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シルクロードS 2020【回顧】大外強襲もOKなトラックバイアスが生んだ豪快決着

読了までの目安時間:約 3分

 

想像されていたような差し競馬になり、残り200を切ってからは、完全に外を見た方が待ち望んだ答えがよく見える展開となった。

前走で驚きの決め手を発揮した上り馬の4歳馬エイティーンガールとナランフレグは、申し合わせたような直線一気で、きっちりと力を示した。

 

決して大外強襲も無理ではないトラックバイアスの状態だから、豪快さではかつてのティーハーフとも双璧に思えるナランフレグと丸田騎手は、いい競馬だったろう。

 

それより枠も内で、真ん中に進路をとったエイティーンガールも、オープンクラスでほとんど初めてという競馬であるから、四位騎手の決め打ちも見事にハマったという感じ。

 

この2頭の今後は、道悪とか荒れ馬場とかそういう場面だけの好走機会とはならないはずだ。

 

荒れ馬場で期待のベテランは、ことごとく惨敗である。

若い馬だけに、未来は明るい。

 

しかし、同期のアウィルアウェイはかつてのクラシック候補。

役者が違った上に、展開もピタリ。

若い時にデムーロ騎手が仕込んだ決め手を、ようやく発揮できるようになった。

 

ヨハネスブルグにゴールドアリュールというのがライバルとなった面々の父。

でも、こちらはかつてワールドクラスのワンダーホースになったジャスタウェイが父という血統背景が武器。

母系も高齢まで渋といリアルインパクトの一族だ。

 

川田騎手がなかなかGⅠで勝てずに、暮れになってから軌道に再度乗ってきたようで、今週で騎乗は一旦休止となるマーフィー騎手に代わって、来週にはリーディングになる状況。

 

4歳牝馬で55をこなしたから、実績では少し逆転されたディアンドルより、有意義な秋を経ることで、この結果に繋げられたという幸運も、しっかりと活かしていきたい。

 

モズスーパーフレアは見た目はタレているが、外が伸びる馬場だから、良の1分9秒台の決着で惨敗ではなかったのは素晴らしい。

藤沢勢の当面のライバルは、やはり彼女であろう。

 

レース回顧

根岸S 2020【回顧 】左回りで短距離であればと満を持していたか?モズアスコットが制す

読了までの目安時間:約 5分

 

無理にドリームキラリが先手を奪ったわけではない。

 

35.0-47.7で、1:22.7での決着。

 

コパノキッキングが直線での勝負に余力がなかったわけではない。

 

むしろ、余裕があるくらいだから、少し行きたがったのだろう。

 

それを考えると、時計の速い1400M戦で、コパノキッキングが得意とする良馬場のダート競馬における根幹重賞。

 

GⅠ馬でもあり、斤量の利点も全くないモズアスコットが豪快に差し切ったわけだ。

 

この距離における、そして、東京での力比べでは、総じて直線の残りの決め手のことなど考えなくてもいいダートの短距離型には死角の多い条件だった点も踏まえたところで、昨年のコパノキッキングよりも脚勢は上だったモズアスコットは、称賛されるべきだろう。

 

途轍もない才能の持ち主である。

 

知っている範囲の事と予測される才能発揮の可能性を合わせて判断していった結果、短距離であれば、しっかりとダートをこなせる素地があったモズアスコットは、苦しみ抜いた安田記念制覇後の過程を考えたら、実に胸がすくような内容の結果であった。

 

右回りでは未だにストライドをマックスに伸ばそうとする際にロスがあるから、マイルCSなど2年続けて用なしの結果。

 

それが左回りで、元来スピード自慢でならした条件戦時代のモズアスコットまで振り返ると、冴えわたる名伯楽の頭脳であれば、いとも簡単にこの結果まで見抜いたような、満を持しての根岸S参戦であったのだろう。

 

父は言わずと知れた欧州血統の完成形たる超個体・フランケル。

 

