2017年オールカマー レース回顧

JUST競馬予想ブログ

オールカマー -回顧-

読了までの目安時間:約 3分

 

きさらぎ賞で見た、インを真っすぐに走って伸びる美しい競馬。
嗚呼、無情…。ステファノスと轡を並べてのゴールは、勝ったルージュバックとクラシックに挑んで苦杯を舐めた戸崎騎手の負け、という結果に終わった。
毎日王冠もエプソムCも、十分に勝負になる条件であるだろうステファノスの守備範囲のはずのレースで、この日競り負けたルージュバックは楽勝していた。

どちらにとってもベストの舞台ではない中山外回りで、最初から正しいポジションをしっかりと確保した中で、自慢の直線でのキレをお互い発揮したのだ。
勝ち負けはどうしても付き纏うから、結果というものに差はつくのは仕方がない。
しかし、勝てる条件がある馬と必ずしも好走が勝利に繋がらない馬との差には、こんなにも勝ち運に違いが出るものなのだと、似た者同士ではないことを確信するような攻防になったように感じる。

毎度毎度休み明けでは勝ち切ることはできないタンタアレグリアは、どこを目標にするとかはっきりしたことは言えない状況であっても、やや苦手だろう超スローの中距離重賞で好走し、力を示した。
これが上位勢で最も内容のあった馬か。

序盤の流れから上位争いは望み薄だったアルバート、デニムアンドルビーら本格派のベテランに加え、4着以下自分の位置を取って、思惑に関係なく、ここでの主力級に続いた組には、何かしらの展望があるかもしれない。
一方で、人気勢の中で唯一、序盤から今一つだったモンドインテロは9着に入るのが精いっぱいという内容。
滅多に体が増えたり減ったりしない馬が、前走で生涯最高タイの492kgに激増したかと思えば、今回は絞れて思惑通りと思える-10kgながら、正直、箸にも棒にも掛からぬ惨敗である。

一回一回燃え尽きるくらい頑張るところがあるのか、戦績に表れない死角が今回はっきりと見て取れた。
5歳秋でもこれでは、陣営も困ってしまう。

 

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神戸新聞杯 -回顧-

読了までの目安時間:約 5分

 

-12kgはあまり見た目には影響はなかったように見えたキセキは、そんなに速いスタートを決められるタイプではなく、新潟で見せたような驚異的な直線での反応も、実は条件が整ってこその完全後傾ラップ型であるから成せる業であり、スローのイン追走は、デムーロ騎手が外に出しては追い込み切れない馬場状態という判断をしたためのことだろうし、春の実績馬は概ね交わしているから、これはこれでよしとしたい。

サトノアーサーは距離延長のダービーでは、特異な展開もあって、初の長距離輸送を経て精神的に強くなった分、地元では崩れないという強みを活かして、人気通りくらいには走った印象。
軽い馬ではないが、では重厚かと言われると、馬体の印象は陽の当たり加減では全く480kgの馬には見えない感じで、これが大幅プラス体重だったのに、課題とされていた後躯の力強さの不足を今回もまだ及第点を与えるところまでは、成長によって埋め合わせることはできなかった。
緩急の競馬は苦手という馬だろう。本来、こういう距離は向かない。

マイスタイルは強気に行こうという意思を見せたところで、結局速い馬ではないから、意外と上手に先行できるタイプのアダムバローズにハナを叩かれてしまった。
菊花賞に向かうわけだから、無理には追いかけられない。
不幸にも、楽に先手を奪ってというダービーの形ではない上に、後ろには正しい位置をとったあの時の勝者がまた素晴らしい手応えで追走してきた。

武豊騎手のダンビュライトも、ただ乗ってステップにするレースとは考えていないから、最初からスタミナを測るためにオーソドックスな競馬に打って出た。
結論は、普通に乗ってはダメ。
昨年のエアスピネルとは真逆の策で、鞍上の腕ということでいうと、マイスタイルは乗り替わってくれるな、という陣営の本音が聞こえてくるような内容に映った。
ベストアプローチはいい位置だったけど、人気馬が普通に競馬をしてしまって、自慢の一騎集中型の決め脚を活かしきれずに掲示板も外してしまった。

