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福島牝馬Sの逃げ馬

読了までの目安時間:約 3分

 

ヴィクトリアマイルの優先出走権を得られたところで、福島牝馬S好走馬が勝負になることは稀である。
ただし、ローカル仕込みの大胆な先行策は、大舞台での武器になる。
あのあわやのシーンは、ごくごく自然な理由があってのこと。
何も突然の出来事ではない。

今年はウオッカで堅いだろうと思われた09年には、福島牝馬S優勝のブラボーデイジーが2着に入るという、今までにないケースに出くわして、皆びっくりしたことがあった。
ドタドタ馬場を味方につけて、重賞実績では遥かに格上を相手に先行押し切り。
その福島での厳しい経験は、強敵にひるむことなく戦える精神力を与えた。

GⅠ馬の復活勝利やレース史上初の連覇達成馬が誕生した後は、今度は本番での主役級の馬を2頭送り込むことに成功した。
15年ヴィクトリアマイルの影の功労者たる2着ケイアイエレガントはその前年の福島牝馬S優勝馬、3着ミナレットはその年の5着馬である。

前年に器用な立ち回りができる強みを活かして、春の牝馬重賞で連続好走していたケイアイエレガントは、福島で逃げ切り勝ちした後、本番では6着。
以後、順調に使えなかったことは、大型馬ながら気のいいタイプであったから、休養十分の1年後の激走の伏線となった。
ミナレットは騎手によって策が変わる馬で、明らかに短距離型。
オープン勝ちの時が、中山のミドルで他コースでは結構いい流れでの逃げ切り。
その時と似た展開で、今度は前に2頭置く位置から粘り込んで、適性外の条件で5着。
人気ガタ落ちで、江田照男乗り替わりであれば…。

己の限界に挑むような11秒台前半のラップを5度も叩き出す猛ペースを作ったミナレットは、直線でも見せ場たっぷり。
しかし、離れた2番手からフレッシュなグラマラスボディで早めの仕掛けで捉えたケイアイエレガントは、直線の後半はずっと主役だった。
ところが…。
ストレイトガールの決め手は想像以上であった。

歴史的名牝の末脚をアシストしてしまった彼女たちは、GⅠには欠かせない意義ある脇役である。
同時に一歩間違えればの結果でもあるから、今後もチャンスはいくらでも訪れるはずだ。

 

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晩成血統に夢を託して

読了までの目安時間:約 3分

 

開催替わりの東京、京都では、GⅠの谷間にGⅡ戦が行われる。
はっきりと黄金ローテが確立されている中で、必ずしもトライアルになっていない部分のあるフローラSと、特段決まった路線があるわけでないにせよ、GⅠ前哨戦として機能しているわけではないマイラーズCは、実に鄙びた中央場所では浮いた存在のレースである。

マイラーズCというレースは、マイルカテゴリーの別路線扱いになるような高速決着が多い影響で、本番で出番のありそうな完成されたマイラーはなかなか勝てない。
カンパニーは7歳の時は勝ったが、GⅠを勝った8歳時はスーパーホーネットにキレ負けだった。
4、5歳時に勝ち切れなかったダノンシャークは、マイラーズCを回避した年に、マイルCSをレコード勝ちしている。

カンパニーには父トニービンのみならず、母がノーザンテースト×クラフティプロスペクターという配合で、早々はへこたれるような配合ではなかった。
ダノンシャークも母母父シャーリーハイツの影響か、オープンに上がって1年以上してからの重賞勝ちから、更にもう一巡り半季節を経てからのタイトル奪取。
A級血統の底辺部に属する彼らは、安田記念の格には適わずとも、マイルCSを勝ち切る経験値を蓄えていったのではないだろうか。

日本の良血馬で母方にネヴァーベンドが入っていると、ほぼ決まって、3歳秋以降でないとGⅠでは通用しないのだが、オークスだけは特別。
直系のミルジョージ産駒であるエイシンサニーやブレイヴェストローマン産駒のマックスビューティが快勝したレースが鮮烈。
直系は少ないが、母父系に持つエリモエクセルやスマイルトゥモローなども劇的な勝ち方をした。
ミルリーフのクロスを持つサンテミリオンは、フローラSレコード勝ちで、オークスもアパパネとの雨中の激闘で同着優勝している。

ヌレイエフのきついクロスを掛けられた母を持つデニムアンドルビーもそう。
ブラックホークやキングマンボの母ミエスクなど、ずっと走っているイメージがあるのが、その直仔の特徴であった。
まだ走っているデニムは、フローラS勝ち馬の呪縛から解き放たれる可能性を未だ秘めている。

