エリザベス女王杯 予想

阪神ジュベナイルフィリーズを予想!

元は、ビクトリアCという秋華賞と同じ位置づけのレースだったものが、エリザベス女王の来日や、古牝馬の目標となる競走の創設に関連して、今の11月京都の2200Mに固定されたのは、1996年です。
この年はNHKマイルCも創設された重要な年。
地方との交流も実質解禁された時期と重なり、その流れから、クラシック競走の外国産馬、外国調教馬への解放のゴールへと向かっていったわけですから、単なるマイナーチェンジとは意味が違います。
よって、強い牝馬が勝つという歴史が、初期の段階から定着したため、勝ち馬のレベルは極めて高いのが特徴でもあります。

エリザベス女王杯 歴代の優勝馬

年度1着馬馬齢
斤量
騎手
人気
前走
父名
 2着馬馬齢
斤量
騎手
人気
前走
父名
 3着馬
馬齢
斤量
騎手
人気
前走
父名
2010年
スノーフェアリー
354R.ムーア
4セントレジャー④
インティカブ
メイショウベルーガ
556池添謙一
2京都大賞典①
フレンチデピュティ
アパパネ
354蛯名正義
1秋華賞①
キングカメハメハ
2011年
スノーフェアリー
456R.ムーア
1ブリティッシュチャンピオンS③
インティカブ
アヴェンチュラ
354岩田康誠
2秋華賞<1>
ジャングルポケット
アパパネ
456蛯名正義
4府中牝馬S<14>
キングカメハメハ
「2012年」
レインボーダリア
556柴田善臣
7府中牝馬S④
ブライアンズタイム
ヴィルシーナ
354内田博幸
1秋華賞②
ディープインパクト
ピクシープリンセス
456M.デムーロ
51000万①
ディープインパクト
「2013年」
メイショウマンボ
354武幸四郎
2秋華賞①
スズカマンボ
ラキシス
354川田将雅
61000万①
ディープインパクト
アロマティコ
456三浦皇成
5府中牝馬S⑦
キングカメハメハ
2014年
ラキシス
456川田将雅
3オールカマー②
ディープインパクト
ヌーヴォレコルト
354岩田康誠
1秋華賞②
ハーツクライ
ディアデラマドレ
456藤岡康太
6府中牝馬S①
キングカメハメハ
<2015年>
マリアライト
456蛯名正義
6オールカマー⑤
ディープインパクト
ヌーヴォレコルト
456岩田康誠
1オールカマー②
ハーツクライ
タッチングスピーチ
354C.ルメール
4秋華賞⑥
ディープインパクト
2016年
クイーンズリング
456M.デムーロ
3府中牝馬S①
マンハッタンカフェ
シングウィズジョイ
456C.ルメール
12府中牝馬S⑦
マンハッタンカフェ
ミッキークイーン
456浜中俊
2ヴィクトリアマイル②
ディープインパクト
2017年
モズカッチャン
354M.デムーロ
5秋華賞「3」
ハービンジャー
クロコスミア
456和田竜二
9府中牝馬S<1>
ステイゴールド
ミッキークイーン
556浜中俊
3宝塚記念<3>
ディープインパクト
2018年
リスグラシュー
456J.モレイラ
3府中牝馬S②
ハーツクライ
クロコスミア
556岩田康誠
9府中牝馬S⑤
ステイゴールド
モズカッチャン
456M.デムーロ
1札幌記念<3>
ハービンジャー
2019年
ラッキーライラック
456C.スミヨン
3府中牝馬S<3>
オルフェーヴル
クロコスミア
656藤岡佑介
7府中牝馬S<5>
ステイゴールド
ラヴズオンリーユー
354M.デムーロ
1優駿牝馬①
ディープインパクト
2020年ラッキーライラック
4
56C.ルメール
1
札幌記念③
オルフェーヴル
サラキア
5
56
北村友一5府中牝馬S「1」ディープインパクト
ラヴズオンリーユー
4
56
M.デムーロ
3
府中牝馬S「5」
ディープインパクト
2021年アカイイト
4
56幸英明
10府中牝馬S⑦
キズナ
ステラリア
3
54
松山弘平
7
秋華賞⑥
キズナ
クラヴェル
4
56
横山典弘
9新潟記念③
エピファネイア
2022年ジェラルディーナ456C.デムーロ4
オールカマー①モーリスウインマリリン556D.レーン5札幌記念③スクリーンヒーロー2位同着ライラック354M.デムーロ12秋華賞⑩・阪神オルフェーヴル
2023年ブレイディヴェーグ354C.ルメール1関西TVローズS②ロードカナロアルージュエヴァイユ456松山弘平5アイルランド府中牝馬②ジャスタウェイハーパー354川田将雅3秋華賞③ハーツクライ
2024年スタニングローズ556C.デムーロ3クイーンS⑥キングカメハメハラヴェル456川田 将雅12オクトーバーS⑥キタサンブラックホールネス456坂井 瑠星2新潟牝馬S①Lope de Vega

