシップ・牝>

どちらも好位のインからしっかりとした脚で抜け出す競馬で、中身も濃かったのだが、人気馬が走らなかった阪神に対し、ルメールの人気馬を破ったジュピターズライトは、今後に期待。

共にパワー型なので、タフな展開が希望。

 

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レース回顧

ホープフルS -回顧-

読了までの目安時間:約 4分

 


人気馬が好位につけ、上位人気馬だけの直線の勝負。

最もアグレッシブなポジショニングから、中山2000の正攻法である、前の壁が開くまでニュートラルで構えて、そこから一気のスパートのサートゥルナーリアが、実に危機管理能力の高い競馬で、あっさりと人気に応えた。

スローの読みはルメールのアドマイヤジャスタも同じ。

コスモカレンドゥラが大外枠であり、ミルコはペースをしっかりと作るというのは、誰かが一緒にいないとうまくリズムに乗れないから、たとえスローでも、行ってくれたうれしいという展開。

しかし、ニシノデイジーが小回りで切磋琢磨して、重賞連勝の実績を引っ提げての最内からの発走。

普段は柳のように質問者の問いを交わすような曲者感を醸し出す勝浦騎手として、明らかなスローの読みで中団よりは前に。

あとは、それらに続く人気でほぼベストポジションにいたようなブレイキングドーンが、筆者の思った以上にガッツなかったことが望外の伸び今一つに繋がったくらいで、ニシノデイジーも最後は、東スポ杯以上の根性で前に迫って、3強の決着に終わった。

ロードカナロア×シーザリオ。

すでにクラシックホースの最高クラスの才能をターフに送り込んでいる名馬にして、名繁殖馬である。

その掛け合わせでどんな天才が誕生するのかと思ったら、昨年がクリスチャンで今年はミルコ。

何となく、思われている以上に天才、という馬と手が合いそうなデムーロ兄弟の連覇となって、想像を超えた仕事をする今年のロードカナロアの傑作誕生を、我々は改めて目撃することになったように思う。

筆者は意地悪する馬がそれなりにいれば…、と、POG筆頭の注目馬であると知りつつ、一般的な良血あるあるに当てはめて、獲れる魚をわざわざ難しい釣り方で捕まえに行って、結局坊主という結果に終わった。

意地悪されたのではなく、自身の選択でそういう厳しい位置取りになった時、デムーロだけでなく、ルメール騎手もそう、誰よりも落ち着いて機を待つ勇気があることを思い出し、13頭立て、各馬の血統構成などを加味して、直前1.5倍くらいまで上がった単勝支持に逆らった無意味さに気づかされた。

思った通りに、最後は楽々の抜け出し。

いや、坂があったから、もっとライバル勢が置かれてしまったではないか。

前身のラジオNIKKEI杯・たんぱ杯などで、アグネスタキオンやヴィクトワールピサが、後のタイトルホルダーをねじ伏せるように差し切った歴史に照らさずとも、スローだったからこそ、サートゥルナーリアの前途は洋々なのである。

軽い馬場でしか結果を出していなかった馬や、少頭数の競馬でしか走ってこなかった馬が無敗だった時、こういうレースになって負けるのが普通。

しかし、思われているよりも天才、という馬にぴったりのこのホープフルS快勝で、彼が出てくるだけでライバルが敬遠する流れが、クラシック戦以外では今後も続いていくのだと、筆者はまざまざとゴール前の手応えから感じ取った。

下げなくてもいいという武器が、彼の末脚をより引き立てる。

アーモンドアイと逆パターンで、同じ結果を期待してもいい。

そもそも、この日のサートゥルナーリアは+12kgで、明らかに体を持て余していたはず。

なのに…。

 

レース回顧

ホープフルS -予想-

読了までの目安時間:約 5分

 


◎ブレイキングドーン

○サートゥルナーリア

▲アドマイヤジャスタ

注キングリスティア

△ニシノデイジー、ミッキーブラック、ヴァンドギャルド、コスモカレンドゥラ

とびきりの血統馬であるサートゥルナーリア。

ロードカナロア<08生>×シーザリオ<02生>(父スペシャルウィーク・95生)

世界に対する発信力を持つ両親に、サンデーサイレンス産駒の中期におけるスーパースターであった祖父。

今やディープインパクト以上に守備範囲が広く、量でもサンデー系を脅かすキングカメハメハ<01生>が直系の柱、言うなれば、ミニミスプロたる中興の祖になろうとしているから、ディープとの配合で今年のダービーを勝ったことが、何も最初で最後となるとは誰も思わないわけだ。

