ロベルトという馬は、先述のサンデーサイレンスとは同系。
馬の世界は男系優先なので、人間の親戚関係とは別物ですが、ロベルトの父とサンデーサイレンスの直系祖父はヘイルトゥリーズンで結びつきます。

ロベルト

1972年英国ダービーの優勝馬。翌年の4歳時にも、同じ競馬場で同じ距離、同じL.ピゴット騎手を背に、GⅠを勝利。現役引退後は、生地のアメリカに戻って種牡馬生活に入る。

素晴らしくタフなロベルトの血筋なのですが、一方で燃え尽きやすい性質があるのか、走りすぎるとそこで能力の継承に影響が出やすく、この馬とその産駒の戦績を辿るとよくわかります。

ロベルトの代表的な産駒

ブライアンズタイム

1985年生、サンデーサイレンスの一つ上。
その年下のスターや父ロベルトとも違い、クラシックレースの前後でGⅠを勝っているという何とも惜しい存在。ロベルト直仔では上のクラスの活躍馬で、90年から日本で種牡馬入り。』

サンデーサイレンス産駒のフジキセキが最初のGⅠでタイトルホルダーとなったように、ブライアンズタイム産駒の初GⅠ勝ちも、それと同じ朝日杯3歳Sでした。あのナリタブライアンです。


翌年はフルスロットルでクラシックシーズンを駆け抜け、わずか1敗のみで、クラシック三冠に全世代の一流馬が集う有馬記念まで制し、計四冠を達成。
ところが、翌年からは故障に泣き、6歳から種牡馬生活に入るも、2年ほどで病死してしまいました。

その他ロベルト系の名馬も同様で、一流馬が血を残す世界において、この欠陥は致命的。
そういった経緯もあり、ブライアンズタイム直系は衰退していったのですが…。

種牡馬としてのロベルト系

ただ、親戚のサンデーサイレンスの血を受けた国産のロベルト系は、ちょっと違います。


ヘイルトゥリーズン系そのものの特性が、
ダートでの好結果より、芝でどれだけ大物を送り込めるか
という固定された成功パターンがあるからこそ、安定しないロベルト系の生き残る道が、親戚からの援助だったとすると、この好転には合点がいきます。


まだ若い現役のロベルト系種牡馬は、今、ちょっと熱いんです。

モーリス(4代父がロベルト)
GⅠでは完敗だった/シルヴァーホーク<3代父・ロベルト直仔>
日本でGⅠ4勝/グラスワンダー<2代父>
ジャパンCだけGⅠ馬の走りをした/スクリーンヒーロー<父>
モーリス<種牡馬・2011年生まれ>

ロベルト系の中では超一流の系譜であるグラスワンダーを頂点としたこのラインの肝は、スクリーンヒーローの母の父がサンデーサイレンスという点。


安定して底力を発揮する魅力には乏しくとも、爆発的で完成期のタフさで他の追随を許さぬ底力は、グラスワンダーからモーリスへと継承され、日本と香港でGⅠ6勝の豪傑・モーリスのこどもたちは、初年度から大活躍中です。

エピファネイア<代表産駒:デアリングタクト>
ダートの二流馬/クリスエス<3代父・ロベルト直仔>
日本でGⅠ4勝/シンボリクリスエス<2代父>
GⅠ2勝がいずれも圧勝/エピファネイア<父>
史上2頭目の無敗の二冠牝馬/デアリングタクト<現役・牝3/2017年生まれ>

パワフルさが売りのロベルト系なので、牝馬が活躍するケースはレアですが、成功パターンを掴むと、デアリングタクト級は過去何度も登場しています。

ウオッカやスノーフェアリーがその代表格。


ただ、彼女が他の馬と違うのは、サンデーサイレンスの血が2本入っている点。

エピファネイアの母方<4代目>とデアリングタクトの母方<3代目>とがクロスし、一般的には、「サンデーサイレンスの4×3」を持つ配合と言われます。


道悪で他馬をねじ伏せた桜花賞と、誰よりも反応鋭く直線でキレ味を見せつけたオークスは、両系統のハイブリッドであることを示した傑作とも言えるパフォーマンでした。

モーリスとの配合でも、そのサンデーサイレンスを持つ牝馬との組み合わせには、かなりの妙味があり、すでに4×3配合は、アゲアゲの状態です。


ロベルト系を目撃したら、次にサンデーサイレンスのポジションを確認してみましょう。