主な勝ち馬

メジロドーベル 1998年~1999年連覇

-その他勝ち鞍-
阪神3歳牝馬S<現ジュベナイルフィリーズ> 1996年
優駿牝馬、秋華賞 1997年

アドマイヤグルーヴ 2003年~2004年連覇

※その他G1勝ち鞍なし

スノーフェアリー 2010年~2011年連覇
※英国調教馬
-その他勝ち鞍-
オークス2勝<英・愛>、香港C 2010年
アイリッシュチャンピオンS 2012年

エリザベス女王杯の特徴

その気になれば、逃げ切りも殿一気も決めることが可能なフェアなレースではありますが、牝馬には距離が長いので、力のある馬に有利である一方、
ガッツのある伏兵の登場を待つ以外に、速いペースを望むのは酷というのが当然の、スロー頻発レース。
連覇も多いレースですが、逃げ粘りの連続好走もそれと同じくらいの頻度で起きています。

エリザベス女王杯 過去10年のデータベース

 1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1番人気2回2回2回4回20%40%60%
前走府中牝馬SでG1連対馬3回2回1回10回30%50%60%
前走府中牝馬Sでその他前走連対0回3回1回6回0%30%40%
前走府中牝馬Sでその他3着以下1回1回0回22回10%20%20%
前走秋華賞で前々走重賞・トライアル連対0回1回2回9回0%10%30%
前走秋華賞でその他1~3着1回0回0回5回10%10%10%
前走秋華賞でその他4着以下0回2回0回7回0%20%20%
前走オールカマーで連対馬2回1回0回4回20%30%30%
前走オールカマーで3着以下1回0回0回9回10%10%10%
前走札幌記念でG1勝ち馬1回0回1回1回10%10%20%
前走札幌記念でその他の馬0回1回0回0回0%10%10%
前走宝塚記念でクラシックウィナー0回0回1回0回0%0%10%
前走宝塚記念でその他0回0回0回2回0%0%0%
前走ヴィクトリアマイルでクラシックウィナー0回0回1回0回0%0%1%
前走ヴィクトリアマイルでその他0回0回0回0回---
前走ローズステークス1回0回0回0回10%10%10%
前走新潟記念0回0回1回3回0%0%10%
前走その他の京都0回0回0回25回0%0%0%

1番人気1勝は、裏から見た方が得策です。

勝率1割で、馬券内であることを示す複勝圏に入る確率が7割というのは、とりようによっては、1番人気を頭から狙わず、着順を固定して狙う以外は、点数を押さえて、
馬連や3連複をオッズに合わせて、強弱をつけよという掲示とするのがいいのでしょうが、本命党には頭の痛い傾向でもあります。
この前の10年と合わせて、20年で人気に応えたのは、古い順に、ファインモーション、ダイワスカーレット、4歳時のスノーフェアリー…。
これに1位入線の3歳時のカワカミプリンセスだけですから、分かりますよねということになるでしょう。
ヒシアマゾンもエアグルーヴも、あのブエナビスタも負けたレースです。

デムーロ騎手や岩田騎手に見られる傾向は、古馬解放直後からもずっとあって、武豊騎手が勝ち始めたら4連覇ということもありました。
たかだが四半世紀で、連覇もあれだけあって、そして牝馬のGⅠ。
春のヴィクトリアマイルと同じく、スペシャリストのためのレースであるという認識を持つべきでしょう。

エリザベス女王杯の攻略ポイント

距離適性以外で関門突破を可能とする要素は、勢いくらいしかないというのが正直なところです。
牝馬にとっては過酷な条件なので、オークス好走実績がある馬、2200Mが得意な馬、それ以外だと適性の判然としないGⅠ初挑戦の新興勢力などでしょうか。
いずれにせよ、人気馬ほど2000Mを超える距離での確かな実績が重要で、変に1800Mで強い馬が路線の構成上かなりいるので、
あまり牝馬限定戦で強い馬ばかり押さえるのは無益でしょう。

エリザベス女王杯2024の予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り

エリザベス女王杯2024の予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切りの予想と出走予定馬の最終追い切り評価を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!

歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。

レース名第49回エリザベス女王杯(G1)
グレード重賞(G1)
日程2024年11月10日(日)
発走時間15時40分
開催場所東京競馬場
距離芝2,200m
コース右回り
賞金1億3000万円
レコードタイム2:09.7

エリザベス女王杯2024予想-予想オッズ/出馬表(馬柱)/出走予定馬の馬体診断/想定騎手/最終追い切り評価(枠順確定)

エリザベス女王杯2024の予想オッズと登録馬

枠順馬番出走予定馬騎手性齢斤量予想オッズ人気1週前追い切り最終追い切り
11ホールネスC.ルメール牝456.05.9 2栗東・坂路・稍重(西塚洸)
800m 53.2-37.9-24.2-12.2(馬なり)
栗東・芝・稍重(坂井瑠)
5F 73.4-56.5-40.6-12.0(馬なり)
12ライラック石川 裕紀人牝556.050.314美浦・ウッド・重(石川裕)
6F 83.8-67.0-52.6-37.7-11.6(G前仕掛け)
美浦・ウッド・稍重(石川裕)
5F 68.3-53.1-38.5-11.6(馬なり)
23ルージュリナージュ池添 謙一牝556.026.6 13美浦・ウッド・重(助手)
6F 86.6-69.7-54.0-38.3-12.0(馬なり)
美浦・ウッド・稍重(助手)
5F 67.1-51.5-36.7-11.5(馬なり)
24コンクシェル岩田 望来牝456.024.011栗東・CW・不良(助手)
6F 79.3-64.0-50.0-36.2-11.7(馬なり)
栗東・CW・良(吉村誠)
6F 83.6-68.9-54.0-38.8-11.9(馬なり)
35モリアーナ岩田康誠牝456.020.58美浦・ウッド・稍重(助手)
5F 68.5-52.1-36.7-11.4(馬なり)
美浦・ウッド・稍重(助手)
5F 67.7-51.8-36.3-11.2(馬なり)
36ピースオブザライフ団野 大成 牝456.058.915栗東・CW・不良(団野大)
7F 96.5-65.7-51.8-37.8-12.3(強め)
栗東・CW・良(団野大)
6F 81.1-65.2-51.2-36.7-11.7(馬なり)
47レガレイラC.ルメール牝354.02.71美浦・ウッド・重(助手)
7F 97.5-67.3-52.5-37.9-11.7(馬なり)
美浦・ウッド・稍重(助手)
6F 82.2-66.5-51.8-37.3-11.0(馬なり)
48シンリョクカ木幡 初也牝456.010.84美浦・ウッド・重(調教師)
6F 81.8-64.9-50.0-36.4-12.4(馬なり)
美浦・ウッド・稍重(調教師)
5F 68.8-52.3-37.3-11.6(馬なり)
59キミノナハマリア鮫島 克駿牝456.025.912栗東・CW・不良(助手)
5F 74.5-57.5-40.4-12.1(馬なり)
栗東・CW・良(鮫島駿)
6F 86.2-69.3-54.2-38.7-11.6(馬なり)
510エリカヴィータ藤岡 佑介牝556.080.416-美浦・ウッド・稍重(助手)
5F 67.5-52.4-37.5-11.3(馬なり)
611スタニングローズC.デムーロ牝556.08.53栗東・坂路・不良(助手)
800m 53.7-38.9-24.5-11.6(馬なり)
栗東・坂路・良(C.デムーロ)
800m 53.7-38.5-24.8-12.2(馬なり)
612シンティレーションT.マーカンド牝556.017.37美浦・ウッド・稍重(助手)
5F 66.9-51.9-37.5-11.6(馬なり)
美浦・ウッド・稍重(助手)
6F 84.6-68.7-54.3-39.0-11.7(馬なり)
713サリエラR.ムーア牝556.016.7 6美浦・ウッド・稍重(助手)
5F 66.5-50.6-36.4-11.8(G前仕掛け)
美浦・坂路・稍重(助手)
800m 51.8-37.3-24.8-12.6(強め)
714ハーパー武豊牝456.023.610栗東・CW・重(岩田望)
6F 82.6-66.7-51.4-36.5-11.1(強め)
栗東・坂路・良(助手)
800m 52.5-38.2-25.2-12.7(馬なり)
815ゴールドエクリプス田口 貫太 牝556.094.017栗東・CW・不良(田口貫)
6F 82.1-67.3-52.6-37.2-11.1(直強め)
栗東・CW・良(田口貫)
7F 95.8-65.0-50.1-36.1-11.5(馬なり)
816ラヴェル川田 将雅牝456.015.05栗東・CW・重(助手)
5F 67.5-51.4-36.5-11.7(一杯)
栗東・CW・良(助手)
4F 52.4-36.7-11.7(稍一杯)
817コスタボニータ松山弘平牝556.022.09栗東・CW・重(長岡禎)
6F 85.2-68.7-53.2-37.1-11.3(末強め)
栗東・坂路・良(川又賢)
800m 56.6-41.0-25.5-12.1(馬なり)
脚質1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
逃げ馬2回3回0回15回10.0%25.0%25.0%
先行馬4回10回4回62回5.0%17.5%22.5%
差し馬14回6回12回109回9.9%14.2%22.7%
追い込み馬0回2回3回95回0.0%2.0%5.0%
枠順1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1枠3回2回2回30回8.1%13.5%18.9%
2枠2回3回3回31回5.1%12.8%20.5%
3枠2回3回3回31回5.1%12.8%20.5%
4枠2回1回3回34回5.0%7.5%15.0%
5枠1回3回1回35回2.5%10.0%12.5%
6枠3回2回3回31回7.7%12.8%20.5%
7枠0回5回2回45回0.0%9.6%13.5%
8枠7回2回2回44回12.7%16.4%20.0%
種牡馬1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
ディープインパクト7回3回2回28回17.5%25.0%30.0%
キズナ6回6回2回15回20.7%41.4%48.3%
オルフェーヴル4回2回1回16回17.4%26.1%30.4%
エピファネイア3回2回2回13回15.0%25.0%35.0%
ハーツクライ3回1回6回28回7.9%10.5%26.3%
ゴールドシップ3回1回1回15回15.0%20.0%25.0%
ハービンジャー2回5回3回28回5.3%18.4%26.3%
ドゥラメンテ2回2回1回14回10.5%21.1%26.3%
サトノダイヤモンド2回0回1回7回20.0%20.0%30.0%
ドリームジャーニー2回0回1回4回28.6%28.6%42.9%

