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北九州記念レース回顧~昨年2着馬の見事な変わり身

読了までの目安時間:約 3分

 

気づけば昨年も出ていた馬がゴールシーンの上位グループに顔を出していた。

その中で、外差し競馬を見事に利用して、昨年の2着馬であるダイメイプリンセスが、死に目の内枠でも踏ん張った前走の新潟での好内容をステップに、見事な変わり身を見せた。

スタートから終始怪しい感じでも、直線で壁になるリスクをとって、上がりが掛かることを想定した競馬で最後は不利をものともせず追い込んだアンヴァルも、持ち時計が芳しくない中で、北九州記念としては異例の8秒台の決着を利して、しっかりと上位争いに加わった。

惜しいのは、その他牝馬、人気の高速型と思えるディアンドル、モズスーパーフレアだろうか。

例年の32秒台のあるあるの流れになりながら、35秒近い上がりになる異例の展開は、中山ではないことを考えると、想像以上にタフな障壁が直線にあったことになる。

スピード自慢ながら、相手を見ながらの競馬で納得の結果を出したモズの松若騎手とこの時期の3歳牝馬にとって全くうまみのない52のディアンドルをしっかりと走らせた北村騎手は、何も彼女たちの将来を悲観する必要などない。

むしろ問題は、スプリントに切り替えて結果を出せる馬に育ったミラアイトーンと後ろの方でもがき続けたファンタジストであろう。

何せ、お世辞にも絶好調とは言い難い+26kgのモズスーパーフレアは、中身の濃い人気馬でも納得の4着なのだ。

展開的にぴったりのはずのミラアイトーンは絶好の仕上げに見え、ファンタジストも増減なしでパドック気配も良好。

牝馬が活躍する時期とはいえ、夏だけ走るダイメイプリンセス以外に牡馬のタフさを見せつけられなかったというだけでも、なかなかに情けない。

筆者は別に注目すべきというほどは推していない相手候補ではあったが、当然、本線に入れていた組だ。

もみくちゃにされても頑張ったアンヴァルと比べたら、実にぬるい競馬。

残念としか言いようがない。

 

レース回顧

札幌記念レース回顧~充実度で勝ったブラストワンピースが制す

読了までの目安時間:約 5分

 

エイシンティンクルが普通の競馬をして、やや行きたがっていたワグネリアンは出たなり。

ブラストワンピースは揉まれているようで、川田騎手がしっかりとポジショニングを考えての競馬をしていた。

しかし、フィエールマンは自分の形に持ち込めるような展開でも、きっと、そういう雰囲気にもなかったのだろう。終いだけの競馬になった。

勝負は昨年のタフな競馬を制したサングレーザーが、実質、昨年よりずっと厳しい競馬でありながら、スマートに抜け出してきたところを、内からパワフルに抜け出してきたブラストワンピースと正攻法で勝ちに出たワグネリアンのどちらが交わすかという展開になった。

川田騎手は揉まれる形は歓迎ではないと語ったが、どんなに大型の馬でも、内からスムーズに抜け出し、正攻法で最後の平坦な直線で反応し続ける競馬をしないといけないのが凱旋門賞である。

勝負の型が決まっているようではっきりしないところもあったフィエールマンが、中距離のミドルラップを今回知って、それを次に活かせるかというと、フィエールマンのような線が細いところのある馬こそ、そういうスキルは重要で、日本馬で結果を出した馬は、実質3着のディープインパクトを除いて、全て共通して、タフに戦うテクニックを持っていた。

