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神戸新聞杯2023の予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り

読了までの目安時間:約 14分

 

神戸新聞杯2023の予想と出走予定馬の最終追い切り評価を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!

歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。

レース名第71回 神戸新聞杯(GⅡ)
グレード重賞(G2)
日程2023年9月24日(日)
発走時間15時35分
開催場所阪神競馬場
距離芝2400m
コース右回り
賞金5200万円
レコードタイム2:09.0

神戸新聞杯2023 - 過去10年のデータ傾向

ダービー組で買える馬を見つけるところから

人気になるのは、ダービーではなく、ここでという定番の型は、昨年一瞬崩れかけたが、ダービー出走の1番人気馬が8勝なのに対し、その他の枠など微々たるスペースしかないわけであって、最上位人気が休み明けの条件馬であれば、ジャスティンパレスが前走9着でも、結果的に力通りになったのだと結論付けることで、大抵の問題はクリアされる。
今年の問題は、昨年で言うプラダリア<2番人気・8着>のような位置づけになるハーツコンチェルトが、最上位になるのか、昨年のパラレルヴィジョン<1番人気・7着>のように、3戦負け知らずのロードデルレイが、川田騎手ではないのに、中内田厩舎の勢いそのままに<二冠リバティアイランド、札幌記念独走のプログノーシスなど>、逆らう手はないという票が集まって、前週で言えば、ブレイディヴェーグみたいな人気の推され方をするかどうか。
ダービー組以外で、1番人気に応えたというのは、札幌記念を勝っていたエアエミネムだけ。
9月の2000M時代の話は、今や昔であるから、人気でもハーツコンチェルト、でなければ、ファントムシーフやサトノグランツに自信のある方を推す、消極的支持を除き、安易な強い3勝馬推しには抵抗感を覚えるという見解を添えておく。
先週もみんな休み明けの裏路線組。
オークス組よりもっと元気だった。

夏に走ってきた組なら、案外、負けている馬の方が妙味あり

昨年のヤマニンゼストなどが典型。
トライアルでせこく権利取りを目指すべく、ベテランを配して、うまく内を捌いて上がってきてもらいたいというそれが、ジャスティンパレスが強すぎたことも味方にして、見事にハマった結果の2着。
レースを見ていても、ユタカやったな!というような、道中の鮮やかな運びは、ジャスティンパレスの独走以上に印象深いものがあった。
このヤマニンゼストは、うまくハマった後も主要戦で好走はしていたが、現在は休養中。
前走は札幌の特別戦で、菊花賞で一緒に走ることになるドゥラドーレスが、スムーズに馬込みを捌いて快勝していた。
序盤から鷲頭騎手と若さをみせる粗い競馬で掲示板外しから、一見劇的な変化のようで、その前は同コンビで連勝。
横山典弘騎手が絡んでいるような馬だから、簡単ではないのは事実も、思えば、9年前の3着馬であるトーホウジャッカルも、一応オープン馬になるエーシンマックスに敗れた前走があるものの、脚を余したことでは共通。
如何せん、スタミナ自慢をできるだけ呼び止めたいコンセプトのある菊花賞トライアル。
キセキやその前のリアファルなど、前走古馬相手に快勝の馬は、意外とその後の詰めが甘くなりやすく、来たところで、後々の発展力で、負けても好走の組と大差ない傾向。
この手のタイプが見当たらないから、ロードデルレイとかいう、天才ではないかと噂される逸材を、本命党歓迎のレースで押さえることになったわけだ。

1番人気と非ダービー路線組との関係性を明白な形で示すとすれば

ダービーで3番人気以内の馬が、多少のシンザン的夏負けがあったところで、まず崩れないレース。
一方で、ダービーで人気になっていない4番人気以下の組み合わせあるとか、非連対馬が主役になる昨年のようなレースであると、一気に形勢逆転。
おととしの異様な不良馬場で自滅のシャフリヤールも、ダービーは4番人気。
本物の2400覇者は、むしろ、馬場が渋った時には崩れない。
だから、中心がダービー組になると決まっているだけに、期待外れのメンバーが集まった時には、必ず何かが起きると思えばいい。
今年は3着馬が出てくる。これは伏兵評価にまで落ちた、東京スポーツ杯断然人気馬であったハーツコンチェルト。
スローのおかげで、ファントムシーフやサトノグランツなども、ひどい負け方ではなかったから、怪しげな秋緒戦となったソールオリエンスのこともあって、伏兵陣の意気は上がる。
非クラシック組の2番人気以内の馬は、里見オーナーの馬がその後の出世度合いはともかく、ここで連外し、毎日杯3着だったキセキを除けば、まず来ないという傾向。
完全無視の記録は、件の良血・エアエミネムとその菊花賞馬となって見せる同じように血統馬であるキセキくらいで、距離が若干怪しいロードデルレイが4番人気なら、そんなの関係ねえ、という感じで来てくれるだろうと踏む以外、ナイトインロンドンも少しズブそうだし…。
ファントムシーフがダービー3番人気で、本流路線組を推した方が、結局、まとまりのいい買い方になるように思う。