エリザベス女王杯2024 - 過去10年のデータ傾向

馬も騎手もリピーターになりやすい特殊なレース

1番人気で最近来たのが、クリストフの1着2発、ミルコの連続年3着、ヌーヴォレコルトと岩田のヤス・2着2度の3パターンのみ。

昨年のルメール騎手が勝ち切ったのは、前回1番人気が上位に絡んできた最後の例であるラッキーライラック連覇達成の阪神開催年以来だから、近年、これしか勝っていないとすれば、当然、また人気になるだろうが、ヴィブロスとは手が合わなかった。

モレイラと福永としかG1を勝てなかった特殊な脚質の馬だから、心配無用の万能になりかけていた彼には、少し気難しく感じたのかもしれない。

馬のタイプで分類すると、オークス上位人気の好走馬や秋華賞でも連続好走といった、近年トレンドの中距離で本領発揮の牝馬が順当に来ている印象。

それが崩れるとしたら、下手に10FG1で結果を出していたレイパパレ<一応、これもクリストフの1番人気>やそれこそ同じ鞍上で掛かってお仕舞いだったヴィブロスなど、マイルベースだけど、マイルだと速くないので立ち行かないというタイプが、オークスに出ていなかったというドボンタイプに要注意。

いわば、桜花賞惨敗からはG1・3タテだった武幸四郎・メイショウマンボのような形が理想という風に、極めて相似形のこのレース1位入線で歴史的大勝となっていたはずのカワカミプリンセスのような、桜花賞をそもそも狙うようなタイプではないことが基本的狙い目。

今年なら、レガレイラはいい線いっているけど、どうなんだという戦績で、ナミュール、スターズオンアースを一気に阪神・秋華賞で倒したスタニングローズを買っても、本来はいいが、これもどうなのだろうか…、という組み合わせだと、まず認識が必要か。

実力で買うなら、ここから狙う手が真正面からの作戦では正解に近い。

叩き足りなかったようなタイプの3戦目一変があった秋華賞組が、久々にいないことの影響を考察

モズカッチャンが典型で、これがここまでで最後となる秋華賞組の勝ち馬。

つまりは、その後古馬ばかりが勝っていて、今年のレガレイラのように、ローズSで敗れても騎手人気で最上位支持の秋華賞回避組が、昨年成功の勝ちパターンを示しているから、今年はG1勝ち馬であるから、人気がかなり集中するが、調教の内容もしっかりと加味するファンがデータを見ていくと、嫌な感じの雰囲気に包まれる可能性がある。

言っても、昨年はオークス2着で本流直進のハーパーが、意図した秋華賞ぶっつけでリバティアイランドだけでなくマスクトディーヴァにも敗れ、マスクトディーヴァに負けていたというか、不利で届かなかったブレイディヴェーグにここで完敗。

