2018年マイラーズC レース回顧

JUST競馬予想ブログ – 血統予想・コラム

マイラーズC -回顧-

読了までの目安時間:約 3分

 

想定されたペースを考えたら、モズアスコットに乗ったルメール騎手の判断に誤りはなかったはずだ。

ただ、こういう競馬をやったことにない馬が、レコード決着に持ち込むときには、無傷であるとか少なくとも連勝中であるとか、もちろん、キャリアの面で他のライバルより上でないといけないという要素が加わった条件ではないと、案外苦しいものだ。

最後はちょっと伸びきれなかったか。いや、よく頑張っているとすべきだろう。

初めて、オープンのかなりのレベルの競馬を自分で作っていっての2着なのだから。

納得の結果だったように思う。

そういう展開で、これまで上々の青春取り戻し作戦を遂行していたロジクライが、自分の持ち味を出そうとして、そういう形には持ち込んでいる。

差し馬人気ながら、エアスピネルに極限の決め手があるわけではない。

ベテランの伏兵も多く、あと勝負になりそうだったのは、ダッシングブレイズとサングレーザー。

ただし、ダッシングブレイズが今年は詰めて使えている分、いい頃の大物感溢れる走りには程遠い状況で、これも勝負には加われず。

1400ベースのディープ的差し脚をこれまで追求してきた福永騎手のサングレーザーが、最後は凄まじい決め手で前を呑み込み、見事に重賞2勝目を挙げることになった。

口惜しくてたまらないだろう福永騎手が、前日の東京では元気になって、しっかりと結果を残した。

馬にしても、本来使うべきレースをいくつもパスして、恐らくは、この春は最初から安田記念一本に絞ったローテで行こうと決めていたように、秋には使い込んだ分をしっかりとと立て直し、フレッシュな状態で好メンバーを打ち負かしたのだ。

レコード決着に関しては、最近の天候の影響もあるのだろうから、真に受ける必要はないか。

この手の勝負は、1400得意の勝ち馬には向いたのだろうけど、いい武器を持っている馬である。

 

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フローラS -回顧-

読了までの目安時間:約 4分

 

一頭だけ別の競馬、また他とは違うローテでトライアルに挑み、かなりの後傾ラップの中で直線勝負での快勝。

思われているより、サトノワルキューレという馬は、自力勝負に向く本格派のディープ産駒であったということだろう。

スタート抜群で、いつどこからでも抜け出せそうなオハナが、揉まれたのが良くないのか、単に仕上がっていなかったのか、馬体を見る限りは言うことなしのように映ったライバルは、そのようにして勝手に負けていったわけで、サラキアの内枠もあまりプラスにならず、返って、スローに流れて外枠の伏兵が伸びのに走れたことで、非ディープの最上位人気馬であるノームコアも力を出し切れる展開。

ただ、条件が合っていたかどうかはともかく、大きく体を使えるように位置取りを無視したような策で無理な追走を序盤からせずに、しかし、直線ではあっさりの一気の脚を使ってしまったサトノワルキューレは、あまり全体のレースのリズムとは関係のないところで、素晴らしい末脚を繰り出したという結果しか、どうも印象に残らなかった。

父は言わずもがなのディープインパクト。

母系は南米、それもあまり日本に輸入されることのないブラジル経由の変わった血統で、レイズアネイティヴ系とリファールのラインが入っているから、何となくイメージはつくものの、リファールのクロスが入っていたり、父のロワノルマンはリュティエやカルヴァンといったフランスの血が入った系統で、詰まるところは、北半球の主要生産国っでは役に立たないけれども、独自の発展を遂げた南半球の馬産には有益な血が、日本にもお裾分けされたような印象で、生産者からするとありがたい話なのだろうが、血統に一定の予想のファクターを求めるファンには、まだまだ未知なる戦いが待っていそうな雰囲気を醸し出している。

軽いヨーロピアンだから、レースレコードの流れにも適応できた可能性を求める一方で、こういう配合の馬が、いざ距離が伸びたGⅠレースで、このような馬場の中で時計勝負になって、日本に馴染みのある配合だとイメージできるものがあっても、これだと読み切れない。