この辺りのメンツは、よく考えてみると、カデナに一刀両断にされてしまった弥生賞の上位入線組である。
今回勝った馬がいないんだから…、の理屈は、特段抜けた存在の上がり馬もいないとほぼ確定している状況で、大いに勝ち気に本番に臨める怖い本流組となるはずだ。

さて。
普通の競馬をここで覚えたレイデオロ。
何から何まで、ディープスカイによく似ている。
マイルを使ったことはないレイデオロだが、配合的には、安田記念でレコード走をできそうな軽くはないトップマイラーの素質がきっと秘められているように思う。

しかし、返し馬辺りまでやんちゃな彼は、レースに行ってここまで、ひどく引っ掛かることはなかった。
無論、ディープスカイだって勝ち気なところを秘めているからこその追い込み脚質だったから、毎度豪快に追い込んできたわけだが、後輩はダービーの時点でその点の展開上の不安は解消しつつあった。

もっと下げて勝負する手もあっただろうが、機を見る敏となる前に、すでに好位のポジションにつけたルメール騎手は何とも憎らしいほどクレバーであった。
本来負けるはずのない相手に、やっぱり強さを見せつけたことの意味。
現状、キセキが太刀打ちできないのなら、未対戦のミッキースワロー以外にこの世代の希望はいないように思えたゴールシーン。
これでゆっくり、大人になったレイデオロをある程度追い込んで仕上げることができる。
やれるのであれば、しっかり調教する。
祖父シンボリクリスエスの引退レース前の稽古は、関西のハードな追い切りをする厩舎と遜色のない内容だった。
それができる時期が、もう少ししたら訪れるのだろう。
楽しみが残っただけでも、低レベルダービーと揶揄する声を消すには十分な結果だ。

 

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セントライト記念 -回顧-

読了までの目安時間:約 3分

 

セントライト記念としては、極めて妥当な決着。
神戸新聞杯のダービー直結度合いの実に濃密なことは、もはや、誰も逆らうことのできないところまで行ってしまった感もあるから、こちらはせめて…。

穴党衆目の一致の本命馬は、大本命アルアインとその他とで、あまりにも実績も能力も差を感じるところがあったから、これまで右回りの瞬発力勝負で上々の結果を残していたミッキースワローに集中してしまった。
それはそれで、よくある本命圧勝のヒモ荒れのパターンになりがちな流れではあったのだが、そこはルメールと横山である。
スローになることは分かっていて、アルアインはともかく格好のつくように中団前目の本命ポジション、それをうちでマークするミッキースワローは、菊というよりはまずここで結果を出そうという決め手勝負での台頭を狙った位置取りとなった。

結果、ダービー不完全燃焼のアルアインは、休み明けの仕上げでも中身ある2着となり、ミッキーは直線でグイグイ伸びて、最後は独走の1着ゴール。
ミッキースワローは窮屈な競馬を強いられた京都新聞杯を除き、常にメンバー中断トツの上がりを使ってきた馬。
それをどう活かすか。

大ベテランに手綱を託した陣営の判断に、ファンはクラシックホースの次点評価という高い支持を示した。
サンデームーティエの逃げ脚など高が知れているし、アルアインもパワー型のキレる方ではないディープ。
位置取り然り、仕上がりでも勝ち馬は勝負気配の鋭さを増したフォルムに全てが現れているように、お膳立てはすべて整っていた4角までの争いだったとさえ感じさせる直線だった。

3着サトノクロニクルも、今回は位置を取って、距離相応の競馬に徹して、ジリでも最後まで粘って、後続の追撃は凌ぎきった。
本来は消えているような手応えだったはずだが…。
平均ペースの本番で台頭するのは、この馬かもしれない。
ツキが出てきた気もする。