ただ、そうした下地があったからこそ、逆転が叶ったというストーリー展開もできて、血統構成上、不安要素ばかりの恒常的体調不安のディフェンディングチャンピオンは、このまま、最終戦が府中牝馬S1着というキャリアで終わっても不思議はない。

だから、秋華賞だとか、3歳でも他のレースを使っていても、比較材料がないとどうにも評価ができない。

大昔のエリザベス女王杯では、古馬や同期牡馬と当たって、見事に粉砕されてきたり、ハンディキャップ戦を勝ってきたという馬が、本流クラシック組に伍して、堂々の上がり目で逆転成功のパターンが多かったが、今は、こなせる馬が増えた上に、古馬の2200戦でもある。

3歳馬でもオークス出走、こうそうであると、モズカッチャンタイプは強いが、脚にくせのあるハンデがあったウインマリリンは、このレースに慣れるのに3年かかった。

トライアル勝ちでも色々いるわけだが、短期間で両方好走は近年まず見当たらない。

本格派有利で力差のある組み合わせだった今年の場合、ウインマリリンのように人気で走っていなかったタイプの逆襲掲示板奪取に倣うなら、レガレイラを買うことに戸惑いはないが、オークス上位入線のクイーンズウォークに完敗では、評価も割れるところだ。

オールカマーで買いたいのは、むしろ、前に行って負けた馬

ラキシスとヌーヴォレコルトなどが代表格で、デアリングタクトが状態一歩でイン強襲が唯一の勝機を見出せるバイアス傾向にあったオールカマーで勝ち切ったジェラルディーナが、外差しバイアスの雨馬場阪神で大外強襲は、極めて特殊で、滅多に見かけない連勝のパターン。

前年にオールカマーを勝っていたウインマリリンが2着<=今年も元気に登場する当時3歳のライラックと同着>というおまけまでついて、おそらく、しばらく見ることのない阪神・エリザベス女王杯は、変則開催らしい実に珍妙な締め方で、お祭り騒ぎの3年が終わった。

昨年もこの組に期待したが、その前年覇者が走れる状態に戻せず、同じローテでどちらも完敗。

宝塚記念から立て続けに2200戦を使ってきたマリアライトも、似たような顛末だったことを考えると、オークスの限定戦とは違い、ほとんど春の天皇賞と同じくらいにスタミナが問われる宝塚記念は、本質的には牝馬には厳しく、そこで通用の馬がエアグルーヴでも敗れ、メジロドーベルに大逆転を食らったわけで、そうした新生女王杯の時代の歴史を踏まえると、本流でもいいが、そこで負けていたことにあまり囚われる必要はないし、勝ち負けの方が不安とできる。

無論、秋に3つ使われて、結局、ここを勝ち切ったスイープトウショウのような例もあるが、関西馬が3度目にここを使うなら、関東馬マリアライトと違う結果になって不思議はないということもある。

おかげで1年休むことになったが、翌年も3位入線で繰り上げながら2着だった。

連続完敗は前々走とその前も3000M級重賞という関東馬のサリエラさんは、昨年が6着。

一頓挫あった、新潟記念挑戦そのものへの疑義は、1年経って、ややスケールアップも体はそのまま小さいらしさ継続で、ルメさん以外の欧州出身剛腕系はさすがに合わない印象の可憐なままのメアに、日本の騎手を乗せるなら、かなり面白かったが…、ここはムーアと来た。

ひとまず、彼女にしては前にいて、リズムが合わずに中山トラップにハマった前走は特にノーカウントでいい。

古馬本流の府中牝馬Sは何位入線までセーフなのか問題

当然のことながら、不利でもない限りは、雨馬場のバイアスが本番で発生についてのみ、特段の救済条項は存在しないのが、女王決定戦の掟。

京都のそれも外回りで、スロー見え見えのメンバー構成がほとんどの場面で、展開云々は伏兵の言い訳にしかならない。

強ければ、誰でも差し来られる。

問題は、プレップでの成績の方。

括りはG1実績にフォーカスしているが、これはこの手の実績に乏しかったウインマリリンやマリアライトなど、古牡馬と同距離で前走戦っているなら、例外になるというものを顕在化させようとしたところで、ハーパーがやらかし、勝ち馬はとんずら…、というわけではないが、何か歪められたような結果からマスクトディーヴァ故障発症→電撃引退により、ずっとそわそわしたまま、その鞍上はゴール過ぎにひっくり返るなどもあり…。