比肩する才能は見当たらない。

至極真っ当にして、素晴らしく一本筋の通った見解に思う。

ただ、度重なる皐月賞での波乱劇に加え、レイデオロ以外は、連対することで上昇力を失っていないか、という疑義が生ずるような中山・ホープフルSの重賞としての価値観などを、例えば、ラジオNIKKEI杯の阪神2000Mのミラクルの連続とも言える、歴史的邂逅の系譜に照らし合わせると、

「JRAよ、勇み足だったのではないか」

と、少々物言いの一つでもしたくなるもの。

そういう論法から予想したわけではないが、正直、13頭立てで1番人気から狙う手は、潜在能力の表現の場としてあまり適当には思えないこのレースの特性からして、順当な狙いそのものが割に合わない上に、無意味に無難な買い方となるから、論理的思考を突き詰めるような手法で攻略するのは、あまり面白くもなんともない気がする。

ブレイキングドーンはニシノデイジー同様、現在進行形で発展し続ける底力型の母系を持つ。

イコマエイカンから76年に産み落とされたリマンドの牝馬は、ほぼ無制限状態の優駿牝馬競走を24頭中最高の単勝支持に応え、当時としては牝馬にとって最高の栄誉を勝ち取る。

11年後、長浜調教師・河内騎手・渡辺孝男オーナーのトリオで、今度は重馬場の桜花賞で、同時代の覇者であるシャダイカグラ、ニシノフラワー<デイジーの3代母>、ベガらを凌ぐ上々の時計で人気に応えるスペシャルな牝馬を送り出した。

アグネスレディーでありアグネスフローラの、ちょっと掻い摘んだだけの母娘ストーリーの一端。

また10年すると、今度は世紀のスーパーサイアー・サンデーサイレンスをつけられた2頭の牡馬が、クラシック路線の中心馬になった。

わずかにその直前。

フライトから見るとひとつ上の姉が、トニービン産駒のセレーネー。

更に、タキオンが泥田の弥生賞を制した直後にそれから産まれたパサーが、その夏にこの世を去るエルコンドルパサーの産駒。それと同時期にはサンデーサイレンスも…。

パサーはいっぱい産駒を残したが、サンデーのラストクロップがクラシックを戦った06年に誕生したホワイトマズルの娘が、ブレイキングドーンの母サクラである。

タキオンが躍動してから9年後にラジオNIKKEI杯を制し、引退の10年後にドバイワールドCを制したヴィクトワールピサが父。

ブレイキングドーンにまつわるクラシックストーリーは尽きないが、この物語を締めくくるのは、シーザリオの一番出世しそうな息仔に、ヴィクトワールピサの主戦級となったデムーロが乗り、そのライバルにシーザリオの主戦だった福永が乗るという因縁。

我ながら、そこそこの競馬キャリアを自負するようになったのは、スペシャルW以降の登場馬と人のストーリーを全て、ライヴで見ていたと話せるからである。

人にも馬にも様々な物語があるが、みんなにとって大事なものが、ここまでクロスして因縁のストーリーを綴ることになるとは、実に興味深い。

新馬圧勝の両者に、誰にも真似のできない新たなブラッドストーリーを作り上げてもらいたい。

シーザリオのここまでの最高傑作・エピファネイアの前半の主戦は、母と同じ福永騎手。

管理者は、サートゥルナーリアも育てたあの角居勝彦調教師。ヴィクトワールピサも彼の腕があってこその、世界制覇である。

ああ、ネオユニヴァースもロードカナロアも、最初は福永のお手馬であった。

どこまで続く、人馬の因縁。そういえば、ジャスタウェイ産駒もいましたね。

兎も角、楽しみの尽きない対決である。

 

レース予想

国際レースの価値

読了までの目安時間:約 2分

 


JCはハイパーレコード。

100分の1計時ではない点は、どうにもヘンテコさは拭えないが、どう考えても、アーモンドアイの走破タイムはワールドニューレコードである。

ジャパンCはその立ち位置を、80年代こそ世界の中のJCとしていたが、今や、ただのローカルタイトルに成り下がりつつある。

時計もどの国でも出るようになり、高額賞金レースも招待レースもまた、付加価値とはなっていない。

よりスピード馬のためのレースにシフトすべきか否かも含め、JCや短距離カテゴリー<これもアジア地区限定の国際競走>以外が、もっとレベルアップする必要がある。

総合力の指標は、絶対的な時計の進行に対しても、基本的には不変である。

ただ、長距離カテゴリーの有馬、春天に、それは常に求められるわけではない。

地元では日本馬が絶対だから、スピードのあるステイヤーというカテゴリーが誕生し、滅多なことで海外での同路線での快走は見られない。

あくまでも、選手権距離での争いが重要。

ワーザーの来日は、体調不良の2着で残念だったが、大変に感謝すべき出来事となった。

日本に今、真の価値あるGⅠがない。

正確には、3歳戦以外は、ほぼほぼ自由参加のレースである。

であるならば、ダート戦の改革も含め、

「JBC選定過程の導入」

があってもいい気がする。

正確にはこれも普通のオープン同様、賞金の順番で出走できるか決まるわけだが、その意思があり、また順調であるならば、最高のレイティングから順に、一定数のところまでで出走制限をかけるべきだろう。

