阪神ジュベナイルフィリーズ 予想

京成杯を予想!

長く阪神3歳SというGⅠ級レースとして、西の牡馬のチャンピオンを決する競馬であったものが、1991年から牝馬限定の ―牝馬Sと参加条件を変更した初年度に、
翌年の桜花賞・スプリンターズSを制するニシノフラワーが優勝、連闘で参戦し3着に入ったシンコウラブリイは1993年のマイルチャンピオンシップを制すなど、
幸先のいいスタートから、今や、クラシック直結の登竜門的位置づけに据え置かれる重要戦にまで成長しました。
数え年表記の修正を2001年に行った関係で、現在の名称に変更。
阪神競馬場の大幅改修に伴い誕生の外回りコースに、この1600M戦が振り分けられた2006年の勝ち馬は後の顕彰馬・ウオッカ、
2着が3歳でスプリンターズSを制するアストンマーチャンと、これも何とも景気の好発進となり、この組の牝馬路線における活躍は常に高水準で安定しています。

阪神ジュベナイルフィリーズの主な勝ち馬

・ウオッカ 2006年
・ブエナビスタ 2008年
・アパパネ 2009年
・ラッキーライラック 2017年

阪神ジュベナイルフィリーズの特徴

徹底して、短距離適性に偏った馬を排してきた馬場改修後の特長から、1200Mで勝ち星のある馬が2006年以降未勝利なので、実質的には、このレースからマイル以上の距離で争う。
クラシックレースのトライアルが始まると意識すべきで、ここ2年は1400MのファンタジーSを制している馬が勝っているせいで、本番では揮わないという傾向がはっきり出ています。
快速型を狙うのは筋違いで、持ち時計が抜けていたここ2年の勝ち馬のようなタイプが、今後も勝ち続けることはないでしょう。

阪神ジュベナイルフィリーズの歴代優勝馬

 1着馬
性齢
斤量
騎手
人気
前走父名
 2着馬
性齢
斤量
騎手
人気
前走
父名
 3着馬
性齢
斤量
騎手
人気
前走
父名
2010年レーヴディソール
牝2
54福永祐一
1デイリー杯2歳S①
アグネスタキオン
ホエールキャプチャ
牝2
54池添謙一
4ファンタジーS③
クロフネ
ライステラス
牝2
54M.デムーロ
8京王杯2歳S④
ソングオブウィンド
2011年ジョワドヴィーヴル
牝2
54福永祐一
4新馬①
ディープインパクト
アイムユアーズ
牝2
54I.メンディザバル
8ファンタジーS①
ファルブラヴ
サウンドオブハート
牝254武豊
1芙蓉S①
アグネスタキオン
2012年ローブティサージュ
牝2
54秋山真一郎
5ファンタジーS②
ウォーエンブレム
クロフネサプライズ
牝2
54柴山雄一
15500万①
クロフネ
レッドセシリア
牝254三浦皇成
10新馬①
ハーツクライ
2013年レッドリヴェール
牝2
54戸崎圭太
5札幌2歳S【1】
ステイゴールド
ハープスター
牝2
54川田将雅
1新潟2歳S①
ディープインパクト
フォーエバーモア
牝254蛯名正義
8500万<1>
ネオユニヴァース
2014年ショウナンアデラ
牝2
54蛯名正義
5500万①
ディープインパクト
レッツゴードンキ
牝2
54浜中俊
2アルテミスS<2>
キングカメハメハ
ココロノアイ
牝254横山典弘
4アルテミスS<1>
ステイゴールド
2015年メジャーエンブレム
牝2
54C.ルメール
1アルテミスS②
ダイワメジャー
ウインファビラス
牝2
54松岡正海
10アルテミスS⑤
ステイゴールド
ブランボヌール
牝254岩田康誠
2ファンタジーS③
ディープインパクト
2016年ソウルスターリング
牝2
54C.ルメール
1アイビーS①
フランケル
リスグラシュー
牝2
54戸崎圭太
2アルテミスS①
ハーツクライ
レーヌミノル
牝254蛯名正義
3京王杯2歳S②
ダイワメジャー
2017年ラッキーライラック
牝2
54石橋脩
2アルテミスS①
オルフェーヴル
リリーノーブル
牝2
54川田将雅
3500万①
ルーラーシップ
マウレア
牝254戸崎圭太
4500万①
ディープインパクト
2018年ダノンファンタジー
牝2
54川田将雅
1ファンタジーS①
ディープインパクト
クロノジェネシス
牝2
54北村友一
2アイビーS①
バゴ
ビーチサンバ
牝254福永祐一
4アルテミスS②
クロフネ
2019年レシステンシア
牝2
54北村友一
6ファンタジーS①
ダイワメジャー
マルターズディオサ
牝254田辺裕信
6500万①
キズナ
クラヴァシュドール
牝254藤岡佑介
3サウジアラビアロイヤルC②
ハーツクライ
2020年ソダシ
牝254
吉田隼人1
アルテミスS①
クロフネ
サトノレイナス
牝254C.ルメール
2
1勝①
ディープインパクト
ユーバーレーベン
牝254M.デムーロ
6
アルテミスS⑨
ゴールドシップ
2021年サークルオブライフ
牝2
54
M.デムーロ
3
アルテミスS①
エピファネイア
ラブリイユアアイズ
牝254団野大成
8
京王杯2歳S③
ロゴタイプ
ウォーターナビレラ
牝2
54武豊
4
ファンタジーS①
シルバーステート
2022年リバティアイランド牝254川田将雅1アルテミスS②ドゥラメンテシンリョクカ牝254木幡初也12新馬<1>サトノダイヤモンドドゥアイズ牝254吉田隼人10札幌2歳S②ルーラーシップ
2023年アスコリピチェーノ牝255北村宏司3新潟2歳S①ダイワメジャーステレンボッシュ牝255C.ルメール5赤松賞①エピファネイアコラソンビート牝255横山武史1京王杯2歳①スワーヴリチャード
2024年アルマヴェローチェ牝255岩田 望来5札幌2歳S②ハービンジャービップデイジー牝255幸 英明8紫菊賞①サトノダイヤモンドテリオスララ牝255M.デムーロ7萩ステークス①シスキン