すでに父としても、日本で実績を残している。

 

フランケルには全くダート向きの可能性はないが、モズアスコット自身、大いに欧州型の可能性を秘める序盤の加速にムラがある中で、直線は渋とく加速できる重厚な走り方をするタイプなのだが、距離延長でも問題なかった父のような傑出した能力までは備わっていなかった。

 

そこで母系に目をやると、筆者も途中まで考え抜いて連下にしたのだが、高速アケダクトのマイルで1分33秒台の乗り切りGⅠを制したことのあるトゥオナーアンドサーヴというバーナルディーニ産駒の従兄弟がいるという強力なバックボーンがあるのだ。

 

彼も10Fまでギリギリこなしたプリークネス快勝馬である父とは違い、9Fに限界のラインがあったタイプ。

 

強引に左回り適性で1600のGⅠまで届いたモズアスコットは、安田記念を快時計で乗り切ったのだから、苦手に思われる右回りのスワンSで2年連続2着、それも特殊な差し切られ方で負けていると考えたら、この結果は予測できたことになる。

 

マーベラスクラウンを送り込んだミスワキと、左回りの砂巧者としてならしたサンライズバッカスを代表産駒とするヘネシーが母系に入ったモズアスコットは、どういう進路を選ぼうとも、この条件に可能性を求める流れにあったのかもしれない。

 

そういう馬ほど、距離延長がデリケートだったりするわけだが、良馬場で1分22秒台のタイム。

 

タフなモズアスコットと速いコパノキッキングが、フェブラリーSの有力馬になったことは事実である。

 

ミッキーワイルドだけ凡走だったが、格負けというより、冬には3歳時の芝の勝ち鞍しかない馬で、パッと見ても体調が素晴らしいとは映らなかったから、仕方ないか。

 

レース回顧

新馬勝ちイマジナリーラインの血統 ~ 母ウォートルベリーの仔が芝の新馬を勝つのは8頭目にして初

読了までの目安時間:約 3分

 

2020/1/25 土曜 中山芝2000M

勝ったのはスクリーンヒーロー産駒のイマジナリーライン。

最近、めっきり活躍馬が減った社台ファーム産、社台レースホースのクラブ馬。

母はフランスで吉田照哉氏が買い付けて、後の繁殖牝馬要員としてエリザベス女王杯にも出走・顔見世を行ったウォートルベリー。

トニービンやファルブラヴの二番、三番煎じのような馬で、そういうタイプの実績で言えば、あのノーザンテーストだって大して走らなかった馬だが、繁殖における貢献は素晴らしいものがあったから、そのラインで狙い撃ちした馬とも思われた。

ウォートルベリーは確かに、競走馬としての素養よりは、母方にRの頭文字が並ぶラインでも想像できる、正しい血統の組み合わせが代重ねされている血統的魅力に加え、母系に入って役に立つヌレイエフ、ブラッシンググルーム、リファール、フェアウェイ系といった中長距離の底力勝負でも実績のある系統も入っていたから、初代でどうこうとは考えていなかったように思われる。

かくして、その直仔からフジキセキの産駒ではユニコーンS快勝のストローハット、ダイワメジャーの女馬では最近オープンに上がったダート専門のマルカソレイユなど、パワーが有り余った産駒ばかりが登場したのだった。

しかし、どういうわけだかよりパワー優先に思えるスクリーンヒーローから、イマジナリーラインという思惑に合致したような芝の先行型が生まれたのである。

2分8秒の時計では能力は何とも言えないが、サンデーサイレンス×ノーザンテーストという血統背景をフル活用したグラスワンダーの代表産駒であるスクリーンヒーローは、こういう配合からも活躍馬を送り出せる可能性をこうやって示したのである。

一流馬になれるかどうかわからないイマジナリーラインだが、血の組み合わせにニックスという概念が存在するように、ファミリーに特徴のある血統が持ち味の繁殖牝馬に、何かしらのツボがあるような気がする。

