2018年阪急杯 レース回顧

JUST競馬予想ブログ – 血統予想・コラム

阪急杯 -回顧-

読了までの目安時間:約 3分

 

思われているよりじっくり先行していく流れを今回作れたことと、武豊騎手のペース判断の正しさ。

昨年夏の連勝の内容を買って、前走は楽勝だろうと思っていて、ひどい内容の直線になってしまったシルクロードSとは一転、気分良く先行した時の強さ、今までは一本調子になってしまうことを考慮して番手に控えることを重視していたが、ここ2戦の不甲斐ない競馬を見つめ直し、鞍上の思惑は、人気馬2頭に脚を余らせる競馬での勝機へと繋がり、福島調教師に最後の重賞勝利をプレゼントした。

ダイアナヘイローは思われているよりずっと、神経が図太かったのである。

いささか、前哨戦とはいえ後方すぎるレッドファルクスは、乗り替わりの川田騎手。

モズアスコットはルメール戻りとて、まだ馬込みを捌けるような器用さを要求するほどのキャリアもない。

フランケルだから、悪さをしても何ら不思議はないという、何となくの印象もあっただろう。

先行馬に有利な流れは見えていた。

モズが届くか、レッドファルクスはどこまで前を追い詰められるか。

しかし、逃げ馬がそのままというような単純な組み合わせでもない。

色々勝ちパターンを想定していただろう武豊騎手は、伏兵陣、自分も含めてゆっくり先行する流れにしっかり乗れたから、ならばと、自分がより有利に持ち込める展開を自ら選択したのだった。

直前のすみれSが、実力馬のペースメーカーがいたとて、宝塚記念の良馬場時の時計くらいのタイムが出ていた。

このレースの勝ちタイムは、阪神Cと大して差のない1:20.1。

スプリント戦で1分7秒台の時計を持っている馬には、十分に対応可能な展開。

それもほぼマイペースで、自分で流れを作れさえすれば残れる。

確信をもって逃げた。そんな勝ち気の武豊を見た。

もう最近ではお馴染みのその姿。

痛快な復活劇。お見事である。

 

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中山記念 -回顧-

読了までの目安時間:約 5分

 

予想された通りの超縦長の展開から、マイネルハニーが仲間外れになってしまう展開になったものの、ウインブライトやダブルラストランのディサイファが絶妙な先行ポジションを作り、前を行ったマルターズアポジー、アエロリットらをしっかりと射程圏に入れながらの仕掛け。

逃げようとした2頭、厳密には逃げるしかないマルターズアポジーと、色々考えて適当な前哨戦としてここを選んできた速いアエロリットは、前半の1000Mが59秒台前半で走れた。

こんなに楽に、自分のらしさも殺さずに、ベテラン両騎手らしい相手にも一定のダメージを与えつつ、結局、ゴール前は粘っているという展開は、中山の内回りを知り尽くした者が、毎年のように繰り返してきたリピーター<騎手もそう>による、自分が有利に持ち込む競馬の典型例であった。

多少は速いと言っても、先行した2人は全くそんなことは思っていない。

それでは差し馬に出番が訪れることはない。

そんな中で、筆者の思惑がちょっとずれてしまったと思うのが、アエロリットがマルターズアポジーを壁にすること、それがベストであり、ここはあくまで叩き台であるとして、500kgを超えてしまったことが、ちょっと最後の反応にマイナスになった面があったことか。

逃げてしまえば、あまり終いの脚の伸びというのは、重要なようでそんなことはないことは、似たような状況で圧勝したクイーンSで証明している。

ただ、やや気性に不安のあるタイプであるアエロリットを、一本調子にさせないように、あえて巧い騎手を乗せて中距離戦に挑んできた中で、寒さもあったのだろうか、予定通りの調教でありながら、クイーンSの496kgと今回の504kgでは、相手関係も考えたら、ちょっと勝負気配ではなかったことが、パドック気配でもわかってしまった。

前に行く馬がはっきりしているので、前哨戦の競馬に徹したらいいペルシアンナイトは、ある意味、後ろからの競馬を選択するよりほかはなかった。

差して5着。

マルターズアポジーが粘りこめる展開で、それは急坂のある中山では、まず差し切り1着の目はない。

ヴィブロスも全体のパワフルさが増して、秋から見せていた、いかにも古馬になったハルーワスウィートの仔という気配ながら、こちらはもっと線が細い馬だから、昨年の緩い流れでも対応できなかったのだとすれば、掲示板外しも致し方なし。

