血統予想・コラム

JUST競馬予想ブログ

新馬回顧<12/8・9>

読了までの目安時間:約 3分

 


季節が大分進行した2週目の開催は、新馬戦もお寒い感じでスタート。

中山の牝馬のマイル戦は、最内枠に断然人気馬は、新馬でこの時期と考えると、むしろ死に目になる確率が高かった怪しい一戦。

案の定、人気のミスマリア挟まれるなどの不利を受け、単勝30倍以上の8-11-10番人気の3頭で決着。

2番枠のヴィクトワールピサ・スカイシアターがスムーズにインから抜け出したのが、何とも象徴的であった。

阪神芝1200は人気上位陣が好走も、ファタリテ<ロードカナロア>のスピードが勝ったというより、その他の力が現状足りなかった印象。何より、時計が平凡すぎる。

ダートの2戦は、中山1200も阪1800も渋残りの良。

評価通りくらいに走ったベイオブコトル、ハヤブサナンデクンは、共にゴールドアリュールの男馬。

それはいいとして、中山はケープブラン牝駒1番人気のレースで納得も、阪神のハーツクライ×ゴーンウェスト系の牝馬が大型だったのに、モレイラが好位のインに入れてしまったのは不満。

折角のユタカ×モレイラの一騎打ちが、これで台無しになってしまった。日々精進である。

日曜の芝の中距離戦群に関しては、それなりには見どころあり。

ディープ×Sキャット系のティグラーシャが、クリスチャンの早仕掛けに応え、きっちり人気通り走った阪1800には、他にそこそこのメンバーがいたが、小柄な牝馬の押し切り勝ちなので、完敗だろう。

中山1800はゴール前突然現れたシーオブザムーンの決め手が光った。ブラックタイド牝駒。

オウケンムーンの下なので、一瞬の脚があるタイプであろう。

父タニノギムレットのような大外一気で新馬勝ちを決めた中京2000のタニノドラマは、松国厩舎のファンシミン系と捉えどころのないキャラかもしれない一方で、これも小柄という点が魅力。

あとの中山ダ1800のキングスバレイに関しては、人気のジャスタウェイより上位評価のロブロイの方が信頼できたということくらいしか、印象はない。

そろそろダート組の方が芝で出世する可能性はある。

そのジャスタウェイ産駒は、兄がオーロマイスター。彼も若い頃は芝をこなしていた。

 

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レース回顧

阪神ジュベナイルフィリーズ -回顧-

読了までの目安時間:約 5分

 


ダノンファンタジーは置かれ過ぎと思ったが、すぐそばに、これはさすがに想定より後ろになったクロノジェネシスがいた。

なのに、その後ろから最後突っ込んできたのがシェーングランツ。

おかしいな。いや、彼女の目標は、直前のカペラSであり得ない追い込みを決めたコパノキッキングのような馬になることなのだろうか。

経験値のダノンファンタジーと、最小限のオープンキャリアを東京での快勝、カマイタチの瞬間移動で一気に世代のトップホースに並んだクロノジェネシス。

思われているよりオッズが割れている気もしたが、最後は人気を集めた彼女たちの競馬になった。

例年ならもっと評価されるアルテミスS組の上位勢も、もう少し相手が軽ければ当然の1、2着争いであり、これらが3着と4着。

なんてことはない、10倍を切った単勝上位人気馬だけの争いだった。

主催者がせめて若駒のビッグレースだけは、力を出し切れる条件で戦わせてあげたい。

それがマイル戦なのだから、言い訳の出来ないコースを提供するのが義務だ。

そう考えたことが、最初の5年でウオッカ、トールポピー、ブエナビスタ、アパパネといった、翌春だけに止まらない活躍馬の輩出に繋がったのは言うまでもない。

直前の3年で、フサイチパンドラ、ラインクラフト、スイープトウショウらが人気に応えられず、翌春に立て直して、大舞台で活躍したのとは、あまりもコントラストがはっきりしすぎている。