わかりやすい血統馬をウォートルベリーは求めていたのだろうか。

産駒が芝の新馬を勝つのは、8頭目にして彼が初めてである。

 

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レース回顧

東海S(2020)回顧 – エアアルマス、異次元の道悪適性を生かす

読了までの目安時間:約 3分

 

インティ行かないし、スマハマはまた行ったし…。

それでも、みやこSのような破壊的ハイペースではなく、インティはきっと、道悪が良くないのかもしれないが、行く気が今一つだったことを利して、武豊騎手は中団からのじんわり押し上げ作戦に出て3着。

来たるフェブラリーSに向けて、好材料が加わった印象。外枠はこれもあり。

一方で、エアアルマスの道悪適性は異次元のものがある。

良馬場でもしっかりと2勝しているが、筆者が太秦と認識しながらタイピングではムロマチと打っていた誤記の件をすっかり忘れさせるような、いつでも先行できますというダート馬らしい好位抜け出しを、太秦Sの時以上にスマートにやってのけたのだから、素晴らしい。

抑えたのはGⅠ馬にして京都の鬼であるインティと、猛烈な競馬を経験して7歳にして完成期に入ったみやこSの優勝馬・ヴェンジェンスである。

インティの再浮上が取り沙汰される状況において、左回りでは未だ懐疑的な揉まれることを誰よりも嫌う天才・エアアルマスの展望もまた、大いに開けた一戦となった。

スマハマは順調に使えないだけでない、何か足らないことを感じさせる完敗で、4角で終了というのは残念だったが、それ以外はみんな実力を見せた。

エアアルマスのセクレタリアトクロスのパンチの効き具合が、重要前哨戦でスマートさに繋がったという時点で、期待感は増幅する。

川田騎手との兼ね合いも考えた乗り替わりと思われる松山騎手のアシストも素晴らしいが、今回は素直に、自力で適鞍を見つけ出したエアアルマスの豊かな可能性について、皆でよく考える材料としてこのレースを挙げておきたい。

タフな逃げで強いインティと、無茶苦茶なレースをしなくなりかけているエアアルマス。

ゴールドアリュールでもキングカメハメハでもない彼らの魅力は、異質とされるフェブラリーSでこそ輝きを放つことだろう。

ちゃんと走ってくれるとばいいのだが。

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当ブログの予想
◎→△→〇で3連単8,950円的中

 

レース回顧

AJCC(2020)回顧 – 完成期のレイデオロを中山の道悪で抑え込んだ実績そのままのブラストワンピース

読了までの目安時間:約 4分

 

自分から動いたわけではないが、スティッフェリオが普通のペースを作ったことで、伏兵の押し上げが発生。

結果的に、それが内枠をうまく活用できなかったラストドラフトやミッキースワローのじんわり進出グループのマイネスフロスト故障問題により、進路を奪われたということはないが、仕掛けたいタイミングでの影響が番手グループの外枠組・ステイフーリッシュとブラストワンピースには味方になり、内枠2頭には厳しい追い上げの流れの主要因となってしまった。

自慢の決め手…、というほどスパッとキレが出せるタイプはそもそも、この季節の中山の重賞には登場しない。

それを最大限活かしたと言えるのがブラストワンピースになるわけだが、どことなく、道悪適性なども要求されたことが敗因になった印象の3、4着争いに対し、内ラチ沿いで競った5歳の2頭は、不利をやんわり受けたGⅠ馬と流れ重視で勝負手を打ったルメールの好判断も合わさったGⅡ馬という面で、逆転の余地はあったのだが、いざ坂上からの底力の出し合いになったら、完成期のレイデオロを中山の道悪で抑え込んだ実績そのままに、ブラストワンピースの強さが際立つゴールシーンへと展開。