GⅠ馬で勝負になりそうだったのは、最初からアエロリットだけ。

それが言うほどは太くないけれども、よく指標になる500kg前後のパワフルボディがどういう形に出るかという点で、まあ、楽に走れてしまったからこそ、ウインブライトみたいな平均ペース型の馬には最高の展開で、臨戦過程から、松岡騎手も終始勝ちを狙っていたインタビューもコメントも聞かれ、自分の流れに持ち込めた絶好機としたのが、スパートのタイミングがピタリとはまったウインブライトであり、直線失速しそうなようで、脚はまだ残していたアエロリットも、最後はマルターズアポジーを交わし2着という結末。

差せる競馬にはならなかったが、前に行ったなりに、それなりの末の残し方があって、その中でいかに自分たちの良さを出し切るかという、結果的にではなく、潜在的にあった中山記念の特性がそのまま表れたような展開であった。

GⅠ馬に損はなく、勝つべき存在はしっかりと結果を残し、マルターズアポジーでさえ、中山の重賞でようやく結果を出せた。

唯一、ウインブライトが完璧すぎたことで、相手が後ろにいることを意識して、結果、早いスパートになったサクラアンプルールだけは、うまくいかなかったという、皆が納得の結末を迎えるのであった。

いかにも、中山記念である。

 

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新馬回顧<2/17・18>

読了までの目安時間:約 3分

 

今週は土曜にダート戦2鞍、日曜は芝が2鞍という組み合わせ。

土曜日は完全に湿り気が飛びきらなかった京都、小倉のダートを除き、いい状態の馬場に戻った。

東西でダートの新馬戦が行われ、東京1400では、叩き合いを好調の田辺騎手騎乗のアラスカノオーロラが制した。

京都1800は、人気のチュウワウィザードが直線半ばで突き抜ける圧勝。

この両者は、前者が祖母シングライクトークのロイヤルレジナ系、後者も4代母ダイナフェアリーという良血で、こちらはファンシミンのライン。

社台系の出番という時期ではもはやないのだが、同時に、遅ればせながらデビューに漕ぎ着けた血統馬ということで、父キンシャサノキセキ、キングカメハメハに加えて、母父も古馬になってから一皮むけた日本馬であり、クラシックシーズンに出番がないことが、むしろ歓迎である可能性もある。

古馬になってからの活躍が楽しみだ。

一転、日曜の芝2戦は、何とも気になる存在が勝ち上がり、不気味な気配を漂わせた。

東京1800でゴール前、鋭く前を捉えたライラックカラーは、ルーラーシップ×ルルパンブルーの良血馬で、いくらか小休止の藤沢厩舎の所属馬。

大きく出なければ、母こそ気性の問題で短距離を好んで走ったが、母父はジャングルポケット。

トニービンの危険なレベルのクロスはかかっているのものの、この時期にデビューして、本番であっと言わせる本格派のそれと、どことなく共通した魅力を秘める。

小倉1800戦は、スローとはいえ、しっかりとゴール前でもうひと伸びして逃げ切ったダンサールが強かった。

コース形態上、人気馬が準備万端で追い上げたからといって、馬場悪化前の平坦馬場、簡単に届くとは限らないが、ハーツクライ牝馬で504kgの体躯を誇るパワー型。

木幡巧也騎手がまだ1kgもらいで有利だったとはいえ、意外性を秘めた持続力は興味をそそられるものがあった。

人気馬が体を作り切れない中で、ちょっとした粗相があったところからといって、結果が変わった印象も受けない。

この日曜勝ち上がりの2頭は、不思議と惹かれるものがあった。

 

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フェブラリーS -回顧-

読了までの目安時間:約 5分

 

最後の最後に強烈な脚を使ったのは、かつて道悪でしか走らなかったキレ馬・ノンコノユメだった。

去勢あり、それによるモチベーションの低下、当然のスランプ。

1年前はこういう図は想像できなかったが、少しずつ自分を取り戻していき、武蔵野Sのどうにもならないスローペースでも4着にまで追い上げていた。

根岸Sの驚愕の追い込みには、皆がびっくりしたわけだが、今回は想定以上のハイペース。

そして、古馬になって少しズブさが出たことが、こうした望外の強烈な展開にも、十分に対応できる要素になった。

トータルの時計が速くなりすぎるのは、道悪得意の追い込み馬には苦しいに決まっている。

とはいえ、良馬場で特に例年以上にタフな時計の掛かるコンディション。

一度は、ゴールドドリームと鬼神・ムーアに差し返されたが、首も完全に上を向いてしまって、いつも以上に苦しいところから、腕比べで本来負けることはほとんどない内田騎手の叱咤に、最後もうひと伸び。

