サウジアラビアロイヤルカップ2020【結果】｜レース動画付きでオッズや払い戻しを解説

【レース結果速報】1着ステラヴェローチェ(5.7倍)2着インフィナイト(2.4倍)3着セイウンダイモス（53.6倍）

いちょうSが重賞昇格後、名前も改称されてから何度か道悪の競馬はあったが、ここまでの悪化はなかった。

しかし、いずれも稍重止まりだったとはいえ、その時勝ったブレスジャーニーとダノンプレミアムには、ワンターンの新馬や未勝利戦で、尚且つ稍重馬場での勝利の経験があった。

それも、季節感や雨の降り方が似ている6月後半の勝利の記録まで同じ。

それに倣えではないが、売れ方とすると兄弟も自身も道悪への適性◎というインフィナイトが買い被るのは、至極当然のことだろう。

現地に駆け付けた幸運のファンたちがどれだけ購入していたかはともかく極悪馬場というに等しい馬場状態を苦にしている様子もなかったから、北村友騎手も、一度流れを見て位置を確保してから、少し上げる余裕があった。

しかし、こういう時は特殊能力を発揮する人馬がいる。

気を見るに敏のファンたちは、阪神もマイル戦で道悪実績のあったステラヴェローチェにも、数多くの投票をした。

結局、道悪はともかく、気性面にまだまだ危険なにおいがしないでもなかったドゥラメンテ×フォーティナイナーのキングストンボーイより、パフォーマンスが地味だった分の人気で見劣っただけという評価。

ダートを走るより、遥かに時計を要するコンディションでは、そういうダービーをぶっ千切ったことのある横山典弘騎手ならば、何かやってくれるのではないかと、願いを寄せる人もいたのだろう。

サウジアラビアロイヤルカップ2020の結果配当＆払い戻し

サウジアラビアロイヤルカップ2020- レース結果動画（YouTube）

レース展開と回顧（今後の傾向＆対策も含めて）

しかし、想像以上だったのではないのか。

筆者の推したピンクカメハメハが、自分のリズムで逃げようとするところ、この手の馬場は得意そうなジャンカズマなどが持続力勝負へと序盤から持ち込んだことで、北村騎手の判断通りに、そこで抑えた組に有利に働いた直線、まるで手応えの違う別の品種の四足歩行動物が、大外から来襲するのだった。

満の持しての仕掛けで、周りを見る余裕もあったインフィナイトと鞍上が、まるで坂の辺りで手応えの違うステラヴェローチェを目撃した瞬間、勝負は決した。

休み明けで、メンバー中唯一の大幅体重増の勝ち馬は、伸びしろが違った。

インフィナイトにはフォームの面の無駄のようなものが、やや死角としてあって、叩きつけながら走るのは、いくら爪が立っていても体にストレスが掛かりすぎる。

前走でそれを経験し、次の格上がり初戦も同じ馬場では、本当は苦しい。

それで3馬身、その上で直線の手応えまで考えると、良馬場の女王決定戦で大崩れはないだろう。

体は大きいが、もう一度立て直せれば、一気に馬体も成長するはずだ。

ステラヴェローチェの強みは、体は大きくなっても、リズムを変えるような直線でのギアチェンジで、この馬場でもしっかりとシフトアップに成功するような体幹のバランスだろうか。

だからって、最後はそこまで伸びていないから、同じバゴでもクロノジェネシスより排気量は大きい分、牝馬ではあるがクリスマスのようなタイプになっていく気もする。

無論、馬場が味方したから、渋った時にこそ本領発揮だろうが、ナスルーラ直系の馬はというのは、溜めるとキレる武器が大概の馬に備わっている。

そんなことまで理解していたかどうか不明だが、横山騎手の馬乗りとしての圧倒的な技術と豊富な経験値があれば、そんなところまで見抜いていても不思議はない。

ハマったのは馬場質の特異性によるところより、そうした性質の問題も今回は味方したような面がある。

ダメなら、まだ無理をすることはない。

限られた騎手にしか許されないそんなわがままも、彼には大きなアシストに繋がった。

インから差す形を身につけて行きたい。

キングストンボーイも、馬場は合わなかっただろうが、理想の抜け出しで4着のジャンカズマに迫っての5着だから、重賞初挑戦でこの条件ならば、むしろ、今後のアドヴァンテージにできる。

速い馬ではないが、そういう中で決め手を見せる馬になれるか。

即ち、ドゥラメンテのキレが勝るか、兄エポカドーロのような持続力型に出るの。

現状、前者の方の溜めるタイプにシフトしている印象を持ったが、いずれにせよ気を損ねると大変な血筋なので、牝馬以上にケアは十分に施していきたい。