まるで関係ないとは言えない、妙な因果関係まで探りたくなるような、JRA全般に共通する不穏な流れは、名手が断ち切ろうと躍起になっている状況で、その二番煎じか三番煎じかわからないが、5歳時のアパパネ以来となる、前走本流組惨敗の女王杯好走馬による逆襲に期待すべく、その主戦と同期に再び神になってもらうべく、その共通項を見つけてきた。

即ち、その他では滅多なことでは前走が重賞であっても、たとえG1であっても、このレースで下位からの逆襲は望み薄。

他のどんなにいいメンバーのレースであったところで、天皇賞から無理やりここを選んで3連覇を目論んだドゥラメンテの母アドマイヤグルーヴのブービー大敗後の3着があるぐらい。

好走しているから、ギリギリセーフ論理をノンタイトルホースに課せるものでもないが、休み明けローテが不発続きで、休み明けの他の馬や再調整組の逆襲が目立つここ数週、牝馬の特殊なレースは、そこが得意な馬から…、という適当な論理で、昨年出走の最先着馬にとって不利な条件が少ないとして、神風を吹かせるチーム・ドウデュースのパワーを勝手に拝借、身銭を増やそうと卑しくも志す小物ぶりを発揮する筆者なのである。

エリザベス女王杯2024- 出走予定馬の血統/成績/タイム

実績十分だからこそ、特段の友道旋風など吹いていないだろうが、ハーパーはその瞬間を誰よりも望んでいるのかもしれないと感じた前走

ハーパーの血統

母がまだ若い段階で誕生も、4番仔として生を受けたハーパーは、ヴァレーデラルナの半妹に当たるというバックボーンからも、紙一重でその性質が変化する、いかにも南米出身のファミリーという位置づけですんなり収まる。

ハーツクライなので、鈍重な血を集めない限り、まるまるこの血が母方に収まるドゥラメンテを父に持つ姉とは、正反対ではないにしても、ダート専門かどうかは、芝の中長距離部門で3勝の長兄ダノンセレスタを見ればわかるように、すんなりと血統のイメージ通りに育つ雰囲気がある。

厩舎の看板・ドウデュースとそのネクストジェネレーションにならねば競走馬として死ぬことのできないジャスティンミラノらに、遅ればせながら、この牝馬も続かないといけないが、その素地は、同父のドウデュースは示した成長力の一端に、ほぼ全てが詰まっている。

若い段階で繁殖に上がったセレスタは、近15年ほど、主にディープインパクトに配合する目的で連れてこられた、北米快速の血を引き継ぐ、欧州圏の古い芝血統と組み合わされて、独自進化の高速馬場仕様になった進化版のニューモデルで、どこにも属さないアルゼンチン産の一頭。

その父のジャンプスタートが、北米期待の早熟系快速型で、芝で連戦連勝のヨハネスブルグにBCジュベナイルで敗れて、途端に、エーピーインディ×ストームキャットでは居場所がないではないか…、という事情もあって、乞われて歓迎のアルゼンチンでやり手の種牡馬になった中から生まれた、父と同様の早熟系。

だから、ダノンセレスタは母が北半球馬齢の4歳時にもうハーツクライと交配されたことで、受胎に成功の一頭。

半年遅いという計算をされる南半球産馬としては、3歳のうちにシーズンを迎え、繁殖に上がったことになる。

最速のサイクルではなく、敢えて、そうした背景を踏まえて、5歳で凱旋門賞制覇、その後JC挑戦で引退という晩成型・トニービンの影響を強く受けるハーツクライを配されるのは当然。

春のクラシック二冠であったドゥラメンテをつけて、3歳のうちにJBCレディスクラシック制覇にも納得感がある。

重複する血は案外多く、多少クラシック仕様の構成になったハーパーは、どうにも大型化失敗の前走を踏まえ、多少は身体を絞って出てくるだろうから、途端に、ハーツクライらしい完成形の中長距離型として動き一変にも期待できる。

あれだけ休み明けはいつもすっとぼけていたドウデュースだって、再三の挑戦がハマった天皇賞だった。

同じように屈辱を重ねたハーツクライの最後の進化のように、負けてから強くなる、パターン化された成長のモデルを彼女にもここで再現してもらいたい。

いくら叩き台だったにしても、どう考えたって、走る気持ちに問題が生じていることが明らかであった前走、決め手を秘めるもう一つ先にある壁を突き破る何かを見つけ出すべく、馬乗りとしての誇りも兼ね備えたずっと勝ち続ける男・武豊を配しながら、初手でポンと出て、ついにエンジン全開になる事はなかったハーパー。

ズルズル後退だけならまだしも、直線後半ではすでに、馬自身が前進することをためらうほどに、まるで戦う姿勢が見られなかったことで、さすがのレジェンドも手を引くしかなかった。

