オークス(優駿牝馬)予想

宝塚記念を予想!

本家イギリスのオークス同様、クラシック競走として牝馬戦では最も古い1938年のスタートである優駿牝馬は、無敗による変則三冠達成馬・クリフジが勝った第6回までが阪神で、
戦後の再開に合わせて、秋開催のまま東京の今の条件で固まり、1953年から春の今の時期の開催に落ち着きました。
よって、最初の阪神と東京でしか開催されていないレースで、一度たりとも開催条件に変更のない翌週のダービーと同じく、このレースを開催するために行われている東京競馬といって、過言はありません。
近年、特にここ10年での三冠牝馬の高頻度の誕生により、レース高速化と共に、ここで燃え尽きない挑戦者たちの最初のターニングポイントにもなっていて、3歳限定重賞の枠組みから逸脱するハイレベル戦へと昇華しています。

オークス 21世紀の三冠牝馬

開催年馬名成績
2003年スティルインラブ全て2番人気での勝利
2010年アパパネオークスは同着優勝
2012年 ジェンティルドンナオークスレコードで5馬身差圧勝
2018年 アーモンドアイ
後にGⅠ8勝馬となる
2020年 デアリングタクト現役の無敗三冠牝馬

オークス(優駿牝馬)の特徴

長いのは間違いないので、スローペースの年も多い一方で、昔ほどは強烈なスピード型が登場しない分、それなりの中距離適性がある先行型が登場して、締まったレースが多くなって、
極めて速い時計の決着が増えており、時にダービーよりも速い決着になる年もあるほどで、そうなると、もうダービー馬よりもこちらの勝者の方が以降で有利という構図が出来上がります。

オークス(優駿牝馬)歴代優勝馬

 1着馬
性齢
斤量
騎手
人気
前走
父名
2着馬
性齢
斤量
騎手
人気
前走
父名
3着馬
性齢
斤量
騎手
人気
前走
父名
2011年エリンコート
牝3
55
後藤浩輝
7忘れな草賞①
デュランダル
ピュアブリーゼ
牝3
55
柴田善臣
8フローラS「3」
モンズーン
ホエールキャプチャ
牝3
55
池添謙一
2桜花賞②
クロフネ
2012年ジェンティルドンナ
牝3
55
川田将雅3桜花賞①
ディープインパクト
ヴィルシーナ
牝3
55
内田博幸
2桜花賞②
ディープインパクト
アイスフォーリス
牝3
55
松岡正海
9フローラS②
ステイゴールド
2013年メイショウマンボ
牝3
55
武幸四郎
9桜花賞⑩
スズカマンボ
エバーブロッサム
牝3
55
戸崎圭太
5フローラS<2>
ディープインパクト
デニムアンドルビー
牝3
55
内田博幸
1フローラS<1>
ディープインパクト
2014年ヌーヴォレコルト
牝3
55
岩田康誠
2桜花賞③
ハーツクライ
ハープスター
牝3
55
川田将雅
1桜花賞①
ディープインパクト
バウンスシャッセ
牝3
55
北村宏司
3皐月賞⑪
ゼンノロブロイ
2015年ミッキークイーン
牝3
55
浜中俊
3忘れな草賞①
ディープインパクト
ルージュバック
牝3
55
戸崎圭太
1桜花賞⑨
マンハッタンカフェ
クルミナル
牝3
55
池添謙一
6桜花賞②
ディープインパクト
2016年シンハライト
牝3
55
池添謙一
1桜花賞②
ディープインパクト
チェッキーノ
牝3
55
戸崎圭太
3フローラS①
キングカメハメハ
ビッシュ
牝3
55
M.デムーロ
5フローラS⑤
ディープインパクト
2017年ソウルスターリング
牝3
55
C.ルメール
1桜花賞<3>
フランケル
モズカッチャン
牝3
55
和田竜二
6フローラS①
ハービンジャー
アドマイヤミヤビ
牝3
55
M.デムーロ
2桜花賞<12>
ハーツクライ
2018年アーモンドアイ
牝3
55
C.ルメール
1桜花賞①
ロードカナロア
リリーノーブル
牝3
55
川田将雅
4桜花賞③
ルーラーシップ
ラッキーライラック
牝3
55
石橋脩
2桜花賞②
オルフェーヴル
2019年ラヴズオンリーユー
牝3
55
M.デムーロ
1忘れな草賞①
ディープインパクト
カレンブーケドール
牝3
55
津村明秀
2スイートピーS①
ディープインパクト
クロノジェネシス
牝3
55
北村友一
2桜花賞③
バゴ
2020年デアリングタクト
牝3
55
松山弘平
1桜花賞「1」
エピファネイア
ウインマリリン
牝3
55
横山典弘
7フローラS①
スクリーンヒーロー
ウインマイティー
牝3
55
和田竜二
13忘れな草賞<1>
ゴールドシップ
2021年ユーバーレーベン牝355M.デムーロ1フローラS③ゴールドシップアカイトリノムスメ牝355C.ルメール2桜花賞④ディープインパクトハギノピリナ
牝355
藤懸貴志161勝クラス①キズナ
2022年スターズオンアース牝355C.ルメール
3桜花賞(G1)ドゥラメンテスタニングローズ牝355D.レーン10 フラワーC(G3)キングカメハメハナミュール牝355
横山武史4桜花賞(G1)ハービンジャー
2023年リバティアイランド牝355川田将雅1桜花賞①ドゥラメンテハーパー牝355C.ルメール2桜花賞④ハーツクライドゥーラ牝355斎藤新15桜花賞⑭ドゥラメンテ
2024年チェルヴィニア牝355C.ルメール2桜花賞(G1)ハービンジャーステレンボッシュ牝355戸崎圭太1桜花賞(G1)エピファネイアライトバック牝355坂井瑠星3桜花賞(G1)キズナ
2025年カムニャック牝355A.シュタルケ4サンスポ賞フローラS(GII)ブラックタイドアルマヴェローチェ牝355岩田望来2桜花賞(GI)ハービンジャータガノアビー牝355藤岡佑介10矢車賞(1勝クラス)アニマルキングダム