クリスチャン・デムーロ騎手は、リラックスしていい位置を取れたという言い回しで、何だかはぐらかしていたところがあったが、何となく、陣営からオーダーがあった気もしないではない。

上手に走らせることだけを考えたら、平均ペースくらいにしかならないことが見えていたこの一戦。

外枠だったと言っても、その外からじっくりスパートをかけることが可能になった阪神のマイル戦なのだから、ディープ産駒も当然活躍するし、実力のある馬には実に走りやすいはず。

敢えて、後方待機策を狙った。

ディープの良さは既に2戦目と3戦目で、遺憾なく発揮していた。

初戦でグランアレグリアに敗れ、何を失い、その何十倍も得るものが一体あったのか。

キレを見出された、直前の香港ヴァーズで素晴らしい決め手と本質的な勝負弱さを同時に体現したリスグラシューも、うまくレースできなかったことはあったが、ここで追い込みの競馬に出て、翌春以降の戦いに繋げた。

その作戦を変えなかったからこそ、3歳春では耐えきれなかった2400Mで、牡馬に交じって、香港のトップホースとの激闘にまで持ち込めるようになったのだ。

絶対的なスピードではグランアレグリアには、さすがに敵わない。

見えているものが翌春にあるからこそ、ここはまず、クロノジェネシスとの叩き合いで、同じレベルの末脚があることを証明し、かつ、この世代では最も勝負強い馬であることを見せつけられた価値は、大いにあるのだと思う。

筆者はダノンファンタジーを絶対視していた。

グランアレグリアが出ていたら、彼女もまた一生懸命走って、きっと連を外すことはないと思ったから。

新馬戦でダノンの方がよっぽど、次につながる競馬をしていたから、秋に成長をした後は、どんな相手にも競り負けない馬に育っていた。

グランは東京捲りの禁じ手で2勝目を挙げ、来週も主役候補であり、高確率で人気に応えるだろう。

番手からの抜け出しを新馬戦でかさせ、それに応えながら負けてしまった馬が、時計勝負で消耗したくらいで、へばってしまっては先はない。

大きく体を増やしてからのダノンファンタジーに、豊かな将来性を感じたのは筆者だけではないのだから、陣営が差すことに固執するようなオーダーを出したところで、何ら不思議はない。

つまり、陣営もこの馬が一番強いと思って、このレースに送り込んだのだということだ。

 

レース回顧

中日新聞杯 -回顧-

読了までの目安時間:約 3分

 


カッチー飛ばすな…。

1000M通過が前走の福島記念で出会ったマルターズアポジーに触発されてしまったか、59秒を切ってしまう厳しすぎる流れになった。積極策のスズカディープのナイスファイト捉えるべきか、調子に乗って行き過ぎてしまったというか…。

そんな流れは対抗に推したドレッドノータスにはお呼びでない展開だから仕方ないとして、この頭数で内が開くと思った津村騎手のイン突きは間違っていなかったはずだが、これも詰まって出番なし。

手応えは最高だったが、スタートの後手が多少は響いたのだろう。

皐月賞でも、厳しいコース取りで掲示板争いに加わっているから、コース取りの問題はない。

そうなると、もう差す馬が外にいたら面白いというゴールシーンになる。

手応えから、クリスチャンのギベオンが楽勝の手応え。いや、その外にあいつの兄貴がいるじゃないか…。

ショウナンバッハが激走した。

新潟記念組が何かは絡んできそうという感じで、皆が何かしら押さえていたが、またしても走ったのはショウナンバッハ。

しかし、克駿騎手が悪かったというより、あの差し返された方は、弟が死闘を制した時の相手であるカレンミロティックのような感じだった。

父はステイゴールドなのだが、変なところが似てしまっている。

どことなく負け癖がついていたギベオン。

マイルCも勝ったと思ったところで差し切れられてしまったが、直線の長いコースが合っている。

【3200】

というか、外回りでも負けたのは中山だけ。

2着2度は、右回りでブラストワンピースに置き去りにされた毎日杯とGⅠ。

56は3歳馬には厳しいようで、気づけば、前後の各場メインは皆3歳馬が制していた。

その2戦はいずれも、実績馬の快勝。

ショウナンバッハが輝く日ではなかった、ということなのだろう。

 