阪神ジュベナイルフィリーズの過去10年データベース

 1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1番人気5回0回0回5回50%50%50%
前走ファンタジーSで連対馬2回0回1回14回12%12%18%
前走ファンタジーSで3~5着0回0回1回7回0%0%13%
前走アルテミスSで1着3回1回1回4回33%44%56%
前走アルテミスSで2着2回1回1回3回29%43%57%
前走アルテミスSで3~5着0回1回0回7回0%13%13%
前走アルテミスSで6着以下0回0回1回5回0%0%17%
前走G2で京王杯2歳S
0回1回2回2回0%20%60%

騎手狙いはアリだが明らかにスピード型は不利な傾向

1600Mの新馬勝ちの実績ありと、新馬は負けてもすぐに勝ち上がった馬は、ここでは同列とした方がいい一方で、回収率に大変な差があるので、人気馬でも買えるのは、どうしても新馬勝ちの馬になってしまいます。

人気1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1番人気7回2回2回9回35%45%55%
2番人気2回4回4回10回10%30%50%
3番人気1回3回3回13回5%20%35%
4番人気3回1回4回12回15%20%40%
5番人気3回1回0回16回15%20%20%
6~9番人気4回5回5回66回5%11.3%17.5%
10番人気以下0回4回2回172回0%2.2%3.4%

オークス辺りまでの牝馬戦線は、この縛りは解けないので、ここ2年で詰まったその差が、今年は連続開催で一気に開く可能性まで踏まえておきたいところです。

阪神ジュベナイルフィリーズの攻略ポイント

2勝以上している重賞連対馬が7勝と圧倒的で、当たり前の傾向ながら、その他は無敗馬も未勝利勝ちの馬もいるので、東京競馬場の出走経験という振り分けをすると、
無敗馬と1800Mの新馬勝ちで未出走馬が拾えて、後は東京で連対実績がある馬となります。
今も昔も、東京競馬場で走るということが後の大成に繋がる傾向は続いているので、この古典的なファクターを用いて、人気勢の序列付けをする意味では、一番効果的かもしれません。

阪神ジュベナイルフィリーズ2024の予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切り

阪神ジュベナイルフィリーズ2024の予想 過去10年のデータ傾向と有利な枠/出走予定馬の最終追い切りの予想と出走予定馬の最終追い切り評価を行っていきます。
過去結果を見ても荒れる傾向のある中、有力な登録馬の中から鉄板軸馬とされる外厩仕上げの本命馬や消去法で消すべき馬、本命をも超える可能性のある穴馬をデータ分析!