アーモンドアイに屈したラッキーライラックのような構図…、と比喩すればよいのだろうか。

アーモンドアイにとって、この未知なる刺客は、かなりの脅威になる。

何せ、鞍上同様、どういう競馬をするか見えないのだから。

少なくとも、完成するにまだそれなりの時間が必要でも、父と同じような体のサイズながら、しなやかさと力強さを併せ持った素晴らしい馬体に、サトノワルキューレの才能は、パドックの段階からすでに、異彩を放っていたということだけは断言できる。

違いがそのまま、結果として現れた一戦。

超伏兵、ルーラーシップ×アニメイトバイオという配合の力だけで、やや距離不安を秘めていたノームコアでねじ伏せたパイオニアバイオ以下とは、使うべき物差しが違うようだ。

ワルキューレにとって本当は、こちらの距離の方が適性があるような気もしないではないが…。

ここまでの段階では、強敵出現ということでいいだろう。

 

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皐月賞 -回顧-

読了までの目安時間:約 5分

 

前は速かったとはいえ、簡単に止まるような展開ではなかったように見える。

4角の手応えは、結果的に圧勝に終わったエポカドーロの右に出るものなしという印象。

上がりも掛かったし、時計もメンバーのレベルを考えると平凡。

やはり、あの馬がいないのだから…。

人気勢の支持があまり集中しなかった理由が、この結末に凝縮されている。

筆者はハイレベル世代だと思っていたので、こういう展開は歓迎で、もっと面白い競馬が続いていくことに期待が集まる。

が同時に、この結果がダービーと直結するようにはとても思えなかったのも事実。

道悪の皐月賞とレコード決着の皐月賞は、そのほとんどで、近20年の連対馬はまずダービーで苦戦である。

ここで無敗で挑んでいれば…、という注釈つきでも、こういう2分オーバーの、最近ではイレギュラーに近いにこの結果では好走の根拠を探すのが難しい。

今回は今回として。

父は言わずと知れた、文句なしの三冠ロードを歩んだオルフェーヴル。

母は桜花賞前まで元気だった06年のフィリーズレビュー勝ち馬であるダイワパッション。

ポカの多そうなフォーティナイナーの血が入った芝馬であるエポカドーロは、気分良く先行した三羽烏のはるか後方で悠々の単騎逃げの形。

結果的に、皆が認める気分屋のジェネラーレウーノはその一匹烏として粘り込むことになったのだが、何の何の、全くレースの流れが違う後方グループといって差し支えない他の13頭の中で、唯一といっていいほど、勝ち馬だけが勝つべきポジションにいたように見える。

あの4角の手応え。

前残りの07皐月賞のようで、単騎逃げの決まった08年のようであり、結論が06パターンような、荒れ方は02年にそっくりで…。

面白い結果になった皐月賞の勝者で、唯一、その後も生き残ったのはトライアルホースでもあるメイショウサムソンだけ。

その後はヨーイドンにも、激烈なハイペースにも適応していくスキルが求められるようになり、こういう押し切り勝ちのパターンはなかなか難しくなる。

13年だけは、朝日杯ハイレベル時計勝ちのロゴタイプのガッツが際立つ形であったが、追いかけてきた組がエピファネイア以下、GⅠ級のスピード型ではなかった面もあって、これも勝ち馬はダービーに縁なし。

今年は大いに差し損ねの年であり、ハイペースなのに、いや、縦長ではない展開が、差し馬の末脚に対する少しだけあった過信により、こういう波乱の結果を呼び込んだということになるだろう。

差しやすい馬場でもなければ、そもそも、GⅠ級のレースではこの流れは中の上くらいの展開。

見せ場を一番作ったように思えるノンキャリアホースのキタノコマンドールが、まだまだ全容を見せていない皐月賞は、かなり不気味である一方、では、ワグネリアンやステルヴィオが能力を出し切れたかというと、展開上の不利はステルヴィオにあり、ワグネリアンはやや手控えた調整が今回は裏目に出たような結果論のラストガス欠で、東京で一変の可能性が大いにあった。

しかし、あの4角の手応えだからなあ。

オルフェーヴルやメイショウサムソンらと比較するのは、人気がそれほどではなかったから難しいのだが、彼が14倍くらいの支持だったのに対し、父は11倍弱、サムソンもエポカドーロと似たようなオッズの中穴評価だったのだ。