今まで以上に、拗らせた感じもあった府中牝馬Sは、想定されたようなハイレベル戦であり、ブレイディヴェーグも見事で、シンティレーションの上り調子にも目を引くものがあり、それに正攻法で敗れたマスクトディーヴァは大きくは敗れたわけではないが、そこまで1年前は大差なかったはずのハーパーの身に何が起こっているのか、判然としないのは、きっと友道厩舎の中にも共通する疑問点として、皆が共有しているはずだが、スーパースターとして帰還を遂げることとなった有馬記念に、どうも原因がありそうなのだ。

厩舎というか、栗東トレセンの王者的存在である調教番長のドウデュースに、勝負所で被されたその瞬間、馬が少しいやそうな仕草を見せていた。

怖がったというべきか。

立て続けに休み明けの大阪杯も距離相応のオープンのペースにわずかに足らないところで、ローシャムパークが捲り。

そのパスした中に、気持ちよく外を回していてハーパーがいた。

岩田望来騎手は若手でナンバーワン評価に等しい乗り手であるから、この連戦で、卒なく馬の力を引き出すことに成功しているように見えたが、どうもこの辺りから、具合がおかしくなった印象。

単純に牝馬の池添に期待のヴィクトリアマイルではなく、危険な兆候が見られたのでどうにかしてほしいというような意図が感じられた采配は、案の定、前が速すぎる展開で中団待機の王道に近い競馬から、明らかに勝負所の手応えからして危ない感じで、ベテランもなすすべなくという感じでギブアップ。

前走については、このようなことを休み明けのファクターに再びのテン乗り、反撃の足掛かりとなる要素を見つけ出すための処方箋を名手に再び出してもらうための一手が、モノの見事に全外しという、軸馬の選定から間違えた痛恨の失策を繰り返す我々のような者たちと似たような不体裁にも近い惨敗。

説明するまでもなく、走る気が失せてしまっては、𠮟咤する意味もないから、百戦錬磨のベテランは一刻も早く、レースからも脱落の決断するものだ。

ブービー負けとなったモズゴールドバレルは、シュタルケ騎手が一発狙いで本番も展望した先行策に打って出て、力及ばずで失速の完敗もこれに5馬身の差遅れている。

誰もが故障を疑う中で、しれっとエリザベス女王杯にエントリー。

思えば、全てがハマらなかった苦闘の5冠牝馬・アパパネも、4歳シーズンの秋の初めに、府中でとんでもない負け方をしながら、距離も何なら京都外回りも合わない感じなのに、本番だけは頑張って3着に上がってきた。

これが自己最高の馬体重での結果で、今回のハーパーと、格ではまるで比べるレベルにないものの、ここだけは同等とできる前年3着馬の共通項。

武豊だから何でもできるわけではないが、ドウデュースがそうであるように、わずかな変化に適応し、馬自身の変わり身ということよりも、自身が準備していた様々なオプションに多様性を持たせた中で、最適解を誰よりも多く出してくることにかけては、数字を見るまでもなく、あの秋天を見ただけで全て理解可能な完全形の理想の1着を皆に提供したことでも、引き出しの数とその奥行きがまるで他の大勢の騎手とは違う。

衝撃度で春のダービーと同格で、その昔というほど前ではないが、もう20年ほど前の動画サイドのほとんど残り物みたいな古い映像には、中央の騎手になりたての岩田パパと一緒に、相変わらずの風情の四位現調教師が饒舌に語るというところで、そのダービーを自身の後に初めて勝ってから15年で3勝することになる横山典弘騎手とのやりとりを評し、二人の会話の中身は次元が違うとも語っている。

恐らく、そのことを今は川田騎手やルメール騎手が、時折、それにしても…、という感じで語り始めていることだろう。

2024年、競馬学校に入って40年余の時間を経て、未だ、恐ろしいまでの高度な技術を駆使し、本命党、穴党までもうならせる名手たちは、数字の面でも語られる超大物だが、やはり、現役感を失っていない凄みは、記録の面で超えた岡部氏のそれと同格以上になりつつある。

恐れ入ったと、40代の騎手が最敬礼で迎えられることはこれまでもあったが、岡部幸雄の存在意義を最も体現する愛弟子のような存在になっていったこの二人が、競馬界から忘れ去られることはもうないだろう。