そこにブラストワンピースがいるのでは…、ルメール騎手の妙案はナイスファイト止まりの称賛に止まってしまった。

仕方ない。ステイフーリッシュは京都新聞杯激走以降、これといった実績を積み上げられていないのだから。

同じ時期にデビューした2頭だが、2戦目からGⅠを使ったステイフーリッシュには、ステイゴールドらしい渋とさは備わっても、自慢の成長力は発揮できずじまいの競走生活になりかけている。

スティッフェリオはゆっくり実績を積み重ねていった実績はあるが、彼は今後どうなっていくのだろうか。

焦点はブラストワンピースの今後。

当然、12F路線への復帰を目指すことになるこのハービンジャー産駒は、ニシノデイジーとは破壊力の違いを見せつけ、サンデー系の馬にはない渋さを武器に、あの屈辱のロンシャンの経験をどう結果に落とし込むかという作業を積み重ねる努力がどれほどできるかは、再度の躍進のカギを握ることになる。

筆者はもう少し短い距離の方が合う気もするが、もう5歳で、メガトン級の大型馬。

国内の中距離GⅠには適鞍はない以上、タフさも少々足らないタイプだけに、狙いをワンシーズンに一つに絞るしかない。

ただ、道悪で弾ける雰囲気がありありと見られたようなこの日のブラスト80%は、本当の意味での再成長は望めないのかもしれない。

少しだけパワーがついて、今回ばかりは策を練りすぎたことと不可抗力の不利が影響した中で3着と健闘を見せたラストドラフトは、レースの序盤は道悪も影響しての後手後手感はあったが、最後は決め手のあるミッキースワローを差している。

ブラストワンピースの父がハービンジャーで、彼のキングジョージレコードを更新したのが彼の父ノヴェリスト。

ヨーロピアンが幅を利かせる数少ない札幌記念的GⅡに倣うなら、国内の適鞍を求めるくらいなら、どんどん外へ出ろということだろうか。

サンデーサイレンス系の影響力だけ借りたような重賞で煮え切らない連中よりも、彼らの方がよっぽど期待が持てる。

ただ、年齢的な面で、脚部に問題がなければ、次を望めるのはラストドラフトの方だろう。

大事な時にまた主戦がいなくなったスペシャルウィークが独走したのは21年前のAJCC。

それと似たような構図の結果でありながら、妙にこの日のブラストワンピースには、運が味方した印象を受ける。

 

レース回顧

2着馬に大差のシェダル – ライバルとの差を徹底分析 / 新馬回顧<1/18・19>

読了までの目安時間:約 3分

 

1月18日 1回中山6日目 ダ1800M

 

単純比較はすべきではないと前置きした上で、暮れの同条件におけるハイパフォーマンスをちょっとだけ凌駕した感じのシェダルについて、ここでは触れざるを得ないだろう。

こちらはクロフネ肌のゴールドアリュールの大型馬で、高速決着に向いていそうな雰囲気はぷんぷんしていたし、直線の追いっぷりなんかは、カフェファラオのライアン・ムーアを彷彿とさせるものがあったマーフィー騎手の叱咤も効いたのだろう。

とはいえ、2着馬に2秒差だから、ちょうど10馬身差の1.6秒差だったカフェファラオよりも、インパクトは大。

しかし、ここからが肝心で、カフェファラオに木っ端微塵にされた2、3着馬は、次戦であっさり勝ち上がっている。

バーナードループという勝ち馬と人気では拮抗していた期待馬も、2戦目の中山ではしっかりと時計を縮めて7馬身差の勝利。

良馬場での結果が重要であったりするダート戦線。

大変な天候の中とはいえ、普段よりはわりかし走りやすいという条件で、カフェファラオより0.1秒総合タイムで上回っても、上がりで1秒以上差がついているということは、同日京都の未勝利戦で馬場同質・61.4-51.7→1:53.7で逃げ切ったクリノイコライザーだって、カフェファラオより1秒速く走っているのだから侮れない存在と言えるわけで、どこまで自分を高めることができるかが肝要だろう。