 

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新馬回顧<9/16~18>

読了までの目安時間:約 3分

 

さてさて。
土曜の中山はまだ雨が降る前。
芝1800もダート1200も逃げ切り。
芝は人気のマイネルファンロンの追撃をハナ差凌いで、ヴィクトワールピサ牝駒のスピアーノが制した。近親にファイトガリバーがいる系統。底力はある。
ダートの方はシニスターミニスター産駒の関西馬・メイショウヒサカタが他を圧倒。コツコツ走るステファニア系らしい馬になっていきそう。

この日の阪神からは天候・馬場を記していく。
芝1400 雨・稍
雨量が増え始めた頃のレース。これもダイワメジャー産駒のハゼルが逃げ切り。母がミスワキ×サドラーだから納得にスロー押し切り。

日曜
中山芝1600(牝) 雨・稍
悪化の一途をたどる状況。
大外ブン回しの後方一気でトーセンブレスが快勝。1番人気も同じディープ産駒のプリモシーンだったが、これも内をうまく回ってくるのは得意ではなかったか。道悪では急なギアチェンジは難しい。

阪神芝1800 曇・稍
台風はまだ遠く、むしろ、馬場は回復気配の状態。
自ら高速決着を演出した人気薄のリュクスポケットが逃げ切り。
1:47.7で後ろから突かれながらの結果。ダイワメジャーとキングカメハメハの決着だから、前にいた方が有利だったのだろうが、勝ち馬は素晴らしい。

月曜
3レース全て、晴・稍で施行。
阪神芝1600(牝)
エイシンフラッシュ産駒2頭の一騎打ち。ボウルズが外から、ウスベニノキミはそれを受けるように好位から抜け出し、最後はボウルズが競り落とした。良血馬は両者含め多かったが、案外の凡戦の印象。

ダ1800
好位抜け出しでゴールドアリュール産駒のサクラアリュールが、低評価を覆す好内容で快勝。母系の大元は世界的名血で、フロックではないだろう。

中山芝1200
兎にも角にも、外々を別次元の脚で伸びたアンフィトリテが別格という競馬。
リアルインパクトの姪でロードカナロアの仔。自信を持って戦える時の強さは、超A級というのが特長の注目すべき血統であり、むしろ、マイル辺りが完成期での主戦場になる可能性もある。

 

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ローズS -回顧-

読了までの目安時間:約 4分

 

台風が全然やってこないことにも驚いたが、どうせ狙うなら穴馬から…、と考えていた馬券巧者には、何とも言えない絶妙な展開となった。

勝ったのは、前走で驚いた人は多くなくても、大昔に先代のヒシマサルというセクレタリアト産駒が大活躍した時の姿を思い出した人がまたちょっといたかもしれないという、驚異のタピット産駒・ラビットランであった。
大外一気×2。中京の平場のマイル戦で、思わぬ芝適性を示していた彼女に、モズカッチャン<オークス>、大いに粘ったカワキタエンカ<桜花賞>らでクラシックに挑んで味のあるレースを展開した和田騎手が騎乗し、再びの豪脚を披露させてしまった。

道悪でも何でも、やることは変わらないような馬。
ダートと合わせても、これがまだ5戦目の彼女が、本当にどこに適性があるかなんてわからない。
新馬戦の京都ダ1400戦は、2着馬に1.2秒の7馬身もの差をつけている。
距離延長は差して歓迎ではないにせよ、これも逃げ切りではなく、前に馬を置いた競馬から、直線で他を圧倒する競馬だった。
これはエルコンドルパサーと似たような伏線ということなのか。