神戸新聞杯2023 - 出走予定馬の血統/成績/タイム

俺のことを忘れるな、と1年前の中京新馬での快走を振り返る好機を再び得たハーツコンチェルト

ハーツコンチェルトの血統

配合的には、今年産駒デビューから圧倒的な好走率の高さで、種付け料にも大きな影響を及ぼしそうな状況にあるジャパンC優勝馬・スワーヴリチャードと同じとできるが、この馬にダンチヒのようなライトなイメージのスピード血統は母系にはなく、シアトルスルーが母系に入り込んで存在感を示すという以外、ハーツコンチェルトにはファピアノの3×4内容という特性にダンチヒインのイメージがあったから、新馬戦圧勝の特徴的な戦績はその影響とできるが、本質でどこに合うのかは不明な面は、スワーヴリチャード以上に判然としない部分がある。
スワーヴに関しては、アルゼンチン共和国杯での復帰戦を圧勝後、秋のG1は有馬記念というところを経て、本格的な古馬戦線参入という流れとなったが、その結果が、古馬になってのG1の2勝という成果となって現れた面は否定できない。
ハーツコンチェルトには件のスピードの血を併せ持つという血統的な差異に加え、リヴァーマンやブレニム系といったところが芝向きの性質を後押ししたようなスワーヴに対して、こちらはもっと北米のトレンドに近い、スピード能力を強化した上での、距離耐性を身体能力でカバーするという当地特有の価値観に合わせたような配合であるハーツコンチェルトに関し、特段のパワーアップを期待するのは、ハーツクライ譲りのモノ以外には望み薄でも、3歳同士の争いに関し、ファピアノの血を持つ馬が、本質の適性を超えて、驚異的なパフォーマンスを見せるコントレイルやトーホウジャッカル<当時2勝クラスで、不利がなければ勝っていた可能性がある>、強烈に差し込んできたマジェスティハーツなど、ここで目立つサンデー系が、単なるダービー組優勢の流れや人気馬が堅いという以外の部分で、神戸新聞杯単独で目立ってきた歴史がある。
サイレンススズカとラスカルスズカの兄弟に、母父ネイティヴダンサー系が目立った2003年がゼンノロブロイなど、ミスプロの血を芝中距離重賞の中で早くから受け入れてきたこのレース特性は、ハーツコンチェルトの味方になりそうに思える。
常識的に捉えても、ハーツコンチェルトはダービーの3着馬であると同時に、東京スポーツ杯で断然の支持を集めたような馬だから、ここで中心視されて相応しいはずである。
正直言って、若葉Sは太目残りで、関東馬でその後のローテを踏まえ、使いたいけど、仕上げすぎるわけにはいかないというジレンマを抱えつつ、貧弱な内容に終わったから、残念至極と皆が思った。
ただ皐月賞こそ、どさくさ紛れにも近い後方からのまくり上げで5着としたショウナンバシットに、川田騎手の高水準騎乗の継続力の前に完敗したこのレースを経て、ダービーでは完全逆転。
毎度着順が入れ替わるのが、本来当たり前のクラシック戦線において、イクイノックスやエフフォーリア、スターズオンアースにリバティアイランドなど、スーパースター級のアイドルが安定して走る事の方が、ずっと珍しい出来事。
少しでも昨年菊花賞を制したアスクビクターモアや、それ以上に悲惨な最期となってしまったスキルヴィングらの命に報いるような価値を見出すべく、タフな本質を秘めるハーツコンチェルトの更なるパワーアップを期待し、敢然と本命に推したい。
しかし、ハーツクライという癖強めのスナイパータイプの中長距離型は、不思議と、守備範囲バラバラでも、その産駒たち、とりわけ牡馬と牝馬で、大きくその特性が分かれるのが特徴でもある。
何しろ、マッチ棒のような体型で可憐な少女だったリスグラシューが、タフローテでアルテミスSを制した時の最少馬体重が428kgだったのに対し、何にも動じず、アーモンドアイの自壊を眼前にしても、ゴーイングマイウェイで鞍上のレーン騎手を破顔一笑としてみせた最後の有馬記念が468kgで最高。
近年の名牝は、アーモンドアイもそうだったわけで、グランアレグリアも似たようなもの。
体重激増で秋華賞出走の予感がするリバティアイランドとて、新たな自分を手に入れて、アーモンドアイのように次から次へと的確に獲物を捕らえるG1ハンターになっていって、何も不思議がない才能を秘める。
ただ、ことハーツクライの牡馬で、一流のクラスとなると、話が変わってくる。
瞬間的ながら、世界の頂点を見たワンダーホース・ジャスタウェイは、その爆発的な末脚で世界の競馬界を震撼させたドバイこそ未発表ながら、例えば、ある意味でそれより驚いた、ジェンティルドンナ置き去りの秋の天皇賞の496kgというのは、まだ昔のトレンドである使って仕上げる文化がわずかに残る時代でも、新潟の新馬で完勝した時とわずか2kg大きいだけ。
安田記念もジャパンCも500kg未満でいたから、削ることではなく、内面を進化させ、研ぎ澄ますことで目方を変えずにスケールアップする馬であったのだ。
ハーツコンチェルトと同配合のスワーヴリチャードだと、四位元騎手が手塩にかけて競走馬らしい姿にしたような馬であるから、当然晩成なのだが、年度は違うのに、4歳の大阪杯、5歳秋のJCの各制覇時は同じ516kg。
二桁増減の多い見た目以上に危険な一面を秘めた能力馬だったが、新馬でも大きかったが、506kgでもあったから、本質は増えたわけではなく、2歳時は若すぎただけなのだろう。
少し締めたダービーの492kgは、自身断然の最少馬体重。
ハーツコンチェルトは中京独走の新馬が492kgで、ずっと一緒の松山弘平騎手と悪戦苦闘の末辿り着いた、元の捲りの形に戻した<このコンビの自信も回復していた>ダービーが、それより2kg増えただけ。