半姉は秋華賞でも人気を集めたパッシングスルー

血統のイメージは全く違うが、一族には長く活躍したミスター大賞典・ヒットザターゲットもいるタフなタミーズターン系。

姉は芝の重で走りづらそうだったが、弟はダートの渋馬場は得意そう。

とは言いつつ、翌日の未勝利戦でも中山でぶっちぎり馬が登場しているから、ライバルは多い。

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日曜の芝で勝ち上がった人気の2頭は、距離適性は血統のイメージ通りだったものの、馬格のイメージとレース内容が正反対。

高馬のアドマイヤより、大きすぎない東のキンシャサノキセキの方に肩入れしたい。

まあ、どっちもディープ関係者なのだが、後者・ルフトシュトルームは父超えられそうなスケール感を秘める。

堀先生のお手並み拝見。

 

レース回顧

京成杯 2020 回顧 – 道悪歓迎キズナ×タイキシャトルの伏兵・クリスタルブラックが強襲

読了までの目安時間:約 4分

 

内にモタれながらの追い込みで、前を一気に飲み込む。

キズナ産駒で新馬を勝ったばかりの馬。

父エピファネイアで新馬を勝って一息入れて、断然の支持を集めた牝馬の優勝は、あと一歩のところまで迫っていたが、いくらか軽い馬場の方が合うスカイグルーヴは、道悪歓迎にも思われたキズナ×タイキシャトルの伏兵・クリスタルブラックの強襲を凌ぎ切れなかった。

恐らく、上がりが掛かりすぎたがために生じた逆転劇。

過激なパフォーマンスで世の注目を集めた直後のヒシアマゾンが敗れたのも、同名で中身はジュニアCと似たマイル重賞時代の京成杯だった。

牝馬が来ないのは、夏の終わりに行われる京成杯AH以外の中山マイルの重賞と似たような現象。

時計が掛かるのがあまり前ではなくなった昨今、予報も芳しくなかった週末に向け、1勝馬なら自己条件を選択するという手段も講じられたはず。

しかし、ある意味で人気のスカイグルーヴとそれを差し切ったクリスタルブラックは、不安材料があってもそれを無視して、見事に新馬からの連チャンを決めたわけだ。

牝馬のスカイグルーヴには賞金加算の恩恵と共に、番手からの抜け出しという最大にして唯一のテーマが、滞りなく消化された意義は大きい。

勝つに越したことはないが、みんなが思っている以上にタフな競馬になる、キングカメハメハでさえ完敗の京成杯で連対したのである。

新馬戦に引き続き、豪快に差してきたクリスタルブラックの経験値が、中山でのパフォーマンスであったということ以上に、スカイグルーヴには自身の中にある道悪は決して歓迎ではない上に、そもそもタフな中山での2戦目の競馬という大いなる死角は、きっとそれほどの問題ではなかったように思う。

そもそも、上がりがみんなの使えるレベルの数字になる条件で、他の馬と合わせて走る経験を、それは勝ち馬も同じだが、重賞で初めてすることになれば、前に行く馬でも後ろからの馬でも関係なく、それは苦しい戦いになる。

もっと経験を積んだ馬が多かった中で、最内・大外に配された2頭の1戦1勝馬のワンツー。

思われているよりも、ずっと彼らのスケールは大きかったのだ。

伏兵の快走ではあったが、サンデー以外のヘイロー系が母父、母母父ロベルト系のクリスエスで、明らかにこういう時期の中距離戦に合わせてきたような配合のクリスタルブラックの未来は明るい。