良は無印・○は着順/<稍>「重」【不良】

オークス(優駿牝馬)過去10年のデータベース

 1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1番人気5回2回1回2回50%70%80%
クイーンC勝ち馬0回1回3回3回0%14%57%
阪神JF勝ち馬1回0回1回2回25%25%50%
桜花賞1着3回1回0回4回38%50%50%
桜花賞2着1回1回3回3回13%25%63%
桜花賞3着2回1回1回5回22%33%44%
桜花賞4着0回0回0回6回0%0%0%
桜花賞5着0回0回0回7回0%0%0%
桜花賞6~10着11回1回0回21回4%9%9%
桜花賞11着以下0回0回1回20回0%0%5%
フローラS1着0回3回1回6回0%30%40%
フローラS2着0回2回0回6回0%25%25%
フローラS3着~5着0回1回1回14回0%6%13%
忘れな草賞1着3回0回1回6回30%30%40%
忘れな草賞2着~3着0回1回0回2回0%33%33%
スイートピーS0回1回0回16回0%6%6%
フラワーC0回1回1回30回0%3%6%
皐月賞0回0回1回0回0%0%100%
前走が上位以外のレース0回0回0回16回0%0%0%

三冠馬が出ているということは、人気のある馬が強いレースです。
理由もなく消えるわけがないので、桜花賞から登場の人気馬が圧倒的に強いのは当然のことでしょう。
それと同日開催の忘れな草賞は、2週後のフローラSより間隔が開く分、伏兵には有利。
あと気になるのが、桜花賞の真ん中あたりで入線の馬。
いつも来るわけではなく、馬券になったのが良馬場なのに大波乱だった2回に絡むオークスなので、これも古くからの傾向として、混戦の年は桜花賞の結果より人気などを重視したいところです。

シーザリオやスマイルトゥモロー、時に桜花賞の好走馬も出したフラワーCは常にハイレベルになるとされてきたものが、単なる中山重賞になりかけている傾向がこれ。
馬券になっているのがフローラSでも本番でも2着のエバーブロッサムと、皐月賞に出走後にこちらに回ってきたバウンスシャッセと、タフなローテでもめげなかった面々ばかり。
近年はフラワーCの時計が速くなっている影響もあるのでしょうが、ここでは長すぎるという感じでペースメーカーに終始する馬ばかりが目立ちます。

オークス(優駿牝馬)攻略のポイント

まず強いことが大切ですが、それ以外には、すでに1600と2000で勝ち鞍があるとか、その間の距離で全て好走実績がある、または、桜花賞の前に1800Mで強い勝ち方をしていたとか、
何となくでも、総合力の違いのようなものを見せていた馬が、先ず理由もなく崩れることはないというレースです。
ダービーも一時期、やたらと1番人気ばかり勝っていたことがありましたが、現在、それが5年連続優勝。
血統も実績も優秀な馬ばかりで、穴党はヒモ荒れに期待するしかありません。

オークス(優駿牝馬)2025の予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り

オークス(優駿牝馬)2025の予想と最終追い切りの予想を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!

歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。

レース名第86回オークス(優駿牝馬)(G1)
グレード重賞(G1)
日程2025年5月25日(日)
発走時間15時40分
開催場所東京競馬場
距離芝2,400m
コース左回り
賞金1億5000万円
レコードタイム2:20.6

オークス(優駿牝馬)2025予想-予想オッズ/出馬表(馬柱)/出走予定馬の馬体診断/想定騎手/最終追い切り評価(枠順確定)

オークス2025の予想オッズと登録馬

枠順馬番出走予定馬騎手性齢斤量予想オッズ人気1週前追い切り最終追い切り
11アルマヴェローチェ岩田望来牝3553.41栗東・CW・良(調教師)
7F 99.4-67.0-52.3-37.0-11.2(一杯)
栗東・坂路・良(助手)
800m 55.1-40.3-25.4-12.3(馬なり)
12レーヴドロペラ大野拓弥牝355383.418美浦・ウッド・良(助手)
6F 83.3-67.1-51.7-37.0-11.4(一杯)
美浦・ウッド・良(助手)
6F 82.6-66.2-51.4-36.7-11.5(強め)
23パラディレーヌ丹内祐次牝35513.85栗東・CW・良(助手)
6F 77.6-63.7-50.4-36.5-11.5(馬なり)
栗東・CW・良(助手)
3F 39.5-11.0(馬なり)
24アイサンサン北村宏司牝355315.017栗東・坂路・良(助手)
800m 50.9-36.8-23.9-12.1(強め)
栗東・坂路・良(助手)
800m 54.1-38.6-24.8-12.3(馬なり)
35リンクスティップM.デムーロ牝3555.93栗東・CW・良(M.デムーロ)
6F 83.1-67.2-52.7-37.4-11.1(馬なり)
栗東・坂路・良(助手)
800m 55.9-40.7-26.3-12.6(馬なり)
36ビップデイジー幸英明牝35528.99栗東・坂路・良(幸英明)
800m 52.4-37.8-24.7-12.6(強め)
栗東・坂路・良(助手)
800m 56.4-40.7-26.4-12.8(馬なり)
47レーゼドラマ坂井瑠星牝35526.67栗東・CW・良(坂井瑠)
6F 83.2-67.5-52.6-37.1-11.3(一杯)
栗東・坂路・良(助手)
800m 54.2-39.1-25.3-12.4(馬なり)
48サタデーサンライズ田辺裕信牝355261.916栗東・CW・良(助手)
7F 98.6-68.1-53.8-38.7-11.6(G前一杯追)
栗東・坂路・良(助手)
800m 54.4-39.7-26.0-12.5(馬なり)
59エンブロイダリーC.ルメール牝3553.42美浦・ウッド・良(助手)
6F 81.3-64.7-50.0-35.6-11.2(強め)
美浦・坂路・良(ルメール)
800m 52.2-38.0-24.4-12.1(馬なり)
510タイセイプランセス石橋脩牝35599.713美浦・ウッド・良(助手)
5F 67.4-53.0-38.8-11.9(馬なり)
美浦・ウッド・良(石橋脩)
5F 67.6-52.3-38.2-11.9(馬なり)
611ウィルサヴァイブ団野大成牝355108.214栗東・坂路・良(団野大)
800m 54.3-38.7-24.7-12.3(末一杯)
栗東・坂路・良(団野大)
800m 55.8-39.9-25.4-12.4(馬なり)
612ブラウンラチェットD.レーン牝35528.68美浦・ウッド・良(レーン)
6F 83.9-67.7-52.3-37.7-11.4(馬なり)
美浦・ウッド・良(嶋田純)
6F 83.1-67.6-52.2-37.9-11.8(馬なり)
713タガノアビー藤岡佑介牝35535.710-栗東・CW・良(助手)
6F 84.9-68.0-52.0-35.8-11.0(強め)
714サヴォンリンナ北村友一牝35540.711栗東・CW・良(北村友)
6F 82.8-67.0-51.9-36.8-11.0(直強め)
栗東・坂路・良(助手)
800m 58.5-42.4-27.0-12.6(馬なり)
715カムニャックA.シュタルケ牝35513.34栗東・CW・良(シュタルケ)
6F 82.4-66.7-51.6-36.3-11.2(馬なり)
栗東・坂路・良(助手)
800m 53.0-39.0-24.9-12.2(馬なり)
816ゴーソーファー津村明秀牝35578.812美浦・ウッド・良(津村明)
6F 84.5-68.0-52.6-37.9-11.8(G前仕掛け)
美浦・ウッド・良(津村明)
6F 83.8-67.9-53.1-38.3-11.5(馬なり)
817ケリフレッドアスクM.ディー牝355220.215-栗東・芝・重(ディー)
5F 67.1-52.4-38.7-12.4(末強め)
818エリカエクスプレス戸崎圭太 牝35517.16栗東・CW・良(助手)
6F 81.0-65.9-51.9-36.9-11.8(馬なり)
栗東・坂路・良(助手)
800m 55.7-40.2-25.6-12.4(馬なり)
脚質1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
逃げ馬0回1回0回20回0.0%4.8%4.8%
先行馬1回5回3回62回1.4%8.5%12.7%
差し馬16回11回15回128回9.4%15.9%24.7%
追い込み馬4回2回2回86回4.3%6.4%8.5%
枠順1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1枠2回4回3回31回5.0%15.0%22.5%
2枠5回1回1回31回13.2%15.8%18.4%
3枠1回2回2回34回2.6%7.7%12.8%
4枠1回3回3回33回2.5%10.0%17.5%
5枠4回3回3回30回10.0%17.5%25.0%
6枠1回1回2回36回2.5%5.0%10.0%
7枠4回3回4回49回6.7%11.7%18.3%
8枠3回2回2回52回5.1%8.5%11.9%
種牡馬1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
ディープインパクト20回21回18回124回10.9%22.4%32.2%
ドゥラメンテ14回12回12回45回16.9%31.3%45.8%
ハーツクライ12回9回7回118回8.2%14.4%19.2%
ルーラーシップ10回15回7回69回9.9%24.8%31.7%
ハービンジャー10回10回3回61回11.9%23.8%27.4%
キングカメハメハ9回9回2回39回15.8%28.1%31.6%
ゴールドシップ9回6回10回97回5.0%10.1%18.5%
エピファネイア6回6回6回44回10.0%16.7%26.7%
キタサンブラック4回4回2回24回11.8%23.5%29.4%
オルフェーヴル4回4回4回35回8.9%13.3%22.2%