 

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敵か味方か

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混戦の高松宮記念と人気馬で堅そうだった桜花賞は、結果、似たようなコース形態で馬場もそっくりになったから、少なくとも勝ち馬の道悪適性は大いに引き出されたように思う。
問題は負けた人気馬の方だ。

レッドファルクスの評価は、そもそもまちまちであった。
ビッグアーサーが走れなかった、走らなかったGⅠ2戦で、結果的には連続好走している。
それも共に休み明けでのレース。
崩れていないから評価は大きく変化はしない。
GⅠでこなせる条件も、香港のレースを経験していることで大体見えている。
概ね、時計が両極端な時は末脚が活かせないから、ちょっと物足りない競馬になる。
高松宮記念は香港戦ほどではないにせよ、完敗の3着だった。

では、血統面でいかにもタフそうなところのあったソウルスターリングはどうだろうか。
関東馬の人気馬が飛び続けている桜花賞だけに、わずかながら不安はあったが、大半のファンの期待を大きく裏切ることになった。
関東では関東馬のGⅠウイナーは誕生するけど、関西ではそれがないという一連の流れとは別に、昔から言われていた関東馬不毛地帯たる阪神マイルでの運動会をジャックすることの反動は、新コースになっても相変わらずということなのだろう。

しかし、血統で見れば重馬場はこなせるはずだったし、実績は最上位なのである。
関東馬のひ弱さというのも、初重賞勝ちが両者関西圏だったのだから、筋違い。

雨である。
その影響と、稍重という扱いづらいコンディションが全てだったように思う。
時に、重馬場と同じくらいのタイムになることもあれば、かつての京都桜花賞はレコードが出たりと、その状態は馬場そのものの傷みによって大きく左右される。
阪神は高速馬場で開幕したが、例によって、暖かくなることで生育する芝は雨の力も借りているから、軽い馬場のまま推移することはない。
中京も昨年は異常だっただけで、春の馬場悪化は雨により倍加速する。

急坂コースの広い馬場では、よりタフさが要求される。
そこで淀みない展開になったことは、結果に大きな影響を及ぼしたと思われる。

 

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芽吹いた才能

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ちょうど一年前。
一介の障害オープン馬が、断然人気の無冠の帝王をGⅠで負かしてしまうという有り得ない光景を、我々は目撃した。

サナシオンに恐れをなして、頭数もそうだが、かなり低調な組み合わせとなった中山グランドジャンプは、彼にとっての独壇場になるはずだった。
しかし、中山にはかなりの苦手意識があったサナシオン。
前哨戦までは難なくクリアできても、大竹柵や大いけ垣のあるGⅠになると、自慢の快速が鈍る傾向は、皆が理解していた。

2番人気に推されたのは、中山では未勝利ながら、前走の平場オープン2着の内容を買われたオジュウチョウサン。
いくら相手がいないからといって、バンケットを何度も上り下りするタフなコース設定で、今回もサナシオンは音を上げてしまうのではないかという6.5倍の支持であった。
が、終始好位につけ、勝負所でのプレッシャーの掛け方も絶妙だった石神深一騎手の見事なアシストに応えたオジュウチョウサンは、ゴール前には3馬身以上の差をつけ、新王者として名を世に知られる存在にまで成り上がった。

以後、
東京ジャンプS①
東京ハイジャンプ①
中山大障害①
阪神スプリングジャンプ①
と、軒並み主要競走を人気に違わぬ内容で、連戦連勝である。
1年前までは、大障害でアップトゥデイトに4.3秒離されるような存在であったのに、昨年末対戦した際は、それにほぼ大差となる1.5秒をつける圧勝。

ステイゴールドの成長力は知られるところだが、時たま現れる「彗星の如く現れた」と評するに相応しいこの才能は、自分の庭で己を取り戻すようにオジュウチョウサンに食い下がったかつてのNo.1ホースアップトゥデイトと、真の意味での天王山決戦を、土曜日に迎えることになる。

思えば、皐月賞の前日の中山というのは、距離の壁にぶつかった残念クラシック組がスピード勝負での争いに未来を託すクリスタルCが行われる日だった。
そこでサクラバクシンオーが一流のスピード馬を目指すきっかけとなった開催日という奇妙なリンクにこそ、スペシャリストの流儀が隠されているのかもしれない。
過去は過去。
勝てば官軍。もう未来しか見ない男を阻むものなど何もない。