レース回顧

新馬回顧<12/1・2>

読了までの目安時間:約 3分

 


今年の最終開催。変則の4.5週行われる急坂コース3場の競馬は、新馬戦で特に、振れ幅の大きな結果が目立つ展開となった。

波乱は2レース。

中ダ1200は牝馬限定戦だったが、じわっと先行して押し切ったのは、単勝80倍のタイキシャトル産駒・テンブンだった。

ツルマルガール・ボーイが近親にいるエスサーディ系は、今はほとんど廃れてしまったが、在来牝系はこういう時季になると元気になる。

阪マイルは人気のディープに代わって、ブラックタイドの仔・キュールエミヤビがいいキレを見せて、接戦を制した。

ハイクレアのクロスを持つ彼女の相手は、単勝100倍の馬だった。

圧勝は2戦。

中山芝1200はアドマイヤムーンのワンツーも、そこには10馬身の差がついた。

キースネリス。中距離型のヨーロピアンといった母系だが、父の影響力は大きいようだ。

阪ダ1400も牝馬戦。圧勝は唯一の人気の勝ち馬・フォレブルート。ロードカナロアでロイコン系。

牝馬が強い時代を象徴するシンコウラブリイの一族が締めて、牡馬には仕事をさせなかった。

日曜日も怪しいレースあり、圧巻の展開あり。

様々な課題を残しつつ、中山2000でステイゴールド一行を引き連れてわがままに勝ち切ったシェドゥーヴルは、父オルフェに触れるよりは、半兄のヨシダを参照とする材料にすべきだろう。

芝とダートの米タイトルを日本馬が制したのである。この馬は、障害と平地両方でタイトル奪取できるかもしれない。

阪2000も接触等があり、影響のなかったハービンジャー・ヒンドゥタイムズが抜け出した。

まあ、復帰したばかりの中谷騎手を祝うための競馬だったと考えたい。

直線の手応えが違ったという点で、中京芝1400のフォッサマグナ<ウォーフロント>、中山ダ1800デアフルーグ<ベーカバド>は同じ。

1:21.7と1:54.7が各々の走破タイムなので、当然、勝負にならなかった。

阪ダ1400はレベルが?

ユタカスペシャル×ヘニーヒューズの追い込みを見せたペプチドオリバーの評価は、次戦以降で。

ちなみに、日曜の新馬は牡馬だけが勝った。信用できそうな馬は少なかったが…。

 

レース回顧

チャンピオンズC -回顧-

読了までの目安時間:約 5分

 


今週も内の方につけた馬が好走。

しかし、今年も良馬場で1:50.1で、上がりが35.9だった。

先週見たアーモンドアイの好位付けのように、GⅠ馬<一応ローカルタイトルだが>となったばかりのアンジュデジールが、そこは横山典弘という正しい流れを、少し余裕をもって1角に向かいすぎたモレイラのサンライズソアに代わって作り出し、それを見ながらのミルコのルヴァンスレーヴという構図。

「正しい位置につけた人気馬が凡走しないパターン」

ルメール×ゴールドドリームのコンビに、ある種の因縁があるミルコ・デムーロの勝負に賭ける気持ちは、前日のエアウィンザーにも感じた、勝利への渇望に見えた。

俺を忘れるな。俺もスターだ。

ルヴァンスレーヴが気持ちよさそうに初めての中京ダートに馬場入りした瞬間から、この勝利は見えていたのか。

パドックの気配も、先週のアーモンドアイほどではないにしても、垢抜けていて、伸びしろがあるのに実にゆったりとした面持ちで、逆光の中を歩く15頭の中では、まるで才能の違う雰囲気を醸し出していた。

あの中山は、そんなに調子が悪かったのか。

思えば、ドバイ出張中のデムーロ騎手がいなかった日に使ったレースで負けただけの馬である。

古馬初挑戦も、元から示していた高速馬場への適性、地方の良馬場で求められるタフな条件にも、競馬を教え込まれながら、自由な競馬で、人馬とも躍動するように簡単に勝ってきた。