まだ立派な男の子?だった時代は当たり前に使えていた素晴らしい末脚を、非常に厳しいローテの中でまた繰り出して見せた。

キャリアがないとできないこと。

得意距離とはいえ、苦手の要素が詰まった大舞台で、久々に6歳以上の馬として、このスピード&パワフルマッチを勝利した。

それにしても、ニシケンモノノフをケイティブレイブが追いかけていたのは見えたし、テイエムは下手をすると1400ベストくらいの配合だから、少し行きたがっていたとはいえ、良馬場で時計がいつもより2秒近くかかっていたくらいの馬場質だから、東京の重賞で上がり3Fが37.7秒にもびっくりでも、やはり、その影響を与えた<34.1-45.8-58.3>というラップは、筆者の想定を遥かに凌ぐ、破壊的なハイペースであった。

行くしかないと内枠を引いた時点で考えていただろう名手たちが、中央でもGⅠを勝ちたいと勝負を掛けたのだが、外枠に人気馬や有力候補がうようよいたことで、タフな馬場であると認識たことが、10年に一度レベルの猛烈なハイペースを作る要因となった。

同時に、1:36.0という、普段なら34秒台中盤の時計になっても何ら不思議ではない展開での平凡な勝ち時計は、この直前に行われたヒヤシンスSで明らかに役者の違う勝ち方をしたスマハマは、ミドルラップから遅めの展開で1:38.5であったから、いかに特殊な馬場だったかが良く理解できる。

先達てのチャンピオンズCを基本軸にレースプランを練ったが、全く違うファクターで、物事が全て決まっていき、地方のGⅠでもなかなか起きえない不思議な追い込み競馬が展開されることになった。

その中で、期待のヴァイスリージェントの血を持つインカンテーションが、武蔵野S以上の動きで快走の3着。

武蔵野Sは平凡も、JBC諸競走の除外馬多数で、やけにオープン特別的雰囲気漂う取っつきにくい競馬だったが、結果、そこからここの上位入線馬が4頭登場である。

それも上位独占。

地方馬が半分以上いる競馬で、中央馬が悠々交流競走を走っている中、中央の多頭数の競馬で揉まれた馬が、いつも以上に活躍した。

となると、このレースの好走馬は今後どうなってしまうのだろうか。

ゴールドドリームは、珍しくムーア騎手からやや反省ともとれるコメントが出されたようが、それは騎手のスタイルもある。

前走のこともあり、今回もスタートはかなり悪かった。

速いという認識は、日本の騎手より案外鈍感なところもあったりする。

こんな流れは少頭数当たり前のヨーロッパでは、まずお目にかかれない。

それでも頑張ったと馬を讃えた、そのゴールドドリームの本格化が本物であると確認できただけ、今日はいいとしようではないか。

もう時代はゴールドドリームのものである。

若手の台頭を許すのも、いずれは必然の流れとなる、だから、これを逃したくない。

 

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京都牝馬S -回顧-

読了までの目安時間:約 3分

 

かなりのスローで前残り濃厚と思いきや、大幅プラスでまだ体調一歩だったスプリントGⅠ好走馬2頭は最後に伸びあぐねた。

道中は特別いい手応えという印象ではなかったミスパンテール。しっかりと大外を伸びて、快勝であった。

さすが強い4歳の牝馬世代である。

先々週、東京新聞杯で鮮やかに復活を果たしたリスグラシューを、同じ休み明けの身で、新馬を勝ったばかりだったのにゴール前で差し切って2着は1年前のこと。

最近、やけに横山騎手がお気に入りの昆調教師が、実は本当に勝ちたかったのはこのレースだった、というくらいの漲るような気配で、前走異常な決め手で一気にここでも優勝候補に名を挙げたデアレガーロ等を、しっかりとねじ伏せた。

ターコイズSは、馬込みからの抜け出しながら、ミスパンテールの持つキレを最大限引き出すような、究極の遅仕掛けで混戦を制していたから、陣営としても、少し距離を求めすぎたことを反省して、ローズS以降はマイル戦に限定し、今回は初めての1400M戦。