 

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キタサンブラックのゴール

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キタサンブラックが休んで強くなったというより、ライバルになるだろうと目された海外レース参戦組のGⅠ馬2頭の不体裁の方が、実はショッキングであったという印象の大阪杯。
王者に挑むという構図が、自分たちは既に叩き台を経ている点でも有利さはあったにも拘らず、キタサンブラックの良さがいつも通りに出てしまったのでは、全く以って立つ瀬がない。至極残念である。

ブラック陣営としては、ジャパンC楽勝の時点で、春天連覇を第一目標とした凱旋門賞獲りに焦点は絞られていた。
狙わずしても…、というのが大阪杯の結果目標であったから、勝つことの意味はもちろんのこと、最大の関心事は昨年くらいのパフォーマンスが今年も出せるかどうかという観点で、それほど驚きの勝利という印象は誰も抱かなかったように思う。
それが皆の共通認識であるから、尚素晴らしいのだ。

その意味では、残る春2戦も勝ちには行くものの、余裕を感じさせる内容の方が重要になってくる。
1年前は本番では競り弱いアンビシャスにも負けていた。
今年は王者に相応しい勝ち方。
ならば、強いライバルにここまで競り負けてきたブラックには、意外や意外、叩き合いでの危うさが見え隠れするのだ。

それはここまで騎乗してきた歴代の名手たちも、何となく感じ取っていたはずだ。
速すぎず遅すぎずのリズムが完璧であったジャパンCを頂点に、少なくとも、互いのリズムを崩し合う中長距離戦らしい展開で勝ち負けを分けたポイントがそれと分かった以上、逃げの解禁のポイントが重要。
本番でどうしたいのか。はたまた、国内ではどう勝つのが理想なのか。
この馬を策に拘る馬と勘違いしている人も多いが、相手のリズムに持ち込ませなければ、ペースは関係ないので、競り込ませない展開を自ら作ることを、彼のリズムと主戦は考えてきたように思う。

行くには行くだけのリスクがある。
国内で抑える競馬をさせるくらいで、ロンシャンでは理想の逃げが可能だろう。
エリシオの再現は、国内での惜敗に伏線ありだ。
スピード型として挑むのでは、参戦意義はない。

 

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ダンスインザムードと違うこと

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1800Mの経験、及びその勝利記録。
また、一貫して重賞では牝馬戦を使われるが、その後も見据えて、最初は男馬との混合戦に臨み、しっかりとクリアしている点。
父も母も有名馬であり、名繁殖であることが証明済みいうことでも、今年のクラシックの主役・ソウルスターリングとかつての厩舎のトップホースであったダンスインザムードとの共通点は、意外なほど多い。

桜花賞馬はオークスという高い壁に跳ね返されたダメージというあるあるのこじつけで、厩舎の先輩の方の不振が片づけられてしまうところもあるが、本当は負け方を知らなかったということの方が重要だったのではないだろうか。
不敗では距離の壁も苦手が事もよくわからないまま、死のステージに歩を進めねばならないケースも多い。

ソウルスターリングは、ダンスと違って東京の1800のオープンで、後の重賞馬を完封している。
そもそも、マイルで負けていれば、オークス一本のローテも考えていたことだろう。
が、ダンスはダンスインザダークの妹ということもあって、距離の壁はないとされていた。
穴党はそこをついて、オークスの穴狙いに走ったのだろうが、筆者はまんまと一枚食わされた。

ソウルスターリングは、3歳時は走りすぎる馬であったフランケルの仔。
一見すると万能血統でも、マイルのリズム、それもハードな流れに対する適応力で、ここまで勝ち星を重ねてきたのである。
桜花賞が初遠征であったことが、ハードローテと相まって、オークス凡走の理由に繋がったのであれば、ソウルスターリングの死角はJF快走にあるはずだ。
普通は止まる流れを正攻法で抜け出し。チューリップ賞など死角のあるレースではなく、楽勝だった。
桜花賞もアドヴァンテージで勝てるという流れで、どう解釈すればオークスを勝てるという根拠を生み出せるのかというほど、マイル型に傾倒しつつある。

しかし、絶対能力というのも重要で、スピードという武器で勝負できる以上、ダービーという禁断の果実を手にしようとしない限り、春の航海に大波が立つことはなさそうである。
その上、快速馬という印象がない。血統以外の魅力が多い馬だからだろう。