そんな馬だから、これまでも新潟に始まり、東京2戦2勝、川崎、大井に盛岡で、自在に抜け出して、勝ち切ってしまうのだ。

参ったというか、そういう才能こそが真のダートチャンピオンなのだろう。

それを3歳でできるのだから、あまりにも末恐ろしい。

盛岡の南部杯で、実績も経験値もまるで違うゴールドドリームを、全く寄せ付けずに、良馬場ながら、1:35.3で駆け抜けていたルヴァンスレーヴ。

2歳秋の東京不良で1:36.2のレコード勝ち。明けた東京のユニコーンSは重でも、1:35.0だった。

マイルで総合力を示した馬は、多少の距離の前後に関係なく、力を発揮するものというのは、異次元のレコードで大いに証明したマイル3戦3勝のアーモンドアイの例を挙げるまでもないわけだが、それは芝の話である。

ところが、川崎の1:41.6の競馬も、大井の2:05.8の競馬でも、流れ無視の追い込みで快勝。

マイルで強い馬は…、の格言はまさしく、この天才にこそあてはまるわけだ。

ルヴァンスレーヴは、3歳で秋の天皇賞と有馬記念を快勝したシンボリクリスエスの産駒。

母父はデムーロ騎手と共に、日本競馬の3歳春を堪能したネオユニヴァースだ。

アドマイヤマックスやラインクラフトの出たファンシミン系の中では、大活躍のダイナフェアリーにリアルシャダイをつけたところから、明らかに、熟成させることに価値を見出した十数年後のステージを目指す配合を施され、ティンバーカントリー、ネオユニヴァースを経て、最後にシンボリクリスエス。

3代母までは芝向きだったのが、ウッドマン直仔のティンバーカントリーが入ってから、完全にダート型にシフト。

名牝系にティンバーカントリーとなると、あのアドマイヤドンがすぐに思い浮かぶが、しかし、代表産駒はステイヤーズSを完璧に走る男・アルバートなのだ。

これには牝系の影響もあるのかもしれないが、表向きダート適性に優れた能力を秘めるということは、絶対的なものにはなりえないわけで、ゴールドアリュールだって、最初の方は芝向きのキレ馬も出していた。

詰まるところは、マイルを駆ける能力に長ける才能というのは、根幹距離での実績が頗る優秀なのだから、オグリキャップみたいなこともあり得ないわけではないけれども、種牡馬としての未来も確約されているのだ。

かつてのノンコノユメが試した、後方追走からのイン強襲は、ロスなく回って末脚炸裂の一昨年覇者であるサウンドトゥルーと同じだった佑介騎手のウェスタールンドは、痛快な競馬も、あくまでも伏兵の戦い方。

位置はとれなかったが、形作りは成功のサンライズソアに、同じく4歳の逃げ粘りのアンジュデジール、それらを追ったオメガパフュームとサンライズノヴァらは、力を示している。

1秒以内となると、オメガまでが該当するものの、その後は殿パヴェルまで0.7秒内で入線している。

いかにハイレベルだったか、いかに勝ち馬が抜けていたか。

ウェスタールンドら2、3着馬につけた0.4秒差と、勝ち馬が上がり2位だったことが、全てを物語っている。

 

レース回顧

ステイヤーズS -回顧-

読了までの目安時間:約 2分

 


早朝のアルバート取り消し決定から、それなりの時間があったことも影響したのか。

人気上位の長距離戦に実績のあった馬が好走。

ファンの支持が確かだったというより、田辺、ビュイック、そして久々に大きな舞台で躍動した蛯名騎手らの判断が、それぞれに素晴らしかったということであろう。

まさか、狙いはあったのだろうが、マイネルミラノが先行争いに一度も参加しない展開になるとは思わなかったが、人気勢のヴォージュが好位につけ、モンドインテロも普通の競馬に終始したことで、長らく日本競馬界にドラマチックな話題を提供してきた蛯名騎手が跨るリッジマンにとっては、変に動く必要のない先団を見る内目の揉まれないポジションを奪った時点で、ほぼ勝負あり。