それは有馬でもJCでも宝塚でもいい。

秋天とJCのハイレベル決着に対し、何も感じないのでは、国際感覚が鈍すぎる。

 

コラム

古馬王道路線総括

読了までの目安時間:約 3分

 


思い出してみた、勝ち馬とその父を。

大阪杯
スワーヴリチャード ハーツクライ

宝塚記念
ミッキーロケット キングカメハメハ

天皇賞・秋
レイデオロ キングカメハメハ

ジャパンC
<アーモンドアイ ロードカナロア>

有馬記念
<ブラストワンピース ハービンジャー>

天皇賞・春
レインボーライン ステイゴールド

ステイゴールドか否か、現在まで現役か否かの切り分け方ではない。

どこかしら平凡な点があった時に、そこにはシュヴァルグラン<17JC①>が絡んできた。

その後継と目されるクリンチャー<17菊②>も、出られそうなところには出てきた。

平凡なレースというより、守備範囲でどうであれ、専門的な力が要求された唯一の大GⅠ競走が春の天皇賞だったのだ。

その他、スワーヴの競馬もミッキーの競馬も、メンバーの割には大したレースではなかったが、勝ちっぷりは文句なし。

大阪杯2着ペルシアンナイトが3着アルアインと共に、マイルCSで好走したが、そこも着順まで丸々同じ。

彼らのヒーローは身近にいて、それが秋に復活したキセキと王道路線を早くから進んだレイデオロである。

秋はしっかりと彼らが期待以上のパフォーマンスでレースの質を上げた。

ところがである。

ダノンプレミアムがミソをつけて皐月賞回避から、ワグネリアン不発のそこでエポカドーロが爆走、両者がダービーで決闘をして、ワグネリアンが勝利で、菊は謎の展開にルメール&フィエールマンの天才的競馬で終わったクラシック世代が、ダートGⅠ含め、マイルCSから古馬タイトル4連勝。

そして、芝で勝った3頭は全て、キングカメハメハの血を持つ早くからの期待馬だった。

世界レコードのアーモンドアイは、三冠のおまけという評価しかできないのは贅沢だが、キセキは引き立て役に回らざるを得なかった点で、有馬のオジュウ&武コンビにかなりいじめられた感じの展開は、またしてもの3歳馬台頭に大きな影響を及ぼしたように思う。

稍重で好時計は平成最初の有馬が雨中のレコード決着だったことと、因縁めいた何かがあるか。

オグリキャップが唯一輝けなかったその時も、JCは世界レコード決着だった年のレースだった。

因果は巡る糸車。

 

コラム

短距離路線総括

読了までの目安時間:約 3分

 


芝短距離組にとってラストマッチの阪神Cに象徴されるように、安田記念を除くと、ほぼ平均より時計を要するタフなコンディションでの競馬になった。

ああ、京王杯SCもハイレベル決着だったが、その勝者であるムーンクエイクが、以降輝くことはなかった。

1200路線は、春も秋も同じようなレース内容とローテで、新王者のファインニードルが独壇場にしてしまう活躍を見せた。

香港で締めるから、3戦ずつだったとしても、一定のストレスとそれを打ち消す時間の使い方に制約が生まれたことで、返って、今年1年を戦う上では、国内戦における競馬では崩れにくいような状態にもっていけたのだろう。

GⅠ2勝はどちらも豪快な差し切り勝ち。

完成期のロードカナロアがそうであったように、正攻法というのは、4角でどの位置にいるかで決まるというだけで、実際は位置取りそのものは、自分の型に合わせればそれだけでいいということを、ファインニードルが証明したのであった。

安田記念はスワーヴリチャードが参戦して盛り上がったが、同い歳のモズアスコットが炎の連闘で激戦を制した。2着も4歳女王のアエロリット。

臨戦過程が順調ではなかった順で決まり、サトノアレスまで大外追撃で、もはや何でもあり状態。

その後一番活躍したのは、5着のサングレーザーだった。これもタフな馬。

一方で、それらが秋になってほぼほぼ予定通りのステップを踏んで臨んだマイルCSが、アルアインとペルシアンナイトのギニーコンビの好走で、春とは展開まで一変の結果に。

おまけに、なかなか勝てなかったステルヴィオが、見たこともないような内からの抜け出しで初タイトル奪取。

今年もまた来年も、マイルに関してが信頼できる馬は少ないことが、改めて証明された一戦であった。

しかしながら、路線の軸にはノーザンダンサー系の前記馬がいて、ロジクライ・スワーヴらハーツクライの産駒と、今後は席捲の可能性もあるロードカナロアなど、血統面の偏りが少しなくなりつつある面で、明るい未来が期待される点は書き加えておきたい。