歴代勝ち馬のサインを見逃さず、予想オッズを見ながら過去配当を超える払い戻しを狙っていきましょう。

レース名第76回阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)
グレード重賞(G1)
日程2024年12月8日(日)
発走時間15時40分
開催場所京都競馬場
距離芝1,600m
コース左回り
賞金1億8000万円
レコードタイム1:33.2

阪神ジュベナイルフィリーズ2024予想-予想オッズ/出馬表(馬柱)/出走予定馬の馬体診断/想定騎手/最終追い切り評価(枠順確定)

阪神ジュベナイルフィリーズ2024の予想オッズと登録馬

枠順馬番出走予定馬騎手性齢斤量予想オッズ人気1週前追い切り最終追い切り
11ビップデイジー幸英明牝25520.211栗東・坂路・重(幸英明)
800m 51.8-37.5-24.2-12.1(一杯)
栗東・坂路・良(助手)
800m 54.5-39.7-25.8-12.6(末強め)
12テリオスララM.デムーロ牝2558.1 3美浦・ウッド・重(M.デムーロ)
5F 69.7-54.6-39.2-12.0(馬なり)
美浦・ウッド・良(助手)
6F 83.0-66.4-52.1-37.6-11.3(馬なり)
23ダンツエラン団野大成牝25515.09栗東・CW・重(助手)
800m 84.7-68.3-53.3-37.5-11.2(強め)
栗東・CW・良(団野大)
7F 98.5-67.5-53.0-37.5-11.1(馬なり)
24ジャルディニエ北村 友一牝25518.010 栗東・CW・良(北村友)
5F 67.3-51.2-36.4-11.5(一杯)
栗東・CW・良(北村友)
5F 67.8-51.5-36.6-11.4(馬なり)
35ジューンエオス藤岡 佑介牝255108.418栗東・坂路・良(助手)
800m 51.8-37.3-24.3-12.3(一杯)
栗東・坂路・良(高倉稜)
800m 55.4-39.3-24.9-12.6(馬なり)
36モズナナスター田口 貫太牝25544.915栗東・坂路・重(田口貫)
800m 52.1-37.6-24.2-12.1(一杯)
栗東・坂路・良(田口貫)
800m 53.6-38.6-25.2-12.6(馬なり)
47ミストレス坂井 瑠星牝25511.47栗東・CW・重(坂井瑠)
7F 96.5-64.7-50.6-36.5-12.0(一杯)
栗東・坂路・良(坂井瑠)
800m 53.7-38.9-25.0-12.4(馬なり)
48カワキタマナレア鮫島 克駿牝25523.313栗東・CW・良(鮫島駿)
6F 86.3-69.7-54.0-37.9-11.7(馬なり)
栗東・坂路・良(川又賢)
800m 54.4-39.4-24.9-12.0(馬なり)
59ショウナンザナドゥ池添 謙一牝2558.44栗東・坂路・重(池添謙)
800m 51.1-36.8-23.6-11.8(強め)
栗東・坂路・良(助手)
800m 54.6-40.3-26.2-13.0(馬なり)
510ブラウンラチェットC.ルメール牝2554.11美浦・ウッド・稍重(助手)
5F 65.3-50.8-37.1-11.4(強め)
美浦・ウッド・良(嶋田純)
6F 83.6-67.4-52.3-38.0-11.6(馬なり)
611クリノメイ荻野 琢真牝25535.114栗東・CW・重(荻野琢)
6F 85.6-69.0-53.2-36.7-11.2(一杯)
栗東・CW・良(荻野琢)
6F 86.3-70.0-54.0-37.5-11.3(馬なり)
612アルマヴェローチェ岩田 望来牝25514.28栗東・CW・良(岩田望)
7F 98.5-66.9-52.1-37.0-11.3(一杯)
栗東・CW・良(助手)
6F 80.6-65.3-50.8-36.3-11.2(馬なり)
713コートアリシアン戸崎 圭太牝2558.95美浦・ウッド・重(戸崎圭)
6F 81.8-65.4-50.6-36.9-11.3(馬なり)
美浦・ウッド・良(戸崎圭)
6F 84.3-67.8-52.5-37.3-11.3(馬なり)
714ランフォーヴァウ松山 弘平牝25510.26栗東・CW・重(松山弘)
6F 82.8-66.4-51.9-37.5-11.8(G前仕掛け)
栗東・CW・良(小崎綾)
4F 50.5-35.4-11.1(一杯)
715リリーフィールド武 豊牝25522.412栗東・CW・良(助手)
6F 82.0-66.0-51.0-36.8-11.8(馬なり)
栗東・坂路・良(助手)
800m 54.3-39.6-25.2-12.1(馬なり)
861スリールミニョン永島 まなみ牝255108.017栗東・坂路・良(永島ま)
800m 52.0-37.6-24.1-12.3(一杯)
栗東・坂路・良(助手)
800m 54.1-39.2-25.3-12.6(馬なり)
817メイデイレディL.デットーリ牝2557.62京都・ダート・良(助手)
5F 65.1-49.7-38.0-12.6(末強め)
栗東・坂路・重(田口貫)
800m 52.1-37.6-24.2-12.1(一杯)
818ミーントゥビー松岡 正海牝255104.916美浦・ウッド・稍重(松岡正)
6F 82.9-66.9-52.5-37.7-11.6(馬なり)
美浦・坂路・良(松岡正)
800m 56.4-40.8-26.1-12.2(馬なり)
脚質1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
逃げ馬1回0回1回18回5.0%5.0%10.0%
先行馬3回4回3回69回3.8%8.9%12.7%
差し馬14回12回13回111回9.3%17.3%26.0%
追い込み馬2回4回3回100回1.8%5.5%8.3%
枠順1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
1枠4回1回0回35回10.0%12.5%12.5%
2枠1回2回5回32回2.5%7.5%20.0%
3枠2回4回1回33回5.0%15.0%17.5%
4枠2回3回0回35回5.0%12.5%12.5%
5枠2回5回5回28回5.0%17.5%30.0%
6枠3回3回3回31回7.5%15.0%22.5%
7枠4回1回3回51回6.8%8.5%13.6%
8枠2回1回3回53回3.4%5.1%10.2%
種牡馬1着2着3着4着以下勝率連対率複勝率
ディープインパクト6回7回8回47回8.8%19.1%30.9%
ロードカナロア6回4回1回39回12.0%20.0%22.0%
イスラボニータ6回0回1回1回75.0%75.0%87.5%
ルーラーシップ5回5回2回26回13.2%26.3%31.6%
ダイワメジャー4回3回3回26回11.1%19.4%27.8%
キズナ3回0回2回22回11.1%11.1%18.5%
ジャスタウェイ3回0回0回9回25.0%25.0%25.0%
ハービンジャー2回1回3回16回9.1%13.6%27.3%
ステイゴールド2回1回0回1回50.0%75.0%75.0%
ヴィクトワールピサ2回0回2回11回13.3%13.3%26.7%