オークス(優駿牝馬)2025 - 過去10年のデータ傾向

人気で消えるのはマイラーであるからではなく、2歳女王になったため

2021年に無敗のソダシが消えた時に、揉まれなかったことで、外からグイグイ伸びてきたのが、札幌で一緒に走った頃からライバルだったユーバーレーベン<ミルコ・デムーロ騎手の手柄、弟のクリスチャンが春の競馬で乗るとしたら、それはもう最晩年に限られるだろう>。
翌年は、サークルオブライフが人気になったものの、例の、除外決定大遅延問題が発生した16時少し前にレースが終わった年の、ある種の被害馬。 メンタルの維持が難しい時期の牝馬が、恐らくは、大半の馬にとって生涯最長距離を走るこの一戦で、暑かったというのもあるが、スタセリタの孫娘であるスターズオンアースが、娘のソウルスターリングでも主戦だったルメール騎手を背に、勝ち運を全て持っていった<昨年の落馬負傷後最初のG1制覇も似たような感じだった>レースで、不運を一手に引き受けたそれは、本当に残念な結末であった。 以降の勢いの差も、この結果で大きく開いてしまった。
2歳女王が消えるときに限って、ジュベナイルフィリーズも桜花賞も良馬場であることが多い。 ハイレベルな年だったから、当然、勝ち切るエネルギーは普段より大きな負荷をとなって、若駒に圧し掛かる。
でも、ジュベナイルフィリーズ連対馬は2017年からの3年で4頭が絡んでいる。 面白いもので、王道を真っすぐに進んだソウルスターリングだけ勝ち切るのだが、これが道悪に泣いた桜花賞で初黒星。 あとは良馬場の桜花賞で他の路線から来た馬が勝ったのだ。 アルマヴェローチェが絶対に1番人気になるという雰囲気ではないが、好走の可能性はあの厳しい桜花賞でも、時計が異常に速くならなかったことで、継続性の面で有利。 底力などの観点でも、これ以外が人気なら、女王復権の公算は大きい。

