完全異系の特徴

ダーレーアラビアン系だらけになってしまった近1世紀の血統図。
その中で、過酷な試練に耐え抜いたバイアリータークとゴドルフィンアラビアンの各1本ずつ残された系統の現状を解説します。

バイアリーターク/ヘドロ/トウルビヨンの解説

ひとこと説明

芝専門!

フランスで一時代を築いだトウルビヨンが、分岐を繰り返した末に全て淘汰された中の生き残り。
どういうわけだか、日本の近代競馬には欠かせない「あの馬の血の中には…」というブラッドストーリーについてまわるこのラインが、最後の最後にサンデーサイレンス系に取り込まれていったのが印象的でもあります。

バイアリーターク系というのは、ダーレーアラビアン系と同じく、4代経たところから登場の名馬により発展の系統。
今ではそうするのが当然でも、当時はそれ以外にもいたので、この系統で言うところのヘロドには、その産駒にハイフライアーとウッドペッカーという今でも見かけるヘロド系種牡馬はいますが、前者の直系は絶え、後者は自身が目立たないことをいいことに、ダーレーアラビアン系のエクリプスの末裔の発展に隠れ、いつの間にかフランスに根付いた系統からトウルビヨンが登場して、ヘロドの名誉を回復したのでした。
その別の方また違うところにも、太陽系の惑星的存在のザテトラークが登場し、子孫は日本競馬の黎明期を支えましたが、あっという間に衰退。

トウルビヨンから分岐のジェベルから、クラリオンとマイバブーが登場し、何故か日本で最後は定着するという流れを作りました。

ダイタクヤマト

クラリオン系の末端にいるのが、2000年のスプリンターズS覇者であるこの馬。
フランスで細く長く生き残ったこのラインは、ハンプトン系のファイントップと似た感じで、こちらはよりスピード系統として発展。
ただ、安定しない遺伝力が、物量作戦の主流に阻害され、子孫の繁栄はここで途絶えました。

メジロマックイーン

七冠馬シンボリルドルフも同系、マイバブー系の2大巨頭は、より長く名馬の血を繋げたメジロマックイーンがシンボリルドルフの初年度産駒であるトウカイテイオーを春の天皇賞で負かし、一応の終結を迎えます。
サンデーサイレンス系でファイントップの血を引くステイゴールドが、メジロマックイーン産駒の牝馬を活用し、三冠馬と唯一無二の宝塚記念連覇の2頭を生み出したことで、その存在を忘れることはなくなりましたが、多くのトウルビヨン系同様、主流に取り込まれて終わっていった形でもあります。

ゴドルフィンアラビアン・マンノウォー・インテントの解説

ひとこと説明

ダート向きが基本で、芝向きは短距離専門しか生き残れなかった

三大始祖では最年少も、孫であるマッチェムが3種の中から最初に大種牡馬となり、いち早く退散。
当然、この系統も元は大英帝国で繁栄した血筋なのに、何の因果か、ロシア革命が起きた年に誕生のUSA産馬・マンノウォーが、今にしては怪しい2着馬に100馬身つけたという伝説を残したことで、150年以上ぶりに復活。
産駒から米三冠馬のウォーアドミラルが登場すると、名血は次で二手に分かれ…。
しかし、ウォーレリック系が生き残り、どの方向に進もうとも芝向きが早めに消え、ダート路線向きのインテントのみは発展。

インテントからインテンショナリー、次がインリアリティと繋がり、ようやく血統表の中に登場する50年ほどの期間で、もう横には広がらないことが確定していくような先細りの淘汰が極まったところで、ノウンファクトが英2000ギニー、リローンチが米GⅠでそこそこ活躍すると、それぞれが当地で種牡馬として活躍し、ノウンファクトは祖先に錦を飾り、北米発展のリローンチは静かにインテント系の血を拡散していきました。

カルストンライトオ

不良馬場となった2004年のスプリンターズSを逃げ切った、ノウンファクトの孫でウォーニング産駒の活躍馬。
一つ下のサニングデールも同父で、こちらは同年春に高松宮記念を制し、共にトップスター・デュランダルを完封しました。
何となく、ここらへんで上がり…、という雰囲気があって、ウォーニングも日本に来る前に残した直系はまだ残っていますが、芝では限界がありそうです。

ティズナウ

リローンチの直仔世代のオナーアンドグローリーは、牝馬を2代経て曾孫世代にダノンキングリーがいて、その兄が先述のマッチョウノ産駒のダノンレジェンドだから、燻ぶり始めた雰囲気は出ています。
ただ、20年間にブリーダーズCクラシック連覇のこの馬の底力は、マンノウォー時代のそれに戻りかけている面があり、その仔も活躍。
やや勢いは鈍っていますが、ダノン兄弟と同じポジションにティズナウを置く名馬が一頭。
それがコントレイルです。
インテント系のメインを築きつつあるこのラインは、コントレイルの活躍と共に、芝での復興の時を待ちわびています。