人気馬は完全に屈服させられ、前記名馬は、共にダービーの道悪競馬に対応し、楽に二冠馬になってしまった。

何となく、ダノンプレミアムを幻を追いかけてしまうような結果になったこの皐月賞は、この日の人気勢に加えて、違う武器を持った仲間が増えたという捉え方が正しいのだろうとは思う。

きっと、ダノンプレミアムが負けるようなレースではなかった。

となると、ファンにとっては、2歳王者がやや死角をもって挑むダービーに対し、違う武器を持っている馬から入るのがいいという予言めいたものを受け取ったとも言える。

個人的には、ダービーでこの馬場で狙いたかったグレイルの頑張りに期待感を持った。

ジェネラーレウーノと似たキャラに思える。

となると、ここで人気になっていた馬の逆襲は、十二分に期待できる状況が整ったのではないだろうか。

ハイレベルであるが故、見えない才能の争いになった時の本番のレースは、実に見ごたえのある別解を示す絶好機になることを、ファンをしっかり頭に止めておかねばならない。

意外なダービーとなりそうな予感がしてきた。

 

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アーリントンC -回顧-

読了までの目安時間:約 2分

 

一時は、ロイヤルブルーの勝負服に替わってることをすっかり忘れて、隣の隣の枠から出たイルルーメの方を見ていたのだが、折り合いと位置取り、騎手の自信さえあれば…、という感じで、直線序盤は前がつかえて動けなかったが、勝負所の坂の辺りからは、朝日杯前までは見られていた素晴らしい伸びで、タワーオブロンドンが人気に応えた。

牝馬が結構速いタイプでそれが先行したから、好枠をうまく味方につけられなかったインディチャンプは、岩田騎手らしいイン溜めの正攻法抜け出しも、元来がマッチョタイプのパワー型に出にくいステイゴールド産駒で、1600Mも若干長い可能性があったから、今回に関しては、タワーオブロンドンのような走りをさせてあげられなかったのが残念だった。

勝ち馬が外から颯爽と抜け出しにかかった時に、インディチャンプのそばを駆け上がっていったのが、重賞初挑戦組で最高評価を受けていたパクスアメリカーナ。

何を見ていたのか、筆者、サンデー系と誤認して、ホエールキャプチャの半弟と展望の際に記す失態を犯していたが、この全弟、姉並みの決め手を持っていることが、今回判明。

中内田厩舎の勢いが止まらないことを、不敵に知らしめた2着の内容は、思われているより濃いはずだ。

直線ではまずまずの手応えも、いざ追い出してからが残念だったエアアルマスが休み明けに敗因を求められる状況で、その他人気上位勢は全て好走。

淀みない流れで、最近冴え過ぎているくらいのデムーロ騎手が駆った良血・レッドヴェイロンも3着に入ったから、ニュージーランドT組よりは、見どころはあるそうな雰囲気。

ただ、好時計勝負の後の中2週でまたマイルというのは、結構厳しいだろう。

差し引きすると、結局、勝ったタワーオブロンドンがキーホースになるという見立てが正しいように思う。

 

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日本馬と外国馬との距離感<ドバイ回顧>

読了までの目安時間:約 3分

 

日本馬が当たり前のようにジャパンCやチャンピオンズCを勝っていることで、世界を知られなくなるリスクが表出した結果ということなのか。

シーマクラシックはクラックスマンがいなかったから、ほぼ、実績に日本勢が有利という状況だったにも関わらず、日本のファンが彼らの入った当たり馬券をゲットできないという体たらく。