直線で唯一、例年より渋っていることで差しが決まる状況でも、追い込みが決まったと言えるのは彼だけである。

謎の二桁体重減のゼノヴァース以外、2分2秒台という馬場相応の底力勝負で、期待された組は好走している。

中山というタイプではなさそうなディアスティマ、ビターエンダーらに2馬身半つけたスカイグルーヴは、やはり只者ではない。

きっと、彼らよりもっとタフなコンディションでは苦戦すると思われた馬である。

荒れ馬場は苦手で時計が速くなりすぎるのも特段好むことはないパロクサイド系の良血馬にとって、早い段階での稍重克服は強気になれる要素。

祖母アドマイヤグルーヴは、道悪経験なしに本番を迎えたので、クラシック後に活躍。

その前の代は反対に、エアグルーヴが2度の稍重での勝利、ダイナカールは桜花賞で不良馬場を経験後、各々オークスで勝利している。

ルーラーシップが3戦目で稍重勝ち。一方、スカイグルーヴの叔父ドゥラメンテは、最後のレースが初の稍重の宝塚記念。

苦手なものを早くから経験すれば、その後の活躍期間は長くなるのがこの系統の特性である。

 

レース回顧

愛知杯 2020 回顧 – 驚きのイン強襲、デンコウアンジュ&善臣マジック

読了までの目安時間:約 3分

 

今年はイン強襲。驚きのデンコウアンジュ&善臣マジックであった。

開幕週とはいえ、かなりタフな馬場コンディション。

7歳の熟女・デンコウアンジュ様の前半がどうにもなかなか流れに乗れないという作戦があってのものも含めた直線勝負型としてのスタンスを確立している状況で、小回りで上がりが掛かるなんて好条件は、牝馬限定戦という狭い括りではまず生涯に何度かしか出会えない。

良馬場以外の戦績は【0105】だったが、2着はあの波乱だったヴィクトリアマイルでの追い込みの結果であり、重馬場のローズS4着の記録もあった。

柴田善臣騎手と最初のコンビがハイペースでうまくインをついたターコイズSでの3着。

次があの福島牝馬Sの直線ぶち抜きであった。

何度とないチャンスで、際どく似たような乱戦向きに育ったドリームジャーニー産駒のアルメリアブルームとの争いになった時点で、クラシックを使ってきた馬や、どちらかというと中央場所の方が適鞍の多い人気勢に、いかに望み薄の展開だったがよくわかる。

筆者はそれなりに自信を持って推したアルメリアブルームであったが、その後ろにいたのがデンコウアンジュ。

武豊騎手がゴール板のところで内を見やった時に、ああ善臣さんか…、という感じの嘆きが聞こえてきそうな後ろ姿が画面で捉えられた時に、想像を超えた難解重賞らしいローカルの面白みが凝縮されたレースだったと、皆が感じ取った。

ようやく好走したという感じのレイホーロマンスやいつも仲良しのパッシングスルーがいなくて寂しそう?に見えたフェアリーポルカなど、いかにも道悪巧者が集ったゴールシーン。

中距離重賞でノーザンダンサー系やそのクロス持ちが上位独占なんて、00有馬記念の時代ならあり得たのだろうが、その時の勝ち馬と同じ父を持つメイショウサムソンの産駒が今回勝ったのだから、馬場読みを間違えたらもうどうにも立ち行かなかったのは仕方のないところだろう。

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当ブログの予想
馬連◎△で12,500円的中
3連単◎▲△で91,350円的中
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レース回顧

リヴァージュとアルテフィーチェの血統解説&新馬回顧(2020/1/12)

読了までの目安時間:約 3分

 

1/12 メイクデビュー中山 芝2000M戦

逃げ切ったリヴァージュ<父ノヴェリスト>は、伯母ダイワスカーレットとそっくりな体型の先行タイプと出たようだが、パドックで怪しさ満点の伯父ダイワメジャー的気配を醸し出す辺り、大変な大物であったりもするだろう。