この結果、桜花賞を除く1600M以下の距離では【4100】となり、良馬場で馬体重500kg以上と絞ると、あまり意味はないにしても、4戦不敗とした。

思えば、父はダイワメジャーであり、近親にウメノファイバーがいる血筋。

このフラストレート系は、ウメノファイバー然り、アジュディミツオーもいたり、古くはトウメイやミナガワマンナが出ている系統だから、これが本筋ということはないにしても、長く日本に根付いた系統だけに、常にマイナーチェンジを繰り返しているのだ。

因みに、2着デアレガーロには凱旋門賞連覇のアレッジドの4×3が掛かっている。

3着エスティタートは、グランプリ春秋連覇のドリームジャーニーとトニービンの掛け合わせ。

軽い血統からは、所詮、重厚なスピード馬は生まれない。時計が遅いことも、今後の出世に大いにプラスと出るような気がした。

 

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新馬回顧<2/10~13>

読了までの目安時間:約 3分

 

徐々に、焦点は未勝利戦の内容に注目されるようになってきた3歳最下級条件の未勝利クラスの争い。

おまけに、雨だ雪だで気もそぞろに。

5レースを4日かけて行うと、間延びした感じがしてちょっと面白くない。

日曜 京都

1800(重)

人気勢の血統が道悪に適さない印象こそなかったが、混戦模様。

小雪も舞う厳しい状況をものともせず、6番人気のビービーデフィはすんなり直線で馬場の悪くないところから抜け出し、位置取り争いでの巻き返しを坂の下りで図ったデムーロ騎手のアンドレアスが外から伸びてきたゴール前で、もう一粘りして快勝。

オルフェーヴル×キングカメハメハでタイキシャトルの血筋。勝利の条件は整いすぎていた、ということだろう。

月曜 東京

1600

ムスカテールの下、ルーラーシップ産駒のグロンディオーズが、全く危なげのない走りで快勝。

ムーア騎手の叱咤にもちゃんと応え、いずれ、その配合の印象通りに中距離のタフな競馬で活躍しそう。

上がりもやけに掛かっていた。明らかに短い。

火曜 小倉

1200(稍)

ロードカナロア牝駒に明暗が分かれた一戦。

位置取り争い加われず、内々追走で脚を余した人気のブライトパスに対し、流れに乗って好位から押し切ったエイシンデネブ。

勝ち馬は勇退を決めた二ノ宮厩舎育ちの名馬・エルコンドルパサーのように、サング-スペシャルの血を3本持つ、底力型の配合。

万が一のことがあっても、母としても期待が持てる。

ダート

土曜 京都

1400(稍)

雨の中、ロンドンタウンの半妹・ロンリーハートが押し切り快勝。

サウスヴィグラス産駒のワンツー。時計平凡で、完成度を競ったレースにはならなかった印象。

日曜 東京

1600

週中までの予想は外れ、むしろ、先週までの重馬場が回復して行われた日曜競馬。

4角まで人気を分けた牡牝はほぼ同じ位置にいたが、直線は2番人気のトーセンホマレボシ牡駒・ヴェスティードの独壇場となった。

古馬になったら、意外と芝の方が合うような気がする配合だ。

 

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京都記念 -回顧-

読了までの目安時間:約 3分

 

出遅れたり、動いて行ってしまったり、内に入っていたり、伏兵が台頭したり。

クリンチャーは直前抜群の調教を行えたことで、直線は菊花賞の時に見せたファイトを、再び見せることはできた。

4歳馬は危ういのか。正解かもしれないが、レイデオロ以外はそれなりの形作りはできたはずだ。

アルアインの後ろにつけるのはバルジュー騎手にとっては、ちょっと思惑通りではなかった。

おまけに、ナーバスになっていたわけではないが、ルメール騎手がずっと気を付けて危ない面を出さないように乗っていたところを、あまりに遅いので動かしていくと、全く馬が言うことを聞かなくなってしまった。