母系は正しいアメリカの主要種牡馬に、デキシーランドバンド<母父>、ネヴァーベンド<3代母の父>など、日本での粘り強い脚を使う持続力を母系に入ることでアシストする味のある血が入った、あくまでもダートベースの血統には違いないだろうが、前述の通り、90年代までは直系のエーピーインディがシンボリインディを出していたくらいで、この馬の場合は440kg近辺の牝馬としても決して大きくない体が、この成功パターンの要因に繋がったのであろう。
記憶が正しければ、新馬勝ちから中1週でジュベナイルフィリーズに挑もうと登録していた馬だ。
先々週の半弟・アサクサゲンキの重賞勝ちにも触発された部分はあるかもしれないが、伏兵は常にこうでありたいと思わせるその鑑のような存在となった。

ぶち抜かれた実績馬。
カワキタエンカはワンターンの競馬でいい結果を残していたから、まだ重賞級ではないのかもしれないが、秋華賞でも厄介な馬になったことは間違いない。
リスグラシューとミリッサはテーマの違う追い込み。
ゴール前鼻面を合わせての入線でも、リスグラシューは展開の読みが鞍上は冴えていたのか、トライアル仕様に終始したが、ミリッサはハイペースが読めていても、4着になってしまっては、高額獲得賞金馬多数の今年は、やや辛い結果に。
ミリッサに姉やラビットランの末脚を求めるのは酷だろう。

本当の時計勝負には死角のあったモズカッチャンや+22kgのファンディーナは、1分45秒台の決着で、無理な勝負をできなくなってしまったのと同時に、直線に向いても前に馬を置いて上手にその後捌いて上がっていくような形は合わないことを改めて示した結果だった。
こういう馬が本番で人気になって、また消えることがある。
速い展開間違いなしの本番より、外回りの女王杯の方がいいように感じた。

FRで輝いた2頭は、桜花賞馬は見せ場なく9着、勝ち馬の方はうまく出過ぎて直線失速…。
勿論、距離の問題もあるが、路線が間違っているというより、タレントが豊富過ぎて、出番がないだけなのかもしれない。
ラビットランもカワキタエンカも、ここでこの実績で、人気の中心になるような馬ではないのに、ハイレベル決着でワンツーである。
これにまだ、真の女王がいるのだから…。牝馬主流路線は、春から復帰でもいい。
自分のステージで、もっとスキルアップを図りたい。

 

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新馬回顧<9/9・10>

読了までの目安時間:約 3分

 

9月の中央競馬は2場開催。
阪神と中山で、そろそろ好素材が満を持してデビューしてくるのがこの時期。
土曜の東西の芝のメイクデビューからは、そういう存在が現れてくれた。

阪神のマイル戦は、ミッキーアイルの全弟・スターリーステージが断然の人気を背負うも、レースの主役は常に、絶好位につけたビリーヴの仔・ジャンダルムだった。
直線入り口では、すぐ後ろにつけたロードラナキラと一騎打ちムードになるも、内から迫ったスターリーステージとの三つ巴の競馬にはならず、直線の伸びは一枚違うものを感じさせた。
食わせ物も少なくない兄弟だが、果たして。淡白ではないと思う。

中山2000で豪快に外から伸びたバレリオは、アイスフォーリスの全弟。
体つきからレースぶりまで瓜二つの印象も、ある意味で牡馬の割には反応のいいタイプと思える。
東京、京都で同じ競馬では通用しないだろうが、このコースは合いそう。

日曜は阪神で注目馬が順当に勝ち上がり。
2000M戦で一気の末脚を見せたシルヴァンシャーは、POGファンお馴染みのアゼリの仔。1400の牝馬限定は、慎重に下ろされた印象のオルフェ全妹・デルニエオールが楽勝。
ビリーヴの産駒と同じで、なかなか常識にかかってこない兄弟は気がかり。
相手が強くなった時にどうなるかを見てからでないと、ここでは力が違ったので何とも言えない。
前者の2着馬はオルフェ、後者はノヴェリストのそれぞれ人気馬で、母系も筋が通っている。
無理に重賞を使わなければ、2勝目までは確実だろう。