阪神ジュベナイルフィリーズ2024 - 過去10年のデータ傾向

あまり信頼して買うことのできない1番人気馬を、わざわざ狙うレースではない

本物のエースがいるとは限らないので、リバティアイランドやソウルスターリングのような馬が、しっかりと期待に応えてくれるような狙いの立て方はあまり感心しない。
数字上、半分来るとなっている5勝の記録に流されてはいけない。 新馬で朝日杯挑戦が決まっていたグランアレグリアと戦っていたダノンファンタジーは、クロノジェネシスを倒しての戴冠。 後から考えれば、かなりの快挙でもある。 他にはルメールのメジャーエンブレム、無敗のホワイトクイーン・ソダシ。 いずれも、翌春以降の活躍を約束されたエースの走りを体現したスターばかり。
この時期に駆けた馬に早熟云々で語り始める論法はそもそもナンセンスで、後述の北米出身の欧州血統馬・メイデイレディなどに代表されるように、そうした才能に目をかけないから、結果、回り回って、中距離型のロマンチックウォリアーに負けてしまうのである。 時代に関係なく、早熟型の馬が伝えるエース級にいずれ育つスピード能力というものは、必ず、クラシックの舞台で花開くという歴史を、欧米のホースマンは理解している。 今のことだけを考えて、血を繋げているわけではない。 と、関係ない話に振ってしまったが、穴馬から入りましょうということです。