エルコンドルパサーに至っては、経験値と持ちうるスピード、馬場状態まで考え抜いて、ライバルだったモンジューのラビットのハナを叩いて逃げ粘ったのである。

普通の競馬は当地のトップホースでもしない。

賞金が格段でアップして、他のGⅠとも棲み分けが図られた近年の凱旋門賞は、皆が思っているよりタフで、おまけに高速化も進行して、日本馬には厳しい条件が整っている。

洋芝の高速化と東京や京都の馬場で速い時計が出るのとでは、まるで意味が違う。

東京や中山のタフなコンディションもしっかりとこなし、同じ時期の古馬重賞を3歳時から連勝。

おまけに新潟の翌年に札幌の内からの抜け出しで、それもテン乗りで重賞勝ち。

有馬記念で感じたアークへの可能性は、最初から、フィエールマンではなくブラストワンピースの方に傾いていたのだろう。

その上で、フィエールマンより状態を上げずに、それでも古馬の仕上げで走れる状態に持ち込んだ大竹調教師や陣営の手腕も絶賛されるべきだ。

4歳のトップホースに対し、5歳の底力型も呼応し、力勝負を展開した。

札幌記念らしい厳しい競馬であり、上がりも東京や京都ではあり得ない平凡な数字が出ているが、根性のディープ産駒でも、ハービンジャーのバテない末脚に屈するのだ。

本番でどういう変化は起こるかは見えきれないものがあるが、期待のワグネリアン、フィエールマンに対し、結果で答えを出した上位2頭の方が、1馬身という差以上の充実感を示しているような気がする。

毎日杯を勝った時のような苦しいところからの競馬で、ある意味、結果には拘らず中身を求めて、うまくいかなかったけれどもブラストワンピースの素晴らしい体躯を駆り、勝利へと導いた川田騎手は、今回のこの勝利で、もっと上を臨むことの義務感を自覚してもらいたい。

これからは期待以上でも以下でもない、正しい結果を正確に出し続けるプレッシャーを浴びることになる。

厳しい斤量経験が今回の勝因ならば、次の大舞台での大駆けの可能性は、自身のパーフェクトなエスコードである。

昨年のクリンチャーや位置をとったジャスタウェイ、エルコンドルパサーの再現は無理でも、揉まれ弱さには目を瞑って、さすがに昨年までの雰囲気ではないエネイブルに正攻法で挑みたい。

過信しても、今回の挑戦ばかりは、失敗という概念は積極性の中からは生まれないように思う。

グランプリホースには失礼だが、意外な伏兵が台頭の図は、番狂わせの歴史に見合った挑戦すべき立場にあるものの有資格者に、今回なれた気がしてならない。

 

レース回顧

新馬戦<8/10・11>ショウリュウハル、エカテリンブルクほか

読了までの目安時間:約 3分

 

札幌近辺はよく雨が降り、本州や九州では競馬場のそばで小雨もなく…。

そういう中で、北海道は芝、以南でダート戦の新馬では、荒れるのは仕方ないか。

札幌1500戦は稍重の競馬。

ポンと出た人気のジャスタウェイ×ショウリュウムーンのショウリュウハルが、しっかりと直線でも伸びきって押し切り。

良血の追っ手を封じた牝馬だけの上位争いは、勝ち馬の1強だった。きっと、差し馬だろう。

ダートは難解な決着。

一騎打ちを制した小倉のサウスヴィグラス・コパノマーキュリーも、直線で豪快に伸びてきた新潟のタガノビューティー<ヘニーヒューズ>も、人気馬の完成度やレースメイクの能力で快走した格好。

時に圧勝馬の飛び出す夏のダート新馬だが、今年は例年以上に、そういう才能との出会いが貴重だ。

日曜は何となく、細かいことが気になる新馬戦ばかり。

良回復の札幌では、恐らく、初めての2000M戦が行われ、人気の武豊騎手騎乗のエカテリンブルクが勝ったのだが、妙に競り強いブラックタイドを印象付けたと同時に、この馬、吉田勝己氏の個人所有馬なのだ。

ざっと調べただけだが、少なくとも中央ではこのコンビで4年半ぶりの勝利となる。

ディープ引退後色々あったはずだが、最近の札幌は、この手の話題が多い。

小倉1200は人気のルーラーシップとカナロアが飛んで、ジャスタウェイのグランドデュークが押し切り勝ち。

父が夏デビューと暮れデビューでここまで違うかというパフォーマンスの差があった。

新潟で注目は、藤沢厩舎のディープ牝馬。

1800のカトゥルスフェリスも、マイルのサンクテュエールも、父似のコンパクトボディーでいささか頼りなさが目立ったが、両者とも、期待に応える仕事を全うできるようになったルメール騎手と共に、無事初戦突破。

スケール感はまだまだ完成に程遠い感じのサンクテュエールということになるわけだが、2頭とも大枠では似た配合であり、使った距離に適性がそのまま表れる可能性も感じられた。

 

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レース回顧

エルムS 流れが向いたモズアトラクション

読了までの目安時間:約 3分

 