ジュベナイルフィリーズ参戦の場合は、余力の温存が重要

ソウルスターリングとユーバーレーベンが勝ち切り、リリーノーブルやステレンボッシュなどが継続の好走で善戦。 いずれもジュベナイルフィリーズの3着以内であるのだが、この中で2歳女王は桜花賞で初黒星だったソウルスターリングのみ。 この前に勝った2歳女王は、2010年同着優勝のアパパネであるとか、トールポピーから続いた新阪神グループブームが起こった、ひと昔前の面々に限られる。
ただ、桜花賞に参戦せずとも連敗継続のユーバーレーベンは、ここで初重賞制覇。 これがトライアルのフローラSを経た一本釣りのスタンスを取ったことでもわかるように、桜花賞と両方獲って、かつここもとなると、ブエナビスタやそのアパパネを除くと、勝ち馬ではメジロドーベルまで遡るのだから、馬の世界ではもう前世紀というレベルの話。
ブエナビスタは未勝利から勝ち続けたが、桜花賞もオークスもワンツーで、秋華賞でようやく一矢報いたレッドディザイアとはいつもいい勝負。 勝つにしても厳しいから、時計を出して圧勝などとなると、普通は苦しいのだが、この点、アルマヴェローチェは京都の荒れ馬場の影響で最小限度で済んだことで、高速馬場でも雨馬場の桜花賞で二度ついていたことになる。 これならば、中距離実績からも、ユーバーレーベン級の好走を期待できるし、ブエナビスタになれないまでも、牝馬相手なら崩れないアパパネ級のパフォーマンスを維持してもらえるはず。 ユーバーレーベンは桜花賞を使っていないから、ここでは別ラインの存在だが、これを含めたとて、勝ち運の残っていない馬を本流からピックアップするのは筋ではない。 間違いなく、怪我でもない限り、今回も好勝負であろう。

桜花賞で他路線から来た場合だと…

昨年のチェルヴィニアはジュベナイルフィリーズ回避の後、ルメール騎手騎乗不可の状況で、鞍上を桜花賞直前にスイッチせざるを得ないところで不利を受けて惨敗。 負ける理由しかなかった前走後に、勝ち運が逃げたようなところから、人馬とも不死鳥のごとく復活した名レースは、翌週の奇跡<戸崎圭太の災難とも言い換えられるわけだが…>とも連動した、ひとつの芸術作品へと昇華していった部分がある。 条件が狭いので、調教師の技量なども含め、これを例外とした方が競馬の歴史観は保たれるのだろうが、ドラマチックにも程がある。
このように惨敗の組では、奇しくも戸崎騎手で桜花賞大不発だったルージュバックの2着があったほか、クイーンCの後に桜花賞で吹っ飛んだアドマイヤミヤビなどなど、いい騎手が1番人気で主要レースを勝っていたという背景からも、フロックはあり得ない路線。 でなければ、桜花賞で格好をつけていろということ。
上位組はNHKマイルCで惜しいけれども相変わらずで、今度も前と少し離れた6着だったマピュースなどを含めた、強い桜花賞掲示板組が有力であるというだけでなく、厳しい雨馬場の経験は、絶対的な我慢比べのオークスでは、反動は恐れねばならない一方、かなりの強調材料にもなる。 好走したというだけで買えるエンブロイダリーやスタート大失敗のリンクスティップの評価を不当に下げることはないが、珍しいというか、史上初のクイーンCからの連勝が違う種類の馬場状態だったエンブロイダリーのみ、圧勝ではなかったことと、キャリアの多さから、抜けた評価をすべきではないというだけで、エリカエクスプレスと共に、4頭は手堅く押さえるべき。 桜花賞からの巻き返しの組で、牡馬とのオープンでの対戦で好走実績のある馬は、特別は多くないものの、強いと分かっている馬の場合、理由もなく崩れることは少ない。
いつもよりは桜花賞直行組は少ないが、それは上位との差が開いた印象があるから。 他の路線の組も牝馬戦を重視したキャリアであり、リンクスティップのアドヴァンテージ<渋馬場のきさらぎ賞2着>を推す手は、今回の方がハマるという可能性に、今回も騙されたと思って、またそこに賭けるつもりの筆者なのである。