本流の組で気を付けたい、価値ある連対の真偽

今の本流とできるのが、昨年チェルヴィニアが勝って、連勝を狙ったというアルテミスSの組。 ただ、リバティアイランドもメジャーエンブレムも負けていた。 ソダシは連勝でも、底力の爆発まで時間を要したリスグラシューはソウルスターリングの2着。
いずれも、どこかどうこうではなくして、それなりに駆けていたはずのステップを踏んで、順当な結果を残したまでの話で、これを基準にすると根本からおかしくなる。
今年の期待はデビュー2連勝のブラウンラチェット。 兄がフォーエバーヤングで、父キズナ替わり。 しかし、これにルメールが加わるくらいで、断然という感じの支持に繋がるほど、皆根拠を持った推し材料を持ち合わせないので、意外と、負けはしたもの、ハイレベルと評されたメンバー構成上、矢作厩舎のミストレスや上位支持だったショウナンザナドゥ<こちらが2番人気、勝ち馬は気持ち低めの評価に映った3番人気>などにも、小差に敗れただけなので、チャンスは残る。
あと、翌日に武豊騎手に完敗だったルメール騎手が、以降、妙な感じでになっている印象もある。 適当な評価かもしれないが、本気を出されるとちょっときついな…、というその気配は、我々もよく知る彼の人柄から、妄想ではない可能性がある。 何だか、弱気に映る発言も目立つ。

よくわからないところから来た馬の差配

イレギュラーなスタンスで来た連中=スケール感の違いを見せつけたグループの存在というのは、思われているよりも、正確なリズムでアルテミスS、翌週のファンタジーSが前哨戦として機能している影響で、そのメンバーの質がある程度一定ということも関係して、まず、オープンであったとしても、その他のグループの存在は、重賞に限られるという状況。
急進勢力に格はあってないような時期だから、そのキャリアは問われないとするならば、逆説的にとっても、何故そのステップを踏めなかったのか、ということで、むしろ、才能そのものを疑われてしまう場合がある。
ウンブライルの件があるから、武豊のリリーフィールドは回避可能で、本流に近い萩SはアイビーSと双璧を成す以上、テリオスララの才能はマイル戦への適応力についてのみ疑うべきで、これはむしろ買い。 ただ、本当に強いのは、やはり強すぎるオブライエン厩舎のレイクヴィクトリアに自信をつけさせてしまった、対を成すべき存在だった同じ無敗のメイデイレディであって不思議はなく、これが負けたとできるかどうかで、価値は大きく変わる。
ただ、フォームから何から変えねば対応できない、危ない橋を渡る日本遠征であると踏まえれば、直線平坦を知るフランキーならば、推しの一手とした意見を伝えたとして、持ち時計での解釈で失敗連続の欧州勢の扱いと変えたとて、本質の差はないとした時、筆者は自信をもって、デットーリ以外の要素で推す材料を示せない。 理解の仕方が難しい一頭だ。

1800以上のオープンを使っていた馬は、意外なほど、安定して走っている

一昨年のドゥアイズの穴が見られるだけの札幌2歳S好走馬の連続性ある快走の例は、古くはテイエムオーシャンであり、ヤマニンシュクルなどもそう。 新コース完成後、レッドリヴェールのハープスター斬りがあったり、全く古ぼけた記録ではないが、ラッキーライラックの無敗継続の裏でロックディスタウンの惨敗案件があったりと、新潟2歳Sの方が合意性のある前哨戦として機能することが明らかになっているからなのか、トレンドとして真新しいということはない。
ただ、ソウルスターリングもソダシもそうだったが、無敗制覇の中には、牡馬に混じって1800のオープン、重賞を勝ってきたという強者もいる。 ソウルスターリングはペルシアンナイト、ソダシもユーバーレーベンに3連勝の皮切りとなる連勝を始めた札幌で、1番人気は先日引退のバスラッドレオンという骨っぽい相手を完封しての重賞制覇。 ドゥアイズよりもドゥーラに注目がいったレースで、こちらでは先着。 アルマヴェローチェが接戦の末敗れた相手であるマジックサンズは、ホープフルSで期待の一頭。 例年以上に狙いが絞り込めない要素に溢れるだけに、昨年以上に、タフな実績を持つ牡馬に伍して戦ってきた名牝候補に期待を寄せたい。