直線は、ディアドラを除く4歳ステークスウイナーによる叩き合いになった。

いつの間にか、いや、勝つならこれしかないと、道中からあまりやる気を出していなかったモズを駆ったデムーロ騎手はイン強襲。

あわやの手応えで上がってきたが、この日は完全に外差し馬場。

スローとはいえ、ヨーイドンでラチ沿いは不利。これはこれでまあ、牡馬一線級相手の戦いでは合格点だろう。

宝塚の頃にこの馬場なら、結構怖い。

さて、クリンチャーの勝因だが、一緒に出負けしてしまった人気2頭に加え、スピードが持ち味のアルアインは少頭数ながら、バイアスの掛かった馬場で大外枠。

勝ち味に遅い馬ではないが、特別、この手の馬場が合うわけではない。

都合、その他が力を出し切れずで台頭のオチである。

別にクリンチャーが大した馬ではないと言っているわけでなく、近年、メンバーが集まる割に、この時期の道悪競馬ということで、かなり調子が狂ってしまうような馬も出てこないわけではない。

その中で力を見せつける馬が、絶対王者であるとも言い切れないのだから、評価が煮え切らなくなってしまうのも致し方ない。

レースにならなかったレイデオロや香港大敗のキセキ以外は、自分の庭でこそ、という馬ばかりだ。

 

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共同通信杯 -回顧-

読了までの目安時間:約 4分

 

筆者の思惑通り、好位のいいポジションから、思ったより動けたディープ・サトノソルタスを差し置いて、オウケンムーンが北村騎手の見事な追い出しのタイミングに完璧に応え、直線で素晴らしい決め手を見せつけてくれた。

一方、思ったより流れないはず…、とどこか祈る気持ちでコスモイグナーツの逃げを見ながら、そのまま行き過ぎないでくれ、と思っていたら平均より気持ち緩いくらいの流れ。

武豊騎手が、内残り、速くないペース等、その前までの流れを敏感に捉えないはずがない。

いい頃の感覚が戻っているはずの名手は、連勝中のここでは唯一の重賞馬を駆って、直線はできるだけいいところから追い出そうと早めに進出するも、これがハーツクライ、ということなのか。

いくらか成長曲線が、他のサンデー系の種牡馬より遅くなりがちな系統で、この器用さも同時に求められる展開で、最後はギブアップ状態の掲示板外しだった。

お父さんの背中もよく知る鞍上だけに、同父のリスグラシューの成長も思い出しつつ、ここは納得するしかないだろう。

兄ロジチャリスも、父ダイワメジャー譲りの雄大すぎる体を持て余し、昨年ようやく重賞馬になれたような馬。

こちらは筆者の考えていた以上の大敗だったが、京都で負かしたタイムフライヤーの方がよっぽど、この血筋には似合わない才能だったのだろうと、今にして思うと、ちょっと買い被りすぎていたと自身でも反省である。

ムーアは戻っている。

最近秋はパッとしないし、昨年の冬も今一つだったが、今回の秋冬シーズンは乗れている。

不良馬場の東京で2000M並みのタイムで1800新馬を勝っていた馬が、今回のパートナーであったサトノソルタス。

大きすぎず、だからといって、ディープのともすると死角になりそうなひ弱さは、この馬にはない。

母アイランドファッションは、安田記念にも出てきたアメリカの活躍馬。著名な種牡馬が多くないことは、返って、大種牡馬とのクロスがかけやすく、それが邪魔にならないことを証明するように、主だったクロスはノーザンダンサーの薄めのインブリードに限られる。

父ディープの力の見せ所。

前走では肉弾戦をミルコと一緒に乗り切った印象だが、今回はムーアとともに、上を目指して戦っていこうという馬込みからの抜け出し。

里見オーナーの馬とすれば、1億切りの落札額は目立った存在ではないが、思われているよりも、新馬戦を経てからほぼ反抗不可能なオートマチック休養の期間を最小限に止め、計画的に仕上げてきて、オープン馬はみんな負かしたのである。

1戦馬はリアルスティールしか勝っていない。

十分な健闘であり、陣営の手腕は絶賛に値する。

この日は、一頭強すぎる馬がいた。

その彼、オウケンムーン。

父の名に目を惹かれると、ハーツクライではないが、お世辞にも超出世レースで買いたい馬ではないのだが、なんだか4、5歳でローカル重賞を快勝しそうな配合でありながら、サンデー系の馬を相手に、これまで全てで上がり1位。

思惑通りというのは、サトノソルタス以外が、そんな彼に挑めるだけの決め手があるか疑問だったから。

ソルタスとて、反動は気になったから検討の中では切りである。

直線の決め手比べでは全く負けていなかったが、ついに上がりが4位以下になった。

同時に、1位の馬と0.3秒差である。

案外、この手の馬は中山が合う。不気味な伏兵の登場は、ディーマジェスティの快勝した一昨年の構図と、どことなく雰囲気が似てきた。

 