百戦錬磨の騎手でなくても、スムーズに運べる展開から、ベテランらしい的確なポジション取りがあっての、直線の圧倒的な抜け出し。

前走の丹頂Sも快勝だったが、今年の3000M以上のレース3戦で【1200】としたリッジマンは、まだ5歳でもあるし、再来年の蛯名騎手の去就に関わらず、アルバートの後を継ぐ専門家としての道を、自ら開いたことになる。

母系はフォーティナイナー由来の系統で、コンティニューはリッジマンの4代母、3代父のフォーティナイナーでは2代母の祖母にあたり、5×4のクロスを持つ。

異系色が強く、活力に溢れる配合からは、アルバート以上のタフさを備えている可能性を予感させるものがある。

鳴尾記念のエアウィンザーは、前走の内容が爽快な差し切り勝ちで、全く今までと違うイメージとなっていたが、展開云々ではなく、これはミルコ・デムーロの鬼気迫る勝負への執念を讃えるべきか。

位置取りから追い上げる姿勢をとってみても、今週は気合いが違った。

 

レース回顧

新馬回顧<11/24・25>

読了までの目安時間:約 3分

 


一気に冬の空気が吹き込んできた週末。

いよいよ、シーズントップの雰囲気からも変化が見られるようになってきた。

土曜は東西で4鞍。

芝は短距離カテゴリーの2戦で、共に、上々の勝ち上がりの人気馬が登場し、ファンを納得させてくれた。

東京1600のグレイスアンは、JCに縁のなかったバブル一族のディープブリランテが父も、母はヒシアマゾンとアドマイヤムーンを送り出したケイティーズ系で、父はファルブラヴ。

戸崎騎手が本来の持ち味である無難な立ち回りからの押し切りで、仕切り直しの一戦を人気で応えた。

京都1400は、武豊ペースにさせなかったモレイラの技巧が光った。

それをルーラーシップ×シュプリームギフトというやや取っ付きにくい血統の馬で、さも当たり前という形で好位付けするのだから、やはり素晴らしい。

そのラフェリシテもグレイスアンも、血統のいい牝馬。生産者としても馬主としても、これなら大満足である。

東京はダートのマイル戦も行われ、フォルカー系のヘニーヒューズ・人気に推されたオーヴァルエースが、蛯名騎手の指示にきっちり反応し楽勝。

大型馬で高木登厩舎。期待感は否が応でも膨らむ。

京都のダ1800では人気のカーリンが敗れ、代わって台頭したガリレオ直仔のケープブランコ産駒・グランデルカクが、ロージズインメイを2頭引き連れて波乱を演出した。カオスってる。

日曜日は東西で、似たような展開の芝1800戦に。

人気の良血馬が勝利。東はノヴェリスト×マルセリーナのラストドラフト、西はマカヒキ全弟のウーリリ。

前者はマカヒキの近親馬をゴール前競り落とすように、後者は正統派欧州配合のDブリランテ産駒の追撃を凌ぎ、着差以上の強さを見せた。

母や兄ほどのスケール感は現時点ではないが、この世代の間口は大変に広く、まだチャンスはある。

その証拠に、出走馬のレベルに当初疑問のあった札幌2歳Sの上位入線馬が、今更ながら、評価が上がっているような状況。

その時点での実力は重要ではないのだから、この世代はまず、変わり身をどう見せるかが大切になってくるわけだ。

 

レース回顧

ジャパンC -回顧-

読了までの目安時間:約 5分

 