正直、実力負けではないのだけれども、中身のあった馬券外の競馬とは言えなかった。

レイデオロは変なスイッチが入ってしまった可能性を考慮したレースに終始したから仕方ないが、あとの2頭は、何もできなかったという印象。

結構まずい。

どんな展開になるかで、5頭の刺客を送り込みながら、確実に上位入線できるかは不透明だったターフも、所謂掲示板に3頭載ったのだから、至極順当な結果。

が、ヴィブロスの異常なレベルのコース適性をもってしても、地の利は考慮しつつ、ベンバトルに好きなように走られてしまっては、ぐうの音も出ない。

勝者を讃えるとともに、日本勢のやや尖った感に乏しい勝ち気の死角が、そのまま3馬身強の着差に現れた気がする。

ダートは今年は勝負の年ではなかったから、経験者はまずまず走ったけれども、上位勢には軽くあしらわれてしまった。

肝心要のダート戦、という風にドバイ参戦の意義を捉えなければ、この答えに変化が訪れる日は来ない。

芝に関して言いたいのは、恐らく、日本勢が臨んだやや堅い馬場でありながら、大した内容で走れていない点。

日本の十八番となっていた2400戦のシーマクラシックは、レイデオロの怪しい点を考慮すれば、もっと、モズカッチャン辺りは積極的に行くべきなのだが、まだクリスチャンの経験値だとその選択肢が最初からなかったように思う。

ある意味、それはいいところであるけれども、兄との差にも出ている気がする。

正しい競馬すれば、自ずと結果は出るだろうという気持ちが、今年に関しては、日本の各陣営にあった気がする。

行かないといけなった。

マテラスカイは果敢に先行勢にとりついて、結構頑張っていたのとは、まるで違ったことが不満。

ドバイは日本の騎手で行った方がいいような気がする。

 

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桜花賞 -回顧-

読了までの目安時間:約 5分

 

パドックから漂っていた、異様なまでの人気3頭の気配。

競馬も完璧だった3頭。

しかし、人気と結果はやや違った。

みんなGⅠ馬、という考え方もある。

勝ったアーモンドアイは、周到に関西遠征もこなしつつ、賞金をしっかりと加算して、仕事人・国枝栄調教師らしい狙いすました休み明けのローテで、明確な打倒・ラッキーライラックの策を講じ、見事にそれを成した。

まるで異次元の決め手は、レコード勝ち以上のインパクトを残し、無敗の2歳女王さえ置き去りにする、無慈悲なまでの破壊力を体現する結果で、その高い資質を大舞台で示したことになる。

自分でPOGの注目株に押さえておきながら、シンザン記念といい、このこの桜花賞といい…。

「トリプルクラウン(ティアラ)」

を狙えますというルメール騎手のインタビュー時のコメントが出たのが、興奮を抑えた最終盤のことだから、簡単にその才能を我々は理解することができる。

ただ単に、強過ぎるのである。

本来ならば、最内枠は気にならない…、などという解説者たちのコメントがもっと聞かれたはずのラッキーライラックは、実質、前女王の冷や飯食らいという立場に甘んじる結果になってしまったものの、あまりにもきれいに勝ってしまったアーモンドアイに対し、本当のダメージがあるのか、正直、見立てることが難しい気がしてきた。

相手が強すぎると、直線半ばで走るのを諦めてしまう場合もあるが、抵抗というか、しっかりと自分の持ち味は出し切っている。

距離が伸びてこそ…、という論理が通用するレベル差ではもはやないのかもしれないが、ある意味、究極の好敵手として、ウオッカ×ダイワスカーレットの再現を唯一可能にできる、異次元のライバル関係を今後形成していってもらいたい。

走破タイムに関しては、アパパネに一歩及ばなかったが、彼女たちの桜花賞の時とは、着差とすればほんのクビ差開いたくらいのもの。

武器が違うからといって、一気にモチベーションダウンでは勿体ない。

それくらいのレベルで、アーモンドアイとラッキーライラックは、ハイレベルすぎる競馬を作り出せるのだ。

相手の武器を知った途端、勝負の流れも変わるものである。

本来ならば、キレでもスピードでもまずまずのところまで対抗可能なリリーノーブルは、GⅠという格に負けているというより、彼女たちが張ってしまった結界のようなものに、いつもはじき出されている印象がある。

武器は持っているが、総合力でどうにも敵わない。

最初から分かっていたことでも、どうにもならないと知った今回、全てを悟る境地に達しつつあるだろう川田騎手が、どんな可能性を今後展望しているのか気になる。

当然、NHKマイルCでは大本命級。

一発屋的なところのあるテトラドラクマよりも、遥かに競馬に安定感はある。

しかし、父がそうであったように、勝負のかかった場面でどうにもライバルに見劣るのは何故か。

この馬の場合、血統で上位2頭に見劣ることはなくても、悪い面を全く引き継いでいないことが、妙な雰囲気を醸す原因となっている気がする。

やけに大人びた感じがするのは、筆者だけだろうか。早く重賞を勝ちたい。

パドックで魅せた3頭の輝けるオーラ。

ラッキーライラックには不安など全く感じさせるもののない、落ち着き払った気配に我々が惑わされることのない、中距離型として持つべきパーツを備えつつある完成形の体躯を、多くのファンに見せつけていた。