中山マイルでは、人気のネイビーアッシュをゴール寸前で捉えたタイムパラドックス牝駒のウインディマンシュの末脚が際立った。
よくある中山スペシャルの類だろうが、小柄な馬にダートの制約は伴わないことはよく知られるところ。
時計が掛かるスローのレースでは、こういうこともよく起こる。
ダート1800戦では、小差の1番人気馬・スペースファルコンが逃げ切り。父の名は記すまでもないか。意外とやれるタイプかもしれない。

 

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セントウルS -回顧-

読了までの目安時間:約 4分

 

先行力のあるフィドゥーシアとファインニードルの争いは、いくらかは自在性のあるファインニードルに一日の長があった。
夏の阪神ほどの高速馬場ではなかったし、必ずしも先行馬有利の馬場状態でもなかったが、自己最高体重だったメラグラーナ、キレを出したかったのか出来が良かったのかまでは定かではないものの、小柄なダンスディレクターも休み明けだったので、前がやりあることにならなければ、どちらかは必ず残るという展開になった。

上手に先行して、フィドゥーシアたちをうまく風よけのような使い方で活用しきったファインニードルとデムーロの勝ちパターンに、他の13頭ははめ込まれてしまったような坂の辺りの攻防であった。
これは阪神が得意。
関西圏の4場で唯一掲示板を外していないこのコースで、1200Mに限れば【3100】としたファインニードルは、僅差でスプリントチャンピオンは逃したものの、煮え切らない最近の実績上位馬に正攻法で挑めるライバルにこれで数えられることになった。

千直だけでは…。
連続連対など、2歳時のこの時季に未勝利戦で3度続けてあっただけのラインミーティアが、覚醒を世に知らしめる2着好走。
東ではついにグランシルクが、こちらはファインニードルと同じく得意な中山のマイルで突き抜けてしまったが、それと同レベルくらいの破壊力がこの馬にはあったということか。
前走のアイビスサマーダッシュとコース形態も流れもまるで違ったのに、ほんのわずかなスペースを真っすぐに、極限の末脚を使って前を捉えにかかる競馬を、西田騎手と一緒にまたやってのけたので、これは痛快。

一瞬の脚だけなら、スプリンターとて中型のこの馬と440kg前後とディープと同じくらいの馬格しかないダンスディレクターとは互角、条件一つで先着もある。
死角の多い馬ほど、拾う神ありなのだろうか。

前走は失敗という風に捉えた、フィドゥーシアの石橋騎手の考えは、筋違いと言うことはないだろうが、ちょっと割り切れなかった有り得ない敗戦で、外枠ということがプラスされて、鞍上の方が掛かり気味だったか、先行馬でも力があれば粘り込める1分7秒台中盤での決着で、0.7秒差の9着は残念だ。
ペースの問題よりも、新潟の特殊な直線競馬にうまくフィットさせ過ぎているのではという死角が、前走の惜敗により、重賞としては平凡なレベルの展開に対応できないという答えをもたらした。
スピードは一番でも、そんな馬なら、誰でも走れる距離なのだから、未勝利クラスにだっていっぱいいるから、ここはGⅠを目指した戦いをしていなかった以上、こういう負け方をしたことを素直に力不足と考えるべきである。

素晴らしい血統を誇る日米のベストトゥベストの配合を施された良血牝馬に、身の丈に合わないレースの格を求めるのは、やはり愚の骨頂だ。
長くても来年いっぱいの現役生活の終焉をGⅠ制覇と考えた陣営には辛い結果となったが、春のオープン2連勝がうまく行き過ぎた可能性も感じてしまう。
絞って本番へ臨むことだけはご法度だ。

 

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紫苑S -回顧-

読了までの目安時間:約 3分

 

勝負所で大分に外へ振られてしまったが、三分三厘の仕掛けが絶妙だった岩田騎手駆るディアドラが、最後はスムーズに内をロスなく回ってきた関東馬2頭を何とか捉えきり、人気馬の面目を保った。