そんな不世出である名手の年下の方が、また乗るという。

何もやることはないはずだが、結局、何かやってくるのが武豊である。

20年以上、週2日開催なのに200勝する時代を知る者たちからすると、これが皆の共通認識であろう。

よく考えると、北米や南関で休みなく乗る騎手ならば、単純に700勝の計算。

15年続けたら世界レコードである。

単純に、40年で100勝ペース堅持のレベルを超越するということの意味は、即ち、世界トップクラスの騎手であることの証。

因縁の北米長期騎乗で、大きな成果を得られなかった後の武豊も知る多くの競馬関係者は、その後の様々な出来事を経た今を、驚くと同時に、相変わらずだなと感心している。

府中牝馬では逃げようとは思っていないが、どうやればストレスをなくせるかという工夫をしていく過程で、スタートは天下一品のいつも安定オーダーだったが、ずっと減り続けた体を元に戻しただけという感じもあったのだろう<前走比プラス20kg>。

典型的な叩き良化型である一方、母系に単調になりがちなシアトルスルーやミスプロのスピード系種牡馬が入っている割に、何だか堅実だったことが嘘だったかのように、想像以上の不発を繰り返すお嬢に、さすがの大立者・友道康夫も手を焼く始末。

ただし、これが血統的な本質と仮定した時、破壊力満点の強烈な復元力で一気に元通りがあるのも、この危ない血を抱える馬たちが何度も見せてきたことを知る筆者とすると、疲れていない方がいいよね…、という屁理屈もこねられてしまうから始末に悪い。(笑)

何故、そこまで崩れなかったのかを考えた時に、リバティアイランドは超特急型の独自ダイヤ運行タイプで、突然目の前に現れるか、全然届かないところに最初からいるという感じなので、ルメール騎手がオークスで独走する彼女を最もよく見えると事で視野に捉えた時の感想を、ジャパンC優勝後に絶賛することをとっておいたように、彼女が後ろにいたから気を抜けなかったと語ったとように、正式にイクイノックスに挑める唯一に近い存在と認識した瞬間があった。

言わずもがな、そのオークスの2着馬はハーパーである。

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理想的ではないが、組み立てをオークスに合わせた、いわば、友道流でありまた、リバティアイランドと同じ戦い方で、結果は残せたというハーパーは、いつも関係のないところにいるリバティは自分とは違うものと認識していたのだろうが、彼女と一緒に戦ってないから、ずっと負けてきたという側面もある。

僚馬に理不尽なパワハラを受けてからおかしくなったのは、マイペースを続けられなかったからに間違いなく、牝馬ではこういうことはままあるが、マイペースは中距離型に適した平均ペースの中団前待機の正攻法が合うとするならば、スローはほぼ見えている状況で、レジェンドは打開策も見つけかけているというプラス要素も加わり、意外なほど、あっけなく復活の好走が見えている。

難しくなっていく馬のことを誰よりも深く理解する鞍上を手にした以上、ここでの結果に拘泥する愚策を講ずることはないまでも、下手に動きすぎるよりもマイナーチェンジを多少施して、やる気を引き出す方がいいというのもある。

早熟に思われたラッキーライラックもスミヨンの好騎乗で蘇り、連覇をしている。

母系は明らかに早仕上がりの典型タイプであるものの、一か八かではなく、この後にも繋がる騎乗の中で、強い馬に走られたら仕方ないというところで、結果が最高の形でついてきた武豊騎手が、再び西海岸の大レースに挑み、帰国の最初に戦うJRAG1でどんな姿を見せるのか。

ちょっと気が短くなった感じはあるが、掛かるわけではないこの馬を、下げるという一点突破でレジェンドの十八番にはめ込む、ドウデュースのパターンは想定できなくもないが、キレるわけではないと知るところで、最大のキレを引き出すには、枠順の利も重要。

我が庭である京都では、意外にもあの3元号制覇の菊花賞以来、G1は勝てていない。

キャリア終盤に、自分より先に京都競馬場のスタンドに限界が来たというのも、今では冗談にしたいところだが、だからこそ、国枝調教師は武豊でG1を勝ちたいからこそ、サリエラを京都に連れて行って、何とかしてもらおうとしたのだ。

友道師とて、本質では共通する○○頼りは見え見えでも、結果を残していた男には、未だにキレのある仕事が十分に可能なレベルの余力と有り余る経験がある。

前走重賞、それも最も重要なクラスのプレップで大差に近い惨敗を喫した馬に乗って、それも継続して騎乗することなど、全盛期ではありえなかったが、今はそれもいくらか融通が利く。

騎手の立て直す力と、想像以上の復元力を秘める速い血統の意外性に懸け、ドウデュースのような快走にも屈しないように、伏兵評価に甘んじた実績馬の買い目に、保険のワイドも加える。

複勝で十分な儲けがあったのに、まるでいい気分ではないのは、よもやの完敗となってしまった松山騎手だけではないはずだ。

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