アーモンドアイも天晴れ。

物怖じするどころか、ノッている時の良血馬が放つ大物感に加え、牝馬らしいシャープすぎる体つきではなく、これまで我々の度肝を抜いてきた決め脚が、この後躯であるということを披露しながら、何だか相手の生気を奪っていくような威圧感が加わっていった。

リリーノーブルは元より大型馬。

その体を余すことなく、スピード型の母系の特性をしっかりと見せつけ、好馬体のパワー型として、ある意味での究極の形を体現していた。

そんな3頭相手に、牝馬のキレで挑んだディープ勢が及ばないのは仕方のないこと。

全体の流れが速いから、時計も速くなったわけではない。

上位3頭には、それだけの時計で走るだけの根拠が、戦う前からあったのだ。

筆者はヒモ荒れにも少しは期待した部分はあったのだが、レース前約20分の時点で、彼女たちに逆らうことを諦めた。

こういうクラシックレースも、結構珍しい。

もっと輝ける場所を、自分の力でもっと見つけ出してもらいたい。

 

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ニュージーランドT -回顧-

読了までの目安時間:約 3分

 

スローの中山では、案外差しが決まるという展開が繰り広げられるが、カツジが前回で折り合いを欠いてうまくレースできなかったことを松山騎手がしっかりと踏まえて、かなりゆったりの仕掛け。

人気の一頭であるカシアスは、この日は何となくリラックスして乗っている雰囲気だった浜中騎手が、お手馬ということもあって、前回に引き続き先行する策に出た。

が、まだどこかに不安なところがあるのか、距離に対する適性に疑念が拭いきれていないような逃げが、前回のシンザン記念と同じで、直線は馬場も完全に回復していなかったか、風の影響か、全く良さが出し切れなかった。

個人的には、本命にしていたということ以上に、戸崎よ…、と思えるような、外枠を少々意識しすぎた後方からの追い上げになったケイアイノーテックが、能力の一端を示しつつ、平田厩舎あるあるの、攻めた使い方をするとこういう勝負掛かりの関東の競馬で大幅体重減が起きてしまったので、それも鞍上の意識にやや影響したようなところもあって、この2着は残念。

正直言って、策があったというより、そうせざる得ない事情のあったカツジが、思惑以上にうまいスパート掛けられたことで勝てただけで、ケイアイノーテックにとってもやや楽な展開で、坂の辺りからしっかりとエンジンがかかっていたのだから、もう少し前に行けていたら、筆者だけではなく、多くのファンはホクホクの結果になっていたように感じる。

よって、次のレースを展望する中で、注目すべきはケイアイノーテックであり、人気ガタ落ちで面白いのが、強気に行った時のカシアス。

無難に乗ってはダメということが、ある意味はっきりしてしまったようなところのあるカツジや、何とか権利獲得するも新馬戦の時のような迫力を感じなかったデルタバローズらは、条件が整っていることが好走要因に繋がるタイプとみる。

 

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大阪杯 -回顧-

読了までの目安時間:約 4分

 

詰めても大丈夫、絞っても大丈夫、途中で動いても大丈夫。

スケール感ではメンバー中でも上位にあったスワーヴリチャードが、ある意味で、ここ数戦見せ続けてきた迫力を、ある意味ではまた違う形で魅せることに成功し、ようやくGⅠ馬の仲間入りを果たした。

レイデオロは前夜のメイダンでもみくちゃになっていたが、それより型破りに走ったスワーヴリチャードは、スローの展開を逆手に取り、早すぎる進出、それも完全に立ち遅れてからの巻き返しで、かつて鞍上が有馬記念でヴィクトワールピサを駆った時のような派手な立ち回りで、最後は上がり勝負に持ち込んで、後続を封じた。

アルゼンチン共和杯は、ずっとGⅠの谷間の切ないハンディキャップ重賞と思われていたが、ここ15年ほどの出世馬の出現率は、その時の勝ちタイムに準じて、はっきりと数字に適した結果がその後ついてくる、秋の登竜門的位置づけになった。