ハーツクライの人気馬を筆頭に、眠れる才能の開花の機会を思って、ここを飛躍の舞台にしようとした陣営の願いは叶わず、皆圏外に消えた。
一方、あれだけ速い馬場だった函館で、特段目立った時計の勝負にならなかったものの、夏の北海道の1000万条件でワンツーを決めていたポールヴァンドルとカリビアンゴールドが、今度は着順入れ替えてカリビアンの先着。

レースを振り返れば、あそこにいればそれはなあ・・、という絶妙な好位付けからの抜け出しも、カリビアンゴールドの接戦に対する因縁は、いかにものステイゴールドの傾向で、これは痛し痒しも仕方がないところか。
中山でのキャリアの豊富さに加え、オークスで揉まれた経験では、その点で負けず劣らずのディアドラとは、臨戦過程を考えると、レースの安定感ではカリビアンゴールドが上かもしれないが、ゴール前の脚を見るとワンパンチ足らないのかもしれない。
時計が速いのも得意ではないだろう。

勝ったディアドラは、よっぽど道内の移動が負担だったのか、前走は大幅体重減でありながら、今回移動距離は大差なくとも、この暑さでオークスとトントンの体重で出てきたから、こちらの478kgの方がいいに決まっている。
京都でやっとこさ5月に2勝目を挙げて、そこから中1週のオークスで掲示板確保。
中京デビューの馬が、この夏は北海道に適鞍を求めて、苦しい競馬をしてきたという経験は、休み明けの関東馬にはない。
昨秋の関西遠征失敗の痛手は、早くもトライアルの段階で今年は結果に表れてしまった。
ディアドラの初重賞制覇にかかった時間を考えれば、天才型のハーツクライ2頭には、まだ叱咤が足らない気もしないではない。

 

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新馬回顧<9/2・3>

読了までの目安時間:約 3分

 

台風の影響は最小限。
良馬場の土曜日は短距離カテゴリーの2戦。
札幌1500Mは、人気馬の手応えが馬体の作りの差として、勝負所で現れてしまった。
勝ったスズカフェラリーは、430kgの牝馬ということもあり、折り合い重視の後方待機策も、前を行く約100kg目方の多いサトノアレスの半弟にピタリと張り付き、手応え十分で4角を回ると、あとは突き放す一方。
スズカフェニックスのいいところだけを受け継いだこの決め手は、大一番でこそ発揮される。

新潟1400も人気馬同士の決着となったが、今度は大型馬・ランスマンのゴール前競り落としという展開に。
断然人気のダノンスマッシュが実にお行儀のいい競馬で抜け出しにかかるところ、小回りの遠心力をうまく使うようにして押し上げてきたこのダイワメジャー産駒は、父譲りの競り強さを初戦から遺憾なく発揮した。
コランディア系だから、平坦馬場も合う。夏馬だと馬主孝行にもなるが。

日曜の小倉と新潟は、芝の1800戦が組まれたのだが、ワンパンチ足らない人気馬同士の争いとなった。
小倉で最後に外から伸びてきて勝ったメイショウテッコンは、マンハッタンカフェでもダート向きの配合で、小回りで平坦なら対応可の馬にも見えた。
新潟は人気のサンリヴァルが末脚比べを粘り勝ちの印象といった具合も、ウメノファイバーの系統で、スパッとキレるようなタイプではない。
両者先行できるようならその方がいいのだろうが、それだと味が出ない可能性がある。

新潟ではダートの1200戦も行われ、セイウンスパイの粘り腰が見事だった。
父はミッドシップマンでミスプロの同系配合がなされた早熟型。
輝く時期はあまり長くないだろうから、どんどん勝っていきたい。

芝2000の未勝利戦が各場で行われて、それぞれ見どころがあったのと比べてしまうと、大分こじんまりとした印象しかなかった。
その未勝利組では、小倉のシャルドネゴールドが一番伸びしろがありそう。新馬でロックディスタウンに敗れていた馬だ。