忘れな草賞勝ち馬の来る来ない

桜花賞組は強いので、そういう時は、本流のトライアルではないところが狙い目。 フラワーCのレーゼドラマと同じ評価を与えるべき存在として、人気になりづらいだろうサヴォンリンナの名を挙げるべきか、それとも…。
筆者の考えでは、道悪だった桜花賞の年は、2000Mの組を必ず押さえるべきという、本当に強い本流組以外は狙うべきではない反動の法則からも、強いと思えば、しっかりとフローラS組も買うべきとなるが、ハローユニコーンがだめで、ウインマイティーが大丈夫な理由は、同じような3勝馬ということで、すぐには挙げられないのだが、例えば、忘れな草賞の前に使っていたレースで、ウインマイティーはエルフィンSでデアリングタクトに圧倒された経験があるだとか、同じような話だと、大幅体重減のクイーンCを乗り切って、阪神で勝った後に、ルージュバックに経験の差を見せたミッキークイーンだとか、2戦目でランブリングアレーを負かし、そのままオークスまで無敗を通したラヴズオンリーユーであるなら、個性的なメンツがハイレベルな攻防を演じたフラワーCで好走というライバルの先売りが買い材料にもなっていて、これが1番人気に応えられた理由でもあると考えられるなど…。
要するに、相手関係が軽いということで恵まれていたのではなく、早い段階で強敵相手に好勝負を演じ、自力で好走、連勝の道筋を作ったということでは、年明けデビューが不良馬場からスタートで、それでも4連勝だったスイートピーS勝ちのカワカミプリンセス<エリザベス女王杯1位入線まで6戦連続の先頭ゴール>などと同じで、桜花賞参戦相当のストレスを乗り越えた組の評価に、無用とのレッテル張りは禁物。
デビュー戦で敗れたカザンラクが、その後ルメールでも断然人気を裏切るという、妙なシルバーステート感<典型的なエンジンパワー優勢で体をダメにした才能であるが故、大舞台で一切縁がなかったというキャラ>の継承に対し、北村友一騎手と共に、地道にコツコツと…。 裏路線の組は、苦労を共にした組が狙い目なのであるろうと思う。 テン乗りは決まって失敗する傾向でもある。 ウインマイティーは特殊なポジションを形成するゴールドシップの娘なので、和田竜二を欲していたような感じで大接戦の3着で、古馬になって唯一の勝利の際も、マーメイドS優勝の鞍上は、1年半ぶりにコンビを組んだ和田陽希騎手の父上であった…。 もうそんなに時間が経過したのか、と、テイエムオペラオーの奇跡の有馬記念勝利を思い起こすのである。

オークス(優駿牝馬)2025- 出走予定馬の血統/成績/タイム

今度はちゃんと乗ってくださいね、デムーロさん

リンクスティップの血統

ファミリーは偉大なるノーザンダンサーを産んだナタルマと同じアルマームードの一族であり、日本では特に重要視されるヘイローの母にあたるコスマーの直系。 知られるように、血統構成的な観点からも、ほとんど別物の個体とできるノーザンダンサーとヘイローは、祖母アルマームードで共通の極めて近い関係。
特に、ナタルマを経ているラインであると、ノーザンダンサーと伍してとまではいかないまでも、ノーザンダンサー直系であり、またナタルマの直系でもあるデインヒルが代表格の次点評価できる種牡馬を有し、ヘイローの血を抱えるマキャヴェリアンは、日本のクラシックシーンに欠かせない血統にもなったが、これもナタルマのライン。 バゴも近親なのだから、サイアーラインを作る偉大なるファミリーともできる。
だから、ナタルマはノーザンダンサーが至る所に存在する関係で、すでに飽和状態。 ただ、それとバランスを取るように、サンデーサイレンスを送り出したヘイローの近親の方からは、ハイクラスの種牡馬は出ていない。 変則的に、アルマームードを父母母に有するサンデーサイレンスを除くと、ノーザンダンサーの後にデインヒルが登場するようなことはない。
ただし、バゴの父であるナシュワンを有することで、変則的にでも、そうした重厚な欧州系の血を得ただけでなく、ナシュワンが直系父父のブラックタイドと同じハイクレアを母母に持つウインドインハーヘアが、ディープインパクトと共に、同時に存在する時代がまだ続く関係で、インブリードとは扱わないが、リンクスティップの母の代にかかるサドラーズウェルズの3×4以外の部分に隠されたクロスの要素として、スパイス程度でも、その強固な繋がりを伝える効果を秘める牝馬であるため、ここで勝ち切るリンクスティップの血は、キタサンブラックの血が牝馬の活躍を阻害しているかのような意外な傾向に反し、大きな成功を収める勝利を挙げた途端、トレンドが大きく変化する可能性は大いにある。
コントレイル産駒が間もなく芝でおろされ、早々に勝ち上がっていく流れとなりそうなところに加え、いずれ、イクイノックスやドウデュースの仔が暴れ始める時代に、高齢な種牡馬になりかけているキタサンブラックの存在意義は、抗うということ以外にも、ここで決め切ることができた時の評価と言う意味でも、顕彰馬に相応しいものになるだろう。 来週のクロワデュノールと同じように、若い世代のスピード能力にあふれる種牡馬に対抗する道の一つが、このフィリーズサイアーという選択肢であるのだ。 このトレンドを変えられない時、サンデーサイレンス系だけでなく、日本競馬時代の価値が大きく低下する懸念もある。 高速馬場の弊害と言わせない馬産の真価は、底力のある種牡馬・キタサンブラックの成功の実例を、今の時点で掲げることであろうと、筆者は考えるからこそ、その理想の回答に大いに肩入れしたいと思うのだ。