奇しくも、同じ週にスカーレットの娘であるダイワクンナナが重賞初挑戦となったことを考えると、とてもいいターゲットになったわけだが、65秒に迫ろうというスローの先行から、しっかりと4秒以上速いラップで、尚且つ、どんなに遅く流れても34秒台前半以上の上がりが使えないのに、追い込みはほぼ望み薄の流れを考えても、後続に3馬身半の着差をつけたのはスケール感の違いそのものを示した結果であろう。

1/12 メイクデビュー京都 芝2000M戦

こちらも馬場がタフで、そもそも時計を要するこの時期の京都の芝というのが定番化した状況で、時計勝負にならないことが判っていた上に、状況的に絶対数が減っていたディープ直仔が未出走の組み合わせ。

そういうレースでハーツクライ産駒が、小柄な牝馬とはいえ、フォーリー騎手の叱咤に応えるようなタイプが勝ち上がったのは興味深い。

その勝ったアルテフィーチェは、母父がフランスの名馬リテラトということでカラムーンの4×5を持っている。

グレイソヴリン系内でもゼダーンのラインのクロスを持つことは珍しく、強い効果が出ても不思議ではない。リテラトは3歳時までほぼ無傷で、完成度の高いビワハヤヒデみたいな馬。

その母父も同じ系統のカロの孫であるキャルドゥン。

母母父はドリームウェルで、日本でも成長力を示したのが有馬記念でダイワスカーレット圧勝の展開で死んだふりの2着が決まったアドマイヤモナークくらいで、実は早熟系のステイヤータイプ。

人気の父ハーツクライで共通のミッキーウィンが直線で幼さを出していたのとは対照的。

まるで成長曲線が異なるようだ。

勝ち上がった両者に共通するのは、決め手比べに主流のサンデーサイレンス-ディープインパクトに立ち向かった似て非なるサンデー系の系譜が、今の息づいていること。

アグネスタキオンもハーツクライも大舞台において、その輝きを放った。

ナスルーラは偉大だ。

 

レース回顧

フェアリーS 2020 回顧【ラップが証明】勝つごとに強くなっているスマイルカナ

読了までの目安時間:約 3分

 

あまりハイペースを刻んだわけではないが、小柄で機動性に富んだ馬体のスマイルカナがポンと出て、正しい人気グループの逃げ馬としては理想の展開に持ち込んだことで、案外器用なシャインガーネットも好位付けで少し脚を使わされたのか、思ったように瞬発力を使えず、アヌラーダプラは持ち前のスピードを凝縮させて爆発させる戦法がハマらずに、共に坂の辺りでギブアップ。

スマイルカナに真っ向挑ん組ではなく、ハーツクライ産駒のチェーンオブラブや穴人気で休み明けだったポレンティアらが続いた結果からも、スマイルカナの独壇場であった。

期待された良血のダイワクンナナも、決して不器用にスマイルカナを追い上げていったわけではないが、何だが420kgの馬体に秘める極限の我慢強さのようなものが、中型以上の馬格で勝負できるはずの人気勢などより、ずっと勝ち馬の方が上だったということだろう。

スマイルカナは新潟マイルの新馬を逃げ切った際が、47.7-47.6というラップ。

前走の中山のひいらぎ賞も、48.3-46.5で極端に上がりが速かったわけではないが、今回は、

47.0-47.0

で1:34.0だから、ひとつ勝つごとに強くなっている。

母エーシンクールディが、中央で5勝してオープンになったのに、その後東海公営の女傑と化した戦歴に目が行く変わり種だったから、それとディープの交配でどういう馬が生まれるのかと思ったら、誰にも似ていない芝で逃げる小柄なステークスウイナーになったくれた。

実に面白い才能の登場である。

中山マイルは牝馬にとってはイレギュラーな舞台設定。

人気になった外国人騎手の2頭にも、次のチャンスはあるだろうけど、彼女たちの武器であるスピードを勝ち馬に誇られるような立つ瀬のない負け方では、立て直しの方が重要か。

いずれにせよ、この組は距離延長で結果を求めたいタイプではない。

 

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