グリムが勝負所で上がって行けないとは…。

タイムフライヤーは上手に流れに乗りすぎて…。

モズアトラクションがうまく内を捌いてきたから…。

リアンヴェリテは上手に競馬はしたけれども…。

グリムにはきっと高速競馬すぎたのだろう。

逃げることに成功したドリームキラリを、見事に、動き出しのタイミングで封じ込めたリアンヴェリテと国分恭介騎手は、やれることはやった。

それで負けるのは仕方がない。如何せん、この馬には縛りが多すぎる。

が、よく考えると、3走前の栗東Sで1:22.9で駆けているのだ。

1400以下出走が一度しかないマルターズアポジーだから、逃げ負けするのは仕方ないか。

菱田騎手が怯んだわけでも何でもない。馬の名誉にかかわることだから、これも納得するしかないだろう。

そういう展開だから、筆者推奨のモズアトラクションや不器用すぎる巨漢・サトノティターンなどにも勝負の流れは向いていた。

しかし、スタートはまともで、追い上げもスムーズ、尚且つ、縦長になることは見えていたけれども、ここぞの康太騎手の度胸は、やっぱり頼りになるなと思った。

高速馬場だから外に出さなかったのではなく、いつも以上にスムーズに事が運び、眼前のグリムの手応えが怪しい。

それでも、自分が勝てそうな流れを他に奪われないために、器用ではないけれど、思われるほど揉まれ弱いわけではない彼の良さを理解しながら、スムーズに馬込みを捌いて勝ち切ったのだ。

展開上もそうだったが、人馬一体の競馬で、先行型があまりに多すぎたこのレース。

結果は1:41.9で、そう乗らないといけなかった思える流れに見えるが、敢えてそうしなかった勝ち方は、実に価値がある。

ようやく差せる馬になったハイランドピークと共に、この夏の得た経験を、今後もフルに活かしていきたい。

馬単で 14,490円 的中した当ブログの予想記事はこちら

 

レース回顧

関屋記念 ~ ミッキーグローリー、重厚な終いの脚で制す

読了までの目安時間:約 4分

 

完全にソーグリッタリングとミエノサクシードの競馬になっていたのだが、あの脚は一体なんだろうというくらい、ミッキーグローリーの重厚な終いの脚は圧巻であった。

グイグイ攻める逃げを決めたマイネルアウラートと野中悠太郎騎手のガッツも見事だったが、そんなことなど気にも留めずに、悠々後方からの競馬。

今更ルメール騎手を褒めても仕方がないが、200勝が当たり前だったころの武豊騎手の姿が、3角のポジショニングから思い起こさせれた。

直線で必死にミッキーグローリーの壁になり続けたディメンシオンの戸崎騎手も、外に出されてからあんなにいい脚を使われてしまっては…。

それはサラキアもキレなかったケイデンスコールも同じだろう。

実は持ち時計のアドヴァンテージが結構あったミッキーグローリーのことを、仕上がりはまだそれほどではなかった中でも、ルメール騎手はファンの期待した以上に、勝機濃厚と見ていたのだろう。

焦って最後は外に出したのではなく、その前でじっくりエンジンをかけていって、ギャロップに入ってしまえば、誰も敵わないだろうという確信めいたものが見えた。

1:32.1は昨年のプリモシーンほどではない勝ち時計ではあったが、一時期ほどはハイラップにも強烈な決着タイムにもならない関屋記念。

加えて、ようやく馬場が速さを求めるコンディションになってきたくらいの芝の質から、長雨や低温の影響も少なからず、生育面に影響していると考えられる。

ドナウブルーのレコードには及ばないが、時計の価値は例年以上のものがあるだろう。

ステイゴールドの仔ということ以上に、瞬発力勝負に少々不安のあったミエノサクシードは2着。

前走の内からの抜け出しを図った惜しい内容に引き続き、何かがハマると一発のある父の良さを証明するように、接戦ではソーグリッタリングの渋とさを封じて見せた。

阪神外回りが得意な馬というのは、それはディープも同じで、関屋記念で好走しそうな条件は揃っていたのだが、ディープの仔ともキンカメのこともあった。

人気になっていたロシュフォールが、サラキアやケイデンスコールと同様に、上がりや時計面の不安で絶対的な適性に死角があったことを示したのとは反対に、本当は平坦の新潟がベストの可能性を示したミエノサクシードは、遅い段階での新境地開拓に成功したと同時に、一族の一番馬になれたはずのファインモーションが、結局、その血を残せなかった分も、しっかりと仕事することが求められる重要な役割が、新たに生まれたことになる。