パドックから別次元のオーラを放っていたアーモンドアイ。

そして、2:20.6という想像を絶するタイムの決着。

仕方がない。敗者には問題はない。

みんないい出来だったから、こうなったのである。

キングカメハメハという種牡馬、そして、キングマンボの存在。

凱旋門賞で躍動したパントレセレブルの父ヌレイエフ。

このレースを語るのは、血統の話を詰めるより、論の緒とはなりえないだろう。

キセキが平均ラップを刻んだ。

菊花賞を勝つ前には、新潟の2000Mで1:56.9を繰り出し、楽勝だった。

1年以上経って、日本競馬の頂点を競う秋の天皇賞で1:57.0を叩き出している。

当然だ。

勝ったのは同期のダービー馬。2400Mで負けただけだが、完敗だった。

レイデオロは1:56.8で駆け抜けた。

2000Mでは互角。

奇しくも、このブラッドストーリーには欠かせないキングカメハメハの直仔に敗れたのである。

アーモンドアイは、スプリンターズSを1:06.7で駆け、翌年の安田記念を1:31.5で快走したロードカナロアを父に持つ。

母は実際のところはGⅠを勝てなかったフサイチパンドラ。

その父サンデーサイレンスはJCを勝った馬を2頭出した。ゼンノロブロイが2分24秒台で駆けたのが最高のタイムだったが、スペシャルウィークもディープインパクトも春の天皇賞を素晴らしいタイムで駆け抜け、有馬記念でレコードを出したロブロイも、そのタイムは未だに傑出した記録として、燦然と刻み込まれている。

ヌレイエフはキングマンボの母ミエスクを生み出した。

どこに行ってもマイルなら彼女という一時代を築き、繁殖入り早々に似たようなタイプのキングマンボを産み、今の大繁栄をもたらすに至った。

その血が変則的に、5×3で入っているアーモンドアイ。

キングマンボに入り、フサイチパンドラの母ロッタレースの父として、ヌレイエフは重要な役目を果たしている。

ヌレイエフはスプリンターズSと安田記念というコネクションだけでなく、あまりも関係が強いことを示すように、国枝栄調教師の名を世に広めたブラックホークの父として、あまりにも有名。

負け癖がついた彼を、苦心の横山騎手が追い込ませてこの東京で復活させた時、久しく記録されなかった1:33.0というタイムで駆け抜け、これを最後に引退した。

フサイチパンドラの母系は、エルグランセニョール<ロドリゴデトリアーノの父>、トライマイベスト<ラストタイクーンの父>らを世に送り込んだだけではなく、フサイチパンドラという宝物をこの世界に生み出すことで、キングマンボ直仔のアルカセットが叩き出した日本レコードを、世界レコードに塗り替える仕事を娘のアーモンドアイに託すという偉業をやってのけた。

キングマンボの血にも、フサイチパンドラの一族の底力にも、ジャパンCを勝ち切る能力を備わっているが、爆発的にそれを引き出すためには、世界の名血のいいところか全て出し切らないといけない。

ラップを落とさず、どこまでもスピードが止まらないのは、直系のレイズアネイティヴの影響なのかもしれない。

それを言うなら、根性のサンデーサイレンスだって必然的に関わってくるだろう。

ダート向きのミスタープロスペクターは、芝に特化したキングマンボを血の継承者にすることで、ノーザンダンサー一色に染まった欧州競馬の質を少しずつ変えていった。

だからって、何度も頂点に立つことはできない。

それはJCだって同じはずで、こういう高速馬場を味方につける場面でのキングマンボの底力、快時計を生み出す不思議な才能に恵まれたヌレイエフの血をしっかりとマッチさせることで、アーモンドアイのような破壊力を持った天才が登場するのだ。

最初から勝つのはアーモンドアイをみんなが思っていたが、キングマンボが関わるだけで、こんな顛末にまで発展してしまう。

あの厳しいラップの中、今まで通りに2着馬に1馬身半以上の差をつけている。

どうしようもない彼女の才能は、これを機に、国際GⅠのスイーパーという位置づけにされるはずだ。

時計は素直に評価されない風潮だが、このタイムで低評価になるわけがない。

今後は、国枝調教師と共に、心身のバランスを保つ力が問われていくことになる。

 

レース回顧

京都2歳S -回顧-

読了までの目安時間:約 3分

 