3歳で菊花賞に出られないからと、いきなりの古馬挑戦を休み明けで選択したそのレースを快勝。

上がり目を買われた有馬記念こそ、全く自分の持ち味を出し切れなかったが、直線まで待って仕掛ける形(結果的にそういう勝ちパターンの展開になっている)になったから、彼は踊るように走ったのである。

千両役者のミルコ・デムーロを背に、両者のプライドが結果に繋がったという点で、GⅠ昇格初年の昨年圧勝したキタサンブラックと、とてもよく似ている面もある。

先輩は前年のこのレースを負けていた。

未来に向け、ただの1勝になるくらいの明るい展望に繋げないといけない。

ようやく、レイデオロのレベルに競走能力も追いつてきた印象だ。

予想のファクターに血統構成を用いたから、スワーヴリチャードについても触れておこう。

兄は未完の大器として知られるホワイトマズル産駒のハンドワゴン。

後の活躍馬であるトゥザクラウンを苦しめ、トーセンスターダムをライバルとするまでは良かったが、大きすぎる体が成長を阻害し、経験値を蓄積する機会を奪った。

スケール感では当初より、そんな半兄より上とされてきた弟は、500kg近辺の馬体を駆使し、器用ではないけれども、中団からの立ち回りでより安定して能力発揮する希望を与えられた。

兄とはターントゥとリファールのやや遠い位置にある大種牡馬が共通。

今では珍しいアウトブリードで、弟にはナスルーラ系のトニービンがグレイソヴリンの直系として父ハーツクライの個性を作り、母ピラミマの中に入ったそのグレイソヴリンとボールドルーラー、ネヴァーベンドといった3代ライン全てが入り交ざった中での、ノンクロス配合という面が、その個性を際立たせている。

同父のジャスタウェイは、キレにキレる馬だったが、これが母方にハイペリオンの色々なラインが組み込まれた馬。

トニービンはその直仔であるホーンビームを持っている。

お互い、大種牡馬の薄いクロスを多量に抱えている一方、ミスプロ系であるピラミマはその父であるレイズアネイティヴのクロスを持っているので、本当は距離は延びるのはあまり歓迎ではない可能性を秘める。

脚質の違いと馬体の差こそあれど、両者とも、距離適性に大差はない。

その他のライバルに関しては、スワーヴリチャードがうまく行き過ぎたので、今回はノーカウントでもいいかもしれない。

昨年の結果に倣えば、ミッキースワローの強靭な決め手は今後の見どころに直結するが、こちらは勝ち馬とは違って、そう簡単に動いていけるようなキャラではないのは苦しい。

普通に出れば、いい勝負だろうが。

こちらの方は成長待ちだ。

 

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ダービー卿チャンレンジT -回顧-

読了までの目安時間:約 3分

 

1:32.2は想定内であったが、前年の出走時より10kgほど増えて、パツンパツンの馬体に思えた休み明けのキャンベルジュニアが好位抜け出し、その後から追撃した上がり馬のヒーズインラブが素晴らしい伸びで直線突き抜ける構図は、簡単な決着などあり得ないダービー卿CTらしい結果に思える。

キャンベルジュニアはマイルの方がいいのか。

ハービンジャーでも、実はハービンジャーだから、高速決着のマイルの総合力勝負はヒーズインラブに向いていたのだろうか。

逃げたマルターズアポジーは、内からポンと行ったらそのまま逃げ切れるというような単純なタイプではない。

外枠からのスタートが良くなかったのではなく、外枠からゆっくり先頭に立てたことで、3Fまでは35.0秒も、以降は46.2-57.4と刻んだため緩急が付きすぎて、4角では手応え怪しく…。

追いかけてきたソルヴェイグなどは、時計勝負になったこともあって振り切れたが、斤量も響いたようだ。

想像以上に走る気が満ちていたキャンベルジュニアは、今まで見たことのない内からスムーズに抜け出す競馬で、自らでマルターズアポジーを圏外に追いやったものの、昨年の中山で1:32.5で勝っているヒーズインラブが、降級後ようやく自分の長所である決め手を取り戻し、最後はそれをきっちり競り落とした。