6歳の夏。早熟馬ばかりがもてはやされる時代に、一矢報いた元最強世代の面々の執念に、皆が熱くなった。

ロードクエストあたりもいい感じで競馬ができていたが、時計勝負の不安もあったが、31.9秒で追い込んだことなど一度もない。

スワンSのあの強烈な追い込みだって、終いは34秒台だった。新潟2歳Sは、コース取りの妙もあっての32.8秒だ。

どの馬も他場よりは1秒速く上がれるから、時計も更新できるわけだが、キレるロードクエストは案外、末恐ろしいものがある。

言わずもがな、彼も6歳馬である。

 

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新馬戦<8/3・4>ウーマンズハート、カーフライタークほか

読了までの目安時間:約 3分

 

暑いぞバカヤローなんてほざいていると、我々に沢山を夢を与え続けてくれたディープインパクトの死が伝えられ、さすがに冷静さを取り戻した競馬ファン。

思い出は沢山あっていいのだが、多すぎるとまた記憶の補正をし直さないといけないとなって、ひと汗かくことになった。

そこまで含めて、名馬物語なのであろう。

ただ、土曜の新馬にディープ絡みはなし。それでも3レースとも直線で後続を突き放す馬が登場した。

札幌と小倉は1200戦。

オッズの付き方が怪しかった札幌はGアリュールの牝馬・ヒルノマリブが4馬身差、小倉はエピファネイアの良血馬・カーフライタークが6馬身差で、それぞれ圧勝。

まあ、ベストの舞台ではないとは思うが、なかなかに楽しみな素材である。

それらを上回ったのが、新潟マイルの牝馬限定戦。

1番人気が自身の事情もあって見せ場なしも、代わって台頭のハーツクライ産駒・ウーマンズハートには、彼の日のジャスタウェイを思い起こさせる決定力があった。

ラッキーナインやティーハーフの近親で、将来の展望は実に明るい。

日曜は中距離新馬が各場で組まれるも、1番人気3頭は小倉の1勝のみ。

その1800戦は、完全に立ち遅れだった人気のスティッフェリオの半弟・シリアスフールが豪快に勝ち上がり。実にミステリアスな存在の育ちそう。

札幌1800と新潟1600はそれぞれ逃げ切り。

北はローズキングダムの牝馬・アールクインダム、新潟のショコラブリアンもダイワメジャーの牝馬。

馬格やレーススタイルの差で、完成手前のディープを完封した格好。

いい勉強になったとしたいところだが、このディープはちょっと皆非力だった印象もある。

ただし、札幌のファストアプローチの下だけは、単に、仕上がり度合いの問題という可能性もあり、ここは評価保留が無難か。

小倉の牝馬の1200戦はエピファネイアのヒバリ、新潟1400もキングズベストのトロワマルスが、各々ゴール前差し切ったが、前者は母父キンカメ、後者もSクリスエスだから、母系も良くてほとんど同じタイプ。短距離の高速決着は苦手そうだ。

全8鞍中、牝馬は6勝。そういう季節である。

 

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レース回顧

小倉記念 レース回顧

読了までの目安時間:約 2分

 

好発を決めたストロングタイタンがペースを握ったわけだが、やけに上がりが掛かって、序盤に飛ばしてしまっては最後はバタバタになってしまうという意識が強すぎたのが、調子そのものは戻りつつあったはずだが、差し馬の台頭を許す展開しか作れなかった。

同時に、目下充実一途の4歳馬・メールドグラースの敵がもっと上のクラスにいるということを誇示するような豪快な差し切りも、誠に際立ったパフォーマンス。

57.5など今や、高い格のレースでないと背負わされない上に、実質、ローカル格のGⅢしか勝っていないのに、盛りに盛られた斤量もものかわ、まだ軽かったじゃないかという走りは、もはや感嘆の漏れるレベルであった。

