阪神ジュベナイルフィリーズ2018 予想
朝日杯FSと重複登録していたタニノミッションだったが、日ごろの行いが良かったのか、新馬戦を勝ち上がった3頭が、仲良く残りの3枠に収まり、最優秀2歳牝馬候補で朝日杯に回るグランアレグリア以外は、概ね全ての有力馬が登場する好カードとなった。
◎ダノンファンタジー
○タニノミッション
▲シェーングランツ
注ビーチサンバ
△ウインゼノビア、グレイシア、クロノジェネシス、ベルスール
有力候補が豊富な時ほど、とても堅く収まるか、案外、盛り上がった割に凡戦に終わるかの、どちらかになるもの。
今年に関しては、昨年以上にディープの好成績馬が多く、その重賞馬が3頭登場し、出てくるべき馬はしっかりと出てきた。
一見すると、安心できる要素が多いようにも思うのだが。
シェーングランツは札幌でのモタモタ感から一変、流れに乗れないのは仕方ないにしても、直線に入ってからの強烈なキレ味は、上がりが33.8秒で走破タイム1:33.7であった。
いくら良血でも時計がなかったのに、という一変ではない。
5F通過が先頭のライデンシャフトが58.7秒で、勝ち馬のダノンファンタジーは、そこから8馬身ほど置かれたところでしっかり押っ付けられていての59.9秒である。
姉のソウルスターリングも同じ東京のアイビーSでペルシアンナイトを相手にしなかったが、これと大差ない決め手を発揮しつつ、姉は札幌でも34.2秒の決め手で同じ札幌1800M戦を勝ち上がっている。
明らかに、中央場所向きの決め手があるディープ産駒なのだろう。
タニノミッションは、これまで名競走馬名繁殖牝馬に非ずを体現してきた顕彰馬・ウオッカの娘としては、実に異例の、新馬戦快勝のインパクトを残した。
馬込みを捌いての東京マイルの勝ち上がりは、若き日のウオッカが完成期の5歳春の安田記念でようやくできるようになった芸当であり、それでいて上がり一番の33.4秒だから、世代屈指の才能の持ち主。
これも時計は平凡だったが、むしろ、快速血統になるダンチヒ直系のインヴィンシブルスピリット産駒であるから、本番でその才能を遺憾なく発揮してくれればいいわけで、その準備は十分できているはず。
今回は浜中騎手。大した補強材料ではないが、レッツゴードンキでテン乗りながら、きっちり2着に持ってきた実績がある。
レーヌミノルの失態を取り返したい。
さて、本命は当然という感じでダノンファンタジーにした。
ここ2戦は相手が楽というより、新馬戦の過酷な内容に対して、あまりにもイージーな競馬であったことが勝因の一つと思えた。
その東京の新馬戦。
自身の走破タイムは1:33.9であり、記録上は勝ったグランアレグリアが<2-2>なのに対し、彼女は<4-4>と位置取りの差があったようで、発走の枠が同順で14番と4番。
出たなりにということでは、ダノンは素晴らしいスタートから前に壁を作り、いつでも人気のグランに追いつけられるポジションを取ったのだが、4角の手応えが、揉まれていなかった部分もあったのか、グランが圧倒的。
その後追っても追っても伸びきられて、0.3秒差つけられてしまった。
これが桜花賞だと勝負ありとなるが、新馬戦開始当時の東京のマイル戦である。
当時の川田騎手と今の川田騎手とでは、少しランクは違うにしても、彼の判断は100点満点のものがあった。
直線では相手の手応えに対し、追って味があるというストライドの伸びに見え、少頭数で連勝のここ2戦とは、内容も断然新馬戦の方が上と見る。
その辺りを考え、1400の競馬に慣れさせなかった川田騎手のファンタジーSの騎乗内容もパーフェクト。
クリスチャン・デムーロ騎手も、こうやって馬を作ってもらえると、非常に乗りやすいはずだ。
母系に入ったリファールとのクロスがあるというだけで、取り立てて共通項があるわけではないが、マイルベースで肝心のマイルより長い距離で強かったジェンティルドンナと、どことなく似た面がある気もしないではない。
新馬が不良馬場と高速決着のマイルの違いこそあれど、その過酷さは同レベル。また、3戦目で重賞楽勝も同じ。
下げたところから始まり、重賞では正攻法なのも似ていて、剛腕系の騎手との相性もなかなか良さそう。
ウオッカも顕彰馬なら、ジェンティルも同じ。
ライバルに変に恵まれすぎていることは、ちょっと辛いかもしれないが、ダノンファンタジーが一番安定した結果を残しそうな雰囲気が既にある。
ここを勝って、もっと高みを望みたいところだ。