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新馬回顧<2/3・4>

読了までの目安時間:約 3分

 

先週あれだけ障害コースに残っていた東京競馬場の雪は、懸命の除雪作業というより、またそれが降る前に落ちてきた雨などで、ほとんどなくなっていた。

当然、土曜のダート競馬は渋馬場ではなく、ぐちゃぐちゃの状態。

芝は幾らか回復が早いとはいえ、稍重発表以上のタフなコンデションの中で、1800Mの新馬戦が行われた。

ディープ産駒の小柄な牝馬が人気を集め、共に馬券外に敗退。

先手を譲らなかった江田照男騎手のノーブルカリスが押し切った。ゼンノロブロイ産駒で、注目馬アーモンドアイの近親。馬場適性の差が出たようなところは否めないが、如何せん非力すぎた。

一方、良馬場という雰囲気ではない京都2000の方は、それでもディープが上位独占。

ただ、人気順ではなく、ディープ×スプリングサンダーなのに伏兵評価だったスズカテイオーが、実にお行儀のいい競馬で初陣を勝利で飾った。

2着、1番人気のサトノシリウスと母父クロフネ共通で、母母父ミスプロ系まで合致。

通ったコースもあるだろうが、決め手比べではなかったことは確かだ。

評価は2勝目の内容で決めた方が良さそう。

あとはダート戦。

土曜の東京1400は不良馬場を、プリンセスケイトが直線独走で圧勝。ダンチヒの2×4といった際どいクロス以外にも多重クロスを生じた主流偏重配合で、こうしたガッツが必要な条件は得意かもしれない。

それにしても、ハードスパンはよく走る。

日曜の2戦は対照的。

京都1800(稍)では、内ラチ沿いから抜け出し圧勝の伏兵・カリブメーカーが、減量効果かエンパイアメーカー牝駒のキレなのか、際立つ内容でデビューウイン。道悪独特のハイピッチの中での先行馬同士の争いだが、案外、息長く活躍できるかもしれない。

不良のマイル戦が行われた東京では、ゴール前大外強襲のアサクサスポットが強烈な勝ち方をした。

ワークフォース×エルコンドルパサーなので、異常な近親交配が施されているが、過激さが売り物の展開待ちの馬になるのだろうか。悪魔の配合に等しい血統馬だ。

 

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きさらぎ賞 -回顧-

読了までの目安時間:約 3分

 

ミルコの勘は正しかったが、あまりにも情けない後続勢、結果的に、自分の後ろに置くことになった人気のもう2頭が、簡単に崩れてしまったことが、大いなる激走の要因に繋がったはずで…。

ダノンマジェスティの不穏な様子は、前走を見返すまでもなく、輪乗りの段階でもはっきりと危険信号が灯っていた状況だったから、あの最終コーナーを回り切れない感じは、道中下げすぎというか、行かせてしまうとどうなってしまうかあまりにも不安だった松若騎手の乗り替わりの立場が、最悪の展開を作ってしまったところがある。

どの馬もやや不安な要素は抱えていた。

カツジに期待したが、プラス体重の問題というより、内でじっとしていないと末が甘くなるタイプなのか、前走で直線で外に少し逃避したのとは違う理由で、今回は見せ場を作れなかった印象。

結局、レースとするとそれらディープ軍団を封じ込め、当レース史上初の2戦2勝馬となったサトノフェイバーの逃げ切り勝ちに終わった。

追い詰めるも、なかなか差し切れずのグローリーヴェイズは、前走の最後の伸び脚に色々な期待があり、新馬戦は中山で逃げ切り。

ところが、ここ2戦外に出かけると、鞍上の意思も多少あるにしても、少々気ムラな面のあるアマゾンウォリアー系の悪い面が出てきたのか、最初がやけに遅いスタートになってしまう傾向がはっきりと出てきた。

それではまずいと途中から追い上げたのだが…。

サトノフェイバーはゼンノロブロイの産駒ということもあって、やや取っつきにくい馬場状態での粘り込みの展開は、恐らく大歓迎だったはずだ。

南北米血統の混在系は、サンデー孫世代の特注配合。

その意味では、メジャーエンブレムの先行力なのか、マカヒキの決め手なのか、そういうはっきりとした武器がない印象もある。

父の名を上げる意味でも、こんなところで大喜びしていてはいけない。

 

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