ここにいる馬ではないことを証明した以上、新潟記念に行く意味はもうあまりない。

父が本格化をしつつあったのは、ダービー参戦後に骨折し、今のこの時期に休養していた頃だった。

代表産駒のキセキは、そんな性質をしっかりと証明するように、夏の新潟で圧倒的な走りを見せて、その後の飛躍へと繋げた。

いずれにせよ、3歳春まではダラしないとこのある馬。

メールドグラースはそんなキセキを追いかけるように、昨年のこの時期の小倉で、2000Mで1:59.5という旧500万戦ではまずまずのタイムを叩き出し、一気に本格化して見せた。

それから1年で、1分57秒台の高速決着に遭遇しそうなレースを選択しながら、今回もまた時計は平凡。

秋の東京に向け、この辺りの課題をどうクリアしていくかが、最大の障壁となりそうだ。

レパードSでも感じたことなのだが、この暑さもある。

カデナやノーブルマーズといった2歳Sの好走馬が再び好走するのは結構なことだが、しかし、それだけ路線の層が押し並べて薄くなっている気がする。

こればかりは、仕方のないことではあるが…。

 

レース回顧

レパードS レース回顧

読了までの目安時間:約 4分

 

先週も田辺騎手がテン乗りでの重賞勝ちだった。

先週は千直の専門家に騎乗。馬任せのレースで完勝だった。

今週のレパードSは、休み明けで混戦模様のダート重賞。

おまけに白毛。何より今回は人気薄の休み明け。

初勝利がシラユキヒメの系統に関わらず、2戦続けて使われた芝の1800Mだった。

それも新潟。

異例尽くしのハヤヤッコを最後にアシストしたのは、大型馬がちょっと多い一族の割に460kg台の馬体の影響か、妙に貧弱な面のあるキャラではないこともあり、前述の芝の経験も含め、これが9戦目という、有意義な敗戦も多かったことが、乱戦と言うに相応しい厳しい流れへの対応力に繋がった面はあるだろう。

田辺騎手が絶好調なのは、福島の競馬が始まる頃から…、というパターンが定着化しているので、それは別に不思議なことではないが、この展開は異様そのもの。

出来絶好と見えたデルマルーヴルや勝負所で勝ち馬との進路の差があまりにも残酷に影響したヴァイトブリックが、序盤は敢えて下げたくらいの位置取りからも、十分に感じ取れた。

半数近い馬が先行ポジションを奪い合い、その中にはスピード自慢のサトノギャロスもいた。

60秒ほどの展開は、道悪だとしてもコーナー4つで、ましてやその作りが他場よりタイトな新潟では、相当タフな展開を生み出す主要因となる。

うまく内を捌けたデルマルーヴルもほぼ完璧の抜け出しだったが、きっと、展開的には、普段ならあまり出番のない外からの追撃組、今回ならばそれはハヤヤッコであり、4着ブルベアイリーデなど、不利がなければだった6着ヴァイトブリック等が、勝ち運を競うゴールシーンになっていたのだろう。

イン強襲で味な競馬を完遂した3着トイガーも際どかったが、前走の大井での脚がそうであったように、本当はすんなり外に持ち出せたら、もっといい脚を使えるタイプのように思う。

ヘニーヒューズで大型の追い込み型といえば、連続3着でここも勝ちきれず、シリウスSで大駆けしたケイアイレオーネにも似ているが、キャラがなんだかまだ定まっていない。

時計の掛かるタフな中距離重賞に向く差し馬に育てるには、勝機をモノにする必要があるわけだが、人馬とも、まだそういう巡り合わせで幸運を引き当てるまでには至っていない。

きっとそれが、ジャパンダートダービーだったのかもしれない。

歯痒い日々がまた続くか。

芝デビューからの転身で成功したダートのトップホースは枚挙に暇がないが、オープン未勝利馬で中10週以上経て参戦の伏兵がレパードS勝つのは史上初。

まだ10回しか歴史がなく、データを取り直す必要性が生じたクラス分け制度の改革の副産物が、アイドル系の血統馬の勝利という形で出たのだとすれば、良馬場で驚異の1:49.5を叩き出した初代覇者・トランセンドのような馬は、もうここからは現れないということなのか。

ハヤヤッコには罪はないが、3勝馬が多数いながら、伏兵の2勝馬が2頭絡んだあたり、理想の抜け出しを安全策をとって外からの進出を選択したヴァイトブリックの4角の不利の影響は、あまりにも大きかった気もする。

これもまた、ローカルならではの展開なのだろう。

 

レース回顧

新馬戦(7/27.28)スマイルカナ、レザネフォール、カイルアコナ他

読了までの目安時間:約 3分

 