 

コラム

2018年 有馬記念 レース回顧

読了までの目安時間:約 5分

 


レイデオロは素晴らしい出来で、まずヘグることはないという調子に窺えた。

引退レースのサトノダイヤモンドも、本来の姿を取り戻したかのように、いつものらしいオーラが戻っていた。

しかし…。

雨は心配ではあったが、プラス4kg以上にムチムチに仕上がった?ブラストワンピースは、その次に大きな馬が514kgのオジュウチョウサンという状況で、ただ一頭、ここ秋2戦の530kgにプラスして、メンバー中断トツでドでかい馬であった。

ところが、16頭の中で最も合理的にキセキの作る流れに乗り、長距離戦としては理想的な2列か3列の縦隊の外の中団追走。

ダービーは位置はとれたが、絶好調のエポカドーロの巧みなレースに最も翻弄され、勝ち馬のワグネリアンに一番いじめられる切ない一戦になってしまった。

快走した新潟記念のことは、あまり語るまでもなく、有馬記念を制した馬だから…、で整理できる内容と言えるわけだが、菊花賞も別に、流れに乗れていなかったわけではないし、彼の競馬はできていた。

ところが、えげつないレベルのスローペースを、本来逃げるとされたジュネラーネウーノが作り出してしまったがために、正攻法の外目追走が裏目に、4角で多く外へ振られてしまい、スムーズに立ち回った3頭にキレ味でも敗れてしまった。

詰まるところ、いいレースが結果に繋がらなかっただけというのが、正直なところ。

予想の段階で書き上げた自己満足感満載のGⅠ以外無敗馬の中でも、かなり上位につけられる存在に思えていた。ああ、キタサンブラックの15年、4戦4勝<7戦5勝>は抜け落ちていた。

兎にも角にも、スムーズに運べさえすれば。

敗軍の騎士は、ハービンジャーの馬場だったと語ったとされる。

レイデオロは出来も良ければ、力勝負のグランプリは期待した通りの状況に思っていただろう。

雨も予報があり、突然の道悪ではない。

特に苦手にしているわけではない、そういう厳しい馬場状態は、新馬戦で経験済みのダービー馬改めエンペラーズカップウイナーだから、キセキには中途半端で、騙しが利かないこの馬場は、返って、不利に働いたはずだ。

厳しい展開を自ら望むように選択したところのあるキセキと川田騎手は、逃げての粘り込みで5着ならば、何も後ろ指差されることはない。

惜しむらくは、年長タイトルホルダーのミッキーロケットやシュヴァルグランの(外)コンビでの躍進を防げればよかったのだが、誰よりも頑張った人馬に、そんなこと言う方が相当にヤバい。

あと、ちょっと有馬っぽい感じを受けたのが、久々にサンデーorロベルトなどのヘイルトゥリーズン系ではない馬がテイエムオペラオー以来18年振りに制した時に、ディープインパクトのクラシックホースが意地を見せるわけでもなく、老兵は消えゆくのみという感じで、掲示板外に敗れ去ったことだろう。

この手の馬場は得意ではないマカヒキ、サトノダイヤモンドらが、いい頃の出来にあれば、もっと違うレースができたという見立ては、筋違いではない。

しかし、530kg余りの馬体が、まだ甘い作りのように見え、幼さを残していることの何よりの証明であったブラストワンピースは、東京の稍重の経験はあっても、客観的に見て重よりに映った稍重馬場が、見た目のパワーと比例してこなせたとは思わない。

キセキが勝った時の菊花賞のような馬場は特殊過ぎても、そうでない馬場でディープが出番をモノにできないのは何故かと考えたのだが、

「キングカメハメハの年」

を象徴する結果とするのが、道理に合った見解のように思う。

褒めることばかりのブラストワンピースに、冷静さが武器となり「牝馬の池添」をさらにバージョンアップさせることに成功した鞍上も然り。

こうした馬場はキングカメハメハの庭であり、サンデーが母父に入ったアーモンドアイはあの結果である。

ロードカナロア、ルーラーシップ、母父キングカメハメハ。

直仔のミッキーロケット含め、シュヴァルグラン以外はキングカメハメハばかり。

シュヴァルグランも母父のミスプロ直仔・マキャヴェリアンの影響を色濃く受けた晩成型であり、ネイティヴダンサー直系の孫であるオグリキャップが活躍した境目の時代から、先祖帰りではなく、明らかなレベルアップが系統全体に見られたことが、この有馬記念の大きな意義であると、改めて強調しておきたい。

 

レース回顧