 

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母になるとき

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秋の電撃引退決定から、もう繁殖活動の最盛期になろうというのに、ショウナンパンドラの新情報がないのは、まだ脚元が思わしくないせいだろうか。

サッカーボーイ・ステイゴールドがいるロイヤルサッシュ系で、母父はフレンチデピュティ。
大種牡馬群の主流中の主流であるゴールデンサッシュの直系なので、多様性という観点で特に、死角になりがちな時計勝負への対応力を、秋華賞のレコード勝ちで払拭している彼女に不安材料は見当たらない。

唯一、少しでもダート寄りの傾向を示す種牡馬との交配では、高確率でダート型になる可能性があり、2000M未満での実績に乏しいという点が、牝馬にしては珍しいことで、案外、相手を選ぶところはあるのかもしれない。
ならば、ダートの一流馬を作って、今度は万能の後継馬として成功してもらおうではないか。
隔世遺伝の傾向は、一流血統独特のリズムでもある。

昨春桜舞台を沸かせた三人娘も、揃ってこの春から母になる。
ダイワメジャーの傑作・メジャーエンブレムは、母がテイエムオペラオーと似た配合のネアルコ偏重配合で、英愛的良血の定義に適ったダンチヒとサドラーズウェルズを両方持つ、近年のトレンド。
ヴィクトワールピサの最初の大物となったジュエラーは、姉同様、重厚な欧州血統のボトムを支えるアウトサイダー系の複合体たる母と日本の中距離路線で活躍した父とのアウトブリード。
シングスピールを母父に持つシンハライトは、ディープのキレと母父の持続力を兼ね備えた、実にバランスのいい馬だった。

日本にはノーザンダンサー系の大物種牡馬はほとんどいないので、ヘイルトゥリーズン系かミスプロ系かという幅の狭い選択肢になるが、消耗があまり大きくない段階での引退は、往々にして、繁殖牝馬としての成功に繋がるとされる。
ベガやアグネスフローラの成功要因は、春以降の不振、故障の副産物があったからであろう。
どうせなら、シーキングパールやヘヴンリーロマンスのように、アメリカに行くのもいい。
燃え尽きていないのであれば、余生だけ日本で過ごすというのも選択肢にある。
アメリカの方が、配合相手は豊富だ。

 

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偏り

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キングカメハメハは芝の一流馬ほど、春に良績が偏る。
上半期に二年続けて重賞を2勝したトゥザグローリーに、15年の同期間重賞4勝のラブリーデイ、初GⅠ勝利がシーズン末期の晩春の香港だったルーラシップ。
それに春二冠、秋はほとんど走ったことのない名血の天才・ドゥラメンテがいる。
いずれも社台の飛び切りの良血馬で、行く末は種牡馬になることが約束されていた馬。

結果的に、春の内に燃え尽きたキングカメハメハ自身と似たような性質を、活躍する馬ほど体現していくのである。
思えば、アパパネもレッツゴードンキも春がよかった口。
ダート馬は意外とホッコータルマエが飛び抜けて活躍していたくらいで、芝の方が大物が多い特性があって、その点が事実上の全国リーディングを後押しする要素になっているのかもしれない。
地方に回るいい血統ではない馬に求められるのは、やはり馬力型である。
サンデーの血をうまく活用できるからこそ、芝のメインステージこそ最高の舞台といえるキングカメハメハの死角は、馬力がありすぎることでオーバーヒートを起こすという脆さ。
しなやかに走れる馬は少ないので、結果として、その他はダートが合うという形に収まるのであろう。
レッツゴードンキはダート馬の多いマーベラスサンデーが肌という血統。印象と違わず、兼用馬として勝ちあぐねる日々を送っている。

実はその逆が、母父ディープインパクトなのだ。
今年はついにその日がやってくるかもしれないが、サンプルが少ない影響か、未だ母父で重賞級は出ていない。
キングカメハメハとの逆配合では、大物であるデニムアンドルビーが出ているものの、あまり相性が良くないのか、成功するイメージが今のところ湧いてこない。
桜花賞馬がかなり多いディープだから、スピードのある馬が出るのが普通。
その個性がよく似ているから、ここまでは成功していないのだろう。
サンデー×ノーザンの座りがよかった場所は、マイル近辺のGⅠであった。
よく似ているからこそ、本質的な能力が求められる舞台に収束していくのかもしれない。

 