勝ち馬と同産駒、同じ年齢のテオドールも掲示板に上がってきて、使い詰めで進境が見られそうもなかったグレーターロンドンは、本質的な時計面の課題を今回もクリアできず5着止まり。

馬体の印象通り線の細いレッドアンシェルには、内枠は厳したかったとすると、これは力通りなのか。

いや、ストーミーシーが最近左回りで結果を出していたのに、やっぱり中山で駆けた。

マルターズアポジーが1:33.0で凡走。連続好走の少ないタイプとはいえ、展開一つの中山外回りらしい決着とした方が、合点がいく。

 

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高松宮記念 -回顧-

読了までの目安時間:約 4分

 

セイウンコウセイが本来のレースセンスの良さを取り戻し、しかも、十分に絞っての勝負気配。

レッドファルクスは、総合力の競馬で見劣るような馬ではないが、前走というか、ここ数戦はどうも位置取りが悪すぎる。

中山でスムーズに立ち回って、悠々外に持ち出しての追い込みは、それ以外でもコースでうまく行ったというわけでもない。

判断は難しいが、今のところは、もう1200専門、GⅠで毎回来るタイプという昨年のイメージは捨てた方がいいかもしれない。

ファインニードルが勝負を分ける場面で大外にいた。

それも中団の位置からの追い上げ。

スプリンターズSで、何だか折り合うポイントを探すのが難しい展開になった時とは違い、前走の内容を考え、落ち着いて差す形に転じた川田騎手は、とてつもないプレッシャーと今後戦っていく中で、素晴らしい仕事をしたと言える。

何せ、完全に良馬場のスプリンターズSより速い流れで、昨年の覇者が引っ張ったのだ。

GⅠ馬が先行すると、そのラップ以上にタフな展開になるとされる。

33.3秒で前半は流れ、馬場コンディションがある意味でこの時期の中京らしい仕上がりであったから、上がりは前半より2秒ほど掛かって35.2秒。

レースプランなど、細やかなこともしっかりと組み立てる必要に迫られる川田騎手は、他陣営の思惑を見破るがごとき落ち着いたアシストで、思われるよりタフな展開を、理想的な外々進出でファインニードルの素晴らしい加速力をフルに出し切ったのだ。

ダーレーの勝負服。

青。こうでなくては、そのプライドが示せない。

GⅠらしい厳しいレースで、力でねじ伏せる結果。

レッツゴードンキの残念過ぎる2着シリーズ継続<GⅠでは4度目>も、彼女がもうタイトルホルダーと考えると、それも納得すべきことなのだろう。

妙に初タイトルゲットの場面に登場するケースが多いというのは、この馬らしさなのだろうか。

大人しいパドック気配は、6歳牝馬だったら当然の姿に映った。

わずか3勝という戦績が、これを必然とされる根拠となっているような気もする。

ダンスディレクターが果敢にインをついて、思わぬところからあわやの手応えで上位争いに加わったナックビーナスの、昨年外枠はダメで、今年は真ん中の枠から再挑戦の激走も印象深いが、ブリザードもしっかりと掲示板に上がってきて、やはり、人気が集まりすぎていたレッドファルクスの凡走が際立って不可解に見えた。

伏線はあったし、本当に厳しい流れに対応するようなタイプでもなかったのかもしれない。

ただ、本物であるということと、一応、元はダート路線でオープンまで上がっていって、一時代を築いたというのでは、本質的な競走馬としてのバランスが、真の王者のそれではなかった可能性を孕んでいるのではないだろうか。

いや、それは現実のものになった、とも言える。

このレースの覇者の中には、ショウナンカンプがそのタイプ。

体質面を考えてというのも、元女王のスリープレスナイトと似ている。

レッツゴードンキは芝で頭打ちだったから、血統面を考えてダートにも挑んだが、こちらは勝ち切れなかった。

どうにも、刹那的な爆発力を発揮するダート→芝替わりの成功例は、その逆が息の長い活躍に繋がるのとは対照的に、それでも、なんだが合理的な説明のつく敗因を示していると、筆者は考える。

思い切って、リスクは大きくても、勝つために、スプリンターズS三連覇のための捨てレースを、ダートに求めるというのも、レッドファルクスには悪い手ではないはずだ。

 

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