神戸新聞杯2023 - レース展開と最終予想

大いにしょぼかった若葉Sの508kgは、ダービーを目指す賞金不足の若馬だから仕方なかったが、大いにオーバーウェイト。
トライアルで実のある揉まれる競馬を敢えて選択した時に、半分以上絞り、ダービーは恐らくベスト。
キレ味こそ、エース級と比して目立つものではなかったが、自身最高の33.4秒を使えたのだから、距離も合っていた。
ダービー馬ではないから、全然、まるでお呼びでない散り方はあり得る。
しかし、成長力を証明し、わずかに残したクラシック制覇の可能性に、大舞台で展望を広げることに成功のハーツコンチェルトは、もう不器用で、流れにも上手に乗れない危険な人気馬ではないだろう。

先週のようなことがあるから、安易な決めつけはいけないが、中京2200の中距離カテゴリーにいくらかボリューミーな要素を加えたここ3年の神戸新聞杯でも、59.9秒が一度あったきり。
外回りで行われるような2400時代が始まった2007年に、高速の菊花賞逃げ切りを目論んだホクトスルタンの影響でざわついたレースとなった初期に58秒台の5F通過の記録があるくらいで、後にマイル重賞を制するリーチザクランでさえ、60秒台で先行したようなレース。
距離は同じでも、そこはダービーとは違うし、速いタイプはセントライト記念と相場が決まっている。
序盤ついていけない問題をほとんど気にしなくていい条件で、関東馬といって関西重賞で消す理由もなくなった昨今、4頭ともチャンスのあるその中で、実力の差を示す時、ダービーで少しだけ先んじているライバルのファントムシーフに、再び、ホープフルSの借りを返すと、途端にスワーヴリチャードやジャスタウェイのような未来図が見えてくる。
ちなみに、デカい馬の代名詞であったあのサリオスは、山から出てきたのか、はたまた、農耕に従事していたのかわからない状態で走った新馬戦が、5歳時快レコードで駆けた毎日王冠と同じ534kg。
完勝の朝日杯や翌年の毎日王冠は、それより4kg大きいだけで、ほぼ同等の体重。
研ぎ澄ましたダービーや、3着になった5歳時の安田記念なども悪くはなかったが、ベストに近い馬体重が決まっていると仮定した時、このハーツクライ産駒の場合は、500kgをわずかに切るくらいで今回も出走で来たなら、きっと、納得の結果を残せるはずである。
ここまで唯一の勝利である新馬戦の492kgでは、その後5走、一度も走っていない。
果たして。




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