オークス(優駿牝馬)2025 - レース展開と最終予想

百聞は一見に如かず。 ゲートの中でソワソワと、いかにも嫌そうに、前向きな雰囲気を感じさせない駐立不良のお手本のような仕草が、悪いことはできないと指し示すかのような動かぬ証拠として、JRAさんが審判するための重要な映像資料として記録している、今や、誰でも見ることのできるパトロールビデオにばっちりと、その出撃の失敗を誰もが予期できる不発の理由を消すこともできず、置き忘れてしまったようにバツの悪い出負けにより、隣のチェルビアットに進路カットをされたリンクスティップの桜花賞。
展開は比較的流れた方でも、瞬発力勝負では分が悪いと、弟のクリスチャンと打ち合わせを重ねてきたからこそなのだろうか、ラップが落ちる外回りのコーナーで回り終わりから、少し仕掛けていって、一気にまくろうとしたところ、反応はまずまずよかったのだが、その前のリズムが悪すぎたのだろう、チェルビアットも大事な場面で自分が進路をふさがれたり、接触するなどもあったところで、妙なステップでスリップしそうなアンバランスさで、かなり押し上げて行くのに、ただでされ、未完成な若馬には苦しいコーナーでの進出だから、とても大きなエネルギーの消費をしてしまったデムーロ騎手のリンクスティップは、結果的に、動き出しが早かったのではなく、準備もろくにしていないのに、中途半端なタイミングで動き出してしまったから、スムーズに立ち回ったエンブロイダリー<モレイラ騎手>、女王アルマヴェローチェ<岩田望来騎手>に比して、明らかに、ヘグったという印象を残した。
それにも関わらず、一旦は完全に前を呑み込もうと、突き抜けそうな振る舞いをかましただけの大空振りなのに、結果は3着である。 もろもろ、良馬場で他馬が引っ張っていたとすれば、エリカエクスプレスももっと踏ん張っていただろうし、もしかすると、エンブロイダリーは馬込みから抜け出しなかった可能性があって、筆者の推したアルマヴェローチェとリンクスティップの一騎打ちに、最後は収まった可能性もあると、終わったことなのに勝手に妄想をし始めた筆者。
しかし、オークスの距離を念頭に置いた仕掛けではなかったのだが、エネルギーをどう活用するべきなのか、ある意味で、上がりの脚だけなら、何とか難しい馬場状態をこなし切った上位陣の中では、リンクスティップが置かれてしまった前の2頭と同格だったのだから、動き出しのタイミングだけの問題で、結果とすれば、いずれにせよあのスタートでは…、という総論でまとまるのであった。 エリカエクスプレスは速い馬だが、キレない代わりに、今度は総マークは承知で、苦しい競馬を他に強いる、厳しい流れをより強い意志でもって、敢行してしまう可能性がある。
それに前受けで対応しようとすると、桜花賞以上の敗退が予測されるリンクスティップというか、デムーロ騎手の冷静な判断が今度は問われる。 昨年もタガノエルピーダでの圧勝劇を期待した鞍上に、ユーバーレーベン以来となる短期間での複数回制覇を期待するのだが、よく考えたら、ネオユニヴァースやドゥラメンテの時は、皐月賞の時の様に、トリッキーな舞台であることを踏まえた対応をせずとも、自分が自信を持って乗ることを心掛けたので、皆が思うより、いつものミルコっぽさはなかったダービーであった。
いずれにしても、負かした相手はかなり強力。 翌年の年度代表馬を叩き潰すかのような厳格に、その絶対能力への正確な現状のランクを印象付けるように、初めは横山典弘のゼンノロブロイを、後者ではサトノラーゼンを一生懸命にさせる中で、エネルギー切れのキタサンブラックを置き去りにして、サトノクラウン、リアルスティールなどの後の大物も完全に抑え込んでいる。 大概の乗り手は、この後にダービーを勝っている。 横山、福永らは、先越されておきながら、武豊に続く3勝ずつ。
これはダービーの話だから、本質は別次元の重みを持つ勲章なのだが、ソダシに惑わされず、自分のリズムをとったユーバーレーベンを駆るミルコは、実に頼もしかった。 きっと、天国の岡田繫幸さんも大絶賛していたはずだ。
そういう背景で、あのリンクスティップの桜花賞は、ジュエラーで限界ギリギリの仕掛けを敢行して、シンハライトをハナの差捉え切った桜花賞のミルコではなかった気もしないではない。 だから、ちゃんと戦える態勢を、と桜花賞の回顧で念を押したのである。