すっかり夏になってしまった開催替わり初日。

そのせいか、困惑の展開が案外多かった。

その中で人気馬が力を発揮したのは、小倉の一般の混合戦だった1200M。

キンシャサノキセキの小柄な女馬・カイルアコナが4馬身差快勝だった。例年通りの高速馬場なので、9秒台の決着は死角にもなるが、2、3着馬もそれなりに強い馬だと思う。

直前の九州産馬限定の方は、かなりタフな先行争いを直線で振りほどいだテイエムヤマカゼが強いように思うのだが、1分10秒台なので、相手が軽すぎたか。グラスワンダーの408kgの騸馬。

新潟マイルは、良血馬同士も人気に格差のあった2頭の争い。ハナ差凌いでスマイルカナが制した。

エイシンヒカリの配合にフォーティナイナーの血が加わり、もっと厄介な性質を秘めている可能性がある。追い詰めたのは、あのジェンティルドンナの従姉弟。

札幌1500は人気の藤沢厩舎の(外)が距離不適のような負け方で、インをうまく捌いたロードカナロア・エイリアスが制するも、この組み合わせはハイレベルには思えない。

日曜の札幌新馬は2レースとも、武豊、ルメール、三浦皇成の高度な技巧は目立ち、他を圧倒。

芝の方は、ユタカペースが遅すぎて、インのルメールにもチャンスありだったが、人気の三浦&レザネフォールが力でねじ伏せた。キンカメ×ラナンキュラス。もしかすると洋芝巧者か。

ダートは武、ルメ、三浦の人気と年齢の順通りに決まったが、武いじめをしながらルメの潔い2着は見応えがあった。

母父ティズナウ同士の決着も、結局、アンクルモー産駒の牝馬・セランのランクが違った。

小倉は…。この日も1200だったが、流れた割に時計は平凡。

勝ったのはルーラーシップの仔・カリニート。今年も2歳Sは別のデビュー組かもしれない。

新潟の1800は好レース。

61秒を切る展開で前にいた2頭の粘り合いを、うまく内から抜け出たDブリランテ牝駒のドナキアーロが制した。

上がりが目立たないからこそ、2着以下の実力も証明された格好だ。要注目。

1400勝ちのマツリダゴッホ産駒・シコウは、母系がかなり重厚な欧州型。1:23.0なので耐え切れたか。

 

レース回顧

クイーンS レース回顧~勝ちに行ったミッキーチャーム

読了までの目安時間:約 2分

 

エイシンティンクルのスタートの不発にも驚いたが、ミッキーチャームがなかなか春に体重が戻らなかった分をしっかりと取り戻しつつ、伏兵陣の先行にぴたりと折り合わせての抜け出しには、もっと驚いた。

振り返ると、中山牝馬Sはかなりの不調にあったことを伺わせる怪しい内容の競馬に終始した本命級とは、とても同じとは思えない。

これが普通の状態のミッキーチャームであり、勝ちに行ったから伏兵に迫られたというだけであり、直線入り口で、ほぼ全員ギブアップであった。

ディープインパクトの産駒であり、父に似て大きくはない馬体。

しかし、母系にダンシリやネアルコの分流・ダンテの直系であるドミニオンが入った、タフな芝をいかにも好みそうな欧州配合。

牝祖インフラレッドから分岐し、一方はメイショウトウコンやダイナコスモス、シャドウゲイトを出したと思えば、ミランミルを経るとミルリーフやフジキセキなど、種牡馬としての価値を高めることで、牝系の質の高さを証明してみせた名馬もいる。

恵まれた配合には思えないが、この牝系の持つ底力が、どちらかというとこのような平坦の1800、2000に向く適性を導いたのだろう。

一見速いように見せて、1:47.0の勝ちタイム。

昨年やその前がもっと速い決着だったので、馬場状態からもその辺りを推定タイムに設定したファンや関係者も多かっただろうが、前述のエイシンの自滅もあり…。

秋華賞も平凡なタイム。

そもそも、昨年の藻岩山特別より時計半分遅いのだ。

競馬は上手になったが、より北海道への適性が出てきたのだろう。

いずれにせよ、高速の上がりは使えない。

上手に距離をこなして、まずはエリザベス女王杯を無難に走っていきたいところだ。

 

レース回顧

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