 

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新潟記念 -回顧-

読了までの目安時間:約 4分

 

まずまずの展開。
前走の差し返しのようなゴールシーンに強気の競馬に転じた秋山騎手騎乗のタツゴウゲキが、想像以上の粘り腰で先行押し切り勝ち。
いや、追いかけてきた組がかなり勝ち味の遅さで四苦八苦しているカフジプリンスやアストラエンブレムだったのも大きかったのか。
七夕賞の不利を倍返しして、見事にサマー2000シリーズ覇者となった。

小倉記念からの連覇は基本的には有り得ないことで、2年かけて両方勝つ馬などはいたが、両方ハンディキャップ競走として長くやってきたから、連勝馬はこれが初。
ちょっと前までは翌週に阪神で朝日チャレンジCが行われていたから、東西の棲み分けがなされていた時代と合わせて、その変化の大きさ、目標の切り替えの効果が、この夏競馬に関しては、JRAの努力が実を結ぶ形となった。
大変珍しい。(笑)

こういう競馬を田辺騎手にやってもらいたかった…、と思いつつ、マーベラスサンデー産駒、かつてタツゴウゲキと同じように5歳になってから重賞もGⅠも関係なしに快走を続けたシルクフェイマスの領域に入りつつあるなと、ちょっと感心している。
前走の勝ち方は劇的で、斤量の利もあったし、今回は一気に3kg増の55で、広い馬場より小技を繰り出してコツコツ勝ち上がっていくようなタイプだったことなど、何が今まで違うのか、むしろ不思議な事ばかりが起こった一戦であった。

タツゴウゲキには、日本に来て衝撃的な粘り腰を見せたシングスピールを母父に持つという大きな補助材が入っているせいで、父が4歳春から怒涛の勢いで勝ち続けた実績を、シルクフェイマスはカーリアンを得ることで、ものの見事に再現してくれた。
サンデーサイレンスの初年度産駒にして、フジキセキとは全く違う段取りでGⅠ馬になったマーベラスサンデーは、奇しくも小倉でまたして魅せた武豊騎手のお手馬だった。
これといってお手馬が決まっていなかったという点では、四位騎手と怒涛のGⅠ獲りを狙った京都GⅡ連勝の頃に自分らしさを体現できるようになったシルクフェイマスとまるでそっくり。

馬鹿にしているとどこまでも上り詰めてしまう血統…。
血は争えないものだな、と改めて再認識させられるゴール前の攻防だった。

その血統でいえば、エプソムCとどこまでも同じような内容で2着に惜敗というより、ステイゴールド化して定位置に落ち着いてしまっているようなところのあるアストラエンブレムは、少々憐みのような気配をたたえ始めている。
何せ、方向性で言えば、4歳春からの逆襲という点で、ハイレベル世代の牡馬となるとジャスタウェイと丸被りのところがあるが、よく考えてみると、破壊力をどう活かしていいのか分からなくなっているうちに、GⅠにも連戦にも対応できるようなキャリアを積んできた中での連戦2着だったのと比べ、こちらの方は、ただ自分が自分を乗り越えられないから躓き続けているという残念さとで、賞金は今回も加算できたものの、何とも煮え切らない内容に終始してしまっている。
ある意味、タツゴウゲキとは全く反対側にいるオープン馬である。

考えて何かを見出さないといけないこの手の馬には、騎手らしい哲学者然とした考える人の方が合うと思う。
馬がやんちゃであれば、もっと戦績にムラが出るが、そういう気性ではない。

ミラクルな出会いと別れから、秋山-デムーロの因縁は小倉に引き続き、新潟での返り討ちへと展開したが、タツゴウゲキとの夢物語のゴールは、本当に秋の天皇賞なのか。
意外とその辺りが判然としないのが、夏の各路線のチャンピオンの実像だったりする。

 

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