阪神ジュベナイルフィリーズ2024- 出走予定馬の血統/成績/タイム

フランキーの連れてきた天才少女が、本場の早熟性を発揮できないとするならば…、という条件付きで推したい一頭

アルマヴェローチェの血統

母ラクアミ、その母レイズアンドコールはいずれも短距離で走った馬。 速い血統には違いないが、一族に、NHKマイルC好走馬のブレーブテンダーがいるまた傍に、7代母ブルボンミストの妹に当たるオイルフィズから連なる名牝の宝庫というファミリーラインの強みが、ここで活かせるかが、本気で走ったら太刀打ちできないかもしれないメイデイレディへの対抗策として、血統的な見解からの補強の材料として述べられるのではないかと考え、この馬の推挙理由として活用したい。
第一、ブレーブテンダーの姉であるマジックオブライフが英G1勝ちであるだけでなく、孫娘がオークス2着のチューニー、その娘もダートの転じて覚醒したトロワボヌールであるから、これだけでも十分。
ただ、これからの前途が明るくなりそうな要素はこれだけでなく、北米で多くの勝ち星を重ねたキティウエイク、娘でネイティヴダンサーの3×4をかけられたエイコーンS勝ちのミスオシアナなどがいるファミリーの近くから、フィルムメイカーという芝馬が登場し、ウイジャボードという化け物級の名牝・ジャパンC3着がラストラン に続く2着という記録を残したBCF&Mターフ好走の実績のあるG1ウイナーが、比較的近い世代にいることは大きい。 前二者は、ジャパンC誕生前やBC競走誕生直後に走っていたメンツ。
ただ、ブルボンミストのラインからも、第1回2着、第2回覇者のディスタフチャンプ・ライフズマジックが、ケンタッキーダービーに僚友で最大のライバルのアルセア<ヤマニンパラダイスの母>とカップリングながら、1番人気で出走したという記録があり、様々な事情も重なって前者が先着したということからも、只者ではない牝馬が出てくる下地がある。
血統背景からも、牡馬の成功が必ずしも目立つ一族ではなく、父ハービンジャーも、牝馬の活躍馬をかなり量産している近年、クラシックホースをついに送り込んだ血の勢いからも、ねじ伏せるならこの馬で…、というパワーワードが存在することで、北米を中心に活躍した母方からの援軍アリと強調し、何となく、それらしい説明と代えさせていただく。 チェルヴィニアのハービンジャーと、前年覇者の父のであるダイワメジャーという背景だけではないことは、アルマヴェローチェが強気になれる理由くらいにはなるだろう。