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攻撃的にいこう

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ヴィブロスの分析が、今後の国外芝GⅠであり、また難攻不落のダートタイトル奪取のいい見本となる気がする。
小型馬、日本の関係者にはあまりいい思い出のない雨というキーファクターにより、国内の支持も今一つであったが、本当に苦しんだのは他国の軽い馬場を追い求めた方で、痛みの激しい梅雨末期の中京で圧勝経験のあるヴィブロスに、実は死角は少なかったのであろう。

実績は事実上のローカルGⅠのワンタイトルのみで、わずかに3勝しただけのいわば格下馬。
その程度という括りでは、ダート2戦目でワールドC2着のトゥザヴィクトリー女史も過去にいる。

そういうことか。
果敢に逃げたトゥザヴィクトリーと作戦通りに追い込み競馬に徹したヴィブロス。
評価はともかく、大胆に策を変えるくらいのことをしないといけないのかもしれない。
エピカリスのように、行ってどこまでもの型が合う馬もいる。完成すれば、それでもいけるかもしれないが、日本のダート馬は、スピードもスタミナも国際GⅠレベルではないケースが多い。

過去の敗者には、ブエナビスタやエピファネイアといった期待通りには走らなかった馬もいる。
が、そのレース内容や挑戦意欲に中身がなかったわけではない。
ハーツクライやその仔ジャスタウェイに適性があったように、そうではない馬も沢山いる。
凱旋門賞やBCクラシックのように、自信がなければ挑めないレースとも違うドバイミーティングは、計算できる範囲でできるだけ派手な作戦の組み立てが重要になるかもしれない。

ダートで逃げられる馬は限られるし、逃げるのがいいけど下げることで可能性も見出せる中距離型でないとまず通用しない。
芝は日本馬のスピードで勝負できる。
案外、サウンズオブアースはダートでは違った可能性もあるし、ドバイターフでもう一度走り直すことができれば、まさかの3勝目もあり得る。
差し馬は無理をしなければ、前でも後ろからでもいいという芝での実績があるから、意欲がある馬、違う適性に魅力を感じる馬は、国内に止まるべきではないだろう。
賞金は高い。
走らせ方について、今年のドバイの経験は大きな財産となったように思う。

 

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時計に未来を委ねて ダービー卿の約束

読了までの目安時間:約 3分

 

当時別定重賞であったダービー卿CTを、1:33.0の好タイムで勝ち切ったフサイチエアデールという馬がいた。
その後、繁殖活動初期にマイル重賞勝ち馬を2頭出し、うち一頭は種牡馬になるフサイチリシャールを送り出している。

01<稍>②エイシンプレストン
10① ショウワモダン
低レベルな時計の決着ながら、後に凄いことをやってのける馬もいる。
が、ここからのスタートとなると、超GⅢ級であることの大いなる証明が必要なのも確か。

02 1:32.4
05 1:32.3 ①ダイワメジャー
06 1:32.4
13 1:32.6 ①トウケイヘイロー
15 1:32.2 ①モーリス
16 1:32.8 上位3頭全て当年重賞制覇

ダイワメジャーが再度覚醒するのは翌年だが、喉鳴りがどうのと言われている中でいきなりの快走であったから、そのインパクトの大きさではモーリスに次ぐレベルと言える。
非GⅠ馬としてはレコードに等しい、異例とも言うべき年間重賞4勝の最初がこのレースであったトウケイヘイロー。
約10年前にここで勝ったグラスワールドと似た雰囲気のある快速型だったが、グラスはラーイ産駒でダート戦に固執した影響で出世が遅れた馬なので、ここを勝って終わってしまったが、トウケイは4歳馬だったから、逃げ戦法の解禁によってGⅠタイトル以外獲れるものは全て勝ちとれた。

モーリスは当時2連勝中。
気難しさを理解したうえで、丁寧に馬を育てることができる調教師との出会いで、走る気持ちを自分の中でコントロールできるようになったことを、この場所で少しだけチラ見せした結果、出遅れ何のその、上がり3F33.0秒で突き抜け、レースレコードまで生んでしまった。
この勝利から、出遅れることはなくなり、後の驀進街道へと繋がっていくのであった。

昨年のように、相応の実績を持っていた者同士が力を出し合う結果も、巡り合わせによっては有り得る。
他のコースで問われるスピード能力を中山でも求められた時に、リミッターが解除される流れ。
今年は5歳馬に注目。キャンベル、グレーターは人気だろうが、グランシルクも少し渋くなったので、面白いか。

 

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