デムーロ的解釈では、スピードレースは前受けでいいとなるが、スタミナがあると言っても、みんなが脚を溜めて、直線でそれを爆発させるリズムが、オークスの当たり前の常套手段。 ダービーはポジション云々を昔から言われ、武豊だけルールを無視している状況。 ある意味、誰でも武豊気分になれるオークスでは、妙なスパートが厳禁なのである。
自ら、その禁じ手を無駄に桜花賞で開放状態としたから、少し抑えて勝負することになる今回は、最初から、本来の好位付けに拘るはずだ。 しかし、それでも確信をもって、大丈夫だろうと思うのが、重い馬場だったきさらぎ賞で、桜花賞のそっくりなラップを伏兵陣やショウヘイ<急にダービー獲りのチャンスを得た惑星候補>らと一緒に作ったことで、それでも、自分だけは前で残したのだ。 NHKマイルCでも攻撃的なレースで、吉村ジュニアがよく頑張りながら、反省の弁を述べたランスオブカオスもここでねじ伏せて、サトノシャイニングにだけ気持ちよく走らせてあげただけの流れで、1600M通過のラップである1:35.4というのは、実は、自分で作ったその前の区間の11.6秒が入ったことで生まれた、絞り出した高速の上がり。
そもそも、このレースは最後は苦しくなることだけわかっていながら、最後はほとんどサトノシャイニングが引き受けた最終区間のラップも同じく11.6秒であり、ここの上がりの差が、着差となってほぼ9割方は計算上も違いとなって現れただけであり、この競馬をマイル仕込みの牝馬に求めれば、必ず止まるが、ここを12秒台前半でまとめているということは、桜花賞の終いの落ちたラップと双璧だから、この脚は、多少のリスクはあっても、前受けのための位置取りを敢行した時に、しっかりとリズムを取りながら、想定されるペースに合わせて、落ち着いて流れを掴んだポジショニングによって、かなりラップの減速は抑え込めるはずだ。
近年のオークスでラスト1Fで最も速いのは、意外にも、レースレコードとはかなりのタイム差が生じた昨年のチェルヴィニアがステレンボッシュをねじ込んだ時の、慣例の2F目最速記録を除き、ベストラップとなった11.4秒。 ただ、前にいる馬が粘ったところで、もっと速い流れあろうと、当然馬場が重くなれば<そろそろ、そういう馬場になっても不思議ない>、12秒近辺、昔ならもっと上がりを要していたオークスの歴史で、上位勢が途轍もない決め手を発揮したわけでもないところで、快記録が出たことで見える最善策は、必ずしも、差し追い込みに固執する必要はない、という結論。
Bコースでの施行が当たり前のオークスでは、上がりが異様に遅いレースになると、決まって、馬鹿っ速いラップを序盤で刻む、完全に行きすぎの馬が登場するケースは多いのだが、昨年は前は行った割に、信じられないほどの中盤ラップの落ち込みで、上がり勝負になった。 変に動かなかったというか、普通にタガノエルピーダの良さを引き出そうとしたら、実は、マイラーであったという直線の失速は、騎手の落ち度ではないし、挑戦者としての振る舞いとして満点に近い。 そこに戻れるのかどうか。
ミルコ・デムーロという騎手がまた輝きを放つための、恐らくはラスト数シーズンという環境下で、勝てるチャンスをモノにできる名手らしさを発揮できないと、若手の突き上げもあるし、その他大勢の欧州やオーストラリアの名手たちに出番を奪われる可能性は現実味を帯びている。 格好いいミルコがまた見てみたい。
サークルオブライフで取り損ねたタイトルから、都合、JRAG1は、彼女と制した暮れの大一番から、3年半見放されている。 どうする、ミルコ。 リンクスティップに普通の好位付けをさせれば、周りは勝手にバテていく。 また前回の様に、少し動きづらい流れになってしまうようなスタートであったところで、ゆっくり動き出せば、結果は同じだろう。 十分にユーバーレーベン級のパワフルな競馬を可能にできる素材であることを知っているリンクスティップの本質に触れる騎手が、ここでヘグっているようでは、かなり情けないわけだが、そういう時に限って、この男は決め切れる、何か勝ち運のようなものが巡ってくる。 難しく考えず、前でも後ろからでも、変なところから動かなければ、リンクスティップはしっかりと期待に応えてくれるはずだ。

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オークス(優駿牝馬) 過去の予想と結果