阪神ジュベナイルフィリーズ2024 - レース展開と最終予想

札幌の稍重、重馬場で連続好走のアルマヴェローチェが、もし、1500戦でデビューし、同じ距離のクローバー賞を勝ったというのであれば、少し割り引きも考えたのだが、いずれも1800。 それもソダシがデビュー2連勝を飾ってみせた札幌2歳Sを、近年では最も厳しいローテに近い、8月デビューの中3週ローテ<間隔をあけて、函館で勝ち上がって連勝の例が圧倒的に多い>での僅差の2着。
内が開いたとはいえ、閃きのファミリーらしい横山武史騎手のノリ的好騎乗もあったがマジックサンズのえげつない底力に最後はねじ込まれてしまった。 キズナの産駒とはいえ、いくらか間隔を開いて、しかし、それでも札幌1800で連勝の快記録を作ったマジックサンズは、想像するに、恐縮した対応で、記者の前で受け答えをしたのち、爆発するはずの佐々木大輔騎手を背に、人馬共に初のG1戴冠を視野に入れる好素材となった。
しかし、裏を返せば、そのパフォーマンスを引き出した、また牝馬が勝つのか…、と思わせたアルマヴェローチェも立派であるのだった。 時計の掛かりすぎる8月後半の雨馬場は、2歳馬には極めて過酷な条件であるが、昨年の組はどうもみんな怪しい感じで消えてしまったようなところがある一方、その前の良馬場ではない開催となった2015年の3着馬が、この時点でコスモス賞を勝っていたクロコスミア。 毎年エリザベス女王杯で逃げ粘った、あのシルバーコレクターである。 実は、その前々年が函館の不良馬場を制したレッドリヴェール。
ソダシやそれに続いたユーバーレーベン、ドゥーラとドゥアイズの新馬戦リターンマッチなど、牡馬と同斤でも、最初から底力を示してみせる牝馬は、やはり渋とい。 大いに、勝ちそびれただけにも見えたアルマヴェローチェは肖っておきたい。
新馬戦では横山武史騎手と兄和生騎手とのやり合いに見せた、スローの展開を押し切り勝ち。 いつの間にか、北海道に居座るようになった武豊騎手は、じれったい感じで人気に推されたリアンベーレを押し上げるも、直線の反応の差で突き放された。 馬は真面目に走っていたが、鞍上はスクリーンの方を見ていた。 奇しくも、リアンベーレは手塚厩舎の馬ということもあって、未勝利脱出は武史騎手であったというのは、偶然にしても出来過ぎか。 ちなみに、マジックサンズの新馬戦も調べたのだが、2着馬のビーオンザカバーの鞍上、未勝利脱出時の鞍上も同じ人だった…。
ただ、今回は当初から乗り替わりが決まっており、フランスでの経験を活かすべく、早速の答えとなる中央タイトル制覇に、本当の意味で最初の挑戦となる岩田望来騎手を迎えることとなった。 父康誠騎手からスイッチとなったホウオウビスケッツは惜しかったのだが、ダービー馬に呑み込まれてしまった。
四位厩舎のハギノアレグリアスは、師が一番大事馬場面で起用してくれたという縁で、気合いも入っているはずの桶狭間・秋の決戦に挑むのだが、これも一線級には少し足らない。 レモンポップさん次第であるのだが、普通は入着までだろうと想像して、これが本当のリーチが掛かったレースになる、と意味もなく強気に出る筆者。
紆余曲折を経て、四位調教師と同じ時代に騎手として活躍も、転身は早かった上村洋行調教師が、堂々G1トレーナーとして、この秋の戦いを繰り広げているところで、その功労者であるベラジオオペラでしか、まだ大きなところで出走馬を送り出していないのは、立ち上げの部分で、少し丁寧に作っていくという部分もあったはず。 夏デビューの馬が普通の2歳タイトル好走の必然性から、いよいよ、しっかりと作った、ダービー以来の実戦がチャレンジCだったベラジオオペラのような形で、狙った通りに、焦らず作ってきたはずの距離短縮組は、出世する馬が再びに増えてきた、タフ馬場の札幌実績を持つ組のアドヴァンテージから、荒れ馬場必至の3連続開催京都の阪神ジュベナイルフィリーズでエンジン全開と考える。
ちなみに、グレード制を導入し、G1競走を京都でも行うようになってから、実は、2歳のこの手のレースは初めて。 変則の阪神からの振り替えを1990年に行った年が、東西で2歳G1を牡牝混合で行うラストイヤーと重なる。 翌年から牡牝でタイトルを分け、2017年からホープフルSがG1として行われるようになった。 誰も知らないことという以上に、デットーリとメイデイレディのことだけでなく、そもそも、次がいつになるのかわからないレアケース。
旧阪神3歳Sウイナーはイブキマイカグラ。 サクラバクシンオーのいとこでもある。菊花賞は2着になった。 そして、最後のラジオたんぱ杯3歳牝馬S勝ちが、あのイソノルーブル。 シスタートウショウ・角田晃一、こちらは松永幹夫で、若き乗り手同士がギリギリの攻防を演じる春へと転じる物語の序章でもあったが、二人とも、武豊、横山典弘を巧みに起用できるほど、かなり偉くなってしまった。(笑) 朝日杯はレコード勝ちのリンドシェーバー。生涯1番人気だけの快速馬。 仕事人にして、現調教師・的場均のお手馬としても有名。 当然、中山のレースだった。 岩田望来騎手が調教師になるかどうか、まだ誰も予想はつかないが、ここを勝てるようだと、その道がどうやら開けそうである。 がんばれ、ミライ君。(笑)

阪神ジュベナイルフィリーズ 過去の予想と結果