スタート後はクラージュゲリエがやけに、慎重で消極的なモレイラに見えたのだが、途中まではスムーズにレースを運べていたワールドプレミアが、パドックからイレ込み気味だった影響もあってか、勝負所の動きも悪く、すぐ前のブレイキングドーンに対し、うまくその内を上がって行って、直線ではクラージュゲリエがパワー勝負に持ち込んで、しっかりと重賞経験のある分を結果で示し、結果的に夏の新馬勝ち上がり組、特に札幌組強しを今週も証明した。

クラージュゲリエが怪しい面があるのは、多分にトゥザヴィクトリーの一族であるからであり、小回りが苦手なようで、直線の決め手比べは特別強くないから、最終的には小回りの小脚を使う勝負で台頭するのだ。

新馬戦でも騎乗したモレイラ騎手は、気持ちが前向きというよりは、それが強く出過ぎると危ない面があって、後ろから構えても十分に少頭数であれば対抗できる末脚があることを知っていたので、新馬戦の時より序盤はゆっくり走らせた。

が、リクエストのあるなしに関わらず、今後の彼に求めるところはここでのとりあえずの勝利ではない。

先週の東スポ杯の結果からも、乱戦となった札幌2歳Sはこれまでの基準レースだ。

決してスムーズではなかった前回の敗因をフォローし、とにかく、直線の入り口では好ポジションを取ろうと、しっかりと早めの進出を図った。

今後もこれができるとは限らないが、同じく休み明けだったブレイキングドーンも血統馬であり、彼らの赴いたレースでは、クラシック級も多く顔を揃えていた。

両者とも器用ではないが、間違いなく、皐月賞などの消耗戦で出番のタイプである。

差はついてしまったが、上位5番人気以内の馬で掲示板が占められた。

ようやく、GⅠ<クラシック戦線>における、推理の基本線が見えてきた。

出世レースであればこそ、それは信用できるデータになる。

 

レース回顧

新馬回顧<11/17・18>

読了までの目安時間:約 3分

 


芝は3戦組まれた土曜の新馬。

それぞれ魅力的な勝者は誕生したが、やはり、ここは血統を重視すべきだろう。

東京のマイル戦では、クイーンズリングの半妹とヒカルアマランサスの仔ががっつり叩き合って、最後は少しだけ人気でリードしたクイーンズリングの妹・アクアミラビリスが抜け出した。

時計は平凡も、センスのいい競馬。ヴィクトワールで33秒台の上がりなら上々。

京都もマイル戦だったが、こちらは牡馬も出られる一戦。人気のルプリュフォールが直線でよく伸びたが、こちらはスケール感で見劣った。

カナロアの仔で、母父サンデーにしては物足りない。

福島2000では牝馬が上位独占。逃げ切りの形も、直線の突き放し方が印象的なマリノジュリアは、エイシンフラッシュ産駒。内から伸びるイメージと合う。

ダートは東西とも先行馬の競馬。

珍しい前々の叩き合いでの差し返しで制した伏兵のケイアイターコイズが勝った東1400戦は、キンシャサ産駒でも、1分25秒台で秀逸。

京1200大楽勝のモンペルデュは、中型のアメリカ産牝馬。父カイロプリンスはミスプロ系のステークスウイナーだが、かなり異系色の強いタイプで、癖が強い。

日曜の芝中距離の新馬戦は、無難にディープが人気に応えた。

京都は2000M戦を器用に立ち回ったカフジジュピター。ダノンプラチナと似たような配合でも、内から上がってきた機動力は魅力。

対照的に、上手に走れずに最後は抜け出してしまったのは、東京1800のアップライトスピン。これは牝馬。

前者はミスカーミーの系統で、後者は北米血統の様々な血の集積体。上がり目は前者も、後者には伸びしろがある。

後は中央場所の芝短距離戦。

東京で圧勝のスズノムサシはドリームジャーニー。キンシャサの牝馬・シュガートリーツがインから抜け出しの京都もそう。

かなりの上がり勝負で、瞬発力云々だけでは差し切れない展開であり、時計が何より遅い。

それぞれいい勝ち方だったので、時計の短縮がポイント。

 

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